【桜さがし】 柴田よしき

◆◇◆それぞれの未来に向かって・・・◆◇◆

浅間寺竜之介シリーズ1

短編集
集英社 2000.5
  集英社文庫 2003.3

■あらすじ

 中学時代から十年来の仲間である歌義、陽介、綾、まり恵の四人は、今は作家として京都郊外の山奥に独居する恩師・浅間寺のログハウスに招待され、その途中の山道で一組の男女と出会う。幸福そうに見えた二人だったが、一ヶ月後に心中死体で発見され・・・・・・。出会いと別れ、つらい恋、そして事件。四人に訪れる人生の岐路。古都の移ろいゆく季節の中、せつない青春群像を描く、傑作ミステリ連作集。
(集英社文庫より)

■感想
 桜特集第2弾は【桜さがし】です。なかなかタイムリーなタイトルですね。ご近所を巡って実際に桜さがしをした方もいるのではないでしょうか。翠香の家にはしょぼい桜の木が1本ありまして、花をつけ始めましたよ(^^)

 この作品は、浅間寺竜之介という推理作家と浅間寺がかつて中学校で教師をしていた頃の教え子4人組が登場する、連作短編集です。浅間寺竜之介というのは、猫探偵正太郎シリーズではサブキャラとして登場しており、いわば、この作品はスピンオフ作品ですね。
 浅間寺は、【風精の棲む場所】(すみません、まだ未読です)にも主要キャラとして登場しているので、便宜上、当ブログでは浅間寺竜之介シリーズ』と銘打ちます。
 とはいうものの、本作に関しては、浅間寺が探偵役として全ての短編に登場するわけでもないのです。どちらかというと、ミステリーよりも青春群像ものの色合いが強いですね。浅間寺の教え子の4人が、出会いや別れを通して成長していく姿が描かれています。

 【一夜だけ】
 京都北山にある、浅間寺の家に招かれた4人組。途中、車が脱輪して往生していた男女を助けるが──。
 ここで出てくる栗ご飯や猪鍋、きのこ料理が美味しそう♪ それにしても浅間寺先生ってまだ45歳だったんですね。もっとオジサマだと思ってた(笑)

 【桜さがし】
 殺人事件のアリバイを証明するために、4月下旬に京都に咲く桜を探していた女性。本当にそんな遅咲きの桜があるのか?
 文字通り桜がキーアイテムのお話。季節感ありますね(^^)

 【夏の鬼】
 タイトルからすると意外なのですが、ここにも桜がちょこっとだけ登場します。しかし、ここに出てくる大学教授、情けないですね・・・。全く教育者にあるまじき行為です。
 吉田神社の姫だるまのおみくじ、見てみたいな♪

 【片想いの猫】
 これもアリバイ証明もの。今度は陶器の猫283たちが一役買います。猫君には新しい恋人が出来たけれど、ここで悲しい恋の結末を迎える人が・・・。

 【梅香の記憶】
 婚約を決めたスーパーモデルと、あの浅間寺が付き合っている!?405
 ここでは、桜ならぬ梅がキーアイテムとなります。しかも黄色い梅。でも何故犯人は例の絵を処分しなかったのかが疑問ですね。

 【翔べない鳥】
 ペンギン289が空を飛ぶ!?・・・って某動物園の映画のキャッチコピーみたいですがw
 オオカミ少年にされてしまった男の逆恨み。彼も翔べない鳥だったのですね。

 【思い出の時効】
 今度は、草鞋のお守りがキーアイテム。京都が舞台だけに神社仏閣が多い分、こういうお守りやおみくじなどのアイテムが多いのかな。
 このお話はミステリーという感じはしませんね。ちょっとした観光気分は味わえます。

 【金色の花びら】
 この短編のみ書き下ろし作品。なんと浅間寺に想い人が!?しかし、彼女にある事件の容疑がかかってしまい──。
 最後に4人がそれぞれの未来へ向かって羽ばたいていく姿は、ドラマの最終回を観ている気分になりました。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆桜開花度

桜1桜1桜1(五分咲き)

■特におすすめ!

  • 青春群像ものが好きな方
  • 女性の方 72
  • 京都が好きな方
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Category: 浅間寺竜之介
Published on: Sun,  15 2009 21:19
  • Comment: 6
  • Trackback: 0

柴田よしき 浅間寺竜之介

6 Comments

viviandpiano  

やっぱり

キャラものは、ある程度元ネタを読んでないと、
スピンオフ作品は楽しみがちょっと減るかもしれませんね。
私、柴田氏の作品は未読なので、読み始めたらチャレンジしたいな~♪

次は何なのか、かなり期待&予想してるのですが、
こういう季節もの限定読みっていうのも、いいですね~(^^)

2009/03/18 (Wed) 02:24 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

この作品はスピンオフだけど、キャラはそれほど立っていないので、
本家の正太郎シリーズを読んでいなくても、特に問題はないと思いますよ。
青春群像ものが好きな人におススメです。
正太郎シリーズはちょっとシニカルな猫目線で
人間どもを冷ややかに観察しているところがなんともいいのですよね(笑)
【消える密室の殺人】は面白かったですよ♪

次は料理の美味しそうなあのシリーズです。明日あたりアップする予定。
今読んでいるのは、viviandpianoさんも好きな超美形探偵のシリーズです(^^)
お楽しみに~v-392

2009/03/18 (Wed) 23:58 | EDIT | REPLY |   

mokko  

チェックもれしてました

桜特集♪
全部追いかけたつもりが、これはチェックもれしてました(^◇^;)
今、読み終わったところですぅ~
やはり、桜特集にふさわしいタイトルですよね♪
爽やか青春小説って感じでした。
京都旅行に行きたくなりましたぁ~

2010/08/23 (Mon) 20:31 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

これ、読んだのですね♪
mokkoさんのブログ、拝見しました~。
写真をたくさん載せていただいて、イメージが膨らみました!ありがとうございます。
猫の陶器の置物、かわいいですね(^^)

京都は修学旅行以来、行ってないのですよ。
中・高ともに京都・奈良だったというショックから、なんとなく避けてしまって(笑)
奈良も行ってみたいですね~鹿男の舞台、見てみたい♪

2010/08/24 (Tue) 00:25 | EDIT | REPLY |   

結衣  

爽やか

柴田氏の作品は『RIKO』を発表直後に読んで
色々な意味でショックを受け、
(当時は私も若かったー笑)それ以来
「気になりつつ読まない」作家だったのですが、
翠香さんのブログのおかげで『桜さがし』を読みました。
こんな爽やかな小説も書く人だったんですね!(^^)!
「猫探偵正太郎」シリーズも読んでみます!

2013/02/24 (Sun) 08:21 | EDIT | REPLY |   

翠香  

結衣さんへ

えっ!『RIKO』ってショックを受けるような作品なんですか?
読もうと思っていたのだけど、どうしようかな(^^;)
柴田さんは、ホラー系からコミカルなものまで、カバー範囲が広い作家さんですね。
正太郎シリーズは、シニカルな猫の正太郎視点が楽しいシリーズです♪

2013/02/24 (Sun) 23:15 | EDIT | REPLY |   

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