元日スペシャルって、今日は何日だ?・・・ハハハすみません。すっかり遅くなっちゃいました。薫ちゃんのいない相棒なんて・・・と気乗りしなかったもので(←言い訳)
気を取り直して(?)行ってみよー!
■放送日時
2009年1月1日 テレビ朝日 21:00〜23:30 第10話 「ノアの方舟〜聖夜の大停電は殺人招待状!狙われた法務大臣・次の標的は豪華客船?」
■GUEST CAST
瀬田宗明(法務大臣) ・・・渡哲也
姉川聖子(法務省官房長補佐官) ・・・田畑智子
野上利 ・・・中本賢
遠藤室人 ・・・三浦浩一
ほか
【シーン1】クリスマスイブの大停電
摩天楼。
マンホールの中に潜入する人物。地下に爆弾をセットした。
12月24日午後8時50分、捜査一課トリオは車の中で張り込みをしていた。
伊丹「おい、本当に奴等のアジトなのかよ」
芹沢「ええ。情報提供者は確かに羽田空港爆破グループのアジトに間違いないと」
伊丹「だいたい実体の分からないテログループに何で俺たちが出張んなきゃなんないんだよ」
三浦「ウチの部長が公安を出し抜くって気合を入れる事件だからな。仕方がない。・・・はぁ〜寒い」
伊丹「まったくイブの夜だっていうのによ」
芹沢「そもそも先輩、予定ないでしょ?」
伊丹、芹沢の頭をはたく。
三浦「あっ!見ろ」
一人の男が建物の中に入っていった──
一方、花の里では、右京とたまきが2人きりで穏やかな時間を過ごしていた。
たまき「そろそろお茶漬けにしますか?」
右京「そうですねぇ。あ、わさびは多めに」
たまき「分かってます」にっこりと微笑む。
午後9時、爆弾が爆発、東京は闇に包まれた。
右京「おや、クリスマスイブに停電ですか?」
たまき「イルミネーションで電気使いすぎちゃったんでしょうか?ちょっと待ってくださいね。(暗闇で何かにつまづき)イデッ」
たまき、クリスマスケーキにろうそくを立てて運んでくる。
「こっそり買っていたのが役に立ちました〜」
右京「これ、お一人で食べるつもりだったんですか?」
たまき「・・・にしては、大きくありませんか?」
なんだか楽しげな様子のたまきを横目でちら見する右京。
翠香コメント:おやおや、右京さんとたまきさん、いい雰囲気ですねぇ。でも、おしとやかなたまきさんが「イデッ」にはびっくり!
【シーン2】環境保護団体からの犯行声明文
警視庁捜査会議。
地球温暖化阻止を提唱する環境保護団体は、CO2削減のためには直接行動も辞さないという構えだ。前回発生した羽田空港爆破事件の犯行声明文には、旅客機など大量のCO2を排出する空港は、環境破壊のシンボルであると主張。昨日の停電事件においても同様の声明文が届いた。彼らはジャッカロープと名乗るエコテロリスト。伊丹たちが偽の情報に踊らされている間に事件は起きたのだった。
国会議事堂前の道路で佇む小野田。そこへ黒塗りの車が近付いて止まった。車の中には瀬田法務大臣が乗っていた。小野田、後部座席に乗り込む。
瀬田「お久しぶりです」
小野田「おっしゃって下されば、こちらから出向きましたものを。大臣」
瀬田「折り入ってご相談したいことがあります」
小野田「はい」
昨日の停電事件は、港区の東芝浦のマンホールから何者かが侵入、時限爆弾を設置して地下にある送電ケーブルの切断させたものだった。マンホールの蓋は普通、J型フックと呼ばれる特殊な工具がないと開けられない。
爆弾の種類は、ANFOと呼ばれる、主成分は硝酸化合物で出来たもので、形状は違えど空港爆破と同種類のものであった。
1つ気になることがあるという米沢。現場に落ちていた証拠品の1つである腕時計を警察庁が持っていってしまったのだという。
そこへ右京の携帯電話のバイブ音が。
右京「(米沢に向かって)失礼。(通話ボタンを押し)杉下です」
小野田「僕だけど。ヒマ?」
右京「はい?」
小野田「ヒマだよね。ちょっと話できない?今すぐ」
右京「分かりました」電話を切る。
翠香コメント:「ヒマ?」は角田さんの専売特許なのに〜w
【シーン3】新コンビ誕生!
右京、小野田に伴われて官房長室に入る。小野田はエコバックの話などしてなかなか本題に入らない。
右京「そのような四方山話をなさるためにわざわざお呼びになったのでしょうか?」
小野田「相変わらず気が短いねぇ。じゃあ本題(エコバックの中から写真を取り出す)・・・瀬田和哉くん。瀬田法務大臣のご子息」
右京「それが、何か?」
小野田「クリスマスのちょっと前に休暇取って、どっか行っちゃったきり連絡取れないんだって。大臣、随分ご心配なさっていてね、探してくれない?隠密裏に」
ケーブル爆破現場に落ちていた腕時計は、大臣が息子にプレゼントしたのと同じ種類のもので、なかなか手に入りにくいものだという。さらに和哉は熱心な環境活動家で、ジャッカロープのメンバーと面識があったというのだ。
そこへ、法務省官房長補佐官の姉川が入ってくる。小野田は右京に姉川と2人で大臣の息子を探し出せというのだ。
瀬田和哉は、帝都大学地球環境学研究科の准教授で、今回の休暇も研究のためのフィールドワークに出かけるためだったという。現場に落ちていた腕時計の情報は小野田が止めていた。時計の持ち主を突き止める間に和哉がテロリストではないことを証明しなければならないのだと姉川は言う。
和哉の部屋に入る右京と姉川。FAXの記録から、和哉は12月21日から行方をくらましているらしい。ベッドの上にはスーツケースが置かれていた。どうやらフィールドワークに行く準備をしていたらしい。
そして、和哉のパソコンのデータが消されていた。マグカップとマウスがキーボードの左側に置かれていた。和哉は左利きなのか?
