【名探偵の掟】 東野圭吾

author photo

By翠香

◆◇◆掟破りの推理小説!◆◇◆

天下一大五郎シリーズ1
短編集
講談社 1996.2
  講談社ノベルス 1998.4
  講談社文庫 1999.7
55TVドラマ化作品(テレビ朝日系列 主演:松田翔太

名探偵の掟 (講談社文庫)
名探偵の掟 (講談社文庫)東野 圭吾

おすすめ平均
stars思わずニヤリ
stars東野氏より推理モノへの愛あふれる風刺小説
stars推理小説に対する提言
stars見直した
starsもうひとつの東野ワールド

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

■あらすじ

全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。
(講談社文庫より)

■テーマ
 推理小説

■感想
  この作品が松田翔太さん主演でドラマ化されると聞いて、読んでみました。
  松田翔太さんは、2年位前に放映したドラマ『ライアーゲーム』の秋山役が凄く良かったので、どんな探偵をやるのかな~?とかなり期待していたのですが・・・。
  はっきり言ってこれは普通の推理小説ではありません。219
  一応、名探偵・天下一大五郎(随分時代掛かった名前ですね^^;)と脇役の警部・大河原番三が登場し、殺人事件が起こり、その謎を解く、というスタイルにはなっています。
  ですが、時々登場人物たちが小説の世界を離れて、いまどきこんなもの読者は喜ばないだの、ご都合主義だのと、さんざんにこき下ろすわけです。
  推理小説をよく読んでいる方なら、これはちょっと・・・と思う場面に出くわすことも多いはず。その気持ちを登場人物たちが代弁してくれるので、よくぞ言ってくれました!と拍手喝采したくなることうけあい(笑)

  しかし、読者の方も安穏とはしていられません。登場人物たちは、読者に対しても皮肉っています。登場人物はこんなことを言っています。

推理なんかしないんだ。主人公が推理していくのを漫然と眺めているだけさ。だから疲れない。最後の謎解きを聞いて、なんとなくわかったような気になれば満足なんだ

  私は、とりあえず推理はしてみるのですけど、分からないと後は探偵さんヨロシク!と丸投げしてしまいますねぇ。ははは・・・(^^;)
  だから東野さんは【どちらかが彼女を殺した】のような解決編のない小説を書いて、読者に自分で推理させてみたわけですね。

  本作は、謎の種類によって12章に分かれています。以下に章題をご紹介。
  第1章 密室宣言─トリックの王様
  第2章 意外な犯人─フーダニット
  第3章 屋敷を孤立させる理由─閉ざされた空間
  第4章 最後の一言─ダイイングメッセージ
  第5章 アリバイ宣言─時刻表トリック
  第6章 『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論─二時間ドラマ
  第7章 切断の理由─バラバラ死体
  第8章 トリックの正体─???
  第9章 殺すなら今─童謡殺人
  第10章 アンフェアの見本─ミステリのルール
  第11章 禁句─首なし死体
  第12章 凶器の話─殺人手段
  どうです?魅力的な謎がいっぱいでしょ?
  どれも名探偵が謎を解いて終わりではなく、一ひねり加えているところが面白いですね。

  ・・・とここで、ドラマ化の話に戻って、いや~な予感がしたんですよ。もしや『33分探偵』のようなノリではないかと。
  で、第1回のOAを見てみると・・・やっぱり(--;)
  番組HPにも小さく 注)コメディです。 って書いてある・・・。これを映像化するとコメディになっちゃうよね~。
  確かにコメディタッチに書かれてはいるけれど、東野さんの狙いは違うと思うのだけどなぁ。390
  奇しくも本作の中で登場人物が「小説をドラマにするのはいいんだけど、その場合、絶対に原作と違ってて、しかも必ずといっていいほど原作よりもつまらなくなってる。あれ、どういうわけだろうね。それとも脚本家とかは、こっちのほうが面白いと本気で考えてるのかな」なんて言ってますよ(^^;)
  ごくたまに、原作がつまらないのを脚本によって生まれ変わった例もあるけれど、確かに言えてます。

 

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ! 

