【怪談の道】 内田康夫

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By翠香

◆◇◆浅見光彦さんご指名!◆◇◆

浅見光彦シリーズ62
長編
角川書店 1994.3
カドカワノベルス 1996.3
  角川文庫 1999.4
  徳間文庫 2005.9

怪談の道 (徳間文庫)
怪談の道 (徳間文庫)内田 康夫

おすすめ平均
stars結末の意外性

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■あらすじ

 動燃の取材で鳥取県を訪れた浅見光彦は、小泉八雲が「地獄」と評した宿で異父姉妹と出会う。姉妹は突然死した妹の父が、実は殺されたのではと疑っていた。テープに残された「カイダンの道」という言葉を手がかりに、浅見は調査を始める・・・・・・!

(徳間文庫より)

■テーマ
 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
 ウラン鉱放射性物質含有廃土問題
 羽衣伝説

■舞台
 鳥取県東伯郡三朝町
          東郷町
          関金町
      倉吉市
 栃木県宇都宮市

■ヒロイン
 大島翼(20歳・大学生)
 脇本優美(30歳・会社員)

■感想
 「法外なギャラの仕事があるんだけど」
 浅見のもとへ例によって『旅と歴史』の藤田編集長が仕事を持ちかけてきた。それは実働一週間で30万円というオイシイ仕事。しかも先方は浅見光彦をご指名だという。スポンサーは動燃(動力炉・核燃料開発事業団)。どうやら以前、【若狭殺人事件】で浅見が美浜原発を取材したレポートを読んだものらしい。ギャラ61は魅力的だが、取材内容にどうにも気が進まない浅見。しかし、取材先の人形峠の近くに小泉八雲ゆかりの土地があると知り、「八雲に会いに行ってみるか──」ようやく重い腰を上げ、一路鳥取へ──。

 今回の浅見の取材は、【若狭殺人事件】でのレポートがキッカケとなっておりますが、内容的には繋がりはないので、【若狭殺人事件】を読んでいなくても特に支障はありません。
 本作を読む前、【怪談の道】というタイトルから、なにやらおどろおどろしい内容を想像していたのですが、全くそんな雰囲気はなく、むしろ社会派な内容でした。
 『怪談の道』とは、小泉八雲が岡山から倉吉、そして出雲の松江を旅した足跡をたどるという意味が込められた言葉です。それにしても、浅見はお化け39が苦手なハズだけど、小泉八雲は読んでいたのですねぇ。しかし作中では、プロローグで怪談とは関係のない『盆おどり』というエッセイが引用されているものの、具体的に八雲の怪談には触れていませんでした。(ちょっと残念)

 小泉八雲と放射性物質廃土問題とがどう結びついていくのか。このあたりは内田先生の得意技ですね。さらに羽衣伝説(天女伝説)やジャンヌダルク、人形峠の言葉の由来などのエピソードもたくさん出てくるので、歴史や伝説が好きな方なら楽しめると思いますよ。
 また、倉吉の白壁土蔵群など、しっとりとした落ち着きのある街並みが文章から伝わってきますね。訪れてみたい場所がまたひとつ増えました(^^)

 今回の犯人は意外性がありました。ミステリーの『お約束』に従えば、もうこの人しかいないと分かるのですが、どうも凶悪な犯人像と合致しないのですよね。
 それから、犯人の身の処し方ですが、最近の著作ではこのパターンが多いような・・・。内田先生は「美学」と称しているのですけど、仮にも警察幹部の弟がこんな解決の仕方でいいのかな?浅見シリーズの初期の作品は、犯人を罠にかけて白日の下に曝すのが多く、スカッと気持ちよかったのだけどなぁ。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

  • 歴史・伝説が好きな方
  • 小泉八雲が好きな方
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Comments 2

すくね  

私もこの作品の犯人はかなり意外でした・・・。まあ最後の身の処し方は内田ミステリーの定番になりつつあるんですかね?
倉吉は私は通過しただけなので、今考えてみると勿体無いことをしたな~という感じです。今度はじっくり行ってみたいです。実際、浅見ミステリーの舞台になった場所に行くと、ここで事件があったんだな~と見てしまうのが習性なんですよね(笑。 
本作で面白いな~と思っているのは、光彦が風呂でヒロイン姉妹の会話を聞いてしまうところですね。結構温泉とかに行って、女風呂の会話が聞こえてくることって少ないのですけど、いざ聞こえてくると、このときに光彦と同じで、なんとなく気恥ずかしいんですよね~。ということでこのシーンは結構苦笑させていただきました。  この作品でもそうですけど、最近の作品ではヒロインが複数になることが多いですねー。まあこれも時代の流れなんでしょうか??

2008/04/20 (Sun) 23:11 | EDIT | REPLY |   

翠香  

男の美学!?

犯人の身の処し方は、内田先生流の『男の美学』らしいです。なんだかルパン三世みたいだなー(笑)
浅見シリーズは、『旅情モノ』と言われるだけあって、お風呂のシーンがしばしば出てきますよね。浅見の慌てっぷりが見られるのもお風呂のシーンが多いような・・・。
【伊香保殺人事件】では、暴力団を叩き潰すと心の中で豪語すると、ヤクザに遭遇するし、【神戸殺人事件】では、シャワー中にヒロインから電話がかかり、慌ててタオルを腰に巻いたり・・・(見えるわけないのに!)
いつも浅見がモテすぎなので、こういう時に男性の読者は溜飲を下げるのでしょうか??v-411

2008/04/23 (Wed) 22:45 | EDIT | REPLY |   

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