松本清張ドラマスペシャル「砂の器」

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By翠香

◆◇◆若き刑事vs新進気鋭作曲家◆◇◆

■放送日時
  2011年9月10日(土) テレビ朝日 21時03分~23時06分
  2011年9月11日(日) テレビ朝日 21時03分~23時09分

■番組名
  松本清張ドラマスペシャル「砂の器

■原作
  松本清張砂の器」(新潮文庫刊)

■CAST
 吉村弘(西蒲田署刑事)         玉木宏
 今西栄太郎(捜査一課刑事)      小林薫
 和賀英良(作曲家)            佐々木蔵之介
 山下洋子(毎朝新聞記者)        中谷美紀
 三木謙一(雑貨商・元巡査)       橋爪功
 本浦千代吉                 山本学
 田所佐知子(彫刻家・和賀の婚約者) 加藤あい
 田島(捜査一課警部)           西村雅彦
 黒崎(捜査一課係長)           大杉蓮
 辰井(捜査一課課長)           榎木孝明

                               ほか

■あらすじ

昭和35年、12月12日早朝。東京・蒲田駅構内の操車場で初老男性の他殺体が発見される。顔は潰され判別できないほどであったが、死因は殴殺ではなく扼殺と判明。首を絞められ、死後に顔を潰されたものと推定された。
 捜査本部が聞き込みを始めると、すぐに怪しい男の目撃情報が浮上する。蒲田駅付近のバーで事件前日の夜、男二人連れの客があり、そのうちの一人が被害者の風貌と一致したのだ。また、被害者が東北弁らしき言葉を使っていたことと、『カメダは相変わらずですか』と犯人らしき男が言っていたことの2点が重大な証言となり、「カメダ」を軸に大規模な捜査が始まる。
 捜査本部の一員に加わった西蒲田署の吉村弘刑事は、恋人で新聞記者の山下洋子から、東北なまりと「カメダ」を結ぶと秋田県にある「羽後亀田」という地名にたどり着けると助言される。さっそく秋田に向かった吉村と捜査一課刑事の今西栄太郎は、事件発生から数日の間に不審な男が出没したとの情報を得る。しかし、事件につながる手がかりはなく、吉村の記憶に唯一刻まれたのは、駅で偶然出会った新進気鋭の作曲家、和賀英良の姿と、彼が所属するヌーボー・グループなる前衛的な若い文化人の会の存在であった。

■感想
 玉木宏さん主演でドラマ化されるという話を聞いたときからずっと楽しみにしていた作品。
 本来なら3月に放送される予定だったのですが、直前に東日本大震災が発生したため、放送が延期されていました。
 実に半年の延期・・・長かったですね。2,3ヵ月後には放送されると思っていたのですが・・・。
 テレ朝は土ワイも抱えているし、放送のやりくりがつかなかったのかな。

 さて、この「砂の器」は松本清張の名作だけあって、映像化も何度か行われています。
 記憶に新しいのは、中居正広さん主演の連続ドラマでしょう。
 私もこの連ドラは観ていましたので、つい比較しながら観てしまいました。

 中居くん主演の連ドラは、和賀を中心にストーリーが展開していきます。
 ミステリー用語でいえば、倒叙形式ですね。
 どのように犯行を行い、証拠を隠滅しようとするかは、視聴者にオープンになっていて、
 次第に刑事が肉薄して追い込まれる様子が描かれていました。

 その他の映像化は、ほとんど今西刑事がメインとなっているようですね。
 何度も映像化されている作品なので、他とは目線を変えるという意味合いだったのか、
 今回は、今西刑事ではなく、所轄の吉村刑事がメインとなっていました。
 若い刑事を主人公に据えたので、原作にはない新聞記者の山下洋子を恋人役にし、
 吉村に助言をするという形を取ったようです。

 山下洋子役の中谷美紀さんは、当時のモダンガールぶりがハマっていましたね。
 仁-JIN-のときの花魁の野風さんもよかったけど。
 ただちょっと出しゃばりすぎじゃないかなと思いました。
 今回の作品は、老練の今西刑事ではなく、若い吉村刑事をメインにしたことで、
 捜査能力の至らなさを補う意味合いもあったのだろうけど、
 戸籍のことなどかなり重要なことが洋子の情報でもたらされるというのはちょっと・・・。
 ここは頑張って吉村に発見してもらいたかったですね。

