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【相棒season7】 第16話

 04, 2009

 ついに1週遅れのレビューになっちゃいました。すみませ~ん。では第16話です。

■放送日時
  2009年2月25日 テレビ朝日 21:00~21:54 第16話 「髪を切られた女」

■GUEST CAST
  川島敏夫   ・・・秋野太作
  中川香織   ・・・渡辺真起子
  三村奈津子 ・・・岡野真那美
                   ほか

【シーン1】連続髪切り殺人事件再発か?

  級友の恋人の葬儀に参列する芹沢。柩の中に献花するとき、遺体を見て唖然とする。
  翌日──。コソコソと特命係にやってきた芹沢。
  右京「おや、珍しい。しかもお一人となると、なおさら珍しい」
  芹沢「ここへ来たことは内緒に。特に伊丹先輩には内緒にして下さい
  右京「分かりました。で、ご用件は?」
  芹沢「ちょっとどう思うか聞いてみたいことがあって。一課じゃ取り合ってもらえなかったんです。まずこれ見てもらえますか?」持ってきたノートを広げ、右京の前に差し出す。
  芹沢、窓の外から覗かれていることに気付き、ブラインドを降ろす。
  右京「どうかと言われれば、似ていると思いますよ。これ伊丹刑事ですよね(ニンマリする)」ノートの隅に伊丹の似顔絵が描かれていた。「見てんじゃねぇよ」のセリフ付き。
  芹沢「(あわててノートを右京からひったくって)今のも内緒にしてください」
  右京「分かりました」
  芹沢は新聞の切り抜きを貼っているページを見せる。1年ほど前、埼玉県近郊で起きた連続髪切り殺人事件の記事だ。犯人は殺害した女性の髪を一房ナイフで切り取っていた。
  犯人は自殺して事件は収束していたが、実は真犯人が別にいるのではないかという噂も立っていた。
  右京「・・・で、聞いてみたいと言うのはそのことですか?」
  芹沢「実は昨日、葬式に行ってきたんです。高校のときのダチがいるんですけど」
  右京「ダチが」
  芹沢「すみません、『友達が』。そいつの彼女が亡くなって」
  右京「お気の毒でしたねぇ」
 芹沢「(声を潜めて右京の耳元で)出棺の前に、お棺を覗いたら、切り取られてたんですよ。彼女の、髪」
 右京「(やはり声を潜めて)おやおや」

  381翠香コメント:伊丹さんの似顔絵、似てましたね~w しかし、芹沢くん、相当伊丹さんを恐れているようですねぇ(^^;)

【シーン2】芹沢、仮病を使う

  右京、米沢に芹沢の友人の彼女・三村奈津子の死亡所見を聞きに行く。
  死因は溺死。急激に熱い風呂に入ったことにより、失神したためと思われた。手指にはしもやけの跡。冷え性だったのであろう。
  写真を見ると、髪の毛ははさみか何かで直線的に切り取られていた。
  右京、携帯を取り出し芹沢へ連絡する。
  捜査一課で右京の連絡を受けた芹沢、腹痛の芝居を打つ。「う~~~~」
  三浦「おい、どうした?」
  芹沢「すんません、腹が~」404
  伊丹「大げさな野郎だな。さっきトイレ79行ったばっかりだろうが!」
  芹沢「昼に食った牡蠣が当たったのかもしれません~」393
  伊丹「あ?てめえ何一人で昼間っから牡蠣なんか食ってんだよ!」412
  芹沢「病院行って来ていいですか?う~~~」
 三浦「おい、牡蠣当たるとやばいぞ。早く行って来い、お前」