右京「大学に行けば何か分かるかもしれません。行きましょう」
姉川「はい」
姉川はもとは省務部にいて、捜査経験はない。今回の捜査は、瀬田大臣は民間から入ったため、省内に信頼できる人間がいないため、自ら志願したのだという。
大学に行く前に、停電事件の犯行現場に立ち寄る右京たち。ひととおり資料に眼を通しているものの、実際に現場を見てみたかったという右京。
マンホールの中を覗き込む右京と姉川。
右京「では、中へ入りましょう」
姉川「えっ?」
右京「(捜査員に向かって)すみません、中へ入ります」姉川のバッグを持って、先に中に入っていく。姉川、右京の後からマンホールに入っていく。
マンホールの階段を降りたところに例の腕時計が落ちていたという。途中にある鉄心に引っかかってベルトが切れたのであろう。鉄心には、ベルトと同じ成分が検出されていた。
翠香コメント:今までは、車の運転は薫ちゃんの担当だったけれど、今回は右京さんが運転してましたね。しかし、いきなりマンホールの中に入りましょうなんて、女性には酷ですよぉ、右京さん!
【シーン4】和哉の直接行動とは?
帝都大学にやってきた右京と姉川。
和哉は、アメリカ留学時代に同じ学科にいた樋口という男と面識があったという。樋口は現在ジャッカロープのメンバーであると確認されている。
そして、瀬田法務大臣と和哉は十数年絶縁状態だったという。
大学では、和哉は休暇中ということであった。行き先は把握していないという。念のため、研究室を見せてもらう。研究室のパソコンもマグカップとマウスは左側にあった。
そこへ、雑誌編集者の野上という男が入ってくる。和哉が書いた原稿を雑誌に載せたので、届けにきたのだという。
和哉は記事の中で、地球温暖化により氷河が溶けることによっていくつかの島国が水没の危機に瀕している。それに歯止めをかけるには何らかの直接行動が必要だと謳っていた。
最近の和哉は急進的な発言が多くなっていたという。また、あちこちの助成プロジェクトに応募していたらしい。最後に研究室を訪れたときも、菱河コーポレーションでプレゼンがあると言っていた。
菱河コーポレーションを訪ねる右京と姉川。
プレゼンには多数の参加者がいて、和哉とは個人的に話はしなかったという。
右京は、廊下ですれ違った警察関係者のことを訊ねる。菱河コーポレーションでは、停電事件の際、不法侵入があったのだという。特に盗られたものはなかったが、重要なデータをコピーされて持ち出された可能性があるというのだ。実は空港爆破事件の際にも被害に遭っていたらしい。コンテナの1つがやられて、中に入っていたのが環境省から助成を受けていた装置の試作品だった。幸いテロによる不可抗力のため、助成金の返還は免れたらしい。
菱河コーポレーションの社長・山本は、テロの標的が自社なのではないかと怒りをあらわにしていた。
菱河コーポレーションを退出すると右京は姉川に1つの疑問を呈した。今回の捜査は警察が秘密裏に行うはずで、我々が隠密で調べる必要がないのではという。
姉川によると、瀬田法務大臣は、不法投棄裁判で上告を止める立場をとっていたが、省内では大変な波紋を呼んでいた。今、大臣の息子がテロ事件に関わっていたことが明るみになれば、大臣更迭はもちろん、上告棄却も潰される──大臣はそのことを恐れているのだという。
そこへ右京の携帯電話が鳴る。米沢からだった。ジャッカロープのアジトが判明したという。
【シーン5】ジャッカ・ロープのアジト判明!
警察はジャッカロープのアジトに踏み込んだ。計6人を逮捕した。全員大学関係者だが所属大学はまちまちだった。6人は全員黙秘を続けている。逮捕者の中に和哉はいなかった。
鑑識が作業中のところへ右京と姉川がやってくる。部屋からは起爆装置が発見された。空港爆破に使われたものとほぼ同一のものと思われた。パソコンは彼らが風呂水にぶち込んでしまい、ハードディスクはいかれてしまった。
右京は、机の上に置かれていた雑誌に注目した。何かメモを取った際に下敷きにしていたらしく、筆圧によるデコボコがあったのだ。また、プリンターの脇には百円玉がたくさん積まれていた。
瀬田法務大臣に電話で報告をする姉川。瀬田は、どんな事実でも受け止めるつもりなので、事実だけを教えて欲しいと頼む。
アジトに残されていた指紋の鑑定結果が出た。逮捕者6人のほかにもうひとりいるという。また、ジャッカロープの資金の入った口座が全額引き出されていた。引き出されたのは捕り物があった最中なので、逮捕者6人の誰かではありえない。口座を自由に引き出せる人物──リーダー格の人間であろう。ATMの監視カメラにその人物が写っていたが、判別は難しそうだ。
また、雑誌に残っていた凹凸の鑑定の結果、次の文字が書かれていた。
500万
地球環境科学
北新宿WE1900
OABクモ720
エコ
『北新宿WE1900』、『OABクモ720』はいったい何を意味するものであろうか?
