映画【イニシエーション・ラブ】

author photo

By翠香

制作年 2015年
時間 110分

B0144I3DFWイニシエーション・ラブ Blu-ray
バップ 2015-12-02

by G-Tools

■CAST

  鈴木(たっくん)  :松田翔太
  成岡繭子(マユ) :前田敦子
  石丸美弥子    :木村文乃
                    他

■STAFF

 監督:堤幸彦
 原作:乾くるみ 『イニシエーション・ラブ』(文春文庫刊)

■STORY

バブル真っただ中の、1980年代後半の静岡。友人から合コンに誘われ、乗り気ではなかったが参加することにした大学生の鈴木は、そこで歯科助手として働くマユと出会う。華やかな彼女にふさわしい男になろうと、髪型や服装に気を使って鈴木は自分を磨く。二人で過ごす毎日を送ってきた鈴木だったが、就職して東京本社への転勤が決まってしまう。週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続けるが、同じ職場の美弥子と出会い、心がぐらつくようになる。

■感想

映像化不可能と言われたこの作品、昨年映画化されて話題になっていたので、ずっと気になっていたのですが、
ようやく観ることができました。

 

まずは予告編をどうぞ。↓

そもそもこの予告編で既に騙されてますね。あらすじもミスリードする意図が見え見えです(^^;)

 

 さえない男子がおしゃれな男性へと変貌

映画を観る前は、松田翔太さんがside-Aとside-Bをどう演じ分けるのかな?・・・と思っていたのですが、
・・・いやあそうきたか(^^;)
原作でもside-Aでのたっくんは、ちょっとさえない感じだったけれど、
ここまでイケてないキャラにしてしまうとは・・・!(苦笑)
いくらなんでもこれはちょっと無理あるでしょ!
でもマユの教育によって、たっくんはおしゃれな男性に変わっていくので、
意外とすんなり受け入れてしまう人もいるみたいですね。

 

 時代設定は1980年代後半

作品の時代設定は1980年代後半なので、この時代に青春を謳歌した方(アラフォー以上?)には、
懐かしさにどっぷり浸れると思います。
原作の章題に使われていた曲が劇中にたくさん流れてきますよ。
だけど、「木綿のハンカチーフ」って、歌詞は内容に合致するけれど、ちょっと時代が古いのでは?
・・・と思って調べてみたら、1975年発売でした。70年代じゃないか!

それはさておき、この時代設定にしたのは、ただアラフォー以上の人に懐かしんでもらう為ではなく、
トリックを生かす為にはこの時代でなければ成立しないからなのです。
では以下にネタバレしない範囲で、その理由を考察してみましょう。

 

◆記憶が曖昧になる

さすがに20年も30年も昔の話になると、人の記憶は曖昧になってきます。
だから何となく違和感がありつつも、スルーしてしまう。
中には記憶力がよくて、気付かれる方もいると思いますが、別にそれはそれでよし。
その為に仕込んでおいた伏線ですもの。
あまりにもあからさまだったら、それはもはや伏線とは呼べません(^^;)

 

◆カセットテープがモチーフ

この作品、カセットテープがモチーフとなっていますよね。
若い方はあまりピンとこないかもしれないけれど、
カセットテープはside-Aとside-Bがあって両面に録音が出来ます。
再生はside-Aの終わりまでいくと、side-Bの頭から再生が出来ます。
これがまさしくこの作品のトリックを象徴しているのですよね。
これがCDやMDだと片面だけなので、こうはいきません。

 

◆電話がダイヤル式

ミステリにおいて、時代と共に電話の果たす役割が変わってきています。
昔の作品では、公衆電話を探しに行っている隙に・・・なんていうトリックも見られましたが、
今や携帯電話がありますから、こういうトリックはもう使えません。
バブル時代にも平野ノラの芸にあるようなショルダー式の携帯電話はありましたが、
こんなの持っていた人は極々少数派です。
携帯電話が一般的に普及したのは、90年代に入ってからですので、
問題のあのシーンは90年代では使えないのです。

 

 意外に原作に忠実

内容的には、意外に原作に忠実でした。
原作を読んだのがかなり前なので、細かい部分は忘れていたのですが、
へんてこりんな演劇サークルもそのまま登場してました(^^;)
ただ、伏線部分は原作とは若干違っていましたね。
映像で見ると、「あれ?」と思うシーンがきっとあるはずなんですが、
騙された!って声をよく聞くのですよね~意外と気付かないものなんですねぇ(^^;)

 

