【相棒season7】 第13話

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By翠香

 このところ、ちょっとバタバタしていまして、レビューが遅れています。すみませ~ん。では、いざ第13話!(いざ=13のシャレですw)

■放送日時
  2009年1月28日 テレビ朝日 21:00~21:54 第13話 「超能力少年」

■GUEST CAST
  縄手順子   ・・・濱田マリ
  縄手拓海   ・・・田中碧海
  坂本明    ・・・佐藤銀平
                 ほか

【シーン1】少年が強盗殺人事件を予知

  銀座警察署に少年と母親が出頭し、銀座のクラブにこれから泥棒が入るという。少年が予知したというのだ。
  銀座署ではこの母子をもてあまし、本部に押し付け、特命係にまわされてきた。
  右京「どうぞ」母子にミルクティーを出す。273
  順子「だからぁ、銀座のクラブです。泥棒が入るんです」
  右京「キームンで作ったミルクティーです。茶葉に甘味のあるキームンはミルクティーに最適です」
  順子「ちょっと!どろぼうは今夜入るかもしれないのよ」
  右京「しかし、(少年のほうに屈みこんで)時間までは分からないわけですね?」
  順子「で、でも、(息子のほうを見て)夜入ることは間違いないのよね?」
  拓海黙って頷く。
  右京「あーそうそう、いいものがありますよ(戸棚の方へ行き、中にある箱を取り出して)オレンジピールのチョコレート。ミルクティーに良く合いますよ。どうぞ」
  順子「結構です。拓海は虫歯治したばかりなの。そんなことより拓海の能力を信じてよー」
  拓海の予知は「お告げ」──頭の中に声が聞こえるのだという。他にも『お店が終わったら、ママが一人になる』、『一晩で何百万も儲かる』という言葉を断片的に聞いていた。
  右京「ほぉーこのご時勢、一晩で何百万も売り上げるお店は珍しいですよ。・・・そうですか。ではその線で調べてみましょう」
  順子「捜査、してくれるんですか?」
  右京「もちろんです。窃盗の通報を放ってはおけません」
  右京が縄手母子を連れて角田の部署を通っているところへ捜査員が駆け込んできた。銃を使った強盗殺人事件が発生したという。場所は銀座のクラブだ!
 順子、右京の肩を叩く。右京、少年の予知との一致に気付き、驚いた表情をする。405

  381翠香コメント:右京さんの驚いた表情がナイスです!(≧▽≦)

【シーン2】強盗殺人犯は素人?

  犯人は、銃口にクッションを当てて銃声を消したかったようだ。しかし、そんなもので銃声が消せるはずもなく、まるで素人の手口であった。但し、夜1時を過ぎるとこのクラブのあるビルは無人になるため、銃声を聞いたものはいなかった。第一発見者はおしぼりの業者の男だった。
  ママ「ホステスとボーイが帰った後、いつも一人で売り上げの計算してて・・・その時・・・」体を震わせる。
  芹沢「その時、覆面をした男が入ってきて、(ガムテープを見せ)これで拘束され、売上金を奪われたんですね?」
  ママ、黙って2,3度頷く。
  芹沢、伊丹の方へ近付き「その後来たご主人が撃たれ、財布も奪われたそうです」
  伊丹「(小声で)今朝、おしぼりの業者が来るまで、拘束されたままか?」
  芹沢「ええ。ご主人の遺体の前で一晩中泣いていたそうです」
  三浦「心中お察しします」
  伊丹「絶対許せねぇ」
  最近、店の売り上げが落ちていた為、ママのタクシー代を浮かせる為に、ご主人が毎晩迎えに来ていたのだという。
  そこへ背後から忍び寄ってきた右京「最近、お店の売り上げが落ちていた、ということは、以前は一晩で何百万も稼ぐお店だったとか?」
  三浦「警部殿!」
  芹沢「突然来て、何空気読めないこと言ってんですか!」
  右京「いかがでしょう?一晩で何百万もの売り上げ?」
 ママ、首を横に振りながら「景気がいいときでも、一晩で100万に届くかどうかで・・・」

  少年の予知は、場所などは当たっていたが、『一晩で何百万も儲かる店』という点では外れていた。
  右京「僕、お化け39と超能力は信じています」
  米沢「えっ?」
  右京、米沢に頼んで防犯カメラの映像を見せてもらう。犯人は手袋をしていたので、指紋は残されていなかった。また、被害者の体内に残った銃弾から拳銃が特定されたが、一時期マニアの間でインターネットで大量取引していたものであるらしい。ここから犯人を割り出すのは難しそうだ。