【シーン6】亀の後釜!?
右京と姉川が連れ立って歩いているところへ、捜査一課トリオがすれ違う。呆然と見送るトリオ。
三浦「おい、何だあの女」
伊丹「(驚愕の表情で)新しい相棒?亀の後釜!
」
芹沢「あーあの人なら法務省から来たみたいですよ」
伊丹「えっ、法務省?」
芹沢「ええ。人事交流だそうです」
三浦「何でまた特命なんかに」
特命係室に入り、姉川に椅子を勧める右京。
右京「大臣にはどのように報告なさっているのですか?」
姉川「大臣には全てを伝えてはいません」
右京「何故でしょう?」
姉川「この不利の状況では、大臣は辞任を決断されてしまうかもしれません」
右京「進退をお決めになるのは、大臣ご自身です」
姉川「今辞任されたら、あの裁判が・・・」姉川も不法投棄裁判に関わっていたのだった。
角田、部屋に入ってくる。「おい、ヒマか?(姉川の存在に気付き)ん?あんた誰?」
右京「法務省から人事交流の姉川さんです」
姉川「初めまして」
角田「(姉川をまじまじと見つめて)あ〜女だったのかい。えっ?あんた何かやらかしたのか?」
姉川「は?」
角田「(後ろで紅茶を淹れる右京を指差しながら)杉下右京は人材の墓場。一緒に組んだ奴は次々と辞めていくんだよ。あんたも何か上司に恨みでも買ったのかい?」
姉川「えっ?」
角田「ただ今は辞め時かもな。大変そうだもんな、法務省」持っていた新聞を机の上に置く。
新聞には大臣の息子がテロ関与の可能性が高いと報じられていた!
【シーン7】和哉の犯行に見せかけた?
捜査本部は面目丸つぶれだった。警察がマスコミの後塵を拝することになってしまったのだから。内村は、瀬田和哉を重要参考人として、自宅および研究室の強制捜査を命じる。
瀬田法務大臣に電話をする姉川。瀬田は総理に辞任する考えを伝えたという。
右京「そうですか。辞任を決意されましたか」
姉川「・・・私、本当は法務省を辞めるつもりでした。そんな時、瀬田さんが大臣に就任した。自分の出来なかったことを瀬田さんが実現してくれると思ってしまった」
右京「だからこの捜査に名乗りを上げた。和哉さんの無実を証明して、このまま瀬田さんに大臣でいて欲しかったんですね?」
姉川「無理だったんです。私が大臣を守るなんて(右京の正面に向き直り)短い間でしたが、お世話になりました」深々と礼をし、バッグとコートを持って退出しようとする。
右京「まだ、真相は明らかになっていませんよ。しかし、もう諦めるというのであれば、どうぞお引き取りください。あとは僕ひとりで調べます。あっ!お引き取りいただく前に、1つ質問してもよろしいでしょうか?」
姉川「なんでしょうか?」
右京「和哉さんの利き腕をご存知ですか?」
和哉のパソコンのマウスはキーボードの左側に置かれていた。マグカップの飲み跡も取っ手より右側についていた。和哉は左利きなのだ。
姉川「でも、左利きだったとしたら何だっていうんですか?」
右京「妙だとは思いませんか?左利きの人間は右腕に時計を巻くんです」
姉川「(自分の腕を見比べて)ああ」
右京「ええ。梯子の左側にあった鉄心でベルトを切るなど、僕には到底納得がいかないんですよ」
姉川「でも、鉄心の先端から革ベルトと同じ物質が出たんですよね?」
右京「例えば、何者かが地下に爆弾を仕掛けた後、和哉さんの腕時計をわざと鉄心で切り、下に落としておいた。そして腕時計を発見されやすくするために、車は放置したまま、マンホールの蓋は開けたまま逃走した」
姉川「誰かが和哉さんを爆弾テロリストに仕立て上げようとしているということですか?」
右京「仰るとおり」
姉川「でも、どうやって和哉さんの腕時計を手に入れたんです?」
右京の推理はこうだった。何者かがフィールドワークに出かけていた和哉を襲い、時計を盗んだ。そして、スーツケースを和哉の部屋に置き、パソコンのデータを消した。いかにも作為的な証拠を残していた。もし和哉がテロリストなら、もっと周到に偽装したはずであると。
和哉にテロリストの疑惑があることを知っているのは、瀬田と小野田と姉川と右京の4人だけ。では、誰がこの情報を流したのか?瀬田に恨みを持つ人間?現段階ではジャッカロープのリーダーが最有力候補だ。
姉川「リーダーを探しましょう!」
【シーン8】メモの謎を解け!
捜査本部は和哉の研究室を強制捜査し、パソコンから気になるデータを発見した。空港に電気、路線図・・・そして犯行声明文そのものの文章が!