  • 推理マニアの方
  • 推理小説を愛してやまない方

■参考
  テレビ朝日|名探偵の掟
  番組HPです。  

スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。バナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Comments 2

viviandpiano  

なるほど

東野氏風のアンチミステリなんですね。
実は、今度読もうと思ってるのが、「放課後」です。
今は宮部氏のを読んでて、もう少し先になりそうですけど。

東野氏はベストセラー作家だけど、
その目線というか視線に、非常にシニカルな人間風刺があって、
一筋縄ではいかない作家だと、最近思っています。

2009/04/22 (Wed) 01:59 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

う~ん、アンチミステリというより、
推理小説の「お約束」で不自然なものを皮肉っているという感じですね。
むしろ、東野氏がミステリに精通していて、ミステリを愛していることが伝わってくる作品です。
しかし、東野氏はいい意味で変わった人ですよね(^^;)
だから色々な作風のミステリを生み出せるのでしょうね。

「放課後」、実は私もつい先日ブックオフでゲットしたんです。
(新しくてきれいな本なのに105円だった!)
来月は特集をやる予定だし、今月は、今読んでいるのと次に読むものが決まっているので、
記事に載せるのは6月ぐらいになっちゃうかも・・・。

2009/04/22 (Wed) 22:23 | EDIT | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Leave a reply