【シーン3】順子、自分の成し得なかった夢を息子に託す

  右京、縄手家を訪ねる。
  順子「拓海の能力が証明されたってことよね?やっぱそうなのよ~。あの人、全然信じなかったけど」
  右京「あの人とは?」
  順子「ああ。別れた主人ね。去年離婚したんです。そんなことより、私、拓海には絶対能力があるって思ってたの」
  拓海の能力が開花したのは、2週間前ぐらいからだという。拓海は近所のご老人が死ぬことや、見知らぬ夫婦が離婚することを言い当てたのだ。

  縄手母子と被害者との接点は見当たらなかった。では、犯人と接点があったのか?さもないと本当の超能力者ということになる。
  三浦が過去の週刊誌から縄手順子の記事を見つけた。順子は子供の頃、超能力少女として世間を騒がせていたのだ。しかしどうやらインチキだったらしい。

  右京、公園で順子の元夫に話を聞く。
  元夫「子供の頃は確かに超能力があったと順子はよく言っていました。テレビにも出たって」
  右京「ええ。それで僕も思い出しました」
  元夫「当時、ちょっとした騒ぎになりましたからね。でも本人に言わせれば、あれは生放送のプレッシャーで、あのときに限って上手くいかなくて、番組が用意した小道具に手を出してしまったと。でもそれが失敗し、それが全国に流れてしまった。それで嘘つき呼ばわりされた順子は、マスコミの餌食になり、両親は離婚したそうです」
  右京「ひょっとして、あなた方の離婚も拓海君の超能力が原因ではありませんか?」
  元夫「拓海にも同じ能力があるはず。順子がそんなことを言い出したのは、拓海が小学生になってからで」
  順子は、能力を開花させるため拓海に超能力の訓練を強制していた。元夫はここ1ヶ月ほど息子に会っていないという。母親に洗脳されてしまっているためか、拓海が会いたくないと言っているのだ。
  元夫「超能力が無いなんていう私には会わせたくないんでしょう。特に今は」
  右京「特に今はとおっしゃいますと?」
  元夫「どんなからくりか知りませんが、拓海の能力がやっと開花したみたいですから」
  右京「では、順子さんや拓海君との連絡は?」
 元夫「(首を振り)今や、養育費を振り込むだけの関係です」寂しそうな顔をする。

【シーン4】盗聴によるインチキか?

  右京、拓海に離婚を言い当てられた女性の住むマンションへ。
  離婚の話は、前の晩夫と話していたばかりだったので、本当に驚いていた。
 参考までに離婚の原因を尋ねると、夫が嫉妬深く、自分が会社に行っている間、妻が浮気をしているのではと疑い、手帳や携帯を勝手に調べたり、近所に聞きまわったりしていた。挙句の果てには自宅に盗聴器まで仕掛けていたらしい。

  花の里にて。
  米沢「盗聴器ですか?」
  右京「このようなタップ式のものを自宅にいくつも」
  米沢「ちょっと失礼(右京からタップを受け取る)まるで家庭内ストーカーですな~」
  たまき「怖いですねぇ」
  右京「この手の盗聴器の受信範囲は、どの程度でしょうねぇ」
  米沢「そうですね、300mぐらいでしょうか」
  右京「では、その範囲を盗聴受信機を持って歩けば、あのご夫婦の離婚話を偶然聞いてしまう、ということもあり得るわけですね?」
  米沢「しかし、小学生がそんなことを」
  右京「母親かもしれません」
  米沢「つまり母親が近所周辺数百メートルの範囲を歩き、受信した会話の中からこれはと思う情報を息子に伝えた」
  右京「ま、可能性としてですが」
  米沢「我が子を超能力者に仕立て上げて、警察に協力した挙句、ゆくゆくはマスコミに売り出そうとしたとか」
  右京「突拍子もない推理ではありますがねぇ」
 米沢「だとすれば母親は受信機を持っていますなあ」

  被害者には10年前に5000万の生命保険がかけられていた。ごく一般的な額であり、10年前のクラブの経営は順調だった。ママの周囲の人間にも金に困っている者はいなかった。

【シーン5】盗聴していたのではなく、されていた!

