【容疑者Xの献身】 東野圭吾

◆◇◆友情の挟間で苦悩する湯川◆◇◆

湯川学探偵ガリレオ)シリーズ3
短編集
文芸春秋 2005.8
  文春文庫 2008.8
20第134回直木賞受賞作
338映画化作品 (2008.10.4公開 主演:福山雅治)


■あらすじ

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
(文春文庫より)

■テーマ

 愛
 友情

■感想

 待ってました!文庫化。
今秋に映画化される話を前々から聞いていたので、夏あたりに文庫化されるだろうと踏んでました。
見事読みは当たり、8月某日、早速ゲットしたのですが──。
あれ?気が付けばもう今週末に映画が公開!・・・相変わらず鈍くさい私です(^^;)
前置きはこれくらいにして、内容に移りましょう。

 本作は、ガリレオシリーズ第3弾となりますが、
今回は初の長編で、前2作とは趣が異なっています。
また、オカルト現象を科学的に解明するというスタンスは鳴りを潜め、
人間の心理─愛情、嫉妬、憎悪、友情などに焦点が当てられています。
どちらかというと加賀シリーズに近い雰囲気でしたね。

 本作は、初めから犯行が露呈しているので、犯人あての要素はありません。
探偵ガリレオこと湯川が、いかにトリックを見破るかという点に注目して読み進めていきましたが、
石神の仕掛けたトリックは完璧でした。
しかしそれは、昔から石神のことをよく知っている湯川だからこそ謎を解くことができたのです。

 実は私、トリックについてはうすうす気付いていました。
それはあまりにもさりげなく書かれていて、うっかりすると見逃してしまう部分だったのですが、
なんとなく違和感があったのです。でも、どうしてそんなことをしたのかが全く分からなかったのですよね。
分かってみると、石神の愛情の深さに愕然としました。
それでも、いくら愛する人の為とはいえ、そこまでするのかと納得できない思いでいましたが、
最後の最後で、「そこまでした」謎が解けました。
犯罪を肯定することはできないけれど、石神の気持ちは理解できました。409

 今回、石神の犯行を確信し、苦悩する湯川の姿が印象的。
友人の犯行を認めたくない、だから間違いであってほしいと願いながら独自に捜査をする湯川。
しかし、調べれば調べるほど石神の犯行に違いないと確信してしまう。
また、もう一人の友人である草薙には刑事であるがゆえ話すわけにいかない。
一度は草薙と袂を分かつ場面もあり、ひやひやしましたが、友情にひびが入らなくてよかったです。

 それにしても、学生時代の湯川って、ロン毛でシャツのはだけた胸元から金色のネックレスがキラリっ353
・・・ダメだ~どうしても「僕、イケメン!」のあの人を思い浮かべてしまう~。
現在の堅物ぶりからは想像つきませぬ(^^;)

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

  ◆トリック度

267267267267267

◆満足度 ★★★★★

■容疑者Xの献身特設サイト

■参考

  東野圭吾作品一覧
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。バナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Category: 湯川学(探偵ガリレオ)
Published on: Tue,  30 2008 22:11
  • Comment: 6
  • Trackback: 2

東野圭吾 湯川学 直木賞 探偵ガリレオ

6 Comments

はな  

こんにちは♪

昨年冬のドラマで、映画化のことを言っておりましたので、やはり私も夏には文庫だーやっほー!と期待していたところでした(^^)
単行本から考えたら、まぁちょうどいいタイミングやったみたいですねっ。

>オカルト現象を科学的に解明するというスタンスは鳴りを潜め
今までの作品とは全く趣向が違っておりましたよね。
私は短編よりも長編が好きなので、湯川先生だからと限定しなくてもめっさ楽しめました。

特設サイトのリンクアップありがとうございます!!
時間がないのが悔しい~><
じっくりパソコンで遊べる時に目を見開いてt拝読したいと思います!!!

