Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

ミステリ小説・ドラマ・映画のレビューと、フィギュアスケートに関する話題について。ド素人なので初心者にも分かりやすく、楽しくを心掛けていきたいです。

Take a look at this
トップ > 太田忠司 > 雪永鋼 > 【レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿】 太田忠司

【レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿】 太田忠司

 05, 2016

◆◇◆オルゴールに込められた想いを繙く◆◇◆

レストアシリーズ1
連作短編集
カッパ・ノベルス 2006.3
  光文社文庫 2013.10


■あらすじ

雪永鋼は、腕のいいオルゴール修復師。限られた仕事のみを受け、傷ついた心を抱えながら愛犬ステラと静かに暮らす日々だ。そんな彼の前に現れた一人の女性。父の形見のオルゴールが奏でる曲が、なぜか昔とは全く違うものになってしまったというのだが……(「夏の名残のバラ」)。オルゴールを巡る謎と人の心の不思議を解き明かしてゆく、切なくも優しい連作ミステリー。
(光文社文庫より)

■書籍紹介

この作品は、以前このブログでテーマ読みという企画をやっておりまして、
音楽とミステリ』の回に、ブロ友のmokkoさんが読んでいた作品。
気になっていたので、文庫化を機に購入したのですが、例によって積読しておりまして(^^;)
ようやく読むことが出来ました。

この物語の主人公・雪永鋼(ゆきなが・はがね)は、レストアと呼ばれるオルゴール修復師。
始めは家族経営の会社に入り、ゆくゆくは社長の座を約束されていたのだが、
ストレスから鬱と不安神経症を発症。
縁あって知り合ったレストアから技術を教え込まれ、師匠亡き後は自身がレストアとして独立し、
愛犬・ステラとともにひっそりと暮らしています。

「鋼」という名前が何とも皮肉ですね。「鋼の心」と聞けば、強靭な精神を想起しますけれど、
この鋼の心は傷つきやすく、壊れやすい硝子の心なのです。
鋼の元には様々な壊れたオルゴールが持ち込まれます。
鋼はただオルゴールを修理するだけでなく、そのオルゴールにまつわる人々の心をも修理してしまうレストア。
自身が心の痛みを抱えているから、人の心の痛みも分かるのでしょう。
オルゴールの修復を機に知り合った睦月という女性が、何かと鋼に干渉してくるのですが、
優し過ぎてナイーブな彼だと心配で、睦月でなくても放っておけなくなっちゃいますよね。
ミステリとしては少々物足りない感はありますが、じんわりと温かい気持ちになる作品です(^^)

 

夏の名残のバラ

◆あらすじ

クライアントの遠江早苗から呼び出された鋼は、早苗の知り合いだという飯村睦月に引き合わされる。
睦月の父の形見であるオルゴールからは、以前聞いたのと違う曲が流れるというのだが・・・。

◆感想

ちょっと不思議なことが起きていますが、種明かしをされるとなーんだという感じですね(^^;)
ですがこのオルゴールにまつわるエピソードは悲しい恋の思い出。
このエピソードにはまだ続きがあり、鋼は飯村家と関わっていくことになります。

♪庭の千草

♪花のワルツ

 

秋の歌

◆あらすじ

ランチで訪れた喫茶店のウエイトレスからオルゴール修理を依頼される。
持ち主は最近、近くのアパートで起きた火事で亡くなった人の娘。
実はこの娘には放火の疑いが掛けられていた・・・。

◆感想

これは何ともやりきれない事件ですね。
鋼は睦月に自分のことを話し始めるように。睦月は鋼の押しかけ助手(!)に。
二人の距離が少しずつ近づいてきましたね(^^)

♪秋の歌

 

冬の不思議の国

◆あらすじ

鋼の師匠・灘本が修復したオルゴールがたった2年で壊れた。
鋼がそのオルゴールを調べてみると、暗号らしき数字と底板の隅に紙が貼りつけられていた。
灘本は鋼に「あること」を託していたのだ。

◆感想

なんとまあ七面倒なことを・・・ま、ストレートに伝えたらミステリにならないのだけど(^^;)
師匠の灘本にも歴史ありですね。ここで鋼のある秘密が・・・!

♪ウインター・ワンダーランド

 

春の日の花と輝く

◆あらすじ

飛び込みで見積もり依頼を受けたオルゴールは、内側に黴が生え、ディスクも錆びついていた。
さらに音を奏でる櫛歯が故意に外されていたのだ。

◆感想

実はここでのメインの話はこのオルゴールのことではなく、
睦月の兄・良己の出生の秘密にまつわることになっています。
次第にわだかまりも解けつつあり、後は鋼と睦月との間の障害かな。

♪春の日の花と輝く

 

わが母の教えたまいし歌

◆あらすじ

鋼はバスに乗り、とある地にやってきた。そこは長年贖罪の思いを表わしてきた場所。
そこで鋼は思いがけない人物に出会う。

◆感想

ここで鋼を長年苦しめてきた「あること」が明らかになります。
この最終話であらゆることが一気に解決するので、ご都合主義なのは否めないのですが・・・。
ラストシーン、キュンキュンしました(*^^*)

♪わが母の教えたまいし歌

 

 * * * * * * * * * * * * *

なお、鋼と睦月のその後については、
『近藤史恵リクエスト!ペットのアンソロジー』に所収の「子犬のワルツ」に書かれているそうです。
また続編も刊行予定だとか。鋼の鬱も治る日がくるのかもしれないですね(^^)

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267
◆満足度★★★★

■こんな方におすすめ!

  • オルゴールが好きな方
  • 日常の謎ものが好きな方
  • やさしい気持ちになりたい方
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。下のバナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Tag:太田忠司 雪永鋼

COMMENT 2

Wed
2016.12.07
21:01

mokko

URL

w(゚o゚)w オオー!

なんとも懐かしい・・・(^◇^;)
続編を読もうと思っていながら
未だに購入できてませんでした。
次こそ買うぞ!と思っていたのに
また忘れてしまった(; ̄ー ̄川 アセアセ

放っておけなくなる魅力的なキャラって
いいですよねぇ~(*´◇`*)

Edit | Reply | 
Wed
2016.12.07
23:59

翠香

URL

mokkoさんへ

ペットのアンソロジーは確か古本でゲットしたはずなので、『子犬のワルツ』は読めそう。
続編は『夜想曲』というタイトルで昨年単行本で刊行されています。
文庫化されるのは、あと3年ぐらい先かな・・・。

『音楽とミステリ』のテーマ読みもよかったですよね。
我ながらこれはいいテーマだったなと思ってます(^^)

Edit | Reply | 

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

WHAT'S NEW?