  三村奈津子のマンションにやってきた右京と芹沢。
  右京「よく大丈夫でしたね」
  芹沢「何がです?」
  右京「一課の方々。何と言って出てきたんですか?」
  芹沢「もちろん捜査ですよ。単独捜査」
  右京、書斎へ入る。壁一面に川島敏夫が監督を手がけた映画のポスターが貼られていたが、一箇所、不自然に空いていた。机の上には『暗がりの午後』というタイトルの原稿があった。
  一方、芹沢は風呂場を調べていた。「特に変わったところはありませんね」
  右京「それにしても整然としていますね。ここで殺害されたのならば、もう少し抵抗の跡があってもいいとは思いませんか」
  芹沢「そのことも事故死の根拠になったらしいです」
  脱衣場にはしもやけ用クリームが置かれていた。右京、洗濯機の蓋を開ける。「おや?洗濯物が入ったままです」中身を取り出す。
  芹沢「脱いでそのまま洗濯機に放り込んだんじゃないですか。俺よくやりますよ」
  右京、ブラジャーをつまみ出す。
  芹沢「ちょっと・・・まずいっすよ」
  右京、洗濯機の脇に置いてあった洗濯ネットをつかむと、「これでは洗濯ネットの意味がないと思いませんか?」
  芹沢「・・・はぁ」
  奈津子の履いていた靴を調べる右京。
  芹沢「カビ?」
  右京「いえ、油脂分が浮き出ているんです。革靴というものは濡れるとこうなるものなんですよ」
  芹沢「ほうほう。・・・ここしばらく雨降ってませんよね?」
  ニンマリする右京。
  そして、管理人室で監視カメラの映像をチェックする2人。しかし、2回に渡り車かオートバイのライトが照らされていて、見えない時があった。
  右京「結局、奈津子さんが通ったところは写ってませんでしたねぇ」
  芹沢「でも、部屋で亡くなったわけですから、あの光が当たった間に通ったとしか考えられませんよね」
  右京「だとするならば、考えられるケースは3つ。1つ目は奈津子さんご自身が通ったケースです。その場合、奈津子さんは事故死」
  芹沢「一人で帰ってきて、一人で亡くなったってことですね」
  右京「2つ目は奈津子さんと何者かが一緒に通ったケース」
  芹沢「その場合、そいつに殺された可能性がある」
  右京「最後は犯人だけが通ったケース」
  芹沢「犯人だけ?」
  右京「正確には、奈津子さんの遺体を持った犯人がです。スーツケースなどを使えば出来ない芸当ではありません」
  芹沢「それって外で殺されたってことですか?」
  右京「外で溺死して運ばれたとすれば、靴が濡れていたことにも納得がいきます。洗濯ネットを使っていなかったのは、入れたのが奈津子さん本人ではないからでしょう」
  芹沢「なるほど~。勉強になるなぁ」ポケットから手帳を取り出してメモを取ろうとする295が、右京がさっさと車の助手席に乗り込むのを見ると、あわてて運転席へとまわる。

  381翠香コメント:芹沢くんもなかなか大変なようですねw しかし、昼間から牡蠣食べちゃいけないの?伊丹さん?

【シーン3】奈津子の当日の足取り

  奈津子の当日の足取りを調べる右京と芹沢。
  奈津子は4時ごろまで印刷会社にいたが、その後共栄撮影所へ行って直帰したはずだという。この会社では映画やテレビの台本印刷も扱っていて、奈津子は手書き原稿のデータ起こしと校正を担当していた。
  また、奈津子自身も脚本家を目指していて、つい最近もコンクールの締め切りが近いと何かを書いていたらしい。
  撮影所へは川島敏夫という映画監督に会いに行ったという。奈津子は昔から川島の大ファンだった。

  共栄撮影所を訪れた右京と芹沢。
  折りしも映画の撮影中だった。しかし監督は居眠りをしていたようだ。助監督に現場を任せて、外に出て行く川島。
  右京と芹沢、休憩中のスタッフに話を聞く。
  奈津子は当日差込台本を届けにきたのだという。差込台本とは撮影中に変更があった箇所を新しく刷る台本のことだ。奈津子が何時ごろ帰ったかははっきりとは記憶していないようだった。
  右京と芹沢が川島組のスタッフルームを訪ねるとプロデューサーが部屋から出てきた。川島は一杯引っ掛けに行ってしまったという。
  プロデューサー「(ちょっと辺りを見渡して)ここだけの話なんですが、もう駄目なんですよ」
  右京「はい?」
  プロデューサー「監督と言っても6年間も撮れずに田舎で腐っていたような監督ですし、てっきりもう足を洗ったと思ったんですけどね」
  右京「それがまた、どうして突然新作を?」
  プロデューサー「・・・監督が持ち込んできたんですよ。この作品、前に一度撮りかけて失敗したらしくて。どうしても雪辱戦がしたいからって自分で文化庁の助成金まで取ってきたんで、じゃあ考えてみようかと。いざ始まってみれば現場は抜けるわ、本番中に居眠りするわで。幸いカメラの長澤さんと美術の浅井さんとは監督とは長いんで何とかなってますけどね」
  芹沢「奈津子さんはいつもその監督と会っていたんですよね?」
  プロデューサー「うん。来るといつもスタッフルームに籠もってましたよ。原稿の確認とか言ってましたけどね。何をそんなに話すことがあるのか・・・」
  右京「2月15日」
  プロデューサー「15?・・・ああ。どうですかねぇ。何せその日も帰っちゃいましたから」

