FC2ブログ
毛髪再生

【蜃気楼】 内田康夫

Category浅見光彦
 3  0

◆◇◆泡沫と消えた夢◆◇◆

浅見光彦シリーズ71
長編
講談社 1996.6
講談社ノベルス 1998.6
  講談社文庫 1999.7
  新潮文庫 2005.6
55TVドラマ化作品!(1998.10.26放送 主演:辰巳琢郎)

4101267251蜃気楼 (新潮文庫)
内田 康夫
新潮社 2005-05

by G-Tools

■あらすじ

富山と東京を往復する薬売りの老人が、舞鶴で遺体となって発見される。取材で富山の魚津に滞在中の浅見光彦は、殺される直前の老人と会った後に行方をくらませた謎の女性を追う。東京のファッション業界の関係者であった彼女も、また命を奪われ、さらに第三の犠牲者が──。蜃気楼の街・魚津から旅立ち、都会で失速した夢のかけらが、光彦の胸を刺す。果てしなき哀感漂う長編ミステリー。
(新潮文庫より)

■テーマ
 売薬さん(配置薬販売業)
 ファッション業界

■舞台
 京都府加佐郡大江町
      宮津市 
      舞鶴市
      福知山市
 富山県魚津市
      富山市

■ヒロイン
 梶川優子(23歳?・埋没林博物館勤務)

■感想
 浅見は、『旅と歴史』の藤田編集長から富山の置き薬のルポを依頼された。薬に対する予備知識がない浅見は、兄・陽一郎の紹介でT薬科大学長に会い、さらに漢方薬に詳しい教授に話を聞いた。そして、薬種問屋と売薬さんを取材するため、富山へ──。

 今回のテーマの一つが『売薬さん』。『越中富山の薬売り』でおなじみの薬屋さんです。我が家にも昔、売薬さんが来ていたのですが、残念ながら(?)富山ではなく奈良県の薬屋さんでした。しかし、須美ちゃん、ヘンテコな歌を歌ってましたね~(^^;) それにしても、懸場帳(顧客データベースのようなもの)に高額な価値があるとは驚きでした。405

 もう一つのテーマが『ファッション業界』324。売薬さんとファッション業界という全く接点のないところで事件は起きているのですが、これがどう結びついていくのかが本作の見所だと思います。

 今回のヒロインは、被害者となった売薬さんの孫娘・梶川優子。ですが、プロローグでは高宮明美という女性が登場していたので、てっきり高宮明美がヒロインかと思いました。小式部内侍の「大江山~」の歌のエピソードも書かれていて、この和歌がテーマにからんでくることを期待したのですが・・・この歌、私も好きなので。残念ながら、「大江山~」がテーマにからむこともなく、高宮明美も重要な目撃者の役割止まりでした。また、この2人の女性はともに博物館に勤務しているので、初めちょっと混乱してしまいました(^^;)
 梶川優子は、見かけはお嬢さんタイプだけど、通勤にはバイクを利用するというちょっとギャップのある女性のようです。次第に浅見に惹かれていくのですが、朴念仁の浅見は気付くのが遅いのですよね・・・。219

 そして、今回の裏ヒロインは、やっぱり和泉冴子(本名・多田真弓)。第2の被害者となってしまうのですが、彼女の行動が全ての悲劇を引き起こしたとも言えますね。とはいえ彼女自身は、自分の幸せよりも、みんなの幸せを願うような、優しくて奥ゆかしい女性なのですが・・・。しかし、別れた男(しかも捨てられた形で別れた)にそこまで尽くすことが出来ますかねぇ。ちゃんと結婚を約束された男性もいたというのに・・・理解に苦しみます。390

 今回、浅見の書いたルポが載っている『旅と歴史』が事件解決のキーアイテムになります。
 しかし、浅見が「ひどく侘しいつまらない仕事」と自分の仕事を卑下しているのが気になりました。もっと自分と自分の仕事に誇りを持ってほしいですね。220

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • 歴史や伝説が好きな方
  • ファッション・デザインに興味がある方
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
下のバナーをクリックしていただけるとさらにやる気UPしますので、
応援よろしくお願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

浅見光彦

3 Comments

すくね  

裏ヒロインの行動は確かに・・・

今回も裏ヒロイン認定ですか!確かにヒロインの存在感を上回るのはありますねー。しかし、私のブログのほうにも翠香さんが書いていらっしゃいましたが、確かに和泉冴子の行動は、男から見ても分かりません・・・。女性って別れた男性には、ドライなものじゃないかな~と思っているのですが、こういう女性が本当にいたら、女神並みですね(苦笑。
相変わらず本作のヒロインは、光彦に好意を感じておりますし、物足りないところを感じておるのがお約束ですね(笑。まあ、これだけシリーズが続いてしまいますと、光彦と特定のヒロインの仲が進展するとすれば、浅見シリーズ最終回を待つしかないような気はします。
アサミストとしては、気長に待つしかないのかな~と思う今日この頃です。

2008/08/12 (Tue) 00:03 | REPLY |   

翠香  

女神というか自己犠牲!?

ん~、別れた男性にドライかどうかは、別れ方や思い入れの度合い、個人の性格によっても違うとは思うのですが、和泉冴子の場合は、記事にも書いたとおり、理解できませんね。

>アサミストとしては、気長に待つしかないのかな~
特定のヒロインと結ばれることですか?それとも浅見シリーズ最終回??
これだけシリーズが続いて、ヒロイン(恋人候補)がたくさんいる状況だと一人に決められないですよねぇ。私は須美子と結ばれるのが無難なのかな~と思っていますが。須美ちゃん、光彦坊ちゃまが他の女性と結婚したら、「お暇を取らせていただきます」とか言って、故郷に帰ってしまいそうだし(^^;)

2008/08/12 (Tue) 23:01 | REPLY |   

すくね  

浅見シリーズの最終回・・・

現実的に考えて、出版社が浅見シリーズの最終回は書かせないような気はしますね。内田先生自身が、出版社の意向で浅見シリーズ以外を書けないと嘆いていらっしゃるようだし(苦笑。

もし、光彦が結婚するとしても、やはり須見ちゃんになるんじゃないかな~?とは私も思います。他の女性と結婚したら、翠香さんが書かれているとおり、「お暇」をとって実家に帰ってしまいそうですよね・・・。

和泉冴子の行動は、仰るとおり自己犠牲が強すぎて、再読した先日には違和感を感じたのを覚えています。初めて読んだ頃は、「無償の愛」とかに憧れを持っていた頃だったので、結構感動したのですが、今とは感じ方が違っているな~と思いました。
犠牲を求める恋人関係ってやはり間違っているな~と感じてしまいます。

まあ、シリーズの最終回は見たいような見たくないような複雑な心境です(笑。

2008/08/13 (Wed) 22:23 | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Post a comment