【相棒season7】 第9話

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By翠香

 今回は、レベル4の後篇、サブタイトルが『薫最後の事件』!ついにこの日が来てしまった・・・。

■放送日時
  2008年12月17日 テレビ朝日 21:00~21:54 第9話 「レベル4~後篇・薫最後の事件」

■GUEST CAST
 小菅彬    ・・・袴田吉彦
 長峰千沙子 ・・・大路恵美
                 ほか

【シーン1】米沢たち鑑識隊員がウィルスに感染!

  爆発により、ウィルスが漏れ出し、現場はパニック状態に。
  現場から逃げ出そうとする捜査員たちの前に立ちはだかる米沢。ウィルスが漏れ出さないよう、部屋を密閉することが警察官としての使命だと説く。
  右京たちに電話で報告する米沢。傍で泣き叫ぶ隊員もいた。その隊員を叱咤する米沢。
  右京「まだ途中ということですか」
  薫「えっ!」
 右京「彼の言うところの・・・ゲームですよ」

  感染したと思われる捜査員たちは、病院の隔離病棟に移された。
  取調室にて。三浦、机を2回叩き、小菅を威嚇。
  小菅「安心しなよ。適切な隔離が行われてれば、被害は局所的なもので終わるから」
  伊丹「なんだと?」
  小菅「もうひとつ安心材料。仮に多少の遺漏があったとしても、爆発的に広がる心配はない」
  芹沢「何でだよ!」
  小菅「毒性が強すぎるんだ。我が子は。感染者はウィルスを広範囲にばら撒けるほど長く生きられないと思う。──何でも程度の問題だね。強けりゃいいってもんじゃない。フフフ」
  三浦、小菅を平手打ちする。不敵に笑う小菅。
  三浦「笑うな!」
  伊丹「今度歯見せたらな、その歯へし折ってやるからな」
 小菅「歯見せなきゃしゃべれないよ。それとも黙秘しろってこと?」相変わらず挑発的な態度をとる小菅。

  381翠香コメント:米沢さん、警察官の鑑です!

【シーン2】右京、薫へ緊急指令

  右京の携帯に米沢から電話が入る。隔離された捜査員の一人が、防護服を着た人物に何かを注入された。その後、容態がおかしくなったという。他の捜査員たちは米沢も含め、健康状態は良好だという。
  右京、取調室に入ってくる。
  伊丹「(顔をしかめて)ちょっと!出て行ってもらえませんかね」
  右京、伊丹を押し退け、さらに三浦も押し退けて、小菅と向かい合いに座る。
  右京「感染した人間が、ウィルスをばら撒く状態になるまで、どれぐらい掛かりますか?」
  小菅「何だい?藪から棒に」
  右京「つべこべ言わずに答えなさい!」ものすごい形相で机を叩く。
  小菅「体内に入った我が子は恐ろしいスピードで増殖する。1時間もすれば感染者に顕著な症状が現れるだろうね。──その状態になれば、周りに感染するよ」
  無言で取調室を出て行く右京。あっけに取られる捜査一課。
  右京、階段の踊り場で薫に電話を掛ける。薫は米沢たちが隔離されている病院の前にいた。米沢に面会したかったが中に入れなかったという。
  右京「君がまだそこにいてくれて助かりました。今、米沢さんの病室で発症寸前の者が1名います。おそらく残りは全員ウィルスには感染していません」
  薫「えっ?え・・・ど、どういうことですか?」
 右京「詳しい説明は後ほど。とにかく一刻も早く発症寸前の1名を隔離しなければ、今度こそ本当に米沢さん達も感染してしまいます。何とか君にその1名を隔離してもらいたいのですが。やってもらえますか?」
 薫「ええ。そりゃあもちろんやりますけど」
 右京「これはあくまでも僕の推測に基づく判断ですので、鑑定機関を説得することは不可能でしょうし、また、説得している時間もありません。近くにいる君にしか頼めないんです」
 薫「分かりました。や、や、やりますけど、隔離するったって、どこへどうやって移せばいいんですか?」
 右京「いえ、移す必要はありません。病室の中で隔離すればいいんです」
 薫「病室の中で?」
 右京「まず、防護服を手に入れてください。但し予備の防護服など準備していないでしょうから、多少手荒な真似をしてもらわなければならないかもしれませんが。防護マスクで顔は隠れますから、問題なく病室に入ることができると思います。止められてしまったら、万事休すですから、慎重に。本当はもう一着防護服を入手できれば安全を確保できるのですが、防護服を抱えていては怪しまれますから、君が着て入る一着でやってもらわなければなりません」
 薫「はい」
 右京「さっきも言ったように、僕の推測に基づく判断です。つまり、君には相当のリスクを覚悟してもらわなければなりません
 薫「分かってます」
 右京「時間の猶予があれば、僕が行ってすべきなのですが」
 薫「右京さん」
 右京「はい?」
 薫「こんなとき何ですけど、俺、これが右京さんとの最後の事件になると思います。──行って来ます」電話を切り、大きく息を吐き出すと、病院へと走っていく。