  芹沢「2月15日、途中で帰ったって言ってましたよね」
  右京「言ってましたねぇ」
  芹沢「撮影所を抜け出して、奈津子さんと会っていたってことは考えられませんか?撮影所からすぐ後を追えば犯行可能だ。よし。これは一気に監督攻めた方がいいかもしれねぇな~。思ったより早く解決するかもしれねぇなこれ・・・」
  右京「君はブツブツが多いですねぇ」
  芹沢「(苦笑して)あは、すみません。一課の先輩が先輩なもんですから

  381翠香コメント:確かに伊丹さん、よくぼやいてますよね。芹沢くん、伊丹さんに影響された?

【シーン4】連続髪切り殺人に見せかけた犯行か?

  右京、特命係で川島敏夫の著作やDVDを広げていた。
  角田、パンダのマイカップ持参で入ってくる「ヒマか?・・・あれ川島敏夫じゃないの」
  右京「ご存知ですか?」
  角田「おお。代表作の『無情の涙』、俺好きなんだよな~。川島作品ってさ地味だけど、テーマが通っているところがいいよな」
  右京「今、新作映画の撮影をしているようですよ」
  角田「そうなの?へえー。もうてっきり撮れなくなったと思ったけど」
  右京「おや、それはまたどうしてでしょう?」
  角田「その監督さ、一度撮影中に事故を起こしてね。エキストラが一人死んでんだよ」
  右京「事故ですか・・・」
  角田「うん。海辺の撮影だったんだけど、潮に流されちゃったんだって」
  そこへ特命係に入ろうとした芹沢、角田の姿に驚き、後ずさりし、隠れる。
  角田「はぁー。あれ何てタイトルだったかな?」
  右京「ひょっとして、微睡(まどろみ)、ではありませんか?」
  角田「そうそう、確かそんな名前。で、結局制作中止になって、監督もそれをきっかけに映画から足を洗ったって聞いたけど」
  右京「なるほど。雪辱戦とはそういうことでしたか」
  芹沢、角田と入れ替わりに滑るように特命係に入ってくる。後ろ手でブラインドを下ろす。
  右京「どうしました?」
  芹沢「あの川島って監督、怪しいです」
  右京「はい?」
  芹沢「6年間、田舎で腐ってたって言ってたじゃないですか。で、調べてみたところ、川島の出身、埼玉だったんです。もしかすると髪切り殺人と関係あるかもしれません。探せば何か接点が出てくるかもしれませんよ~」
  右京「出てこない可能性の方が高いと思いますよ」
  芹沢「何でですか?」
  右京「過去の3件と今回とは手口が違うからです」
  芹沢「手口なら過去の事件だってバラバラでしょ。大事なのは髪が切られているってとこなんだ・・・」
  右京「まさしく、その髪の切られ方が違うんです。過去の3件ではナイフで切られていました。ゆえに切り口はまばらだったはずです。しかし、今回は整った直線でした(指で横一線を引く)。おそらくハサミを使ったのでしょう」
  芹沢「じゃあ、犯人は別の目的があって奈津子さんを殺害し、あえて髪を切ることで過去の事件にみせかけようとした・・・」
  右京「まだなんともいえませんが。少し気になることがありましてね」
  川島作品の脚本は、昔と今とでは微妙に言い回しが違っていた。また、場面を示す『柱』という部分には、昔は言葉で表していたが、新作微睡では、『X』印で区切っていた。これは奈津子が書いていた脚本と同じ手法であった。
  右京、上着を羽織りながら「奈津子さんは、賞の締め切りに追われていた。秋山さんはそうおっしゃってましたねぇ。しかし、調べたところその期限に締め切りのある賞はありませんでした」
  芹沢「奈津子さんが書いていたのは、微睡の台本!」
 右京、さらにコートも羽織り「芹沢くん、行きましょう」
 芹沢「はい」
 右京の影に隠れて身を屈めながら歩く芹沢を見て、右京「堂々としましょう」
 芹沢「はい!」身を起こし、胸を張って歩く。

  翠香コメント:またまた角田さんのパンダのマイカップが出ましたね~。しかし、特命係のコーヒーは誰が淹れているんでしょ?

