■放送日時
2008年11月26日 テレビ朝日 21:00〜21:54 第6話 「希望の終盤」
■GUEST CAST
畑一樹・・・蟹江一平
西片幸男・・・水橋研二
大野木亮・・・松田賢二
ほか
【シーン1】龍馬戦最終局に挑戦者が飛び降り死
龍馬戦最終局の朝、挑戦者である、西片が寿々屋旅館の屋上から飛び降り、死んでいるのが発見された。しかし、屋上には2種類の土足跡があり、また指紋を拭き取った形跡が見られ、殺人事件であると思われた。
西片の宿泊していた部屋を調べる特命係。部屋はひどく荒らされていた。そして床の間が部屋に置いてある将棋盤の高さに濡れていた。おそらくもともと将棋盤は床の間の隅にぴったりくっつけて置かれていたが、水をこぼしてしまったため、将棋盤を移動したものと思われた。
──そこへ捜査一課、登場
伊丹「亀ぇ!てめえここで何してる?」
薫「いやいやいや、何か盗られた物でもないかなと思いましてね」
伊丹「おめえの仕事じゃねぇだろ」
薫「じゃ、一緒に調べますか」
伊丹「一緒には調べねぇ!」
薫「あそ」 鼻をくんくんする薫、「ん?何かいいにおいがするぞ」
いいにおいの元は扇子だった。薫「あ〜これだ」
伊丹「ちっ、犬か!お前は」
薫「誰かと違って鼻が利くんでね」
伊丹「警察犬に推薦してやろうか」
西片の財布には現金がそのまま残っていた。
薫「あ〜物盗りの線は消えたね。ねっねっ?」
伊丹「お前、まだいるつもりかよ。出て行けよ!早く!」
米沢「あ〜ここにもありました」
右京「はい?」
部屋にも指紋を拭き取った形跡があったのだ。
三浦「警部殿もそろそろ出て行って下さい」
にっと笑う右京。
おおっ薫と伊丹、いきなり飛ばしてますね〜。しかし、薫に警察犬の才能があったとは(笑)
【シーン2】関係者への事情説明
関係者を集め、事情説明を行う捜査一課。「・・・つまり殺人の可能性が高いんです」
右京「そう考えると疑問がひとつ」
三浦「(うんざりした様子で)警部殿〜」
右京「何故、被害者の部屋は荒らされていたのでしょう?」
三浦「犯人とガイシャが揉めたんでしょう」
右京「だとすれば、部屋の様子からかなり激しく揉めた事になります」
薫「(芹沢のほうを見て)死亡推定時刻は?」
芹沢「昨夜の0時から2時です」
伊丹「お前!教えてんじゃないよ!」
その時間は翌日の対局に備えて皆寝ていたと証言。大きな物音を聞いた者もいなかった。
右京「だとすれば、その犯人らしき人物は本当に被害者と揉めたのでしょうか?部屋で揉めたあと、わざわざ屋上から突き落とすでしょうか?」
薫「例えば、荒らしたんではなくて、何かを探していた──」
伊丹「財布は無事だったろ」
薫「だから財布以外の何かだよ!」
伊丹「はいはい。その線も調べるから、お前とっとと出て行けよ!おら!」(あごでしゃくる)
三浦「警部殿も捜査が進みませんから」
右京「これは失礼。ちょっと気になったものですから。──亀山君、行きましょう」
薫「はい」
伊丹「おらっ!」体当たりして薫を叩き出す。
薫「押すなよ!」
【シーン3】犯人は将棋に詳しい人物か?
