Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【殺しの双曲線】 西村京太郎

 07, 2016

◆◇◆『そして誰もいなくなった』への挑戦!◆◇◆

西村京太郎シリーズ外
長編
講談社文庫 1979.5
  ジョイ・ノベルス 2004.5
  講談社文庫(新装版) 2012.8

■あらすじ

差出人不祥の、東北の山荘への招待状が、六名の男女に届けられた。しかし、深い雪に囲まれた山荘は、彼らの到着後、交通も連絡手段も途絶した陸の孤島と化す。そして、そこで巻き起こる連続殺人。クリスティの『そして誰もいなくなった』に挑戦した、本格ミステリー。西村京太郎初期作品中、屈指の名作!
(講談社文庫より)

■テーマ

  アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』
  双子トリック

■感想

本作は、1979年に刊行された作品の新装版です。
西村京太郎氏といえば、十津川警部シリーズのトラベルミステリが有名ですが、
本作のような本格ミステリも書かれていたのですね。

何といっても冒頭から双子トリックを使用していますよと宣言する大胆さに舌を巻きます。
いざ本編に入ると、確かに双子が登場し、次々と強盗事件を起こします。
しかし二人が瓜二つで見分けがつかない為、どちらが事件を起こしたのかが分からず、
警察は逮捕できずにいるという事態に。
そればかりかまるで警察をあざ笑うかのように、ことごとく作戦の裏をかき、警察の面子は丸潰れ(^^;)

一方、宮城県K町の雪深い山奥に建てられた「観雪荘」から六人の男女に招待状が届きます。
そして招待客が一人、またひとりと殺され・・・という吹雪の山荘版『そして誰もいなくなった』の展開へ。
この二つの事件が同時進行で進んでいきます。
これは綾辻行人氏の【十角館の殺人】とよく似ていますね。
もちろん十角館の方が後に書かれているのですが、本作を特に意識したわけではないそうで。
二作を読み比べてみるのも面白いと思います。

観雪荘側では、京子というOLの視点で話が進むので、
きっと彼女が最後まで生き残るのだろうなと思っていたのですが・・・おっと、これ以上は言えない。
こちらの事件は犯人は割と分かりやすいです。というより、この人しかいないでしょ。という感じですね。
トリックもうっすらと見えてくるのですが、連続強盗事件との関わりが全く見えてこない。
一見何の関係もないように見える二つの事件がどのように交わっていくのかが最大の読み所です。

この犯行計画を遂行するにあたり、いくつかの偶然が重ならなければ成り立たなかったので、
ご都合主義であることは否めないのですが、
クリスティの『そして誰もいなくなった』に挑戦している数多くのオマージュ作品の中でも、
双子トリックを絡め、さらにひねりの効いた作品に仕上がっている本作は読みごたえがあり、
素晴らしい出来だと思います。
また何でもない部分に犯行動機を暗示している箇所があり、後で読み返してみて、この演出には感心しました。

ただ、犯人は奇妙なマークで招待客たちの共通点を指し示しているのですが、
まあ言われてみればそう見えなくもないけれど、
さすがにこれだけで招待客たちに気付かせるのは無理がありますね。
結局彼らは、何が何だか理由も分からないままに殺されてしまいます。
むしろ当人たちに十分に罪の意識を持たせて、後悔させた後の方が効果的なのでは?
本家の『そして誰もいなくなった』も罪の告発をしているのですし。

ですが、大胆不敵な犯人の行動や、終盤の刑事vs犯人の息詰まるやりとりには引き込まれました。
ラストは痛快でしたね。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267267267
◆満足度★★★★

■こんな方におすすめ!

■関連本

クローズド・サークル作品
◆双子トリック作品
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Tag:西村京太郎 クローズド・サークル

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