【美貌の帳】 篠田真由美

◆◇◆輪廻の魔法◆◇◆

桜井京介シリーズ6
長編
講談社ノベルス 1998.5
講談社文庫 2004.9

美貌の帳―建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)
美貌の帳―建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)篠田 真由美

おすすめ平均
stars京介の母を知っている人?

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■あらすじ

説の名女優・神名備芙蓉が二十八年ぶりに復活。伊豆の会員制高級ホテルで三島由紀夫の『卒塔婆小町』を演じ、老婆から美女へ見事に変身してみせる。だがその後、演出家の失踪、ホテルオーナー天沼龍麿の館の放火、芙蓉への脅迫と怪事件が相次ぎ、さらなる惨劇が!?京介の推理が四十年に亘る愛憎を解く!
(講談社文庫より)

■テーマ
 小町伝説
 卒塔婆小町

■ヒロイン
 神名備芙蓉(元歌手・女優)

■感想
 建築探偵シリーズ第6作、本作からシリーズ第2部の開幕となります。
 またしても前作を読んでから、1年空いてしまいました(汗)。前作【原罪の庭】で蒼の過去が明らかになり、ちょっと脱力感があったのですよね・・・。それこそパンドラの匣を開けてしまったみたいな。でも蒼も前向きに頑張っているようなので、ひとまずホッとしました。そう、自分の意志で学校に行き始めたのです。しかし、学校では浮いた存在になってしまい、悩んでいるのを見て、嘆息してしまいました。390集団生活の中で上手くやっていくのって難しい。ましてや今まで大人たちに囲まれていて、同年代の人と接していなかった蒼には難題だったのですね。そんなときに、優しく受け止めてあげる京介がいいのですよね~。398
 ところで学校に行っているということは、名前はどうしてるの?と思ったら、やっぱり本名を名乗っているようですね。当たり前だけど。でも蒼の場合、名前にいわくありますからねぇ。どうやら親しい人にだけ『蒼』と呼んでもらうことにしているようです。早く『蒼』と呼んでもらえる同年代の友達が出来るといいですね。京介と深春の間柄のような。

 本作を読むまで、【美貌の帳】とは京介自身のことだと思ってました。なにせ類まれな美貌を前髪で隠しているのですから(勿体ない!)。蒼の過去の次は京介の過去が?と構えてしまったのですが、そうではありませんでした。でも少しずつ明らかになっていく予感はありますね。

 今回の『伝説の女優』、『ホテル』というキーワードから、【玄い女神】【翡翠の城】を合わせ持った雰囲気だったように思います。
 それにしても、伝説の女優・神名備芙蓉のモデルが美輪明宏さんだったとは!言われてみれば、そんなオーラがありますね。

 今回は、老婆から美女への早変わり、館の放火など演出はやたら派手だったけれど、大掛かりなトリックではなく、犯人もおおよそ見当がつきました。

 それから、【未明の家】の事件で京介たちと知り合った、遊馬朱鷺が再登場します。相変わらずパワフルなおねーさんですね(^^;)でも、母親の会社を引き継いで、なかなかに忙しそうです。

 どうも京介の【美貌の帳】は、お母さんに関係がある気がします。気になるけれど、このシリーズ、まだまだ続きそうなので、真相を知るのはずっと先になりそう。でも今はまだパンドラの匣は開けないでおきましょう。392

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • 演劇が好きな方
  • 小町伝説に興味がある方
  • 近代建築に興味がある方
  • 和歌が好きな方
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Category: 桜井京介(建築探偵)
Published on: Sun,  22 2009 23:04
  • Comment: 4
  • Trackback: 0

桜井京介 建築探偵 篠田真由美

4 Comments

viviandpiano  

わ~

偶然ですね、私も『綺羅の柩』を読んだばかりです☆

京介の過去、気になりますよね。
どうなっちゃうのかな~って、恐ろしい、触れてはいけない気もする。
15作で完結ってことで、最終巻を読むのはまだ何年も先になるけど、
今からドキドキです。

「蒼」の番外編もあるので、そちらもぜひ読み進んでくださいね♪

2009/02/24 (Tue) 01:16 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

本当だ~。ほぼ同時期に建築探偵シリーズを読んでいたなんて、奇遇ですね♪
私のほうは『綺羅の柩』まであと3作ありますが・・・。
とりあえず『仮面の島』までは手元にあるので、このシリーズも読み進めていきたいです。

京介って何事にも動じない強靭な精神力を持っているようで、その実、脆さを内包している気がして、見ていてちょっと心配。
15作で完結ですか~。まだまだ楽しめますね(^^)

蒼の番外編もぜひ読んでみたいと思います。

2009/02/24 (Tue) 23:40 | EDIT | REPLY |   

結衣  

ようやく

このシリーズは、「フライング読み」してしまった数冊を除いて、
ようやくこの『美貌……』まで来ました。
この中で、京介が深春を称して、「裏も表もありませんという顔をしていて、
いきなりぽんと思ってもみなかった球を投げてくるのだ。
それもあっけに取られるくらいのど真ん中に」と
言う部分がありますよね。ここ、好きです。
「良かった。京介、ちゃんと深春の事認めてるじゃない……」と
深春ファンとしては嬉しかったです。
(こういう記述も「ネタバレ」にあたるのでしたら、
「非公開コメント」にしておいて下さいね)

ところで、このシリーズには、神代教授を主人公にした
スピン・オフも何冊か出ているようですね(すでにどこかで、
その事に触れられているのでしたら、ごめんなさい)。
ぜひいつかはそちらも取り上げて下さいね。

2013/05/22 (Wed) 08:38 | EDIT | REPLY |   

翠香  

結衣さんへ

おお、結衣さんは深春ファンですか!
深春、最初のうちはそうでもなかったのですが、
だんだん彼のやさしさが沁みてきましたね(*^^*)
引用の箇所は、蒼の対処を巡って京介と深春が口論する場面ですね。
読んだのが4年も前なのでさすがに忘れてましたが、
この部分だけもう一度読み返してしまいました(笑)
出来れば引用箇所が何ページなのかを記載していただけると探しやすいのでありがたいです。

神代教授の番外編も気になっているのですが、まだ文庫化されないのですよね・・・。
文庫化されたらぜひ読みたいです♪

2013/05/22 (Wed) 21:50 | EDIT | REPLY |   

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