Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【ふたりのシンデレラ】 鯨統一郎

 22, 2016

◆◇◆シンデレラは二人もいらない◆◇◆

鯨統一郎(シリーズ外)
長編
原書房 2002.9
  光文社文庫 2005.9


■あらすじ

「ふたりのシンデレラ」を上演するため、合宿中の劇団を襲う惨劇。主役を巡り、女優や演出家が対立する中、一人は殺され、一人は失踪、一人は重傷を負い記憶を……。シンデレラが仕掛けた罠とは何か? 事件の証人であり、犯人であり、犠牲者で、探偵役で、ワトソン役で、記録者で、容疑者で、そして共犯者でもある……一人八役の「わたし」が語る驚愕の真相とは!?
(光文社文庫より)

■書籍紹介

◆『シンデレラの罠』からインスパイア

本作は、セバスチャン・ジャプリゾの【シンデレラの罠】からインスパイアされた作品です。
【シンデレラの罠】は古典的名作の一つで、

わたしはこの事件の探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人なのです。

という魅惑的なコピーが有名な作品です。
【シンデレラの罠】については、作品名リンクからレビューを見ていただきたいのですが、
ざっくりとしたあらすじを紹介しますと、
二人の女性が火事に遭い、一人は焼死し、もう一人は大火傷を負った上、記憶喪失になる。
生き残った女性が本当はどちらなのか?という命題に尽きる話です。
しかし見方によって様々な解釈が出来るので、読み終わってもどちらなのか分からずモヤモヤ。

本作でもこのあらすじ部分は踏襲されているのですが、

わたしはこの事件の証人です。同時に犯人です。そして犠牲者でもあります。それどころか探偵役でもあります。加えてワトソン役も務めます。もちろん記録者でもあります。さらに濡れ衣を着せられる容疑者でもあります。最後に共犯者でもあるのです。

──と、本家の一人四役からさらに踏み込んで一人八役に挑戦しています。
ワトソン役を加えたのがなかなか面白いですね。この「わたし」、実はかなりの大ボケをかましています。
あと「共犯者」というのがポイントかな。

 

◆一人八役ありきの設定

ただ一人八役を実現するための設定に多少無理がありますね。
経歴もこのトリックを実現させるために不可欠なものだし、
そうそう似た顔の人間が一か所に集まるなんてありえない。
少人数劇団で似たタイプの役者が多いのってどうよ?

また、舞台が孤島で、次の船が来るのが10日後という、絵に描いたような孤島ものであり、
部屋の見取り図も付いていたので、クローズド・サークルに館もの?なんて贅沢なの!
とワクワクしたのですが、実際にはこれらの舞台設定はあまり関係なく肩透かし(^^;)

 

◆トリックは分かりやすいが、登場人物の心情は分かりにくい

トリックも伏線が随所に散りばめられているので、分かりやすい。
始めのうちから気になっていることがあって、
もしかして・・・まさかねぇ。と思っていたら、そのまさかだった

それにしても芽衣の気持ちがよく分からないですね。
ストーカーまがいのことをするほど敬介にご執心だったとしても、
あの事実を知ったら普通はドン引きしますよねぇ(^^;)
それを知った上でのあの行動は到底理解できない。

あと、作中作の舞台脚本が酷い。
人類を滅亡させるための新人類「シンデレラ」って・・・なんじゃこりゃ。
この作中作も実はトリック解明のヒントになっているのですけどね。
余談ですが、この脚本からある胸キュン作品を思い出しました。(ネタバレになるので作品名はヒミツ)
同じSFネタなのに料理の仕方によってこうも変わるものなのですねぇ。

本作は本家とは違い、ちゃんと真相解明されているので、モヤモヤ感が残らなかったのはよかったかな。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267
◆満足度★★☆

■こんな方におすすめ!

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Tag:鯨統一郎

COMMENT 2

Mon
2016.07.04
22:39

mokko

URL

鯨さん・・・

鯨さんの作品が続いてると思ったら
タイトルを見て、(; ̄ー ̄)...ン?
テーマ読みのヒロインでセバスチャン・ジャプリゾを読んでましたぁ~
あっちも結構混乱したんですよねぇ~
鯨さんの作品は数冊しか読んでないけど
嫌いではない作家さんなんですが、これはちょっと引いてしまいますねぇ~(^◇^;)

Edit | Reply | 
Tue
2016.07.05
00:03

翠香

URL

mokkoさんへ

『シンデレラの罠』は結局分からず仕舞いだったので、
何か解決のヒントにでもなればと思ったのですが、そういうものではなかった(^^;)
小劇団の男女の誰かと誰かが恋人同士って、ちょっと気持ち悪かったです・・・。
鯨作品はちょっと癖がありますよね。
これからは歴史の謎系か、六波羅一輝シリーズにしようかな。

Edit | Reply | 

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