中園「瀬田和哉の部屋から発見された各資料および犯行声明文から考えて、次回のテロは鉄道であると考えられる!」
内村「今度は絶対阻止しなければならん。何としても奴等の計画を掴み、先回りするんだ」
一同「はい!」
そこへ大河内監察官が登場。
内村「何だね?大河内監察官」
大河内「部外者の私が出しゃばるのも恐縮ですが、テロリストのアジトから見つかったメモ書きに計画を掴む手がかりがあるかと」
内村「良かろう。説明したまえ」
大河内の推理はこうだった。『北新宿』に『WE』→WEdnesday(水曜日)の『1900』→19:00、『クモ720』→列車記号、『OAB』→Operation Attack Bomb(爆弾による攻撃)
つまり、北新宿に水曜日の19:00、クモ720という列車を爆弾により攻撃するという意味だと考えた。
中園「水曜日といえば、12月31日!」
内村「なにっ?今日ではないか!」
一同、騒然となる。
一方、新宿の地下道を歩く右京と姉川。
姉川「まさか今度は駅がテロに狙われるんですか?」
右京「鉄道は他の輸送機関と比べ、CO2排出の少ないエコな乗り物です。もちろん全くCO2を排出していないわけではありませんから可能性としては排除できませんがね」
姉川「じゃあ何しにここへ?」
右京は、『WE』は北新宿駅西口(West Exit)の意味ではないかと考えていた。そして、『1900』は時刻ではなく、コインロッカーの番号ではないかという。ジャッカ・ロープのアジトにあったカレンダーには時刻は24時間表記をしていなかったのだ。現金の受け渡しにコインロッカーを使用したのではないかとにらんでいた。アジトに100円玉が積んであったのを思い出したのだ。
しかし、1900番のコインロッカーの中は空っぽだった。右京は、コインロッカーの裏に蝋のようなものが付いているのを見つけ、剥がして取り出した。それは、封蝋のかけらであった。パーティーの招待状に付いていたものではないだろうか?ジャッカロープのリーダーと依頼人がパーティーの参加者に紛れ込んで会うことになっていたとしたら?
姉川「この時期ですよ?いくつパーティーが開かれているか分かりませんし、封蝋のかけらだけで、探せるんですか?」
右京「(苦笑しながら)不可能でしょうねぇ。やはりこの残りのメモの謎を解くしかないようですね」
【シーン9】ターゲットは横浜の豪華客船
捜査本部は、駅構内の乗客の避難、爆発物の捜索、不審者の捜索の3班に分かれてテロに備えた。
一方、右京と姉川はメモの謎を解くべく、辞書などで調べていた。──が、姉川は突然立ち上がるとコートとバッグを掴む。
右京「どちらへ?」
姉川「私、パーティー会場を当たってみます」
右京「今は、こちらに集中した方がいいと思いますが」
姉川「私、杉下さんのように推理なんてできません。なら、封蝋の付いた招待状を探して、東京中のパーティー会場を当たれば見つかるかもしれないじゃないですか」
右京「東京ではなかったらどうするんですか?ましてや日本ではないかもしれません」
姉川「(首を横に振り)私、待ってられません。行きます。何か分かったら連絡ください」部屋を飛び出していく。
なおも『OAB』が頭文字の言葉を捜す右京・・・。
姉川、横浜のホテルに行き、招待状を見せてもらう。だが、封蝋はコインロッカーに付着していたものとは違っていた。そこへ右京から電話が入る。「もしもし」
右京「今、どちらでしょうか?」
姉川「横浜のコンチネンタルホテルです。電力関係のパーティーがあったので。・・・でも、ここもダメでした」
右京「そうですか。それは好都合です」
姉川「えっ!」
右京「メモ書きの謎が、解けました」
姉川「ホントですか!」
右京「横浜の大桟橋埠頭に午後6時出港のRoyal Wingというクルーズ船があります。そこへ行って招待状を見てきてもらえますか?」
姉川「分かりました」電話を切り、走り出す。
北新宿駅は物々しい空気に包まれた。警察は、駅構内の乗客を避難させ、列車の乗客を避難させ、爆発物をくまなく捜索するが、いっこうに見つからない。
翠香コメント:あちゃー捜査本部は見当違いの行動をしているのですねぇ。大河内さんの推理では現場を見ていないので、無理があったようで・・・。
【シーン10】姉川、豪華客船に乗り込む
姉川、Royal Wingの前に到着する。乗船客の一人に招待状を見せてもらう。封蝋は一致していた!