週末の東京-静岡の移動、慣れない環境、いけ好かない上司・・・鈴木は心身ともに疲れ切っていた。
そんな折、都会的で大人の女性・美弥子に次第に惹かれはじめる・・・。
鈴木&美弥子


前田敦子さんのぶりっこな演技も堂に入ってましたね~(^^;)
マユ
こんな風に上目づかいに見つめられたら、男性はメロメロになっちゃうのだろうな~。
だからこそ、からくりが分かった時の衝撃が大きいのでしょうね。特に男性は(苦笑)

 

 原作と違うラスト

ラストは原作とは違っていました。・・・というか、原作のラストに付け加えられていました。

原作のラストの後、鈴木は居たたまれない気持ちになり、ある行動を起こします。
そこで信じられない光景を目にすることに・・・。

たっくん

これはなかなか衝撃的なラストですね
たっくんがとても憐れに見えてきます。
最後のマユのセリフに背筋がぞわぞわっとします
しかし、この後、修羅場になることは間違いなく・・・怖い怖い。

原作を読んでいても十分楽しめる内容だと思いますよ。

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

◆満足度★★★☆

■こんな方におすすめ!

  • ミステリ初級者の方
  • アラフォー以上の方

■参考
  【イニシエーション・ラブ】 乾くるみ
  ▲原作レビューはこちら

▲原作本です
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。バナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Comments 0

