【シーラカンス殺人事件】 内田康夫

◆◇◆悪魔の魚に魅入られて・・・。◆◇◆

岡部和雄シリーズ2
長編
講談社ノベルス 1983.8
  講談社文庫 1986.7
徳間文庫 1995.3

4061837745シーラカンス殺人事件 (講談社文庫)
内田 康夫
講談社 1986-07

by G-Tools

■あらすじ

術探険隊が生きたままのシーラカンスを捕獲したというニュースが、正月早々の中央新聞の第一面を飾った。一条記者を現地へ派遣し、隊に資金援助までしたきたライバル社の大東新聞は面子丸つぶれである。だが事の真相を究明しようにも一条記者は姿を消してしまった。そして隊員が一人また一人と死んでゆく。

(講談社文庫より)

■テーマ
 シーラカンス

■舞台
 神奈川県三浦市
 東京都中央区
      世田谷区
 静岡県富士吉田市

■感想
 「シーラカンス」という言葉が時代を感じさせるこの作品、なるほど、書かれたのは昭和の時代なんですね。物語は全くのフィクションなのですが、シーラカンス学術調査隊が見事シーラカンスの捕獲に成功したのは事実で、その活躍をモデルに書かれたようです。実際には2頭(「匹」ではなく「頭」というところが、この魚の大きさを物語っていますね)釣れたそうです。その当時のフィーバーぶりが分かりますね。
 しかし、講談社文庫のあらすじを見ると、『学術探険隊』となってますね。内田先生曰く、「探険と調査とでは、戦車とバスほども違う」そうですが・・・。

 物語の前半は、岡部警部の登場がなく、『容疑者』一条秀夫の妹・万里子と一条の後輩で、万里子に恋する恵木とのちょっと不器用な恋愛と、一条の無実を信じる上司の木暮─という人間模様が描かれています。これはこれで良かったのですが、やっぱり名探偵が登場しないのは、物足りない。そして、待望の名探偵・岡部警部が登場するや、事件は目まぐるしく進展していきます。ほんのささいなことでも見逃さず、そこから事件の突破口を見つける点、さすがです。特に、現場に落ちていた缶ジュースに印字されていた記号から、トリックを見破ったのはすごい。私も前半部分で引っかかる所が2、3点ほどあったのですが、岡部はちゃんと気付いていて、すべてを解明してくれたので、うれしかったですね。

 トリックはある程度想像がつくので、おのずと犯人を特定できると思います。219ただ、さらに大仕掛けのトリックがあったのには驚きました。また、被害者が断末魔に残したダイイング・メッセージ、これが決定的な証拠となるのですが、新聞記者魂というか、執念を感じますね。

 この事件は、不運が重なったことで起こった悲劇ともいえるのですが、結局、悪魔の魚229に魅入られたのは、暴走したコモロの漁師・アスマニかも??

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267267

◆冷や汗度

404404404

◆満足度

★★★★★

■特におすすめ!

  • 男性の方71
  • 釣りが好きな方
  • 刑事モノが好きな方
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。バナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Category: 岡部和雄
Published on: Wed,  06 2008 23:34
  • Comment: 2
  • Trackback: 0

2 Comments

すくね  

仰るとおりですねー。

うわ~。懐かしい作品ですね。私が読んだのは高校生のころだったから、10年以上前ですよ。(歳がばれるのでこれ以上は・・・)
 でも、今の平成生まれの人には『シーラカンス』なんて言っても分からないような・・・。確かに時代を感じますね(苦笑。

 まあ、ミステリーとしては、私も名探偵の登場が遅くて、『一体誰が探偵役をやるんだろう??』と思って読んでいましたよ。
 そういえば、内田先生の初期作だと『ダイイングメッセージ』が非常に拘っていますよね。本作もそうでしたが・・・。
 しかし、岡部警部は、浅見とは違うシャープさがあっていいですね!久しぶりに岡部作品を書いて欲しいものですが、なかなか先生は書く余裕がないようです(苦笑。
 そうそう、回線断絶中に紹介していただいた『浅見光彦殺人事件』の朗読劇拝見しましたよ~。確かに面白い手法でなるほど、これならあの作品を映像化できるな~と感服しました。ご紹介ありがとうございます!

2008/02/07 (Thu) 22:35 | EDIT | REPLY |   

翠香  

岡部警部ももっと活躍させてほしいですね!

すくねさん、こんばんは。
本作を読む前、いまさらシーラカンスなんて、何それ?って感じかなぁーと思いました(笑) でも、岡部警部の登場が遅いのが不満でしたが、ミステリーとしては、面白かったですね。
岡部警部も少年のように好奇心旺盛なところは浅見と似ていますね。岡部シリーズも続編を書いてほしいですね~♪
朗読劇観ましたか~。映像化は不可能と思っていたのですが、こういう見せ方もあるのですね。『浅見光彦殺人事件』が作品として評価されたことに、ファンとしては、うれしいですねv-291

2008/02/08 (Fri) 00:10 | EDIT | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Post a comment