2008/10/01 (Wed) 14:05 | EDIT | REPLY |   

さゆみ1194  

NoTitle

いや~これは最高によかったですねーー感想いいだすと長くなるので割愛(笑)
私も湯川の若い頃の描写に驚きました(笑)かなりチャラい感じですよね(笑)そこは映画でも表現されてるのかな?みてみたいもんです♪

2008/10/01 (Wed) 22:18 | EDIT | REPLY |   

翠香  

東野X福山対談は必見です♪

>はなさん
文庫が出て、すぐ買ったというのに、気付いたらもう10月ですよ(>_<) 思えば9月はあまり本を読めなかったなぁ。

私も長編派なので、ガリレオシリーズの中ではこれが一番楽しめました~。

特設サイトは、東野X福山のイケメン対談(東野さんもかっこいいですよねv-238)が必見です!お時間のあるときにじっくりお読みくださいませ♪

2008/10/01 (Wed) 23:55 | EDIT | REPLY |   

翠香  

チャラ男福山はちと微妙・・・。

>さゆみ1194さん
私のブログに時々来ていただいているようで、ありがとうございます~。私もさゆみ1194さんのブログちょこちょこ観にいってますよ(^^)

感想割愛ですか(笑) うん、筆舌に尽くし難いという感じですよね!言葉が安っぽくみえてしまうというか。

う~ん、チャラ男の福山は観てみたいような、みたくないような・・・。どうしても、ラーメン、つけ麺・・・が浮かんでしまい、想像つかない~~

2008/10/02 (Thu) 00:08 | EDIT | REPLY |   

すくね  

納得の作品でした!

こんばんわ!翠香さんのブログで絶賛されていた作品なので、期待して読ませていただきました。しかし、ここまですごい作品だとは思っていなかったので、いい意味で期待を裏切られました・・・。
 犯人の石神のトリックは、私も翠香さんと同じく多分そうなんだろうな・・・と思ったのですが、なぜそんなことをしたのが正直分からなかったです。だからこそ最後の衝撃がすごいですね。
 
 映画版も楽しみなのですが、私映像版を見たことがないので、実は、まだ福山さんの湯川役に違和感があったりします(苦笑。それに石神のイメージは、原作を読んだだけなので、外見上は温水洋一さんだったりします・・・。でも、映画のトレーラー等を見る限りでは、堤さんの石神役が楽しみなんですよねー。
早く見てみたいです!

2008/11/05 (Wed) 00:57 | EDIT | REPLY |   

翠香  

いきなり映画はちょっと厳しいかも

>すくねさん
映像版って、ドラマのことですか?
ドラマは原作と違った人物関係になっているので、いきなり映画を観てしまうとついていけないかも…。
おそらく関東エリアだけだったのかもしれませんが、先週まで『ガリレオ』の再放送やっていたのですけどね~。
逆に『ガリレオ』ではおなじみの湯川の計算シーンがなかったので、ドラマファンには不満だったようですが。(私もその一人だったりします)

石神は、天才数学者ゆえにそこまで計算尽くしてしまったのでしょうね。

2008/11/05 (Wed) 23:58 | EDIT | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Post a comment

2 Trackbacks

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
  •  『容疑者Xの献身』東野圭吾  感想
  • 映画公開にあわせて文庫化...うわぁ商魂逞しいのぉ、なんて思ってしまいましたが、単行本を購入していない私には有難いお話です。2005年8月、単行本発行。2008年8月、文庫本発行。←あらま、ちょうどいい時期ですやん第134回直木賞受賞作品。これほど深い...
  • 2008.10.01 (Wed) 13:55 | まったり感想日記
この記事へのトラックバック
  •  東野圭吾「容疑者xの献身」
  • 東野圭吾著 「容疑者xの献身」を読む。 このフレーズにシビれた。  ごめんなさい。申し訳ありませんでした。あたしたちのために……あたしたちなんかのために…… [巷の評判]ミステリー処 【love knot】 では, 「実は私、トリックについてはうすうす気付いていました?...
  • 2010.02.13 (Sat) 17:15 | ご本といえばblog