【迷路館の殺人】 綾辻行人

◆◇◆二重のトラップ!◆◇◆

島田潔(館シリーズ)3
長編
講談社ノベルス 1988.9
  講談社文庫 1992.9

迷路館の殺人 (講談社文庫)
迷路館の殺人 (講談社文庫)綾辻 行人

おすすめ平均
stars迷路...更に迷路...そして迷路...
stars作中作
stars作中作、という試み。
stars二重の驚き
starsラビリンスのその向こう

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■あらすじ

 奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた!
 完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。
(講談社文庫より)

■テーマ
  迷路
  ギリシャ神話

■感想
 久々の綾辻作品です。前作【水車館の殺人】がかなりグロかったので、なかなか本作に手が出せずにいました(^^;)

 『迷路館』で実際に起きた殺人事件を題材にして、関係者の一人がミステリー小説を書いた。その本が、島田の元へ『謹呈』25されてきたところから物語は始まります。
 作中作『迷路館の殺人』が物語の9割を占めるのですが、この作中作、表紙から目次、本文、あとがき、奥付まで付いていて、凝ってますね~。
 作中作では、推理小説の巨匠が自殺し、遺言を吹き込んだ録音テープには、4人の弟子にミステリーを書かせて、最も優秀な作品を書いた者に自分の遺産の半分を譲るとあった。果たして4人の弟子がお題に沿ったミステリーを書くと、その見立て通りの殺人が起きるというもの。

 今回、グロい描写も一部あったのですが、作中作で作家たちが書いたミステリーの中のお話(作中作の中の作品ということ。ややこしいですね)かと勝手に勘違いしていたため、現実味がなくて、割と大丈夫でした(笑)

 この迷路館もあの中村青司が設計したもの。とくれば、どこかにからくりが仕掛けられている訳で、それも一つの楽しみだったりします。特に、最後の隠し部屋が明かされる件(くだり)は、まるでRPGのようで、ワクワクして読みました。

 作中作での犯人や見立て殺人のトリックについては、大体分かりました。まあ、動機などに若干不満はあったのですが。しかし、このままでは終わらなかった!種明かしをされ、思わず「えっ?うそっ!」とばかりに読み返してしまいました。・・・確かに、自分が勝手に思い込んでいるだけで、ハッキリとは書かれていないのですよね。う~やられた~。
 さらに最後の最後で明かされる真実にまたびっくり!一瞬、混乱しましたよ。こういうのって、実際の作家さんでもやっている方がいるので、試してみたのですが、上手くいかず諦めていたんですよね~。もう一ひねりあったのかぁ。くれぐれも最後のページをチラ見することのなきように。219
 つまり、この作品は二重のトラップが仕掛けられている訳なんです。
 ああ、またしても騙されてしまった・・・。根が素直なもので(笑)名探偵への道は果てしなく遠いですねぇ(^^;)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • トリックものが好きな方
  • 迷路が好きな方
  • ギリシャ神話が好きな方
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Category: 島田潔(館シリーズ)
Published on: Sun,  08 2009 23:13
  • Comment: 4
  • Trackback: 0

綾辻行人 島田潔 中村青司

4 Comments

viviandpiano  

仕掛け!

本当に凝った作りの作品でしたよね。
作中作の外側に、事件は伸びていって。
そして、さらに・・・
私も、見事に騙されましたよ~!
こういうの、もっと書いて欲しいな~・・・

次は「人形館」ですけど、
これも衝撃ですから、読まれるときは楽しみに♪
確か、そんなにグロくなかったはず(自信ないです^^;)

2009/02/10 (Tue) 01:23 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

viviandpianoさんも騙されましたか~。
一部、ちょっとズルい記述もありましたが、
読者の思い込みを上手く利用していますよね。

前2作は、そこまでするか~というような怨念のこもった犯行で、
後味悪く、苦手意識もあったのですが、
この作品で払拭されましたね。
本当、最後まで楽しく読むことができました(^^)

『人形館』、大丈夫でしょうか?
なんかタイトルからして怖そうなんですけど・・・(^^;)
でも、衝撃作ならこれも近いうちに読みたいですね。

2009/02/10 (Tue) 21:54 | EDIT | REPLY |   

きっし~  

お初にお目にかかります

 「読書ノート」でブログを書いているきっし~と申します。ミステリ処、というタイトルに惹かれて、アクセスしました。そうしたらなんと私が尊敬する綾辻先生の本の記事が!というわけでコメントいたしました。

 「~館」シリーズは既刊されているものは全部読んだ(でもあまりこまかい内容は覚えてませんが)のですが、迷路館はかなり面白いですよね。「人形館」は・・・あのオチは衝撃的っちゅーか「そんなのアリ!?」って感じ・・・です

 また遊びに来ます。

2009/08/27 (Thu) 14:03 | EDIT | REPLY |   

翠香  

きっし~さんへ

はじめまして。ご訪問ありがとうございます!
迷路館は本の装丁がスッポリ入っているところが凝ってますよね。
前2作は、怨念のこもった犯行で後味悪かったのですが、
本作は一部ズルいと思うところもありますが、気持ちよく騙されました(笑)

人形館はぼちぼち読みたいな~と思ってはいるのですが、
名前からして怖そうで・・・(^^;)
「そんなのアリ!?」ですか~気になるな~。

またいつでも遊びに来てくださいね(^^)

2009/08/27 (Thu) 23:35 | EDIT | REPLY |   

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