  右京と米沢、盗聴受信機を捜索するため、縄手家を訪れた。2人は、家中をくまなく探す。
  米沢「杉下警部。(右京が近付いていくと、小声で)テーブルの下にこれが」黒い小さな装置を取り出す。
  2人は順子の方を見る。順子「知らない。私、盗聴なんてしてない」
  右京「ええ。あなたは盗聴などしていません。盗聴されていたんです」
  盗聴発信機は電池式のもので、ひと月ほどまえに仕掛けられていた。
  右京「ひと月ほど前ですか・・・」
  そこへ、拓海が帰ってくる。拓海「お母さん、ウチ、盗聴されてたの?」
  びっくりする順子。右京と米沢は顔を見合わせ、拓海のランドセルや洋服を検査する。しかし、受信機の類は見当たらなかった。
  右京「どうして、盗聴されているって分かったのですか?」
  拓海「だって、お告げがあったから」
  米沢「お告げって・・・」
  順子「これで、拓海の能力が証明されたわね」得意げな表情をする。
  ──そこへ、捜査一課トリオが縄手家にやってきた。一緒に玄関先に出て行く右京と米沢。
  三浦「困りますね警部殿。また勝手に~」
  伊丹「米沢、お前まで何やってんだ!・・・まあいい。お前はそちらのエスパー少年をどちらかにお連れしろ」
  拓海の部屋にやってきた米沢。部屋の中は超能力グッズが満載だった。拓海はポータブルゲーム機で遊んでいた。
  拓海「あ、今ゲームやってること、お母さんには内緒ね。ゲームとテレビは禁止なんだ。超能力に良くないって」
  拓海がゲームの攻略に悩んでいると、米沢がアドバイスする。米沢と拓海は携帯番号を交換する。

  鑑識課にて。
  米沢「(発信機を掲げて)いくつか指紋が出ました。大きさからいって、大人の指紋だとは思いますが、前科はありませんでした」
  右京「ひと月前に仕掛けられた盗聴器、前科のない大人の指紋」
  米沢「それだけでは、なにも分かりませんね」
  右京「いえ。目星は付きました」
 米沢「はい?」

  右京、大衆食堂で順子の元夫の夕飯に付き合う。
  右京「元奥様・順子さんのご自宅から、盗聴器が見つかりました。鑑識の話では、ひと月ほど前に仕掛けられたものだとか。・・・そういえば、ひと月前からでしたねぇ」
  元夫「は?」
  右京「息子さんと会えなくなったのは。・・・その盗聴器から、指紋が見つかりました」
  元夫「すみません」テーブルに手をついて頭を深々と下げる。
  右京「やはり、あなたでしたか」
  右京は、元夫が順子や拓海に1ヶ月間連絡を取っていないといいつつ、拓海の能力が開花したことを知っていた。順子によると拓海の能力が開花したのは2週間ほどまえのことだった。その矛盾に気付いていたのだ。
  元夫は、息子の声だけでも聞きたかったという一心でこんなことをしてしまったのだという。

  381翠香コメント:米沢さん、ゲーマーだったのですか~。意外な特技発見です。

【シーン6】拓海の予知にマスコミが大騒ぎ

  鑑識課でパソコンに向かっている米沢の側で出囃子が──米沢の携帯の着メロだった。電話の主は拓海で、放課後に会う約束をした。
  待ち合わせの公園に現れる拓海、「米沢!」走り寄ってくる。
  米沢「おう」
  右京も同行していた「けさ、またお告げを聞いたそうですね」
  拓海「うん。あのね、学校へ行くとき、久我山公園の池に、銃を捨てるって」
  米沢「銃を捨てる?」
  拓海「クラブに泥棒に入るって言った声と同じだった」
  米沢「ということは、強盗犯が拳銃を捨てる?」
  右京「拓海君、君の聞くお告げは、いつも同じ声なんですか?」
  拓海「ううん。同じ声聞いたのは初めて」
 右京「なるほど・・・」

  拓海の予知に従い、久我山公園の池の捜索が始まった。池の周りには、たくさんのマスコミ陣が詰め掛けていた。順子が連絡したのであろう。
  すると、拓海の予知通り、池の底から拳銃27が見つかった。マスコミ陣は大いに盛り上がる。順子も鼻高々だ。
 池の片隅でそっと様子を窺っていた元夫が、寂しそうな表情で立ち去るのを右京は見ていた。

  発見された拳銃は、強盗が使用したものであった。拳銃の中の銃弾から指紋が見つかったが、前科者リストにはいなかった。

  381翠香コメント:米沢さん、出囃子を着メロにするほど落語が好きなんですね。そういえば前回、右京さんから落語のDVDを借りていましたね。ということは、右京さんも落語ファン?

【シーン7】再び拓海に『お告げ』が!