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Leave a reply

INDEX (13)
このブログについて (4)
内田康夫 (99)
浅見光彦 (91)
岡部和雄 (3)
竹村岩男(信濃のコロンボ) (3)
愛川晶 (1)
相沢沙呼 (2)
酉乃初 (2)
蒼井上鷹 (1)
赤川次郎 (7)
三毛猫ホームズ (4)
三姉妹探偵団 (1)
芦辺拓 (1)
森江春策 (1)
我孫子武丸 (1)
速水三兄弟 (1)
天野頌子 (1)
陰陽屋シリーズ (1)
綾辻行人 (8)
島田潔(館シリーズ) (6)
有栖川有栖 (22)
火村英生(作家アリス) (18)
江神二郎(学生アリス) (3)
泡坂妻夫 (1)
伊坂幸太郎 (5)
石持浅海 (6)
碓氷優佳 (3)
座間味くんシリーズ (1)
乾くるみ (8)
カラット探偵事務所の事件簿 (1)
井上夢人 (2)
今邑彩 (4)
上田早夕里 (2)
パティシエシリーズ (2)
歌野晶午 (5)
信濃譲二(家シリーズ) (2)
大倉崇裕 (3)
福家警部補 (2)
大崎梢 (5)
成風堂シリーズ (3)
井辻智紀の業務日誌シリーズ (1)
太田忠司 (8)
狩野俊介 (2)
甘栗晃 (2)
朔夜一心(月読シリーズ) (1)
予告探偵 (1)
雪永鋼 (1)
大山淳子 (2)
猫弁シリーズ (2)
岡嶋二人 (5)
折原一 (4)
恩田陸 (9)
神原恵弥 (1)
あ行の作家 (8)
加納朋子 (9)
入江駒子 (3)
市村安梨沙(アリスシリーズ) (2)
ささらシリーズ (1)
神永学 (4)
確率捜査官御子柴岳人 (1)
貴志祐介 (3)
榎本径(防犯探偵) (3)
北村薫 (17)
円紫さんと私シリーズ (5)
新妻千秋(覆面作家) (3)
わたしのベッキーシリーズ (2)
時と人 (2)
北森鴻 (9)
工藤哲也(香菜里屋シリーズ) (3)
蓮丈那智 (3)
旗師・冬狐堂 (1)
北山猛邦 (6)
城シリーズ (2)
音野順 (1)
猫柳十一弦 (2)
霧舎巧 (1)
鯨統一郎 (7)
倉知淳 (2)
猫丸先輩 (1)
栗本薫 (7)
伊集院大介 (5)
黒田研二 (4)
ふたり探偵 (1)
近藤史恵 (7)
今泉文吾(歌舞伎シリーズ) (2)
キリコ (1)
ビストロ・パ・マルシリーズ (1)
七瀬久里子 (2)
か行の作家 (7)
坂木司 (5)
ひきこもり探偵 (1)
篠田真由美 (15)
桜井京介(建築探偵) (12)
蒼の物語 (3)
柴田よしき (8)
猫探偵正太郎 (4)
浅間寺竜之介 (2)
摩耶優麗 (1)
島田荘司 (2)
御手洗潔 (2)
朱川湊人 (2)
わくらばシリーズ (1)
さ行の作家 (8)
高木彬光 (3)
神津恭介 (3)
高里椎奈 (5)
深山木秋(薬屋探偵妖綺談) (5)
高田崇史 (7)
桑原崇(QEDシリーズ) (2)
鴨志田甲斐(カンナシリーズ) (2)
勧修寺文麿 (2)
田中啓文 (1)
笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ (1)
田中芳樹 (1)
薬師寺涼子 (1)
柄刀一 (3)
三月宇佐見のお茶の会 (1)
南美希風 (1)
津原泰水 (1)
ルピナス探偵団 (1)
た行の作家 (5)
中山七里 (5)
岬洋介 (4)
七尾与史 (2)
ドS刑事シリーズ (1)
二階堂黎人 (2)
水乃サトル (2)
仁木悦子 (2)
仁木兄妹 (2)
西澤保彦 (14)
匠千暁(タック&タカチシリーズ) (4)
神麻嗣子(チョーモンインシリーズ) (3)
響季姉妹探偵 (1)
ぬいぐるみ警部 (1)
西村京太郎 (2)
名探偵シリーズ (1)
似鳥鶏 (3)
葉山くんシリーズ (3)
貫井徳郎 (3)
法月綸太郎 (5)
な行の作家 (4)
初野晴 (3)
東川篤哉 (5)
謎解きはディナーのあとで (2)
烏賊川市シリーズ (2)
東野圭吾 (43)
加賀恭一郎 (10)
湯川学(探偵ガリレオ) (8)
天下一大五郎 (1)
マスカレードシリーズ (1)
深水黎一郎 (1)
神泉寺瞬一郎(芸術探偵) (1)
は行の作家 (10)
松岡圭祐 (2)
紗崎玲奈(探偵の探偵) (1)
円居挽 (1)
シャーロック・ノートシリーズ (1)
麻耶雄嵩 (1)
貴族探偵 (1)
三上延 (2)
ビブリア古書堂シリーズ (2)
水生大海 (1)
羅針盤シリーズ (1)
道尾秀介 (3)
湊かなえ (2)
宮部みゆき (3)
捜査犬マサ (2)
森川智喜 (3)
三途川理 (3)
森博嗣 (36)
犀川創平(S&Mシリーズ) (10)
瀬在丸紅子(Vシリーズ) (10)
真賀田四季 (4)
海月及介(Gシリーズ) (1)
百年シリーズ (2)
水柿助教授(Mシリーズ) (1)
森谷明子 (3)
ま行の作家 (7)
山口雅也 (2)
垂里冴子 (2)
山田悠介 (1)
柚月裕子 (1)
佐方貞人 (1)
米澤穂信 (13)
折木奉太郎(古典部) (5)
小鳩常悟朗(小市民) (3)
紺屋S&Rシリーズ (1)
や行の作家 (5)
若竹七海 (1)
ら行・わ行の作家 (1)
アンソロジー (6)
共著・合作 (1)
ノベライズ (1)
相棒 (1)
海外ミステリ (48)
ジョン・ディクスン・カー (5)
エラリー・クイーン (4)
アガサ・クリスティ (5)
コナン・ドイル (4)
ミステリー副読本 (6)
日本古典文学関連 (3)
ドラマ (185)
浅見光彦(ドラマ) (29)
信濃のコロンボ (6)
相棒(ドラマ) (33)
名探偵ポワロ (9)
SHERLOCK(シャーロック) (2)
ライアーゲーム (9)
東野圭吾ミステリーズ (11)
加賀恭一郎(ドラマ) (2)
ガリレオ(ドラマ) (12)
神津恭介(ドラマ) (2)
すべてがFになる(ドラマ) (10)
臨床犯罪学者 火村英生の推理(ドラマ) (10)
謎解きはディナーのあとで(ドラマ) (6)
土曜ワイド劇場 (6)
コラボ商品 (3)
推理クイズ (37)
探偵Xからの挑戦状! (23)
超再現!ミステリー (13)
映画 (55)
読書まとめ (27)
テーマ読み (12)
ランキング (18)
ミステリィの小径 (7)
対談・インタビュー (2)
イベント情報 (2)
文庫フェア (10)
フィギュアスケート (101)
試合展望・結果 (70)
書籍・雑誌 (10)
氷上の魔術師(フィギュア百景) (19)
アニメ『ユーリ!!! on ICE』 (2)
その他 (31)