【喪われた道】
5月2日に浅見光彦シリーズのドラマ【喪われた道】が放送されました。今までは、おまけ程度に感想を書いていたのですが、今回からドラマのレビューもぼちぼちとしていきます。
主に原作との相違点について記述する形になりますので、ネタバレの箇所がありますことをあらかじめお断りしておきます。
■放送日時
2008年5月2日 フジテレビ 金曜プレステージ 19時57分〜21時49分
■CAST
浅見光彦・・・中村俊介
羽田記子・・・宮地真緒
浅見陽一郎・・・榎木孝明
浅見雪江・・・野際陽子
藤田編集長・・・小倉久寛
尾加倉大永・・・中山仁
ほか
【シーン1】虚無僧姿の老人が殺される。
浅見が『旅と歴史』の取材で青梅を訪れ、現場検証に行き会うところなど、ほぼ原作通り。第一発見者の郷土史家に刑事が追い返された後、浅見がちゃっかり取材と事件の話を聞き出したところも。
ただし、被害者の手に握られていたシャクナゲが、原作では葉っぱだったのに対し、ドラマでは、シャクナゲの花になっていました。後ほどこれが重要な物証となるのですが、やはり映像的には花のほうが分かりやすいのかな?
【シーン2】ドラマシリーズではお約束(笑)
浅見、被疑者として取調べを受けるハメになる。
刑事、浅見の態度に激昂、胸倉をつかみ怒鳴りつける。
そこへ血相を変えて取調室に飛び込んできた警部、あわてて止めに入る。
警部「その方は、浅見刑事局長の弟さんなのだよ」
刑事たち「えっ!」
はい、ドラマではお約束のシーンです(笑)
原作でも似たようなシーンはあったのですが、後半になってからですね。
しかし、身元が割れた途端、浅見が普通に警察の捜査に参加しているのは、ちょっと違和感ありました。
【シーン3】ヒロインは和服美人の琴奏者
原作と大きく違うと感じたのがヒロインについて。
原作のヒロインは大学生で、明るい女の子のイメージだったのですが、ドラマでは、琴を嗜む落ち着いた感じの女性に演じられていました。
和服姿
のヒロインが琴を弾いているところへ浅見が登場するシーンが印象的。
またヒロインの記子は、原作では浅見と初対面の時から屈託なく接していましたが、ドラマでは、初めは「お帰りください!」というすげない反応でした(^^;)
【シーン4】雪江さんの嘆き
事件にのめりこむ光彦の様子を見て、雪江さん曰く
「あ〜どうしてこんな風になっちゃったのかしら。私の育て方が間違っていたのかしら。陽一郎さんのときはあんなに上手くいったのに・・・。」
雪江さんの頭の中には
陽一郎⇒傑作
光彦 ⇒失敗作
という図式が出来上がっているみたいですね(笑)
【シーン5】ドジな藤田編集長
浅見と電話で話しながら、出前のざるそばを食べようとする藤田編集長。何を思ったのか、つけ汁をそばの上にぶっかけてしまい・・・。
原作の藤田編集長は、やたらと調子がよく、ドジなキャラではないのだけどなぁ。
まぁ、地上げ屋風の見た目(原作イメージ)からして小倉久寛さんとはキャラが違いますよね(笑)
【シーン6】浅見、タジタジ(笑)
浅見が捜査のため、伊豆・修善寺を訪れると偶然記子と出会う。
旅館の部屋で、『捜査会議』をする浅見と記子。
そこへ仲居が現れ、「キャンセルが出ましたので、もう一部屋お取りできました。」
記子、いたずらっぽく「ざーんねん。私は浅見さんと一緒にこの部屋でよかったのだけど。」
あせりまくる浅見、「えっ!いや、その・・・あっ!これ、おいしそうですね!」
必死に誤魔化そうとして、料理に出されていた茶碗蒸しをほおばり、「あちっあちっ・・・」
シチュエーションが違うものの、女性にアドバンテージを取られっぱなしなのは共通しているようです(笑)
【シーン7】刑事局長室にて
浅見、防衛庁戦史資料室を訪れ、昭和20年に金の産出量が大幅に減っていることを知る。
そこで、警察庁刑事局長室にて兄・陽一郎に会い、事の顛末を相談する。
ドラマでは、よく見かけるシーンなのですが、
原作で光彦が刑事局長室を訪れることは本作以外でもあまりないですね。
光彦が事件について兄に相談するのは、原作ではたいてい陽一郎の書斎です。
【シーン8】盟約
被害者・羽田の遺品の中から、『盟約』と書かれた文書が見つかる。
文面も原作通りだったのですが、問題は署名。
西戸周平となっていましたね。原作では、古賀正八でした。
西戸という人は、伊豆大島近海地震のどさくさに殺されてしまった人で、原作通りの設定なのですが、古賀という人の存在は、ドラマではカットされたようです。
それだと盟約の署名の人物がいなくなってしまうので、西戸周平に変えたのでしょう。
【シーン9】浅見、シャクナゲの花を見つける
虚無僧が尾加倉邸の中に入っていったという目撃談を聞き、浅見は尾加倉家を訪問、虚無僧について尋ねる。
しらを切る尾加倉と使用人の吉原。
尾加倉家を辞去した浅見、庭先でシャクナゲの花を見つける。
この花が被害者が握りしめていたものと一致、警察は家宅捜索に踏み切る。
前後関係がバラバラになっています。原作では、家宅捜索でシャクナゲの花を見つけるのですが・・・。
【シーン10】浅見、犯人に迫る!