  381翠香コメント:右京さんの剣幕にびっくり!あんな激しい一面もあるのですね。ここでの右京さんと薫ちゃんのやりとりは、『相棒』の絆を感じさせるシーンですね。

【シーン3】薫、発症寸前の男を隔離する

  国立微生物研究所にて。千沙子の携帯に電話が入る。自分のデスクを離れ、電話に出る千沙子。
  謎の人物(日の丸の旗が見える)「まもなく採取した血液がそちらに届きます」
  千沙子「ええ。連絡がありました」
  謎の人物「レベル4実験室を稼動させていたお宅でしか検査が出来ないのは、不幸中の幸いでした。なんとかして検査結果を陽性だと報告してください」
  千沙子「無理です・・・そんなの」
  謎の人物「無理でもやってもらわないと困る。こちらは病室内で発症させる手筈を整えました。検査結果が陰性では困ります。──検査の結果は、全員感染していた──いいですね?」電話を切る。

  薫、隔離病棟に入る。”手荒な真似をして”防護服を着ている人物から奪い取る。そして、米沢たちの病室に入る。
  米沢「お待ちしてました。杉下警部から事情は伺っています」
  薫「(ベッドで苦しんでいる男を見て)あの人ですか?」
  米沢「そうです」
  薫、その男の傍に近づき、防護マスクを外そうとする。米沢がその動きを止める。
  米沢「本当にいいんですか?何の確証も無いんですよ」 薫は、大丈夫だと言うように、米沢の手を軽く叩く。
  米沢「もし、杉下警部の判断が間違っていたとしたら──あなたも感染してしまうかもしれませんよ。今ここで」
  薫「大丈夫ですよ。右京さんの判断は間違ってませんから」
  米沢「どうしてそんなことが言い切れます?」
  薫、防護マスクを外す。病室の中にいる全員が騒然となる。
  薫「何年、あの人と相棒やってると思ってるんですか。(皆のほうを向き)皆さん、詳しい説明は省きます。協力してください。皆さんが助かる可能性があります」
  病室の中の面々は、喜びに沸き立つ。薫の防護服を脱がすのを手伝ったり、外を監視したりする。そして、問題の男に防護服を着せる。男は防護マスクの中で血を吐いた。

 その頃、微生物研究所に検体が届いた。検体の分析をする千沙子。

  右京と三浦、電話で話す。
  三浦「・・・いやしかし、本当なんですか?ウィルスが偽物だったっていうのは」
  右京「おそらく、間違いないと思いますよ」

【シーン4】伊丹、陣中見舞い?