その後の調べで、屋上に残っていた犯人のものと思われる足跡は旅館のスリッパであることが判明した。つまり容疑者は宿泊者と従業員に絞られる。
再び西片の部屋にやってきた特命係。
将棋盤には拭き取った形跡があった。おそらく犯人が水をこぼした際に、将棋盤にも掛かってしまい、あわてて拭ったものであろう。その将棋盤は高級品であることが判明。つまり犯人は将棋盤の値打ちを知っていたのだ。
また、部屋にあった便箋と封筒は使われた形跡があった。便箋と封筒にも扇子と同じにおいがしていた。西片は誰かに手紙を書いたのであろう。
一方、防犯カメラの映像をチェックする捜査一課。
すると、大野木という賭け将棋師が出入りしている映像が映し出された。
大野木は西片に会いに来たらしい。西片はちょうどその時間、前夜祭(対局前のレセプション)を抜け出していた。
しかし、大野木が出入りしていたのは、午後7時20分ごろ。死亡推定時刻とはかけ離れていた。その後、大野木の出入りはなかった。
【シーン4】関係者への事情聴取
山名悟五段に話を聞く特命係。山名は、今度の龍馬戦では記録係を務めていた。西片は前夜祭を抜け出したきり、戻らなかったという。
右京「つまり西片さんが最後に会った人物が大野木さんだった」
薫「その時、大野木さんが殺した」
右京「死亡推定時刻は深夜0時から2時ですよ」
薫「あっ、そうか!部屋を荒らすことも屋上から突き落とすことも時間的には無理ですよね」
右京「しかし、被害者が最後に会った人物ですからねぇ。それにここならその気になれば忍び込むことは可能でしょうし」
薫「あ〜なるほど」
里見二三一九段に話を聞く。
里見「今回の龍馬戦では立会人を務めております」
右京「ところで西片さんですが、前夜祭を抜け出したきり戻らなかったとか」
里見「あー部屋に戻って手でも練っていたんでしょう」
右京「しかし見たところ、駒は仕舞われていました」
里見「手を練った後、仕舞ったんでしょうなあ」
右京「もしくは、夕べに限って練らなかった」
里見「かもしれません」
右京「だとしたら、何故夕べに限って?(薫の方を向き)夕べに限って起きたことと言えば?」
薫「大野木さんが訪ねてきた」
右京「それが(里見の方を向き)西片さんの習慣を変えたとは考えられませんか?」
里見「まぁ考えすぎでしょう」
右京「そうでしょうかねぇ」
里見「そういえば今回の龍馬戦は変わったことだらけだ」
右京「とおっしゃいますと?」
里見「前半は西片君の3連敗、後半は村田君の3連敗だ」
右京「確かに珍しいタイトル戦ですねぇ」
西片は、初日早々反則負けをした。それも二歩(にふ)という初歩的な反則だった。
西片は神経の細かい男で、対局中に人が出入りするのも気にしていたという。
また、大変なマスコミ嫌いで、将棋新聞の記者で奨励会(プロの養成機関)の同期だった畑以外の取材はめったに受けなかったらしい。
畑に話を聞く。
西片と畑と大野木の3人は奨励会の同期だった。しかも3人は特殊で、普通在籍できるのが26歳までなのを29歳まで在籍していたという。
ただし、29歳までに4段、つまりプロになれないと奨励会を退会しなければならない。
西片だけがプロになるための対局に勝ち越ししたため、プロになることが出来たのだ。
【シーン5】村田三冠が殺した?
山名「西片二冠を殺して得する人物?そんな人この中にいませんよ!」
三浦「まあまあまあ、手続き的な質問ですから」
伊丹「ちなみに龍馬戦はどうなるんでしょう?」
山名「どうなるって何が?」
伊丹「対局者が亡くなった場合、どうなるかということです」
山名「村田三冠の勝ちになりますが。・・・まさか村田三冠を疑うんですか!そんなことで殺しませんよ!」
そこへ鑑識の米沢が入ってくる。
被害者の客室に拭き残しの指紋が検出されたという。──村田三冠の指紋だった。
三浦「(山名に向かって)すみません、対局者が相手の部屋を訪ねることはあるんですか?」
山名「(戸惑いながら)通常はありませんが」
村田は、確かに西片の部屋に行っていた。西片の扇子が年寄り臭いにおいがするので、やめてほしいと言いに行ったのだという。
村田「全く、あんな盤外戦術を仕掛けてくるなんて」
将棋は人間同士の戦い、心理戦でもあるという。せめて最終日ぐらいはやめて欲しいと思っての行動だった。
しかし、村田が西片の部屋に行ったのは、前夜祭の前だった。
【シーン6】西片は俺が残した希望だ
将棋サロンに行き、大野木に話を聞く特命係。
大野木「俺に西片のことを聞いても無駄だよ。俺は場末の賭け将棋師。西片はタイトルを2つも持ったお偉い先生。住む世界が違う」
右京「昨夜、西方さんとお会いになりましたよね。龍馬戦、最終対局の前夜に」
大野木「6年ぶりにちょっと会っただけだ」
右京「突然お会いになられた理由は?」
大野木「突然じゃない。西片には電話した」
右京「電話?いつでしょう?」
大野木「第1局の初日。第7局まで勝負がもつれたら会いに行くと」
薫「何しに?」
大野木「西片は俺が残した希望だ」
右京「はい?」
大野木「そんなあいつが2冠になって、龍馬戦の挑戦者となって3冠を取ろうとしている。そう思ったらどうしても会いたくなった」
右京「会って何を話されたのでしょう?」
大野木「話してない」
薫「話してない?」
大野木「6年ぶりに西片の顔を見たら言葉が出なかった」
右京「6年前、西方さんと何かあったんですか?」
大野木「別に何も」
対局に勝ち、賭けた金を持って出て行く大野木。
大野木さん、話をしながら将棋を指してしかも勝つとは凄いですよ。
【シーン7】西片、大野木の接触に動揺?