  米沢、拓海に呼び出され、ゲームの指南をする。
  米沢「ああ、テレビ見ましたよ。お母さんが出てた。拓海君は顔も名前も出してませんでしたなぁ」
  拓海「出さないでって言ったの。だっていじめられちゃう。超能力見せろって。でしょ?」
  米沢「賢明な判断です」
  拓海「・・・ねぇ、いつまで続くのかな。僕の能力」
  米沢「いやなんですか。でも、お陰で悪事に使われた拳銃を見つけることができました」
  拓海はご褒美に以前右京が差し出したチョコレートをねだる。
 すると、拓海は苦しそうに頭を押さえた。また『お告げ』があったのだ。

  伊丹「また強盗が入る?」
  米沢「そういうお告げがあったようです。しかも銀座のクラブに入った強盗と同じ強盗のようです」
  三浦「場所は?」
  米沢「中野夕日通りにあるコンビニ、モコマート」
  伊丹「コンビニか、よし!」
  芹沢「よしって、すっかり超能力信じてますね」
  伊丹、芹沢の頭をはたく。「他に何か言ってなかったか?」
  米沢「え~あの、防犯カメラが、どうとかこうとか」
  伊丹「どうとかって、お前ちゃんと聞いとけよ~」
 米沢「いや、あのお告げ自体がそういう曖昧な感じだったようで」

  特命係
  右京、紅茶をカップに注ぎながら「防犯カメラ、ですか?」
 米沢「ええ。コンビニの防犯カメラだと思いますが」
 右京「銀座のクラブと同じ犯人だったんですね?」
 米沢「拓海君によると、声も同じだったとか」
 右京「声も?・・・つまり、銀座のクラブに泥棒が入る、池に銃を捨てる、その二つのお告げと同じ声だったわけですね?」
  米沢「世の中、不思議なことがあるもんですなぁ」
  右京「しかし、今時のコンビニは銀座のクラブと比べると、防犯設備もしっかりしているはずですがね」
  米沢「確かに通報される可能性も大ですな」
  右京「にもかかわらず、そのコンビニを次のターゲットに選んだ」
  米沢「大胆不敵というか、何と言うか。・・・あっ、チョコレート」
  右京「はい?」
  米沢「拓海君食べたがってましたよ。警部のチョコレート」
  右京「そうでした」いそいそと戸棚からチョコレートの箱を取り出す。「これです。これ」
  しかし、右京は何かに気付き、表情を変える「まさか・・・」
  米沢「えっ?」
  右京「まさかですよね?」
  米沢「何がまさかですか?」
  右京「金属の悪戯」

  381翠香コメント:右京さんがいそいそとチョコレートを取り出すところが可愛かったです344。でも、右京さんご自分で食べるつもりだったのでしょうかねぇ?紅茶のお供に。

【シーン8】通り一本予知が外れた

  コンビニ・モコマートでは、捜査員たちが店員や客に扮して張り込んでいたが、空振りに終わった。
  しかし、一本筋違いの通りに面した不動産会社に強盗が現れていたのだ。防犯カメラの映像を確認すると、銀座のクラブの強盗と同一犯であった。しかも被害にあった不動産会社は殺された被害者が勤めていた会社だった!
  被害総額は約1千万。管理しているテナントやマンションの賃料を保管していた金庫から盗まれていた。金庫の鍵は課長と部長だけが持っていた。例の殺された被害者は課長だったので持っていたが、奥さんに確認したところ、鍵は見当たらないという。財布に入れていたのではないかというのだ。どうやら犯人の狙いは、クラブの売り上げではなく、不動産会社の金庫の鍵を奪うことだったのだろう。

  右京と米沢、現場付近を歩きながら。
  米沢「驚きましたなぁ。まさか1本裏の通りだったとは」
  右京「巡回の警察官を配置していれば、発見できたかもしれません」
  米沢「超能力捜査には人員は割けないということですなぁ。しかし、通り1本だけ予知が外れるとはこれは一体どういうことでしょうねぇ」
  右京「お陰で色々と見えてきました」
  右京、コンビニの防犯カメラの指差しながら、「あのカメラならば、この通りを見渡せますねぇ」
  米沢「ええ。広範囲に監視できるカメラです」
  右京「ですから、犯人はこのカメラに用心したんです」
  米沢「えっ?」
  右京「この通りの1本奥の不動産会社を狙う場合、この通りを通ってしまっては、あのカメラに写ってしまいますからねぇ」
  米沢「じゃあ、拓海君の予言は?」
  右京「あの防犯カメラに気をつけろということだったのでしょう」
  米沢「しかし、なんでそんな犯人側の事情を・・・お告げが」
  右京「お告げはいつも拓海君の登校途中に聞こえるのでしたねぇ」
  米沢「ええ。そのようです」
  右京「そろそろ、(自分の腕時計を指差しながら)その時間です。拓海君の通学路に行って盗聴電波を探してください」
  米沢「はい。えっ?」
  右京、意味ありげに微笑む。

【シーン9】お告げの正体判明!