右京に電話を掛ける「杉下さん、ビンゴです」
右京「ちょうど今、電話しようと思っていたところです。そのパーティーの主催は菱河コーポレーションです。必ず関係者が来ます。姉川さんは危険ですから戻ってください」
姉川「何故ですか?私も船に乗ります」
右京「姉川さん、いいですか。テロリストが乗る可能性のある船ですよ。捜査員ではないあなたを危険にさらすわけにはいきません」
姉川「杉下さんが間に合わなかった場合、私だって役立てることがあるかもしれません」
右京「姉川さん」
姉川「私、乗ります」船のほうへ走っていく。
右京、特命係室を飛び出していく。
姉川、乗船客の中に、野上の姿を見つける。野上は取材でやってきたらしい。和哉の件では驚いた。最近、様子がおかしかったがよくエコ・フェローズという環境省の助成金に通ったものだと言っていた。
姉川は招待状がないため、受付で止められてしまった。そこへ、菱河コーポレーションの社長と遠藤が通りかかる。姉川は瀬田と同じ研究室の人間で、菱河コーポレーションの事業に興味があると嘘をつく。
気をよくした社長は、姉川の乗船を認めた。
そして船は出港した──。
【シーン11】待ち合わせ場所はダイニングルーム『雲』
姉川は、和哉の研究室の非常勤講師・根津の姿を見つける。船内ではセレモニーが始まった。
後ろから肩を叩かれる。右京だった。
姉川「杉下さん、間に合ったんですね」
右京「あなたが横浜にいてくれたおかげで事実確認が思いのほか早く済みましてね」
姉川「招待状は?どうやって乗れたんですか?」
右京「(内ポケットから警察手帳を取り出し)僕は、これを見せて乗せてもらいました。──ところで、和哉さんは見つかりましたか?」
姉川「見当たりません。ただ和哉さんが乗っているのなら、これだけ報道されている中で顔を見せるとは思いません」
右京「確かに」
姉川「この大勢の中から探すのは不可能かもしれませんね」
右京「いえ、探す方法はあります」
この船には環境にちなんで各部屋に自然物の名前がつけられていた。そして4階には『雲』と名付けられたダイニングルームがあった。
あのメモ書きの『クモ720』は、午後7時20分にダイニングルーム『雲』で待ち合わせという意味だったのだ。
午後7時に近付き、北新宿駅ではさらに緊迫した空気に包まれていた。クモ720の車両からは爆発物を発見することが出来ず、捜査員たちは、あわてて車両を離れる。
午後7時──。無人の車両は沈黙のままだ。
伊丹「おい、7時回ってるよな?」
芹沢「はい」
三浦、無線で捜査本部に連絡を入れる。「こちらクモ720捜索現場。只今19時回りました。異常ありません!」
無線連絡を受けた捜査本部。ゆっくりと内村のほうを振り向く中園、「空振りでしょうか?」
駅からは何の連絡も入っていなかった・・・。
【シーン12】船内で殺人事件発生!
右京と姉川、ダイニングルーム『雲』の入り口に行く。
姉川「杉下さん、もし中に和哉さんがいたら・・・」
右京「そのときはそのときです。入りますよ」
中はたくさんの人が談笑していた。係員の話によると、サポートファンドを獲得した天野氏の契約書を交わす会が行われているという。予定では別室で行うはずが、空調の故障により、急遽、『雲』で行うことになったという。通常、『雲』はカフェスペースになっているらしい。
姉川「だけど、これだけの人間がいたんじゃ、誰がジャッカロープのリーダーか特定できません。何か絞る手はないんですか?」
右京「ひとつあります」
右京は、例のメモ書きを取り出す。『OAB』の『O』は結び目が下に来ていた。Oを下から書き始める癖のある人物、それがジャッカロープのリーダーだ。
右京と姉川、乗船名簿をチェックする。『雲』の中にいた人物で、Oを下から書いている人物は2人。根津と受賞者の天野だ。
再び、『雲』に戻る2人。右京が天野に近付き、声をかけると、甲板の方から女の悲鳴が!
遠藤に続き、甲板へ向かう右京。そこには根津が血を流して倒れていた。
右京「(根津の手首の脈を診て)残念ながら手遅れのようですね」
右京は根津の懐から招待状を取り出した。封蝋が一部欠けていた。コインロッカーに付着していた封蝋のかけらを合わせてみると、ぴたり一致した!
姉川「根津さんが・・・!」
右京「なるほど。ジャッカロープのメンバーは全員が大学関係者でした。非常勤講師として色々な大学に行っていた根津さんならばメンバーを集めることも可能です」
右京は犯人が船内にいるため、船長にこの階の封鎖と船を止めることを指示した。
根津の遺体にシートをかぶせ、手を合わせる右京と姉川。
右京「(『雲』の中を指差し)この部屋を通らなければ甲板には出られないようですねぇ」
姉川「じゃあ、犯人はこの中にいた人間・・・」
右京「間違いありません」
【シーン13】右京の名推理
下船後、事情聴取を受けると聞かされ、困惑する人々。
山本社長「取り調べって、我々はどれ位拘束されるんですか?」
右京「そんなに長くはかからないと思いますよ。もう犯人は分かっていますから」
一同、騒然となる。
右京「・・・これまでの調べで空港爆破事件の首謀者が根津さんだということが分かっています。この中で空港爆破事件に関わりのある方は、山本さん、遠藤さん、そして中田さんの3名です。さらに根津さんは、駅を使ってある人物と連絡を取り合っていました。その人物こそが、根津さんを殺した犯人です。・・・遠藤さん。(テーブルにあった飲みかけのグラスを持ち上げ)これは、あなたがお使いになっていたグラスです。指紋が残っています。これを、駅に残っていた指紋と照合させていただいてもかまいませんか?」