【シーン5】作品への思い入れと現場放任のちぐはぐ

  文化庁へ話を聞きにきた右京と芹沢。
 確かに微睡は文化庁の助成対象になっているという。当然、脚本は川島の名前で申請されていた。もし、別の人間が脚本を書いていたら、規約違反で取り消しになるという。

  共栄撮影所。
  突然降り出した雨に困惑するスタッフたち。これではラストシーンが撮れない。しかしスケジュールは先に延ばせない。脚本を変えるしかないという意見が出る。しかし、このシーンはかつて事故を起こしたにもかかわらず、あえて変更しなかったシーンだ。それだけ川島の思い入れが強く、おいそれと変えるとは思えなかった。
  川島のスタッフルームを訪ねる右京と芹沢。
 川島「煮詰まった時に頑張っても、ろくなアイデアが出ないんでね。そういう時はいっそのこと気分を換えに行くことにしてるんです。それに始終現場にいて指示を出さなくても、スタッフは何をすればいいのかは分かってますよ。撮影も美術も私が育てた連中ですから」
 右京「監督がですか?」
 川島「18でこの世界に入って50年。撮影も美術も映画に必要なパートは一通りやってきました」
 右京「なるほど」
  芹沢「杉下警部、そろそろ本題に」
 右京「どうぞ」
 芹沢「川島さん。あなた、時々現場を抜けるそうですね。2月15日はどちらへ行かれてました?」
 川島「何故そんなことを聞くんですか」
 芹沢「実は三村奈津子さんの死に疑惑がありまして」
 川島「疑惑?」
 芹沢「場合によっては殺された可能性もあるんです」
 川島「・・・まさか。何かの間違いでしょ」
 芹沢「ともかく、どこに行っていたのか教えていただけませんか?」
 川島「・・・ゴールデン街に『飛翔』というバーがあります。そこのマスターに聞いてもらえますか」

【シーン6】川島は何故嘘のアリバイを言ったのか?

  バー『飛翔』のマスターに話を聞く右京と芹沢。
  確かに事件当夜、川島は来ていたという。
  右京「監督は週にどれ位いらっしゃるのですか?」
  マスター「・・・2、3回ですかね」
  右京「バーボンをお飲みなるようですが、一度にどれ位お飲みになるのでしょう?」
  マスター「まあー2、3杯は」
  右京「水割り?ストレート?」
  マスター「ストレートですけど、そんなの聞いてどうするんですか?」
  右京「なるほど」
  芹沢「普段バーボンなんていつ聞いたんですか?」
  右京「聞いてませんよ。ただそこにあるものですからねぇ」
  バーボンが12月27日に川島監督の名でボトルキープされていた。ボトルにはまだ3分の2ぐらいが残っていた。
  右京「ボトルを入れてから2ヶ月近く経っていますねぇ。仰るとおりのペースならばもうとっくに底をついているように思えるのですがね」