INDEX (13)
このブログについて (4)
内田康夫 (99)
浅見光彦 (91)
岡部和雄 (3)
竹村岩男(信濃のコロンボ) (3)
愛川晶 (1)
相沢沙呼 (2)
酉乃初 (2)
蒼井上鷹 (1)
赤川次郎 (7)
三毛猫ホームズ (4)
三姉妹探偵団 (1)
芦辺拓 (1)
森江春策 (1)
我孫子武丸 (1)
速水三兄弟 (1)
天野頌子 (1)
陰陽屋シリーズ (1)
綾辻行人 (8)
島田潔(館シリーズ) (6)
有栖川有栖 (22)
火村英生(作家アリス) (18)
江神二郎(学生アリス) (3)
泡坂妻夫 (1)
伊坂幸太郎 (5)
石持浅海 (6)
碓氷優佳 (3)
座間味くんシリーズ (1)
乾くるみ (8)
カラット探偵事務所の事件簿 (1)
井上夢人 (2)
今邑彩 (4)
上田早夕里 (2)
パティシエシリーズ (2)
歌野晶午 (5)
信濃譲二(家シリーズ) (2)
大倉崇裕 (3)
福家警部補 (2)
大崎梢 (5)
成風堂シリーズ (3)
井辻智紀の業務日誌シリーズ (1)
太田忠司 (8)
狩野俊介 (2)
甘栗晃 (2)
朔夜一心(月読シリーズ) (1)
予告探偵 (1)
雪永鋼 (1)
大山淳子 (2)
猫弁シリーズ (2)
岡嶋二人 (5)
折原一 (4)
恩田陸 (9)
神原恵弥 (1)
あ行の作家 (8)
加納朋子 (9)
入江駒子 (3)
市村安梨沙(アリスシリーズ) (2)
ささらシリーズ (1)
神永学 (4)
確率捜査官御子柴岳人 (1)
貴志祐介 (3)
榎本径(防犯探偵) (3)
北村薫 (17)
円紫さんと私シリーズ (5)
新妻千秋(覆面作家) (3)
わたしのベッキーシリーズ (2)
時と人 (2)
北森鴻 (9)
工藤哲也(香菜里屋シリーズ) (3)
蓮丈那智 (3)
旗師・冬狐堂 (1)
北山猛邦 (6)
城シリーズ (2)
音野順 (1)
猫柳十一弦 (2)
霧舎巧 (1)
鯨統一郎 (7)
倉知淳 (2)
猫丸先輩 (1)
栗本薫 (7)
伊集院大介 (5)
黒田研二 (4)
ふたり探偵 (1)
近藤史恵 (7)
今泉文吾(歌舞伎シリーズ) (2)
キリコ (1)
ビストロ・パ・マルシリーズ (1)
七瀬久里子 (2)
か行の作家 (7)
坂木司 (5)
ひきこもり探偵 (1)
篠田真由美 (15)
桜井京介(建築探偵) (12)
蒼の物語 (3)
柴田よしき (8)
猫探偵正太郎 (4)
浅間寺竜之介 (2)
摩耶優麗 (1)
島田荘司 (2)
御手洗潔 (2)
朱川湊人 (2)
わくらばシリーズ (1)
さ行の作家 (8)
高木彬光 (3)
神津恭介 (3)
高里椎奈 (5)
深山木秋(薬屋探偵妖綺談) (5)
高田崇史 (7)
桑原崇(QEDシリーズ) (2)
鴨志田甲斐(カンナシリーズ) (2)
勧修寺文麿 (2)
田中啓文 (1)
笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ (1)
田中芳樹 (1)
薬師寺涼子 (1)
柄刀一 (3)
三月宇佐見のお茶の会 (1)
南美希風 (1)
津原泰水 (1)
ルピナス探偵団 (1)
た行の作家 (5)
中山七里 (5)
岬洋介 (4)
七尾与史 (2)
ドS刑事シリーズ (1)
二階堂黎人 (2)
水乃サトル (2)
仁木悦子 (2)
仁木兄妹 (2)
西澤保彦 (14)
匠千暁(タック&タカチシリーズ) (4)
神麻嗣子(チョーモンインシリーズ) (3)
響季姉妹探偵 (1)
ぬいぐるみ警部 (1)
西村京太郎 (2)
名探偵シリーズ (1)
似鳥鶏 (3)
葉山くんシリーズ (3)
貫井徳郎 (3)
法月綸太郎 (5)
な行の作家 (4)
初野晴 (3)
東川篤哉 (5)
謎解きはディナーのあとで (2)
烏賊川市シリーズ (2)
東野圭吾 (43)
加賀恭一郎 (10)
湯川学(探偵ガリレオ) (8)
天下一大五郎 (1)
マスカレードシリーズ (1)
深水黎一郎 (1)
神泉寺瞬一郎(芸術探偵) (1)
は行の作家 (10)
松岡圭祐 (2)
紗崎玲奈(探偵の探偵) (1)
円居挽 (1)
シャーロック・ノートシリーズ (1)
麻耶雄嵩 (1)
貴族探偵 (1)
三上延 (2)
ビブリア古書堂シリーズ (2)
水生大海 (1)
羅針盤シリーズ (1)
道尾秀介 (3)
湊かなえ (2)
宮部みゆき (3)
捜査犬マサ (2)
森川智喜 (3)
三途川理 (3)
森博嗣 (36)
犀川創平(S&Mシリーズ) (10)
瀬在丸紅子(Vシリーズ) (10)
真賀田四季 (4)
海月及介(Gシリーズ) (1)
百年シリーズ (2)
水柿助教授(Mシリーズ) (1)
森谷明子 (3)
ま行の作家 (7)
山口雅也 (2)
垂里冴子 (2)
山田悠介 (1)
柚月裕子 (1)
佐方貞人 (1)
米澤穂信 (13)
折木奉太郎(古典部) (5)
小鳩常悟朗(小市民) (3)
紺屋S&Rシリーズ (1)
や行の作家 (5)
若竹七海 (1)
ら行・わ行の作家 (1)
アンソロジー (6)
共著・合作 (1)
ノベライズ (1)
相棒 (1)
海外ミステリ (48)
ジョン・ディクスン・カー (5)
エラリー・クイーン (4)
アガサ・クリスティ (5)
コナン・ドイル (4)
ミステリー副読本 (6)
日本古典文学関連 (3)
ドラマ (185)
浅見光彦(ドラマ) (29)
信濃のコロンボ (6)
相棒(ドラマ) (33)
名探偵ポワロ (9)
SHERLOCK(シャーロック) (2)
ライアーゲーム (9)
東野圭吾ミステリーズ (11)
加賀恭一郎(ドラマ) (2)
ガリレオ(ドラマ) (12)
神津恭介(ドラマ) (2)
すべてがFになる(ドラマ) (10)
臨床犯罪学者 火村英生の推理(ドラマ) (10)
謎解きはディナーのあとで(ドラマ) (6)
土曜ワイド劇場 (6)
コラボ商品 (3)
推理クイズ (37)
探偵Xからの挑戦状! (23)
超再現!ミステリー (13)
映画 (55)
読書まとめ (27)
テーマ読み (12)
ランキング (18)
ミステリィの小径 (7)
対談・インタビュー (2)
イベント情報 (2)
文庫フェア (10)
フィギュアスケート (108)
試合展望・結果 (76)
書籍・雑誌 (10)
氷上の魔術師(フィギュア百景) (20)
アニメ『ユーリ!!! on ICE』 (2)
その他 (31)