 吉村は和賀と対面して、自分と同類であると感じ、
 曲調が突然変わったことから、何か心境の変化があったのだろうとにらみ、和賀犯人説を唱えるのですが、
 それだけで犯人と決め付けるのはちょっと強引では?
 それに捜査を撹乱させるため、宮田を羽後亀田へ行かせたのも説明不足。
 そもそも和賀とリエ子の接点もはっきりしなかった。リエ子の自殺の原因も・・・。
 和賀に捨てられたことを苦にしての自殺?
 それより、リエ子の存在が邪魔になったため殺したとみるほうが自然か?
 どうもうやむやにされてしまってすっきりしない。

 連ドラでは父子の遍路の旅が印象的だったのですが、
 今回のドラマではあっさりしていたかな。
 また、秀夫が亀嵩を飛び出して和賀英良を名乗るまでの過程を全く描いてなかったのが残念。
 ここが物語のクライマックスで大事だと思うのですが・・・。

 個人的には、西村雅彦さんの田島警部が面白かった。
 映画館のオヤジに偉そうな態度を取ったため、すっかり嫌われてしまい、オヤジはわざわざ吉村に連絡してきた。
 「あの人には言いたくない」には笑った(^▽^)

 玉木さんも佐々木蔵之介さんも目の演技が凄かった。
 取調室でのシーンは鬼気迫るものがありました。

 う~ん、今回はなんだか辛口のコメントになってしまった。
 楽しみにしていた上に、半年待たされたので、期待値が上がり過ぎてしまったかな。
 これからも名作ドラマが生まれることを期待します!

■参考
  テレビ朝日|玉木宏 主演 二夜連続ドラマスペシャル 松本清張 砂の器
  ↑番組HPです。

  ↑原作本です。
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Comments 4

翁  

辛口じゃなく甘口ですよ

いきなりのカキコミで失礼します。

野村監督の映画「砂の器」を1度観ることをお勧めします。
そうしたらいかに甘口コメントなのか理解できるでしょう。

>玉木さんも佐々木蔵之介さんも目の演技が凄かった。
 取調室でのシーンは鬼気迫るものがありました。
は!?もっと本物を観て目を肥やしてください!って感じです。
心情をナレーションや台詞で説明するなんて、演技で説明できないことの証明でしょうに・・・

中居版「砂の器」は最低の駄作でしたが、玉木版「砂の器」も負けず劣らず駄作。
原作を中途半端に織り込んだヌーボーグループ関連の殺人で全体が中途半端になり。
それにも増して和賀が三木を殺める動機が陳腐な保身となってしまい徹底的に中途半端。
これだけ配役を揃えたにも関わらず・・・残念でありません。

ホントに1度、野村監督の映画「砂の器」を観てください。
そうしたらこの落胆が分かってくれると思います。

2011/09/15 (Thu) 17:34 | EDIT | REPLY |   

mokko  

砂の器

何度か映像化されていて、作品名は知っていたんですが
見たことは一度もなかったんですよ(^◇^;)
今回はスペシャルドラマで目線を変えての演出というので
初めて見ました。
ようやく内容がわかったんですけど、面白かったです(o^o^o)

2011/09/15 (Thu) 20:05 | EDIT | REPLY |   

翠香  

翁さんへ

ご意見拝聴しました。
レビューブログをやっていて常々思うことなんですが、
同じ作品を読んだり、観たりしても、人によって評価がまるで違うのですよね。
真逆の評価もよく見かけます。
このドラマも新聞の投書に「良かった」という感想が多く寄せられたそうですよ。
私のレビューは甘いかもしれませんが、手放しで良かったと思っている訳でもありません。
でもこういうのは感性の違いであって、どちらが正しいとかではないと思います。

あと、「目の演技」は取調室で両者がにらみ合っている場面で、ナレーションは入ってなかったと思いますが・・・。
録画していたのですが、もう消してしまったので、確認できませんが。
演技ってセリフだけじゃないと思います。
何も言わなくても、目だけで感情を表現するって凄いなと思います。

2011/09/15 (Thu) 23:38 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

私は以前、中居くん主演の連ドラを観ていたので、ついつい比較して観てしまいました。
中居くんの方は、和賀目線だったので、血のついたシャツの処分にオロオロしていたり、
いつ犯行がバレるか、ドキドキでした。
今回は、若手刑事・吉村目線だったですが、玉木くんの刑事役もなかなかいいな~と思いました。
小林薫さんの、吉村の若さを眩しそうに思いながらも暖かく見守る演技が素敵でした。

2011/09/15 (Thu) 23:53 | EDIT | REPLY |   

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