  千沙子、検査結果を報告する。全員が感染しているので、そのまま隔離を続けるようにと指示を出す。

  発症した男を見守る、薫と米沢、そして捜査員たち。
  薫「彼に何か注入した奴は、これと同じ防護服を着ていたんですよね?」
  米沢「ええ。マスクで顔は確認できませんでしたが」 
  何気なく防護服のナンバーを見て、愕然とする米沢。何と彼に注入した男は、まさしくこのナンバーの防護服を着ていたのだ。その男は薫が襲って防護服を奪い、掃除用具入れでのびている・・・。
  あわてて病室の外に飛び出そうとする薫。必死に止める米沢。そこへ薫の携帯に電話が。「うるせえぞ!」
  伊丹「おめえの声の方がうるせえよ。話は聞いた。無事か?」
  薫「余計なお世話だ、このやろう!何か用か!」
  伊丹「そんだけ元気ってことは、まだ無事だってことだな。おめえの間抜け面を見物できねぇかと思って来てみたんだが、やっぱ中には入れねえんだな」
  薫「あたりめえだ、バカ!──おい、来てみたってどこへ?」
  伊丹「病院に決まってるだろうが!」
  薫、伊丹に陰圧病棟の汚物処理室に行くように頼む。そこの掃除用具入れで男は失神していた。伊丹はその男を確保した。

  381翠香コメント:伊丹さん、なんだかんだ言って薫のことが心配だったんですね~。仲いいな~w

【シーン5】ウィルスはすりかえられていた!

  右京、微生物研究所へ千沙子を訪ねる。
  右京「血液検査の結果はいかがでした?」
  千沙子「全員、ポジティブ(陽性)でした」
  右京「ええ、先ほどそのようにあなたから報告があったと聞きました。──ですが、僕の得ている情報とはどうも様子が違うものですからねぇ」
  千沙子「は?」
  右京「僕のは生の情報です。(薫と電話が繋がっている)──もしもし」
  薫「はい」
  右京「現在、中の様子はどうですか?」
  薫「変化ありません。1名を除き、後はピンピンしています」
  右京、千沙子に薫と話すかと聞くが、千沙子は黙って脇を向く。
  右京「現場で感染し、あなたの仰るとおり、全員がポジティブという結果だったならば、そろそろ全員が発症していなければおかしいですよねぇ。しかし、現在発症者は1名。その1名も亀山君が見事に隔離しましたので、感染はそれ以上広がっていません。つまり、あなたが関係機関に指示なさったように、そのままの状態で隔離を続けても無駄だということですよ。どうでしょう、はっきりさせるために、もう一度分析していただけませんか。検体はもちろん保管してありますよね?」
  千沙子「時間の無駄です」 右京から眼をそらす。
  右京「ええ、そのとおり。結果がネガティブ(陰性)であることはあなたがよくご存知のことですからねぇ。そもそも小菅彬がこの研究所から持ち出したウィルスは、偽物だった──そういうことではありませんかねぇ?しかし、ウィルスが偽物だと分かってしまうと、ならば本物はどこだと言う事になってしまう。それを防ぐために捜査員の1名に本物のウィルスを注入した。そのまま時間が経過すれば、全員が感染し、発症します。あたかも小菅彬が持ち出したウィルスによって全員が感染し、発症したようにみせかけられる。──本物のウィルスは今どこですか?知らないとは言わせませんよ。あなたが関与していることは間違いありません。ネガティブであるはずの検査結果を捻じ曲げてポジティブだと報告し、そのまま隔離を続けるように指示なさったわけですからね。(千沙子の顔に近づき)長峰さん!これはゲームではありませんよ!現実に今、本物のウィルスで一人死にかけているんです!本物のウィルスはどこにやったんですか?」
  千沙子「自衛隊です」
  もともとこの話は後藤が持ちかけたものだった。小菅の作り出したウィルスをこのまま研究所に保管しておいても、世間には公表できない。しかし、自衛隊なら軍事機密というベールの影で役に立てることが出来る。この話に乗れば、莫大な金が手に入る。千沙子はフィールドワークに出る金が欲しかった・・・。
  右京「報酬目当てで後藤さんの話に乗った訳ですね?」
  千沙子「どうしてもフィールドワークに出たかったです。マルブルグもエボラもまだ自然界でのホストは不明です。・・・現地で研究活動したかったんです」
  右京「誘惑に勝てなかった。さしずめそういうことでしょうかねぇ──ちなみにフィールドワークにご出発の日時はもうお決まりなんですか?」
  千沙子「・・・来年早々に」
 右京「そうですか。──しかし、それはキャンセルしていただくことになるでしょうねぇ」