遠藤「(苦笑しながら)待ってください。駅のコインロッカーなんて1日何人の人間が使うと思っているんですか」
右京「おや?何故、コインロッカーだと分かったんでしょう?僕は駅とは言いましたが、コインロッカーだとは一言もいいませんよ」
遠藤「(うろたえながら)いや・・・なんとなくそう思っただけですよ。・・・だったら私がこの部屋を出たのをあなたは見たとでもいうんですか?」
甲板へ出るドアは横にスライドさせるものであった。しかし、ドアは押すか引くかするのが普通で、初めての人ならとまどうはずだ。しかし悲鳴が聞こえた時、遠藤は迷うことなく、ドアをスライドさせていた。これは一度部屋を出てドアを開けていたからに他ならない。
右京「根津さんを殺害したとき、犯人の手には血液が付着したことが十分考えられます。きれいに拭き取ったつもりでも、検査をすれば必ず反応は出ます。下手に隠し立てすると罪が重くなるだけですよ」
遠藤「・・・違う!違います・・・これは事故なんです・・・」
根津は金を出さなければ、空港爆破事件の真相をバラすと脅してきた。遠藤は根津に掴みかかり、根津はナイフを取り出した。揉み合いになっているうちにナイフが根津の胸に刺さってしまった・・・。
山本「どうしてそんなことを!」
遠藤「任されたプロジェクトで損失が出て、穴埋めに金が必要だったんです」
右京「環境新技術開発と称して、官庁から助成金を受け取り、その実、何も開発などしていなかったのでしょう」
山本「しかし・・・開発しなくて、どうやって納品を!」
右京「契約書に天災・テロの場合は助成金を返還しなくてもよいとあるのですから、納品時にバイオマスガス化装置とは名ばかりのガラクタを発送し、輸送時にジャッカロープに襲わせればいい訳です。そうすれば、助成金はまるまる手元に残ります。おそらくあなたは助成プロジェクトのメンバーを通して、根津さんと知り合ったのでしょうね」
山本「何故そんなことを!」
右京「助成金免除の特約など、(中田と笠村の方へ行き)官庁の協力無しにできるものではありません」
姉川「助成金の一部を返してもらえば十分に見返りのある話です」
中田「違う。私は金なんか受け取っていない。笠村先生に頼まれただけだ」
右京「おや、流れていたのは(笠村議員のほうを向き)そちらでしたか?」
笠村「私は紹介しただけです!」
右京「いずれにしても、この件については遠藤さんを通していずれ追求させていただきます。それにしても、環境問題に乗じて私腹を肥やすなど、あなたがたもエコテロリストと何ら変わらないじゃありませんか!」怒りに震える右京。
翠香コメント:右京さんしてやったり!見事誘導尋問に引っ掛かりましたね〜。でも私、コンテナ爆破は狂言だろうな〜と予測してましたよ。
【シーン14】犯人の爆破予告
港に着くまで、遠藤は部屋に監禁されることになった。しかし、遠藤は根津をパーティーに呼んだのは自分ではないという。
右京「もしも、遠藤さんの言っていることが本当だとしたら、いったい誰が根津を呼び寄せたのでしょう」
姉川「でも、遠藤さんが少しでも罪を軽くするために嘘をついているのかもしれませんよ」
右京「だとしたら、わざわざ船の上で会う必要があるでしょうか?」
姉川「・・・確かに。じゃあ遠藤さんじゃないとすれば、誰が何のために根津を・・・」
右京「そう!誰が何のために根津を」
捜査本部に犯人から爆破予告電話が入る。逆探知すると、場所は・・・東京湾!
発信は瀬田和哉の携帯電話からであった。
Royal Wingでは、テロリストが船内に爆弾を仕掛けたという情報が流れ、騒然となっていた。
姉川「どうしてですか?テロリーダーの根津はもういないんですよ」
右京「根津を呼び寄せた人物が何か仕掛けようとしているようですねぇ」
──そこへ、爆発音が!何と救命ボートボックスが爆破され、ボートが流されてしまった。乗船客はパニック状態に!
操舵室に入る右京と姉川。船長から、瀬田和哉から爆破予告があったことを聞かされた山本は、頭にきていた。
山本「そっかーウチの助成金が取れなかったんで恨んでいるんだな!」
姉川「そんなことありません。和哉さんは准教授として実績もあります。環境省の助成金だって自分で取ったと聞いています」
山本「自分で犯行を予告してきたんだぞ。やってない証拠なんてあるのか?」
姉川「・・・証拠はありません。でも、確信してます。信頼できる刑事さんが導いた結果ですから」
山本「もういい!」
【シーン15】真犯人現る!
右京は姉川から、和哉が環境省の助成金を自分の力で取ったという話を誰から聞いたのかを確認する。
姉川「えーと、野上さんから聞きました」
右京「しかしそれは大変妙なことなんです。なぜならば野上さんはその事実を知ることが出来ないはずだからです」
姉川「どういうことですか?」
右京「我々が和哉さんの部屋に入ったとき、環境省の助成金決定の通知がファックスで届いていましたね。しかし、あの通知は留守の間に届いたもので、本人も知らなかったはずなんです。つまり、助成金決定の事実を知っているのは、和哉さんの留守にあの部屋に入った者だけ」