  共栄撮影所。
  スタッフたちは、監督に脚本の変更を進言するが、川島は断固拒否を続けていた。
  川島「用意周到なのは結構ですが、あまり心配しすぎないほうがいい。心配でつく嘘というのは、下手な嘘になりがちです。下手な嘘というのは、時々映画を壊してしまう」
  スタッフルームで川島の話を聞く右京と芹沢。
  川島「あのマスターも口が軽くなったもんですな」
  右京「何故、嘘をおつきになったのでしょう?本当はどちらへ?」
  川島「人には言いたくないこともある。事件かもしれないということだけで、そこまで協力しなければならんのですか?」
  芹沢「じゃあはっきり言います。あなた疑われてるんです」
  川島「私が?何故?」
  芹沢「何故って、アリバイの嘘をついた上に動機もある」
  右京「芹沢くん」
  芹沢「(ボヤキ気味に)条件揃ってますよ」
  川島「(身を乗り出し)動機ですって?」
  右京「新しい微睡の台本ですが、以前とは随分書き方が違っていますねぇ。まるで別人が書いたような印象を受けました」
  芹沢「随分奈津子さんの脚本に似てますよね?」
  川島「書いたのは私ではなく、三村くんだった、といいたいのですか?」
  芹沢「違うんですか?」
  川島、タバコの火を灰皿に押し付けて消す。右京、灰皿の中に錠剤の包装を見つける。
  川島「文化庁に出すための台本を刷るのに印刷会社に行って、そこで彼女と知り合いました。最初は単なる校正の確認だったんですが、中身の話になると、三村くんの指摘がとても的確でね。何より私の作品をよく理解した上での意見でした。それで何度か話すうちに、私の案を元に彼女が書くようになったんです」
  芹沢「でも台本に奈津子さんの名前はなかった。文化庁もあなたの名前だけで申請してますよね。そのことで奈津子さんともめたんじゃないですか?」
  川島「それは違う。私も三村くんの名前を載せようとしたんです。最後の原稿には脚本家として彼女の名前も書いて、渡しました。それが──」
  刷り上った台本には脚本・川島敏夫と書かれていた。奈津子は自分はただお手伝いしただけだ、川島の復帰作は川島脚本であるべきだと言っていた。
  川島「印刷会社に行けば原稿が残っているかもしれません。そこに私の字で『三村奈津子』と書いてあるはずです。
  右京「そこまでお話いただいても、2月15日どこにいらっしゃったのかはお聞かせ願えませんか?」
  川島「三村くんとは会っていません」
  右京「そうですか・・・。芹沢くん、行きましょう。ありがとうございました」川島に一礼する。
  帰ろうとする右京と芹沢を川島は引きとめ「あのう・・・」
  川島「三村くんは本当に撮影所に来てたんですよね?」
  右京「当日、彼女を見た方がいらっしゃいます」
  川島「そうですか・・・いや、私に会いに来たのに会わずに帰るなんて、彼女らしくないと思って」 

【シーン7】もし奈津子が帰らなかったとしたら・・・?

  花の里にて。
  たまき「芹沢さん、何飲まれますか?」
  芹沢「僕は、ウーロン茶で」
  たまき「はい」
  右京は熱燗で一杯305やっている。「で、どうでした?」
  芹沢「川島監督の言ってた原稿、文光印刷にはありませんでした。もう処分されちゃったみたいです」
  右京「だとすると、監督の言ったことが本当かどうか確かめようがありませんねぇ」
  芹沢「アリバイの時と同じで、嘘ついてるんじゃないですか?」
  右京「それにしても気になりませんか?あの話」
  芹沢「あの話?」
  右京「奈津子さんが会わずに帰ってしまったという話。何故その日に限って会わずに帰ってしまったのでしょう?」
 芹沢「自分を無関係に見せようとしているんでしょ」
 右京「もしも」
 芹沢「はい、もしも」
 右京「奈津子さんは帰らずに監督を待っていたとしたら、どうでしょう?」
 芹沢「ほぉー・・・えっ、帰らなかったら?」

  右京と芹沢、共栄撮影所のスタッフに奈津子の帰った時刻を確認する。しかし、撮影中なのでよく覚えていないという返事。
  そこで『汚し』という技術を見る。新しいものにコーヒーなどで色を付け、生活感を出す技術だ。
  次に事務所に行き、2月15日の水の使用について尋ねた。
  川島組で水の使用許可が出ていた。但し、飲食店セットの装飾のため、溺れるほどの量は使っていないらしい。
  しかし、18:05から15分間停電した記録が残っていた。ブレーカーが落ちたために起こったらしい。
  撮影現場には確かに水が張られていた。しかし、深さはあまりない。上から押さえつければ犯行可能か?
  右京、水際の通路を歩いていたが、ふと体をうつ伏せに横たえた。すると何か閃いたようだ。そして身を起こすと「芹沢くん、ひとつお願いがあります」

  381翠香コメント:芹沢くんが花の里に来るのって初めてじゃないですかねぇ。それにしても、ウーロン茶って、下戸なのかな?