  拓海君の通学路で盗聴電波を探す米沢。ある場所で電波を受信した。さらに強い電波を求めていくと、あるアパートの2階の一室の前に右京が立っていた。
  右京、ささやき声で「こちらから強い電波が出ているようですね」
  肯きながらアパートの階段を登っていく米沢、探索機のアンテナをドアに近付けると、電話の声がはっきりと聞こえてきた。
  米沢「どうしてここだと分かったんですか?」
  右京「強盗殺人事件の関係者を調べたところ、第一発見者が拓海君の通学路に住んでいることが分かりました。・・・ちょっと気になりましてね」
  右京、ドアをノックする。中の住人がドアを開ける。住人は、あのおしぼり業者の男だった。
 右京、警察手帳を見せ「突然申し訳ありません。このあたりの盗聴電波を調べていたところ、お宅が盗聴の被害に遭っていることが分かりました」
 男「は?」
 米沢「先ほど電話されていましたよね?」
 右京「任意で調べさせていただいていいでしょうか?」
 男「いや、結構ですから」ドアを閉めようとする。
 右京「何か困ることでもあるのですか?」
 男「別に・・・困ることなんかありませんよ。・・・じゃあちょっと待ってて下さい」そう言ってドアを閉める。
 アンテナをドアに近付けると、何やらジッパーを開閉する音、冷蔵庫を開閉する音が聞こえてきた。
 男、再びドアを開け、息を切らしながら「すいません。散らかってたんで。どうぞ」
 右京と米沢、部屋に上がり込む。米沢が盗聴電波を探していくと、電話の付近で強い電波をキャッチした。そして、コンセントの中に盗聴器を発見した。
 右京、勝手に冷蔵庫を開けて「おや、珍しいものが入ってますねぇ。冷蔵庫に。(冷蔵庫の中にあったカバンを取り出し)何を冷やしてるんですか?ちょっと失礼」とカバンを開けようとする。
 男「やめろ!」
 米沢「動くな!」
 右京、カバンのジッパーを開ける。中には札束が入っていた。「おやおや。盗聴器の捜索にご協力を頂いたら、とんでもないものが見つかりましたねぇ。(中身を出しながら)強盗殺人事件と窃盗事件の証拠でしょうかねぇ」
 米沢「(低い声で)強盗殺人に使われた拳銃からは、指紋も出てます」
 右京「照合してみましょうか?」
 男、泣き崩れる。

【シーン10】もう一度やり直したかった

  閉店後のクラブにて。
  右京「ご主人を殺害した強盗殺人犯が逮捕されました」
  ママ、驚いた表情で振り返る。
  右京「坂本明31歳。ご主人のご遺体とあなたを最初に発見した、おしぼりの業者です」
  ママ「犯人捕まったんですか。よかった~」
  右京「本当によかったんですか?」
  ママ「えっ?」
  右京「あなたの共犯者が逮捕されたんですよ」
  ママ「意味が分からないんですけど」
  右京「防犯カメラの映像を見たときから引っ掛かっていました。何故犯人は店内で拘束したあなたをわざわざ廊下まで連れ出したのか。本来ならば、全く必要の無い行動です。しかし、必要はあったんです。あなたの目の前でご主人が撃ち殺される映像を残すために。あなたが犯人ではないという、確実な証拠を作るために。このお店の経営が上手くいかず、ご主人と金銭上の問題でもめていた事実。そのご主人に掛けられた保険金。本来ならば、すぐにでもあなたを問い質したかったのですが、共犯者に逃げられたり、証拠を隠滅されてしまったりしたらと思い、時を待っていました」
  ママ「言いがかりです」
 そこへ右京の携帯に電話が掛かる。坂本がママとの共犯を自供した──。

