Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【姫島殺人事件】 内田康夫

 11, 2008

◆◇◆親の愛は海より深し◆◇◆

浅見光彦シリーズ72
長編
カッパ・ノベルス 1996.8
光文社文庫 1999.5
  新潮文庫 2003.8
55TVドラマ化作品!(2008.4.7放送 主演:沢村一樹)

4101267235姫島殺人事件 (新潮文庫)
内田 康夫
新潮社 2003-07

by G-Tools

■あらすじ

 大分県国東半島の先に浮かぶ姫島。謎と伝説に彩られたこの小島で、島の長の息子が惨殺された。取材で滞在していた浅見光彦は、島民の間に漂う微妙な空気に気づく。さしたる産業がない島で、密かに画策されている恐るべき企み。海岸に流れ着いた死体。錯綜する人間関係の裏で、殺意の糸を操る者は誰か。事件の背景を追って九州本土の山奥に車を走らせた光彦が直面する戦慄の真実──。
(新潮文庫より)

■テーマ
 米軍基地移転問題
 競艇
 親子愛

■舞台
 大分県東国東郡姫島村
      国東市国見町
      玖珠郡玖珠町
      中津市
      宇佐市
 山口県下松市
      徳山市
      柳井市
 大阪府大阪市西淀川区
 東京都中野市

■ヒロイン
 中瀬古朝子(21,2歳・大学生)

■感想
 浅見は取材の為、大分県国東半島の沖合にある姫島を訪れた。ホテルの夕食前にふらりと立ち寄った土産物屋で話が弾み、土産物屋の娘・朝子に車で姫島の名所を案内してもらった。案内の途中で、朝子に一方的に想いを寄せている、本庄屋の息子・優貴雄と出会う。夕食後、優貴雄は浅見の宿泊するホテルを訪れ、「朝子に手を出すな」と脅しをかけた。その優貴雄が後日、死体となって発見された。朝子を巡って優貴雄と揉めていたのが、浅見光彦であると分かり、警察は浅見に疑いの目を向けるのだが──。

 今回の舞台は姫島。実は私、この作品を読むまで姫島の存在を知らなかったのですが、小さな島ながら、全国一の車エビの産地だそうです。

 本作では、二つの殺人事件が柱となっておりますが、先述した優貴雄殺人事件に関しては、怪しいと思われる人物が2人いました。しかし、2人とも完璧なアリバイがあったのです。これは何かトリックがあるに違いないと思って読んでいましたが、まさかの意外な真相にびっくり405。これはさしもの名探偵・浅見光彦もお手上げでしたね。西村京太郎氏の作品を彷彿とさせるようなトラベルミステリーの要素がありました。内田先生はなんとこのトリック、書いている途中で思いついたそうです。なかなか秀逸なトリックだけに驚きですね。

 もうひとつの殺人事件では、浅見は飛躍した推理力を発揮、名探偵の面目躍如となりました。しかし、いつもながら犯人の身の処し方には疑問の残るところです。
 今回、浅見は犯人に対し、「選択を委ねることは冷酷だとは思わない」と言っているのですが、そうはいってももはや選択の余地はないわけで、死ねといっているのと同じではないかと思いました。

 そして、この作品に一貫しているテーマが『親子愛』。作中にはさまざまな親子の愛の形がありますが、子を想う親の気持ちというのは、何物にも代えがたいものなのですね。それが時に悲劇を生んでしまうことも・・・。特に父親を喪ったことで天涯孤独の身となってしまった浦本可奈の姿が健気でした。409

 今回のヒロインは、先述した土産物屋の娘・中瀬古朝子。(なんだか早口言葉みたいな名前ですね^^;)
 ふらっとやってきた浅見のことを両親はすっかり気に入ってしまい、わざわざ東京まで出向いて「娘をもらってください」と頼むほどの気の入れよう(笑) しかし、朝子に「両親の言ったことはなかったことにしてください」などと言われてしまい、浅見としては喜んでいいのか、悲しんでいいのか微妙ですね~。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • トラベルミステリーが好きな方
  • 家族のあり方について考えたい方
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Tag:浅見光彦

COMMENT 2

Fri
2008.09.19
00:30

すくね

URL

トリックは珍しいですよね。

私も恥ずかしながら、本作を読むまで姫島の存在を知らなかった口なので、汗顔の至りです・・・。最近、浅見シリーズは「島」が舞台になっているものが多いな~と思うのですが、本作はそうは言っても、光彦もいろいろと行動していましたから閉鎖空間が舞台という印象はないですね。
そうそう、翠香さんも仰っているトリックはなかなか秀逸だと思います。内田作品でこの手のトラベルミステリーのようなトリックが使われるのって本当珍しいですよね。しかし、犯人が全くの別人というのは、いい意味で意表をつかれましたが、動機としては納得できるものがあったし、「親子愛」のひとつの形なのかなと思っています。
そういえば、ヒロインの出生の秘密もちょっと切ないですよね。原作では、光彦は知らなかったわけですが、ご紹介いただいているTBSのドラマ版では、光彦も知るところとなっていたのはいいアレンジだとは思いました。ただ、そこは人によって評価が分かれているようです。しかし、結局ヒロインの朝子は、光彦に好意を持っていたのか?は私には判断できなかったな・・・。仰るとおり、ああ言われてしまっては、光彦も喜んでいいやら、悲しむべきかですよね(笑。男からすると、女性には素直に気持ちを言ってほしいところですが、そうしないのが女心の奥ゆかしさでしょうか(苦笑。

Edit | Reply | 
Tue
2008.09.23
23:55

翠香

URL

NoTitle

すくねさん、コメントありがとうございます。
本作は、島が舞台となっていますが、いわゆるミステリー定番の「孤島もの」ではないですね。それでも島ならではのトリックが使われていたのは、なかなかよかったと思っています。

Edit | Reply | 

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