【シーン8】奈津子の溺死の真実

  共栄撮影所にスタッフを集める右京と芹沢。何かを実演するらしい。
  右京「あー、2191つお聞きしておきたいことがあります。中川さんは、現場ではヒールのある靴はお履きになりませんよね?」
  中川「現場でそんなの履いていたら仕事になりませんよ」
  右京「そうでしょうねぇ。だとするならば、ここにある靴跡はいったい誰のものでしょうか?」ぬかるみの部分にヒールのある靴跡が残されていた。
  右京「(芹沢が両手で靴を掲げているのを指差し)この靴は奈津子さんの部屋にあったものです」
  芹沢は持っていた靴を靴跡の上にかざす。
  右京「ぴったり一致するんですよ。奈津子さんはここで亡くなったんです」
  浅井「溺死なんて・・・水は何センチもいれてませんよ」
 右京「ええ。普通なら考えられませんねぇ」
 川島「誰かが押し付けたとでも言いたいのですか?」
 右京「我々もそれを疑いました。しかし靴跡を見る限り、争った形跡は全くありません。つまり奈津子さんはこの水の中に一人で入り、溺死したんです」
 プロデューサー「一人で?あのー言っている意味がよく分かんないんですけど?」
 右京「例えば、奈津子さんは通電した水に触れてしまったために、そのショックで気を失い、水の中に倒れてしまった、とは考えられないでしょうかねぇ。奈津子さんがこの(太いケーブルを持ち上げて)ケーブルに引っ掛かった時に、ライトが水に落ちたとしたら。奈津子さんが亡くなったのは事故だった。しかし問題はそのあとです。何故撮影所で亡くなった奈津子さんがご自宅の浴室で発見されたのか?これはこういうことではないでしょうか。この作品は6年前に一度事故で中止の憂き目を見ています。スタッフの皆さんのどなたかが、また中止にならないように奈津子さんの死体をご自宅まで運んだんですよ」
 川島「足跡だけでそこまで決め付けられるのですか?」
 右京「いえ、足跡だけではありません。今回の犯人は死体を運び込む際に、監視カメラにライトを当てるというトリックを使っているんです。それからもう1つ。(芹沢が『汚し』を施した椅子を運んでくる)先程教えていただいたのですが、これは『汚し』というそうですねぇ。撮影美術特有の技術だとか」
 プロデューサー「その『汚し』がいったい何だって言うんですか」
 右京「何故か奈津子さんの部屋にも施されていたんですよ。監督の代表作である『無情の涙』のポスターが貼られていなかったんですよ。いささか不自然に思い、改めて壁を見直してみると、ちょうど間にもう一枚ポスターが貼ってあったようなスペースに気がついたんですよ」
 芹沢「(茶色に汚れた布を見せ)日焼け部分を拭き取ったものです。しょうゆでした」
 右京「破いてしまったか、あるいは汚したか、何らかの理由でポスターを外さなければならなくなり、その跡を隠すために『汚し』を施したのではないでしょうかねぇ。つまり犯人は、『汚し』の技術を持ち、カメラの知識に詳しい者、ということになります」
 川島「その両方が出来るといえば、私しかいない、でしょう」
 右京「確かに監督ならば可能ですね」
 川島「昔同じ失敗をしている。また事故なんかで邪魔をされたくなかったんです。私の人生には映画しかなかった。だからこそこの作品を完成させたかったんです。たとえ罪を犯してでも。(スタッフの方へ向き直り)ラストシーンを頼む。諦めずに天気を待つんだ。(右京たちの方を向き)参りましょう」
 右京、芹沢を促して川島を連行しようとする。