姉川「・・・ということは」
右京「そう。一連の事件の真犯人は野上さんです」
姉川「でも、野上さんが何故そんなことを・・・」
右京「野上さんを止めなければいけません」
──そこへ、爆弾を持った男が4階の『雲』の部屋に人質をとって立てこもっているという知らせが!右京と姉川、『雲』に急行する。
野上は、自分の体に爆弾を巻きつけ、遠藤の首を抱えた状態でいた。片方の手には爆弾のスイッチが握られている・・・。
右京「野上さん!あなたの目的はこの場所で遠藤さんに過去の事実を認めさせるということだったんですね?」
野上「何故それを」
右京「当初はクモ720─つまりここ、雲の部屋に7時20分に根津さんを呼んでいました。そこに遠藤さんを連れてゆき、爆弾で脅し、空港爆破事件を白状させようとしました。そしてパーティ会場に連れて行き、そこで過去の事実を公表させようとしたんです。しかし、計画に狂いが生じました。この部屋『雲』には大勢の人間がいることになり、さらに遠藤さんが根津さんを殺して捕らえられてしまった・・・。あわてたあなたは計画を変更して、パニックを引き起こそうとしたんです。和哉さんを装って爆弾を仕掛けたと警察に電話を掛け、乗客に噂を流し、救命ボートボックスを爆破して船中をパニックにさせようとした。そうすれば監禁されている遠藤さんを外に出すことが出来ますからね」
30年前、菱河石油化学工場が四国の村にやってきた。そのおかげで村は潤い、生活は豊かになった。しかし、工場排水が川を汚し、魚が大量に死んだ。そして人々も原因不明の病に犯され、死んでいった。野上の母親もそうだった。野上の父親は近所の大学に頼み、原因物質を突き止めた。しかし、工場側は相手にしなかった。そのときの工場長が遠藤だったのだ。野上の父は裁判を起こすことを決意した。しかし引き受けてくれる弁護士はいなかった。そんな中、唯一引き受けてくれたのが、瀬田だった。しかし、瀬田の立会いの元で調査したところ、原因物質は発見されなかった。瀬田はあきらめて逃げたというのだ。結局一度も裁判を出来ずに父親も母親と同じ病気で死んでいった──。
右京「遠藤さんとジャッカロープの繋がりに気付いたあなたは、それを遠藤さんと瀬田大臣、2人への復讐に利用しようと思いついたのですね」
野上「仕方なかった。終わらせるためにはそれしかなかった・・・」
野上は遠藤の身辺を探っていたとき、遠藤の奇妙な行動を見た。遠藤はコインロッカーに何かを入れて鍵をかけるとその鍵をコインロッカーの裏に隠したのだ。その鍵を使って中にあった封筒の中身を見てみると、札束と何かの指示書きが入っていた。しばらく様子をみていると根津がやってきてコインロッカーを開けた。後日、空港爆破事件が起こった。まさに遠藤の指示書き通りであった。環境誌の編集者を騙って、瀬田和哉に接近して、フィールドワークに出かける前に水質汚染の工場の話をして誘った。そして和哉を襲って気絶させると、和哉のスーツケースと腕時計、携帯電話を持って逃走した。その後、送電ケーブルに時限爆弾をセットし、現場にわざと和哉の腕時計を残していったのだった。
右京「停電事件の後、ジャッカロープの名で声明文を送り、和哉さんの鍵を使って自宅や研究室に侵入し、さも和哉さんがジャッカロープの一員に見えるように偽装をした。そしてマスコミに情報を流し、瀬田大臣を失脚寸前まで追い込みました」
野上「裁判を起こした自分が悪い、そのせいで村人同士がバラバラになった。親父はそういって死んでいきました。・・・あの弁護士のせいだ!(次第に激昂して)あの弁護士が逃げたせいで親父は謝りながら死んでいかなきゃならなかったんだ!そんな人間が法務大臣になるなんて許せなかった!」
遠藤「そんな、30年も前の話だろ。どうして今頃」
半年前、野上の妹が両親と同じ病気で死んだ。遠藤が隠蔽した公害の最後の被害者だった。──瀬田大臣が全てを告白してくれたのだった。野上にとって妹は生きる希望だったのだ。
翠香コメント:出た〜右京さんの長台詞!う〜ん、このシーンも長い・・・。(疲れた〜〜)
【シーン16】犯人確保
右京「野上さん、もういいでしょ?あなたの目的は達成されました。爆弾を捨てなさい」
野上は遠藤の体を右京の方へ投げつける。右京はもろに遠藤の体を受けてその場に倒れる。その隙に野上は甲板へと逃げる。
必死に後を追う姉川、野上の体にしがみつきタックルを食らわす。
野上「離せ!爆発させるぞ!」
遅れてやってきた右京、野上の手から爆弾のスイッチを取り上げる。
右京「野上さん。あなたの行った行為は決して許されるものではありません。しかし、それ以上に許されないのは罪を償うこともせず、命を絶って・・・自らを終わらせようとすることです」怒りに震える右京。
野上「僕にこれ以外の終わり方はなかったんです」泣き崩れる野上。
船の乗客に爆弾が回収されたことが伝えられた。全員安堵する。
捜査本部。
捜査員「犯人は確保されましたー!」一同、拍手喝采する。
中園「誰からの報告だ?」
捜査員「特命係の杉下警部です」
中園「特命係の杉下が何故?」
内村「毎年毎年、あ〜もう!」
Royal Wingの甲板に佇む右京と姉川。
右京「姉川さん。あなたの勇気に感謝します」
にっこりと微笑む姉川。
横浜港では、新年を祝う花火が上がっていた。
翠香コメント:姉川さん、勇敢ですね〜。頬の汚れも勇者の証に見えます!