浅見、再び尾加倉家を訪ね、尾加倉と吉原を糾弾する。
原作にはないシーン。原作には犯人との対決はなく、井野という人の告白により、真相が明らかになり、決着がついています。
やはりドラマ的には名探偵が犯人を追い詰める形のほうが見映えがするということなのでしょうか。
【ラストシーン】滝落之曲
虚無僧研究会のメンバーが旭滝の前で『滝落之曲』を演奏する。
その後ろでそっと聞き入る浅見と記子。
ラストシーンは、おおよそ原作通り。尺八のしみじみとした音色と虚無僧と滝─日本らしい侘び寂びを感じられる風景がいいですね。
浅見と記子も今後の展開に期待がもたれるような感じでしたね。
■その他気になった点
浅見の車は横浜ナンバー
私は、車には疎いので、車種までは判別できなかったのですが、横浜ナンバーでした。北区西ヶ原在住の浅見が横浜ナンバーの車に乗っているはずはないのだけど・・・。
撮影は夏に行われた?
ドラマの登場人物は皆、半そでを着ていましたし、蝉も鳴いていたので、撮影は去年の夏に行われたようですね。それにしては放送まで随分間が開きましたねぇ。
私は原作を読んだのがちょうど去年の夏だったので、早めに放送してくれれば、もう少し鮮明に覚えていたのに・・・。
■参考
●こちらフジテレビ 浅見光彦シリーズ31 喪われた道
番組HP。ドラマのあらすじや出演者のコメントなど。
●真秀ろばから独り言 『喪われた道』レビュー〜伊豆に消えた虚無僧の謎〜
いつも詳細で見やすいレビューを書かれている、すくねさん。今回、原作の内容をすっかり忘れていたので、参考になりました〜。
●ミステリー処【love knot】 【喪われた道】 内田康夫
原作のレビューはこちらです。
- Tag List
- [浅見光彦]






詳しいですね!
でも、私も同じようなシチュエーションになったらかなりあせりますけどね(笑。
しかし、翠香さんのレビューを拝見すると、大分ヒロインのイメージが原作と違いますね!私も同じく元気な女の子というイメージを持っていましたが、琴を嗜む和服美女ですか!!?ふ〜む、確かに大胆なアレンジですね〜。
まあ、ドラマ受けするという点では、確かに和服なのかな・・・。とはいえ、本作のヒロインは内田作品では珍しい元気な女性でしたので、そちらのイメージを見たかった気もします。
そうそう、先代の榎木光彦のときには、わりと陽一郎役の西岡さんがロケ地に来ておりましたけど、榎木さんが陽一郎役になって、要職にある人物が全国各地に出没するのはおかしいという榎木さんの考えで、局長室に光彦が訪問するシチュエーションが増えたようです。だから、この前久しぶりに榎木さんが天河に行ったのはちょっと嬉しかったです。
しかし、本作でも結局光彦はヒロインにアドバンテージを取られていましたか?まあ、私もよく女性に手玉に取られるので(苦笑、負けないよう頑張ります〜。
このレビューは分かりやすくて非常にいいと思いますよ。前半を見ていなかった私でも、そのシーンが目に浮かぶような感じでした!