【鬼首殺人事件】 内田康夫

◆◇◆小町娘の悲劇◆◇◆

浅見光彦シリーズ60
長編
カッパ・ノベルス 1993.4
光文社文庫 1997.5
  中公文庫 2003.8
55TVドラマ化作品!(2002.9.23放送 主演:沢村一樹)

鬼首殺人事件
鬼首殺人事件内田 康夫

おすすめ平均
starsいかにも内田作品らしい…。
stars壮大なスケールに感動。

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■あらすじ

 「ギンコウノハカ」「オニコウベデアッタ」秋田県雄勝町で行われる小町まつりの最中、老人はこう呟いて絶命した。現場を目撃した浅見光彦は、町役場観光課の高橋と事件に挑むが、その矢先、なぜか「警視庁」から不可思議な圧力がかかった!?さらに第二の殺人!深まる謎に見え隠れする大物政治家と超大企業。著者が少年時代を過ごした町を舞台に描く、壮大な犯罪。
(光文社文庫より)

■テーマ
 小野小町
 武者小路実篤
 戦時中の国家犯罪

■舞台
 秋田県雄勝郡雄勝町
          稲川町
      湯沢市
 神奈川県川崎市

■ヒロイン
 松島珠里(18、9歳・ガソリンスタンド262勤務)

■感想
 今回は浅見ちゃん、早々に登場です(ホッ)
 浅見は、小野小町のゆかりの土地・秋田県雄勝町のイベント『小町まつり』の取材にやってきた。セレモニーも終わりに近づいたその時、一人の老人が小町娘の列に乱入し、そのまま倒れ伏した。どうやら毒を飲まされたらしい。老人は意識を喪う寸前に「ギンコウノハカ」と呟いて・・・。

 タイトルに『鬼首』とあるので、なにやら「たたりじゃ~」39的な話かと思えば、そうではなく、『鬼首(おにこうべ)』とは、宮城県にある地名のことです。宮城県と秋田県の境にあるのが、『鬼首峠』で、今回の舞台の秋田県に繋がる訳なんですが、それほど関連はないようです。
 また、小野小町ゆかりの土地が舞台ということで、和歌や宮中の話かと思いきや、全く関係なし。ついでに武者小路実篤が逗留(とうりゅう)していた宿が登場しますが、これもゆかりの土地ということだけです(^^;)
 本作のテーマは戦時中の国家犯罪という、壮大なものになっています。始めは自分の目の前で起きた殺人事件に首をつっこんでいた浅見でしたが、次第に陽一郎の特命を受けて、事件に当たるようになります。最初は兄に反発していたはずなのに、気が付いたら兄の掌の上で転がされていたという・・・まだまだ陽一郎の方が一枚も二枚の上のようで。修行が足りませぬ、浅見ちゃん(笑)

 この作品で、浅見のために、地元を案内してくれた、観光課の職員・高橋が殺されてしまったのは、ショックでしたね。しかも、飲酒運転による事故死で片付けられてしまうなんて・・・。
 それから、ヒロインの松島珠里は浅見とのからみが少なく、そのまま行方不明になってしまいました。一度、浅見に助けを求めて電話してきたのに、肝心の光彦坊ちゃまは不在で・・・。浅見が携帯電話214を持つのはまだ先なのかなぁ。それにしても、この結末は珠里にとって残酷なものになってしまいましたね。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267

◆冷や汗度

404404404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

  • 社会派志向の方

■追記

 この作品は、沢村光彦でドラマ化されているのですが、松島珠里役は、原沙知絵さんだったのですね。
 覚えていないところを見ると、観てないのかも・・・。ビデオに残っているかなぁ。
 ところで、原沙知絵さんは、中村光彦の『日光殺人事件』でもヒロイン役だったんですよね。(これは観た)
 局が違うので、ダブっていても不思議ではないのですが、2回もヒロイン役ってすごいなぁ。

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Category: 浅見光彦
Published on: Tue,  19 2008 23:29
  • Comment: 4
  • Trackback: 0

浅見光彦

4 Comments

nemurineko  

おもしろかったです

翠香さん今晩は

鬼首ってミステリー小説のタイトルに多いですよね、実際にある名称だし
いかにもミステリーという名前ですしね、この作品は浅見光彦シリーズの
パターンを逆にしてる感じですね、明確なヒロインがないし樹里ちゃんは最初と
最後しか登場しないし、またいつもの地元の協力者が殺されてしまうとか
少なくとも私が読んだシリーズでのパターンとは真逆だったのが新鮮でよかったです
事件も国家レベルで壮大でしたよね(^^)

2012/05/25 (Fri) 23:03 | EDIT | REPLY |   

翠香  

nemurinekoさんへ

鬼首がタイトルにつくミステリって多いのですか?
全く知りませんでした。
この作品、4年以上前に読んだきりなので、あまりよく覚えていないのです。
すみません。
レビュー、拝見しましたが、「坊ちゃま」を連呼されているのが、
なんだか揶揄されているようで、出来ればやめてほしいなぁ(^^;)

2012/05/26 (Sat) 17:52 | EDIT | REPLY |   

nemurineko  

わかりました

翠香さん今晩は

坊ちゃまというのは揶揄ではなく親愛を込めた愛称として使っていたのだけど
他の人もそう受け取らなかったら困るのでやめにしますね(^^;
あと竹村さんは『死者の木霊』のときの感じが嫌いなだけで信濃殺人事件のときは
好みでしたよ、部下がついたことでいい感じになってますし竹村警部のシリーズ
も結構でてるみたいなので楽しみなんですよ、逆に車いす探偵の千晶ちゃんと河内
警部補の作品が短編集しかないのが残念です。

2012/05/26 (Sat) 22:09 | EDIT | REPLY |   

翠香  

nemurinekoさんへ

すみませんv-436
酷評されているのを見ると、ついファンとして物申す!みたいになってしまって(笑)
あまりキツい言い方にならないように気を付けてはいるのですが・・・。
「坊ちゃま」は私もたまに使ってますしね(この記事でも使ってましたね^^;)
ただ、浅見自身が「坊ちゃま」と呼ばれることを嫌がるので、あまり多用しないであげましょう(笑)

浅見シリーズばかりがたくさん書かれているのは、それこそ大人の事情でして(^^;)
出版社の方で、浅見シリーズをと求められるらしいです。
だから千晶シリーズとかは少ないのですよ。
私は岡部シリーズ、もっと書いてほしいのですけどね~(何気に岡部ファンですw)

2012/05/27 (Sun) 00:09 | EDIT | REPLY |   

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