  取調室。
  坂本「まさか家が盗聴されてたなんて・・・」
  角田「天網恢恢祖にしてもらさずってヤツだ」
  坂本のアパートの前の住人は女の子で、ストーカー被害にあって出て行っていた。
  坂本「(大きな溜息を1つついて)事業に失敗しなきゃ、あんな部屋に引っ越さなかったのに・・・」
  坂本がある夜、おしぼりの交換に訪れたとき、ママがご主人と言い争っていた。泣いているママを慰めたのがきっかけで、閉店後に話をするようになった。話をするうちにママは店を立て直すために、坂本は事業をやり直すためにお金が必要なことがわかった。それで、ママは保険金を手に入れるために、夫を殺してもらい、そのかわり夫の会社の金庫破りを段取ったのだ。
  ママ「もう一度、銀座で店を盛り返したかった・・・」
  坂本「もう一度、人生をやり直したかった・・・」
  2つの取調室で、同様なことをつぶやく2人だった・・・。

【シーン11】母親のために超能力者を演じていた

  縄手家を訪れる右京と米沢。
  順子「拓海の予知が外れた?」
  米沢「いや、外れたといいますか・・・」
  順子「そうよね。外れたのは道1本でしょ?凄いわよ」
  米沢「お母さん、落ち着いて下さい。あの、そういう話ではなくてですね・・・」
  右京「拓海君が頭の中で聞いた声は本物だったということです。最近、虫歯を治したとおっしゃってましたね。そのことが原因で、拓海君は人間電波受信機になったんです」
  順子「人間・・・電波・・・受信機?」
  電波を受信するには、検波器というものが必要で、2つの違う金属が接触することで、電波を受信できる。拓海君は歯の治療をした際、上下の歯に金属の詰め物をした。詰め物をした歯が接触することによって、検波器の役目を果たし、骨伝道で頭蓋骨に伝わり、それがスピーカーの役目を果たし、音声となって聞こえたのだ。拓海君の通っていた歯医者は最近使用する金属を変えたのだが、治療を受けたのがちょうど切り替えの時期だったために、上下に違う金属が使われたのだ。しかし、上下の歯を噛み合わせた時だけ聞こえるので、精密さには欠ける。盗聴電波を所々受信したために勘違いが起こっていたのだ。
  米沢「いずれにしても、拓海君の歯の治療はやり直した方がいいですね」
  順子「嘘よ、そんなの。拓海の能力は本物なんです!」
  すると、拓海が頭を押さえる。何か電波を受信したのだ。「うちに盗聴器を仕掛けたのは・・・パパ?」
  右京は携帯を取り出し、電話を掛ける。「たった今、受信しました。いらして下さい」
  そこへ現れたのは、拓海の父親だった。
  順子「拓海の能力は本物なの。私の子なんだから。超能力を受け継いでいるはずなの」
  元夫「順子!いいかげんにしろ」
  順子「だって、超能力がなければおかしいのよ!」
  右京「お母さん。お母さんは拓海君を使って、ご自分の昔の汚名を返上したかったのではありませんか?」
  順子「・・・違います。違います」
  拓海、母親をかばうように「僕は超能力者だよ!僕には超能力がなければダメなんだ!」
  米沢「怖かったはずです。毎日のように頭の中に変な声が聞こえてきて。(拓海のほうにかがみこんで)怖かったよなぁ。でもそれも終わりにしよう。ゲームオーバーだ」
  右京「拓海君は、お母さんの喜ぶ顔が見たかったんですね?だから超能力者として、一生懸命頑張ったんですね?(米沢から例のチョコレートを受け取り)あ、そうそう忘れるところでした。ご褒美のチョコレート(母親の方を見て)いいですよね?また歯の治療をし直すんですから」
  拓海、泣きながらチョコレートを受け取り、それを食べた。

■総評
  今回は、社会派の『相棒』には珍しく、予知能力という、オカルトチックな題材でしたね。私は、この後の10時枠で、日テレの『キイナ~不可能犯罪捜査官~』も観ていまして、こちらがポルターガイストを扱っていました。どちらもオカルト現象を科学的に解明するというスタンスは同じで、なんだか『探偵ガリレオ』ぽいな~と思いました。さしずめ、『相棒』の予知が【予知る】で、『キイナ~』のポルターガイストが【騒霊ぐ】といったところでしょうか。(ちなみに、【予知る】、【騒霊ぐ】があるのは、【予知夢】です)
 それから、今回は米沢さんが右京さんの相棒を務めていましたね。まあ、鑑識の人が捜査することはないとは思いますが・・・。しかし、米沢さんがゲーマーだったとは、意外な発見でしたね。

■参考
 
テレビ朝日|相棒7
  相棒season7公式ホームページです。

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