【狂桜記-大正浪漫伝説】 栗本薫

◆◇◆狂い咲きの桜が伝えたかったこと◆◇◆

栗本薫(シリーズ外)
長編
角川文庫 2005.10

狂桜記―大正浪漫伝説 (角川文庫)
狂桜記―大正浪漫伝説 (角川文庫)栗本 薫

おすすめ平均
starsしっかり書き込まれた良作!
stars大正浪漫の妖しい世界を味わいたい方に

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■あらすじ

中学生の柏木幹彦が暮らす家は近所から桜屋敷と呼ばれる古い屋敷だった。ある日、幹彦は入ってはいけないと言われている西の土蔵にいとこの聡とともに近づき、得体の知れぬ声を聞いてしまう。そしてその翌日、家にある“中将桜”で首を吊った聡が発見される。さらにいとこのまさ枝も行方が分からなくなってしまい・・・・・・。桜屋敷に秘められた謎が奇怪な殺人事件を引き起こす。大正時代を舞台に描くゴシック・ミステリ。
(角川文庫より)

■感想
 4月に入ってしまいましたが、まだまだ桜も見ごろなので、桜特集は続けます。
 今回ご紹介するのは、【狂桜記】です。
 サブタイトルに『大正浪漫伝説』とあるので、『はいからさんが通る』とか、竹久夢二の美人画の世界を想像していたのですが、見事に期待を裏切られましたね(^^;)
 主人公は、美形の中学生男子でちょっとボーイズ・ラブの世界観とまあ、いかにも栗本さんの作品だなぁと思いました。
 大家族が住むコの字屋敷、複雑な人物関係というあたりは、伊集院大介シリーズの【絃の聖域】に似ていますね。ただ、【絃の聖域】は、伊集院大介という名探偵がいて、ミステリーとして成立しているのですが、この作品は、ミステリーとしてはちょっと・・・。
 子供が相次いで変死する謎はあるのですが、早い段階で真相に気付いてしまいました。
 時代が時代とはいえ、自殺か他殺か事故かハッキリしないまま、あまり捜査もされずに通り過ぎてしまうのは、どうも納得できなかった。
 登場人物も身勝手な人ばかりで、全く感情移入できなかったです。それから、人の容姿に関する記述がやたら多いのにも辟易としてしまいます。生まれが卑しいだとか、汚いだとかで子供を差別しているのには、嫌な気分になりました。
 この作品は、ミステリーというよりは、主人公の少年の成長記として見るべきかもしれません。
 中学生というと、小学生のような子供ではない。だけど、まだ大人にはなりきれていない。また身近に年長の少年がいて、彼がだんだん大人の世界に入っていき、自分が取り残されるのにあせりを感じている・・・。そんな多感な年頃の心情はよく表現されているなと思いました。
 栗本氏の作品群の位置づけとしては、【六道ヶ辻 大導寺一族の滅亡】シリーズと同じ範疇に入るらしいです。(六道ヶ辻シリーズはまだ未読です。本は一冊あるのですが・・・)
 くせのある作品なので、好みが分かれるところですが、六道ヶ辻シリーズが好きな方ならすんなり入れるかもしれませんね。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267

◆冷や汗度

404404404

◆桜開花度

桜1桜1(二分咲き)

■特におすすめ!

  • 六道ヶ辻シリーズが好きな方
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Category: 栗本薫
Published on: Tue,  07 2009 00:00
  • Comment: 4
  • Trackback: 0

栗本薫

4 Comments

viviandpiano  

どうも・・・

イマイチな感じだったみたいですね~(^^;
ちょっとタイトルとか、期待させられてるから、
ギャップが大きかったのでしょうか?
すっごくキレイな表紙の本ですしね。

桜のタイトルの特集、色々あって面白いですね!
表紙も集めてみると、ギャラリーみたいでいいですね☆

2009/04/08 (Wed) 00:55 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

この本、当初は特集の予定に入れていなかったのですが、
表紙が幻想的だったし、何よりサブタイトルが『大正浪漫伝説』なのが気に入って
急遽、予定に組み入れたのですが・・・。
読んでみると、ああやっぱり栗本さんの作品だなぁと思いました(^^;)

桜特集も残すところあと1冊です。
桜も散った頃になると思うので、ちょうどいいかな~(バレたかな?w)
特集で取り上げた作品は、皆表紙が美しくて、満足(^^)

2009/04/09 (Thu) 01:16 | EDIT | REPLY |   

mokko  

なんと・・・

桜特集で4冊が被っている事が判明(^◇^;)
ちゃんとチェックしてたはずなのに・・・
ブックオフで、無謀にも桜で検索かけた中から見つけたので
翠香さんと被っているってことが頭から完全に抜けてました。
ちなみに、桜姫も被っております。
読んだから、コメントいれますね♪

栗本作品は「たまゆらの鏡」を読んでから、二度と読まないと
思っていたんですが、大正浪漫という言葉にだまされました。
どうも心理描写がマイナスイメージで、くどくて
しつこくて好きになれないんですよね・・・
読後感もよろしくないし・・・
今回は読まされましたけど(あまりにも異常な家だったので・・・)
疲れました(^◇^;)

2010/09/11 (Sat) 08:01 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

そっかぁ~結局『葉桜の季節に君を想うということ』だけが選ばれなかったのですね。
確かにタイトルも長いし、実は桜はあまり関係ないのですよね(^^;)
でも面白い作品なので、別の機会にぜひ読んでみてくださいね♪

mokkoさんの桜特集、充実していますね☆
でもホント、桜がタイトルに付いた作品って多いですね~。
それだけ日本人に愛されている花なのかな。

『桜姫』の感想も楽しみにしています(^^)

2010/09/11 (Sat) 23:12 | EDIT | REPLY |   

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