  381翠香コメント:うわ~右京さんの長セリフ、凄いです。よく覚えましたねぇ(妙な感心)。
  しかし、悪魔に魂を売り渡してしまった千沙子、なんだか悲しいですよね。

【シーン6】防衛省から送り込まれたスパイ

  特命係、車中での会話。
  右京「僕の言葉だけを担保に行動してくれた君に感謝します」
  薫「テヘ(笑)・・・本物のウィルスの出所は、自衛隊で間違いないんスか?」
  右京「間違いありません。君が襲ったNBC隊員ですが」
  薫「ちょ、襲ったって・・・」
  右京「彼は予備自衛官であることが判明しました」
  薫「予備自衛官?」
  右京「普段は一般社会で仕事をしながら、有事の際には召集されて、後方支援を行う自衛官のことですよ。退職した自衛官が対象になり、本人の志願によって予備自衛官として採用されることになります」
  薫「え、でもー一般社会で仕事をしながらったって、彼はウチのNBC─テロ対応専門部隊の隊員でしょ?」
 右京「ですから、スパイと思われても仕方ありませんねぇ」

  警視庁・官房室にて。
  防衛省長官「スパイとは穏やかじゃありませんねぇ。彼は確かに予備自衛官のようですが、まさか警視庁に勤務していたとはねぇ。ハッハッハッ」
  小野田「採用の際に、勤務先を確認なさらないんですか?ありえないでしょ」
  防衛省長官「それについては、偽りの申告を受けていたようです」
  小野田「天下の防衛省さんにしては、間が抜けてますね」
  防衛省長官「何しろ現場での話ですからね。あ、早速採用担当を懲戒処分にしますよ」
  小野田「一言いい?」
  防衛庁長官「はい?」
 小野田「省に格上げされたからって、少し調子に乗ってない?」

  再び、特命係の会話。雨が強く降ってきた。
  薫「しかし、小菅のゲームがとんでもないものをあぶり出しましたね」
  右京「ええ」
  薫「(大きく息を吐き)うん、右京さん、うん」
  右京「先ほどの電話の件ですか?」
  薫「すいませんでした。突然、ドサクサ紛れに・・・っていうか、右京さん、勘付いていたみたいだし」
  右京「その件は、全てけりがついてからにしましょう。僕との最後の事件はまだ終わってませんよ」
  薫「えっ?」
 右京は穏やかな表情で前を見つめていた。

