ミステリー処 【love knot】

ミステリー小説の書評のページです。 出版社・出版年月・あらすじ・テーマ・作品の舞台・感想・評価等、作品を詳細に分析。 浅見光彦シリーズを中心に、他の名探偵の活躍もご紹介♪
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【沃野の伝説】 内田康夫

►2008/05/14 

◆◇◆米の山に巣くう虫◆◇◆

◆
浅見光彦シリーズ65
◆
長編
◆
朝日新聞社 1994.12(上下とも)
カッパ・ノベルス 1997.3(上下とも)
角川文庫 1999.10(上下とも)
  光文社文庫 2005.10

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沃野の伝説〈下〉 (角川文庫)
沃野の伝説〈下〉 (角川文庫)内田 康夫

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stars浅見さんらしいかも

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■あらすじ

 米穀卸商の坂本義人が水死体で発見された。彼が死の直前に電話をしていた相手は、浅見光彦の母・雪江だった。嫌疑をかけられかねない状況の中、今度は浅見家が購入した高級米の袋から、大量の穀象虫が…。浅見は母に命じられ、調査に乗り出す。一方、長野県では巨額の米横流し事件が発覚、坂本事件との関連を重視した県警は“信濃のコロンボ”竹村警部に捜査を要請する。だが、二つの事件の容疑者・阿部隆三も失踪を遂げ、真相は混迷を極めていく──。
  二人の名探偵が、米市場を巡る巨大な闇に挑む! 著者渾身の長編社会派推理。
(角川文庫上巻より)

■テーマ
 米問題371

■舞台
 新潟県南魚沼郡塩沢町
           六日町
 山形県酒田市
 長野県上田市
      塩尻市
 埼玉県志木市
 栃木県那須郡那須町

■ヒロイン
 阿部悦子(27歳・会社員)

■感想
 今回のテーマは米問題。米が大凶作となり、米の自由化問題が取り沙汰されて──。読んでいて、そういえばそんなこともあったなぁと思い出しました。その年の夏は半そででは涼しいぐらいの気候で、秋には米不足が深刻化し、ついに我が家の食卓にも外国米が・・・。平成五年の話なので、もう15年も前のことなのですね。この作品はそんな時代背景の中、書かれたもので、「週間朝日」の連載小説だったそうです。

 そもそも浅見が米問題にかかわるようになったのは、雪江さんが「米穀通帳はどこに行ったのかしら?」という疑問を持ったのがきっかけ。なんと雪江さん、自ら調査を始め、近所の米穀店にまで話を聞きに行っています。やっぱり雪江さんと光彦って似たもの親子ですよね(笑)
 ところが雪江さんが電話で話をした、食糧卸協同組合の坂本という人物が、直後に行方不明になり、死体で発見されるという事件が起こります。刑事局長の身内が刑事の聞き込みにあっては大変と思い、光彦に「事件をお調べなさい」と命じます。それも3万円のお駄賃付きで(!) いつもは「探偵ゴッコなどおやめなさい!」と言われている浅見としては、こんなオイシイ話はないわけで(笑)
 そこへ追い討ちをかけるように、浅見家で購入した米の中にコクゾウムシが出てきたという、ハプニング〜!218(エド・はるみか!) この件は背中がかゆくなってしまいました。404冷や汗度が高いのはコクゾウムシのせいです(笑)
 そんなこんなで、浅見の捜査が本格始動します。

 さて、今回注目すべきはなんといっても、信濃のコロンボこと竹村警部との再競演です!初競演の【軽井沢殺人事件】では、2人のからみが少なかったのですが、今回は共に協力して事件を捜査するという、内田先生のファンにはたまらない内容に仕上がっています。途中、竹村サイドで話が進行している部分があり、その面白さに引き込まれてしまい、「あれ?これ浅見シリーズだったっけ?」と思ってしまったほど(笑) 信濃のコロンボシリーズは浅見シリーズとはまた違った面白さがあるのですよね(^^)

 浅見と竹村が事件の鍵を握る人物を追っていくと、その人物が次々と殺されてしまい、なかなか事件の全体像を掴むことができません。結局最大のキーマンを喪った時点で事件は収束してしまい、2人の名探偵を擁しても巨大組織の犯罪を暴くことができなかったのは残念ですね。390

 ところで、ヒロインの阿部悦子は、父親に年齢を訊かれたとき、「27よ」と答えているのですが、ホテルの宿泊者名簿には「25歳」と記載されていました。2つサバを読んだのかな?(おそらく内田先生の勘違いでしょうねーw)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267

◆冷や汗度

404404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • 信濃のコロンボシリーズを読んだことがある方
  • 社会派志向の方
  • 25歳以上の方

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テーマ : ミステリ - ジャンル : 小説・文学

タグ : 浅見光彦

2008/05/14 | 浅見光彦 | Comment(2) | Trackback(0) | Top ▲

コメント

確かに・・・

今のご時勢で「米問題」と言っても、若い人(特に平成生まれ)の人には、「何のこと?」という感じでしょうね〜。翠香さんが書かれているとおり、25歳以上の方にお勧めというのも納得です(苦笑。ふ〜む、やはり私も歳をとったな・・・と感じてしまうのは本音です。

 本作の最大の注目は、武村警部との競演ですねー。この後、しばらく競演がなくて、久しぶりに実現したのは、『長野殺人事件』まで待つことになりますし・・・。
 でも、翠香さんの仰るとおり、本作のラストはやりきれなさが残るのはあります。せっかく2大名探偵が競演したのだし、もうすこしいいラストにして欲しかったな〜とは個人的には思います。

 しかし、ヒロインの年齢サバ読み疑惑があったとは!そこまで注意して読んでいなかったな〜(笑。翠香さんは緻密に本を読んでいらっしゃるのですね!感服いたしました〜。

No:117 2008/05/18 22:37 | すくね #-URL[ 編集 ]

すくねさん、お忙しい中コメントありがとうございます!

米不足があったのが15年前だったので、当時10歳以上でないと記憶していないかな?と思いまして、おすすめを25歳以上としました。それより若い方だともはや歴史上の出来事ですよ(苦笑)

竹村警部との競演は嬉しかったのですが、やはりラストは浅見−竹村の連係プレイでビシッと決めてほしかったですね〜

・・・そんな緻密に読んでないですよぉ。たまたまです。でも何故か誤植(それとも作家さんのミス?)にはよく気付くのですよね(笑) この作品でも、「京北食糧〜」の「京北」が一箇所「北京」になってました。(私の読んだ本だけかもしれませんが) これでは中国ですよねぇv-390

No:118 2008/05/18 23:53 | 翠香 #-URL[ 編集 ]

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