【シーン17】27年前の真実
瀬田和哉は無事救出された。和哉は事件と無関係であることが分かり、瀬田法務大臣は辞職せずに済んだ。
東京拘置所にて。野上に面会する右京と姉川。
右京「お食事を摂られていないそうですね」
姉川「27年前、菱河石油化学に対する裁判が出来なかった本当の理由が分かりました。遠藤さんが当時のことを話してくれました。遠藤さんは原告団にお金を渡していたんです」
野上「お金?」
右京「どうしても工場を存続させたかった。そのためにもみ消しに必死だったのでしょう。ある人には100万、ある人には50万、ある人には何も渡さず。あえてそのように差をつけることによって、原告団の間に猜疑心を生まれさせようとしたようです」
姉川「原告団はバラバラにされて、もう裁判が出来る状態ではなかったんです。だから瀬田大臣は裁判を諦めなければならなかった」
野上「違う。あの時村では噂になっていた。弁護士が、瀬田が逃げたから裁判が出来なくなった。だから親父は絶望して死んでいったんだ」
右京「それは、瀬田さんがおつきになった嘘だと思いますよ。あの裁判を始められたのはあなたのお父様です。当時前に進もうにも菱河石油化学工業の思惑通り、お仲間たちはバラバラにされていました。しかし、裁判を諦めてしまったら、世間の非難を浴びるのはリーダーであったあなたのお父様です。瀬田さんは自分を悪者にすることで、お父様を守ろうとしたのだと思いますよ」
姉川「瀬田大臣はあなたのお父さんを裏切ったんじゃないんです」
野上「だから僕が悪い。あなたたちはそう言いに来たんですね。・・・帰ってください」
そこへ瀬田法務大臣が現れる。
瀬田「瀬田宗明と申します」
野上「法務大臣がこんなところに何の用ですか?犯人の顔を見に来たんですか」
瀬田「大臣は辞任します。・・・あなたに謝らなければならないことがあります」
27年前、まだ裁判を取り下げる前、瀬田は病院で野上の父に会った。野上の父は、自分が悪い。もう誰ともけんかをしたくない。もうここまでにしてくれないかと訴えていた。
瀬田「・・・弁護士の私は何があっても最後まで『あなたは正しい』と叫び続けなければならなかった。・・・しかし私にはそれが出来なかった。大切なことを歪めたまま終わらせてしまったんです。だからあなたにこんなことをさせてしまった」
野上「(怒りに震えながら)そうだ!あんたのせいだ!全部あんたが悪いんだ!」
瀬田「野上さん。・・・本当に本当に申し訳ありません」瀬田は土下座をする。
野上「謝らないでもらえますか。それじゃ親父と一緒じゃないですか。・・・僕だって分かってますよ。あなたのせいじゃないってことぐらい」泣き崩れる野上。
【エンドロール】それぞれの再出発
野上との面会を終え、拘置所の廊下を歩く3人。
瀬田「杉下さん。このたびは息子を救って頂き、ありがとうございました」頭を下げる。
右京「恐縮です」礼を返す。
姉川「どうしてお辞めになるんですか?」
瀬田「上にいて、待ってるだけでは駄目なんです。側へ行ってこの手で探し出さないと、見つけることはできません」
右京「また人々の小さな声なき声に耳を傾けるお仕事をされるのでしょうね」
瀬田「じゃあ、失礼します」お辞儀をして、去っていく。
右京と姉川、瀬田の後姿をいつまでも見送っていた。
特命係室で、紅茶を淹れる右京。そこへ携帯が鳴る。
右京「杉下です」
小野田「僕だけど」
右京「分かっています」
小野田「今回はご苦労様でした。和哉くんも無事だったし、瀬田さんからお礼言われちゃった」
右京「なによりです」
小野田「それより聞いた?辞任するんだって」
右京「はい?」
小野田「潔すぎるよね。まあ、あの人らしいけど」
右京「そうですか」
小野田「お礼しなきゃね。思い切ってふぐなんてどう?」
右京「いや、結構。(そこへキャッチが入る)あ、電話が入ってきているようですので」
小野田「あそう。じゃあ今年もよろしく」
右京「こちらこそ」
右京と姉川夕暮れの街を歩く。
瀬田は、不法投棄裁判に決着をつけて、辞任したのだという。
右京「あなたは、これからどうなさるんですか?」
姉川「私は、しばらく法務省を続けてみます」
右京「そうですか」
姉川「今度は自分の足で歩いてみようと思います」
右京「あなたなら出来ます」
姉川「(ちょっと照れたように)はい」
右京「頑張ってくださいね」
姉川「ありがとうございます」
右京、姉川の前に右手を差し出す。握手を交わし、去っていく。
姉川「あっ!そうだ!杉下さん!遅くなりましたけど、あけましておめでとうございます」お辞儀をする。
右京「あけましておめでとうございます」お辞儀を返し、右手をパッと広げて
にっこりと笑い「OK!」
姉川、小さく手を振りながら右京の後姿を見つめていたが、自分の進むべき道を歩き出した──。
翠香コメント:小野田さん、珍しく(?)労っていましたね。しかし、いつもながら軽いよねw 最後の右京さんのしぐさが可愛かったです。
■総評
今回は元日スペシャルということで、通常の2.5倍の長さだったので、レビューも長大になっちゃいました。あ〜疲れたよ〜。
今回のテーマは、近年問題になっている地球温暖化について取り上げながら、ミステリーファンが喜ぶ暗号解読の要素を盛り込む心憎い演出になっています。
しかしまあ、なんとなく犯人の目星が付いてしまうのが、ドラマの限界でしょうか。つっこみどころもいくつかありましたし・・・。
このスペシャルで右京の相棒を務めた、姉川役の田畑智子さん、よかったですね。
せっかちで向こう見ずなところがあるけれど、正義感の強い女性──そんな姉川を元気いっぱい演じていましたよね。
しかし、姉川は『亀の後釜』ではないようですね。誰が新しい相棒になるのか、次回を待ちたいと思います。
■参考
テレビ朝日|相棒7
相棒season7公式ホームページです。
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