【シーン7】ゲームの真の意図

  小菅のいる留置所にやってきた特命係
  右京「あなたの持ち出したウィルスは偽物でした」
  小菅「誰も発症しなかった?」
  右京「いえ、残念ながら勇敢な警察官が1名・・・死亡しました」
  小菅「1名?」
  右京「ええ」
  小菅「矛盾するなあ。だって僕のウィルスは偽物だったんだろ?」
  右京「ですから、あなたのウィルスでは発症していません」
  小菅「妙なことを言うなぁ。てことは、どこか別のところからウィルスが出現した?」
  右京「ええ。あなたの真の目的通り、それをあぶりだす事に成功したんですよ」
  小菅「そう?ハッハッハッ・・・本物は自衛隊が持ってたろ?」
  右京「やはり、それをご存知でしたか」
  小菅「あいつら、僕のかわいい我が子を勝手に売っぱらいやがったんだ」
  小菅は、後藤と長峰が自分の生み出したウィルスを自衛隊に売り渡したことを知っていた。しかし、世間に公開していないウィルスがなくなったと騒いだところで、相手にされるわけもなく、また研究所としてもレベル4実験室を稼動させていることは伏せなければならないため、押さえ込まれてしまう。そこで小菅はウィルスをばら撒くことを匂わせ、長峰の危機感を煽る作戦に出た。そして、後藤を実験室におびき寄せ、殺害した。
  小菅「後藤が来ても長峰が来てもどっちでも良かったんだけどね。まあ後藤でよかったよ。長峰だったら、殺すのにちょっと躊躇したかもしれない。そもそも後藤がウィルスを売っぱらった張本人だからね。その後あいつはそれが発覚しないように、危険なウィルスは処分するように所長に進言したんだ。とんでもないやつだろ?」
  薫「だからって殺す必要があったのか!」
  右京「あったんですよ。殺人事件を起こせば、否応なく警察が介入する。そうなれば、未承認の実験室が稼動してて、しかもそこで殺人ウィルスが作られていたことを紛れも無い事実として、世間に認識させられる──そのために殺人は必要だったんです」
  小菅「しかし、このゲームの本当の意図がよーく分かったね」
  右京は、小菅が長峰に計画を打ち明けていたこと、逃亡中に長峰とコンタクトを取っていたことを不審に思っていた。二人が特別な関係なのかと勘繰ったが、長峰は後藤とつるんでいた。それで事件の全容が明らかになった。
  小菅「警察にあなた方みたいなコンビがいるとは思わなかったよ──で、自衛隊に捕らわれの身の我が子はどうなるんだろ?」
  右京「おそらく廃棄処分になるでしょうね」
  小菅「奪還成功だ。もう誰も我が子を自由にできない」
  薫「お前もな」
  小菅「いいや。だって僕は彼らの生みの親だよ。いつだって彼らを生み出せる。そうだろ?」
  右京「しかしそのまえに、あなたにはぜひともやるべきことがある」
  小菅「えっ?」
  右京「人を殺めた罪を償うことですよ」
  薫「ああそうだ。お前は2人殺したんだからな」
  小菅「2人?1人は自衛隊だろ」
  薫「いいや、どっちもてめえの仕業だ。てめえのくだらねえゲームの被害者なんだからな!」
  右京「ええ」

【シーン8】薫の決意

  特命係、帰還する。
  大きく息をつく薫。机に腰掛け、首筋をポリポリと掻く。
  右京、紅茶を淹れながら「3ヶ月前の渡航が君に何を決意させたのでしょうねぇ」
  薫「フッ・・・右京さんにはかなわないな。何でもお見通しですか」
  右京「当たってますか。ま、分かりやすいサインがありましたからねぇ。帰国後、急に始めたウェイトトレーニング、突如、整理整頓された机、それから・・・これ(コーヒー粉のビンを持ち上げる)──また、行くんですか?」
  薫「はい!──今度は本格的に。・・・子供たちとね」
  右京「はい?」
  薫「約束したんですよ。必ずまた来るって。日本語、教える約束をしたんです」
  右京「(身を乗り出し)先生ですか?」
  薫「いえ、生徒でもあります。彼らからは向こうの言葉を習います」
  右京「なるほど」
  薫「でも──笑わないでくださいね。本当に教えてやりたいのは、正義です。不正だらけのあの国だからこそ、子供たちには正義を知ってほしい。そのためにはちょっと行って帰ってくる、そんなことじゃ駄目だから、向こうに根を下ろすつもりじゃないと」眼を輝かせながら、自分の決意を語る薫。
  右京「誰が笑うもんですか」
  薫、ジャンパーの襟を正して、「お世話になりました!」深々と頭を下げる。
 右京と薫、ガッチリ握手する。

  花の里にて。
  たまき「(右京にお酌しながら)305──で、何て答えたんですか?」
  右京「何がですか?」
  たまき「お世話になりました、って言われて」
 右京「特に何も──何しろ初めてだったものですからねぇ。今までああいうこと言われたことがありません。彼の前に6人いましたが、皆何も言わずに僕の前から姿を消しましたから。最短は1日で、最長でも1週間持ちませんでしたからねぇ」しんみりした表情で酒を飲む右京。たまきも黙ってお酌する。