将棋会館に出向く特命係。
西片の奨励会時代の成績は芳しくなかった。西片が頭角を現したのはプロになってからだという。
29歳でプロになったのは奇跡的。しかも西片はプロになったとたんに人が変わったかのように勝ち星をあげて、トップ棋士になったのだ。
三段リーグ(プロになるための対局)で西片は、最終局で大野木と対戦して勝ち越し、プロになれたのだ。
次に将棋新聞社に向かう特命係。
6年前の三段リーグの棋譜を見せてもらう。西片と大野木の対局は大野木の二歩による反則負けであった。
薫「6年前も二歩、今回も二歩。・・・偶然ですかね?」
右京「どちらも大野木さんが関わっています」
薫「いや、今回の二歩は、西片さんと村田さんの第一局ですよ」
右京「その日、大野木さんが西片さんに電話をしています」
薫「あっ!・・・気が動転したんですかね?」
右京「はい?」
薫「いや、大野木さんから6年ぶりに電話を貰って・・・」
右京「だから西片さんは初歩的な反則負けを・・・」
薫「あ〜しませんよね・・・そんな電話ぐらいで」
右京「そうかもしれません。大野木さんの接触に激しく動揺する理由があった」
薫「理由?」
右京「それも3連敗するほどの尾を引く理由が」
【シーン8】大野木は八百長をした?
再び畑に話をきく特命係。
畑は6年前の西片と大野木の対局の棋譜を担当していた。
畑も大野木も早々に負け越していて、すでに奨励会退会が決まっていた。唯一プロになる可能性があったのは、西片のみ。それも大野木との対局に勝つことが条件だった。
そこへ大野木の二歩による反則負け。大野木は西片に希望を託すため、わざと負けたのではないだろうか。
薫「はぁー・・・なんか、気持ちは分かりますよね・・・」
右京「はい?」
薫「いや、大野木さんがわざと負けた気持ちです」
右京「それが今回の事件に暗い影を落としているのかもしれませんねぇ」
薫「大野木さんが西片さんに会った理由ですか?」
右京「それも最終第7局の前夜に」
薫「まさか6年前の八百長をネタに強請った?でも、いまさらそんなことをバラされてもたいしたスキャンダルにはならないと思いますよ」
右京「心の問題かもしれません」
薫「心?」
右京「それを今、公にされて潔癖な西片さんが耐えられるかどうか。そういう問題かもしれません」
薫「確かに大野木さんはちょっといけ好かない人でしたけれど、でも言ってましたよね?西片さんは自分の希望だって。あの言葉だけは俺、信じられる気がするんですよね」
【シーン9】10円玉で靴のにおい消し
旅館のスリッパを調べた結果、屋上の砂埃が付着しているものはなかった。
また、死体の側に10円玉が2枚落ちていたという。気になるという米沢。10円玉には2枚とも指紋が付着していなかったのだ。
──花の里にて。
美和子は西片の追悼記事を任され、右京に話を聞き、メモをとっていた。
右京「美和子さんのほうは何か面白い取材が出来ましたか?」
美和子「そうですね・・・かなり神経質な人だったみたいですね」
右京「対局中は人の出入りも気にしていたようですね」
美和子「やっぱりそれだけ集中する人だったんですかねぇ。心理戦を重要視する人で、顔色やしぐさで(薫の方を向き)相手の心理を読み取ろうとするんだって」
たまき「(ちょっといたずらっぽい表情で)なんか、右京さんみたいですね」
憮然とする右京。
薫「(ちょっと小声で)神経質になるはずですね」
美和子「でもそれって、自分との戦いかもね」
右京「お香を愛用していたのも、自らの気持ちを落ち着かせるためだったのでしょうねぇ」
美和子「そうそう、においに敏感で10円玉でにおい消しとかしてたって」
薫「10円玉?」
美和子「靴に入れてたんですって」
右京「なるほど。銅には雑菌を抑える効果がありますからねぇ」
たまき「それ、聞いたことあります」
あわてて携帯を取り出す右京。「美和子さん、お手柄です。これで全てが繋がりました。(どこかへ電話を掛け)杉下です。至急調べていただきたいものがあります。西片さんの靴です。死亡時にはいていた靴」