【シーン9】川島の奇行の真実

  中川「待ってください!・・・私です。私が死体を隠しました」
 中川たちは、奈津子が死んでいるのを見つけるととりあえず大型冷蔵庫の中に隠しておき、撮影が終わると遺体をスーツケースにつめて奈津子のマンションまで運んだ。
 芹沢「事故死に見せかけようとした。だったらどうしてわざわざ髪なんて切る必要があったんです?」
  中川は、奈津子の指に凍傷があるのを見つけた。お風呂で溺れたのに凍傷だなんて。
 中川「考えた挙句、警察が凍傷に気がつかなければ事故死、もし気がつけば髪切り事件の真犯人による犯行と見えるように筋書きを変えました」
 しかし、遺体を運び込む際にポスターの角を引きちぎってしまった。そのとき浅井が指に怪我をしてしまい、ポスターに血がついてしまった。
 やむなくポスターを剥がすことにしたが、壁にポスターの跡がくっきり残ってしまった。そこでしょうゆで『汚し』を施したのだ。
 右京「つまり、防犯カメラには撮影の、壁には美術の、そして事態に対するとっさの対応には助監督の経験が生かされた。まさに撮影チームならではの隠蔽工作でしたね」
 中川「私だって、出来れば他殺の可能性なんて残したくありませんでした。あの凍傷さえなければ・・・」
 右京「あなた方は勘違いをなさっています。凍傷やしもやけは熱を逃がさないように血管が収縮し、血液が巡らなくなることによって起きる生理現象です。死体に起きることなどありえません。あなた方の行った工作は殺人ではないとはいえ、死者を冒涜するものですよ」
 中川、浅井、長澤「申し訳ありません」頭を下げる。
 芹沢「申し訳ない?ただ死んだ場所を変えただけ。(激昂して)あんたたちにとってはそうかもしれないけどな、身近な人間を失った人の気持ち、考えたことあるのか!」
 右京、熱くなっている芹沢の肩に手を置く。「芹沢くん。・・・しかしあなた方はどうしてそうまでして事故を隠そうとなさったのでしょう?」
 中川「この作品だけはどうしても完成させたかったんです。6年前、私のせいで中止になった作品ですから」
 プロデューサー「6年前の事故って、君のせい?」
 中川「その時亡くなったウインドサーファーの方は、波が強くて危険だと私に仰ってたんです。なのに、私が無理に頼んで海に入ってもらったんです。それで沖へ流されて。でも監督は全部自分の責任だと。今回のことは全部私が言い出したことなんです。長澤さんと浅井さんは私に力を貸してくれたにすぎません」
 川島「今回は、あの時とは違う。完全に不慮の事故だ。撮影を止めて、またやり直せばよかったんだ。それくらい君なら考え付いたはずだろ。なのにどうしてこんな下手な嘘を・・・」
 中川「それでは監督が間に合わなくなると思ったんです」
 右京「中川さんはやはり気がついていたようですね。スタッフルームにお邪魔したときに僕も気になりましてね。薬を調べてみたところ、どうやら抗がん剤のようですね。時折監督が撮影所を抜け出すのは、病院へ行くため、そして戻ってくるたびに酩酊状態にあったのは、モルヒネによる痛み止めのため、そう考えれば納得がいきます」
 プロデューサー「監督がガン?どうして言ってくれなかったんですか」
 川島「いつ倒れるか知れない人間に、監督なんてやらせますか?(中川の方を向き)・・・そうか知ってたのか」
 中川「監督、助監督の一番の仕事は監督を理解することです。モルヒネを二日酔いだなんて、監督こそ嘘が下手ですよ」
 川島「嘘が商売の人間が揃いも揃ってか」

【シーン10】微酔の完成

 1課の3人、刑事部長に呼び出される。
  内村「ばかもの!よりによって特命係を頼るとは、なんたる心構えだ。貴様それでも捜査一課か」
  三浦「すみません。今回私たちも開いた口が塞がりません」
  伊丹「同感です」
 中園「バカ!これはお前たちの管理責任でもある。一緒に反省しろ!」

  映画館で一人エンドロールを見つめる右京。
  プロデューサー「いらしてたんですか」
  ともに会釈する。
  右京「ラストシーン、晴れたんですねぇ」
  プロデューサー「おかしなことがあるもんですね。次の日、急に雨が上がったんですよ。監督が言ってました。映画の神様が味方してくれたって。今じゃ自分が神様になっちゃいましたけど」
  右京「完成の翌日に亡くなられたそうですね」
  プロデューサー「よせばいいのに、あの体で無理して仕上げして」
  右京「自分の人生には映画しかなかった、そう仰ってましたね」
  プロデューサー「でもいい作品になりました」
  右京「映画に魅せられた人々が、その光の中に思いの全てを投じる、作品は関わった人々それぞれの人生そのものなんですねぇ」
 『脚本 三村奈津子』『監督 川島敏夫』の文字が通過した──。

■総評
  今回は、芹沢くんが右京さんの相棒を務めました。というか、芹沢くんのほうが右京さんを頼ってきたのですけどね。しかし、毎回捜査一課を「う~~腹が~」で抜けてきたんでしょうかね?捜査一課はそんなにヒマだったのかな?まあ、警察がヒマなのは結構なことですが(笑)
 今回は特に右京さんの観察眼が光りましたね。右京さんに付いて芹沢くんも勉強になったことでしょう。右京さんも単独のときより、『相棒』がいるときの方が楽しそうですね。残る相棒候補は伊丹さん!?

■参考
 
テレビ朝日|相棒7
  相棒season7公式ホームページです。

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Tag:相棒 特命係

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