  亀山家では、薫と美和子がもめていた。
  美和子、携帯から電話を掛ける。「あ、もしもし、お母さん?私、美和子。──あのねぇ、私、薫ちゃんと別れることにしたから」
  薫「おおおおおい!何言ってるんだ、お前」 あわてて止めに入る。
  美和子「だってそうでしょ!単身で行くってことは、私いらないってことでしょ!」
  薫「じゃあじゃあじゃあ、行く?」
  美和子「じゃあって何よ!来て欲しくないの?」
  薫「来て欲しいけど」
  美和子「けどって何よ?」
  薫「過酷な場所だから嫌がるかと思って」
  美和子「いやに決まってるでしょ!」
  薫「だろう?だから、俺は・・・」
  美和子「来て欲しくないの?」
  堂々巡りのやりとりが続く・・・。しばらく睨み合う2人。しかし・・・。
  薫「付いて来い!」美和子を押し倒す。

  381翠香コメント:花の里でのシーン、しっぽりしたいい雰囲気なのに、大笑いしてしまいました。『人材の墓場』で薫ちゃんは長年勤め上げたんですねぇ。

【シーン9】薫との別れ

  刑事部長室にあわてて入ってくる中園。「部長!」
  内村「なんだ?騒々しい」
  中園「亀山が、辞表を提出しました」
  内村「亀山が?・・・そうか。(驚いた表情で立ち上がり)何?」

  喫煙コーナーでタバコを燻らせる309伊丹。三浦と芹沢が近づく。
  三浦「おい、伊丹。どうやらマジだぞ」
  芹沢「辞めちゃうみたいっすよ」
  伊丹「ま、関係ないけどね。大方、俺にはかなわないって悟ったんじゃないの?」強がってみせて、タバコの火を消し、その場を立ち去る。

 薫と米沢、お互いに深々とお辞儀をする。米沢は母親から貰ったお守りを薫に渡そうとする。薫は一度は断るが、命を助けてもらったお返しだと言われ、ありがたく受け取る。

  一人、特命係の部屋を見渡す薫。そこへ角田が飛び込んできた。
  薫「おっ!ヒマか?」おどけて角田を指差す薫。
  角田「亀ちゃん、・・・びっくりしたよ、マジかよ?」
  薫「はい。あ、課長、(コーヒービンを持ち上げ)次からは課長が買ってくださいね。ここ置いておきますから」
  角田「あ、ああ、あの・・・」
  薫は自分のネームプレートを取り外し、部屋を出て行く。「皆さん、さようなら!」

  廊下を一人歩いていく後姿に「おい!元、特命係の亀山~。ケツまくるとはお前らしいぜ」
  薫「何とでもいえ!」
  伊丹「てめえなんかな、ジャングルの奥で死んじまえ!」
  薫「へっ!そうなったら真っ先にお前のところへ出てやるよ」 幽霊の手を真似る。
  伊丹「おお、上等だこらっ!」
  しばし無言で見つめあう2人。
  伊丹「とっとと行けよ。・・・ばかやろう」後を向き、立ち去ろうとする伊丹。
  薫「てめえが呼び止めたくせして、何だその言い草は!・・・お前こそ、とっとと死ね!」
  振り向かずに後ろへ手を振る伊丹。

【シーン10】右京、薫へはなむけの言葉

  右京と小野田、道を歩きながら。
  小野田「また一人になったねぇ」
  右京「ええ」
  小野田「何か食べて帰る?」
 右京「いえ」

  一人歩く薫。そこへ右京から電話が掛かる。
  薫「はい」
  右京「僕です」
  薫「は、どうしました?」
  右京「一言、言い忘れていました」
  薫「えっ?」
  右京「どうか、気をつけて行ってください。以上です」電話を切る。
  右京と薫、お互いに違う道を歩き始めた──。

■総評
  いや~薫ちゃん、てっきり殉職してしまうのかと思いました。それにしては、身辺整理をしている風ではあったのですが・・・。でも、死ななくてよかった~。
 第1話の冒頭から、意味深なシーンだとは思っていたのですが、これが伏線だったとは・・・!
 先ほど、相棒のHPを見たのですが、なんと、キャストの薫ちゃんの写真、もう外されてしまっています・・・。冷たいじゃないの~409対応早すぎ!
 一人になった右京さん、寂しそうでしたね。新しい『相棒』は誰になるのかな?
 年内の放送はこれで終わりです。次回は元日スペシャルです。

■参考
 
テレビ朝日|相棒7
  相棒season7公式ホームページです。

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