ぽかんとする一同。
元妻に痛いところをつかれて、ムッとする右京さんがちょっと可愛い(笑)
【シーン10】自分の人生を読み違った
寿々屋旅館の屋上で、畑に事情聴取をする特命係。
畑は、西片の部屋が荒らされていたとき、高価な掛け軸や将棋盤が濡れてしまったことを話していた。しかし、将棋盤は何者かが拭きとっていたため、濡れていなかったのだ。
何故、畑は将棋盤が濡れていたのを知っていたのか?それは畑が部屋を荒らした張本人であることに他ならない。
畑「僕が西片を殺したっていうんですか?」
右京「いいえ。あなたは偽装しただけです」
そこへ薫に伴われて大野木がやってくる。
大野木「じゃあ誰が殺したんだ?」
右京「西片さんは自殺です」
畑は西片の自殺を殺人に偽装するため、死んでいる西片の足に靴をはかせた。靴の中に入っていた10円玉はそのときに落ちたのだ。
西片の靴の片方にお香のにおいがついていた。片方の靴に遺書が入っていたのだ。
遺書には、6年間自分は偽りのプロだという思いに苛まれてきた、大野木との対局を見届けた畑が観戦記者となって眼を光らせていることも重圧だったと書かれていた。
そして、大野木が訪ねてきたことで自殺を決意したことが綿々と書かれていた。
薫「そんな・・・それくらいのことで何で自殺なんて・・・」
畑「それくらいのことじゃない!・・・勝負の世界に生きる棋士にとって、一度でもした不正がそのあとどれほどの傷になるか、ましてそれがプロになるきっかけの対局だったら・・・どれほどの──それでも僕にとって西片は希望だった。彼の終盤を汚したくなかった。絶対に。そのためにも自殺だと思われてはいけない。西片の部屋が荒らされていれば、事件だと思ってくれるかもしれない。そのまま犯人が分からず、迷宮入りになってくれれば。そう思って・・・」
薫「それであんな偽装を」
畑「(大野木のほうを向き)なんでいまさら西片を追い詰めるようなことをした」
大野木「追い詰めるなんてそんなつもりは・・・。あの時は本当に胸がいっぱいで・・・何も言えなかった。それだけだ」
畑「6年前、八百長したやつがこんなタイミングで現れれば、棋士なら誰だって追い詰められる」
大野木「八百長なんてしてない!6年前、確かに俺はあの対局で負け越してクビが決定してた。そのショックは大きかった。でも西片はプロかクビかの瀬戸際、だからこそ俺は気持ちを切り替えて対局し、手を緩めちゃいけないと思った。だが、そう気負い過ぎたのかもしれない。それで思わず、あんな初歩的なミスを・・・それが真実だ。6年前の真実だ」
畑「そんな・・・じゃ西片は6年もの間、何に怯え、何と戦っていたんだ」
そこへ捜査一課登場、畑と大野木を連れて行く。
薫「でもやっぱり俺には分かりませんよ。彼らの気持ちが」
右京「棋士は皆、純粋なのでしょう。あまりに純粋過ぎたのかもしれません」
薫「それでも自殺なんてすべきじゃなかった」
右京「その通りですねぇ。自分の人生を読みすぎて、読み違ってしまったのかもしれません」
■総評
記事アップが遅くなってしまいました。やっぱりドラマレビューを掛け持ちするのはキツいなあ(>_<) もっと簡単に書いてしまおうかといつも思うのですけど、会話が面白いとつい再現したくなってしまって(笑)
今回は、将棋の歩に掛ける訳ではありませんが、ちょっと腑に落ちないんですよね・・・薫と同じ考えです。それに顔色やしぐさで相手の心理を読み取ろうとすることが得意な西片が、何故大野木が訪ねてきた真意を読み取ることが出来なかったのかが疑問ですね。まあ、大野木さん、無愛想ですからねぇ。読み取りにくかったのかもしれませんが・・・でも、こういう人が意外といい奴だったりするんですけどね〜長年、ともに競い合ってきた西片が彼の性格を分からないはずはないのだけど・・・。
■参考
テレビ朝日|相棒7
相棒season7公式ホームページです。
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