【パーフェクト・ブルー】 宮部みゆき
◆◇◆捜査犬マサの大活躍!◆◇◆
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捜査犬マサシリーズ1 | |
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長編 | |
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東京創元社 | 1989.2 |
創元推理文庫 | 1992.12 | |
新潮社 | 2008.4 |
■あらすじ
高校野球界のスーパースターが全身にガソリンをかけられ、焼き殺されるというショキングな事件が起こった。俺──元警察犬のマサは、現在の飼い主、蓮見探偵事務所の調査員、加代子と共に落ちこぼれの少年、諸岡進也を探し当て、自宅に連れ帰る途中、その現場に遭遇する。犬の一人称という斬新なスタイルで、社会的なテーマを描く、爽快な読後感の長編デビュー作、怒涛の文庫版。 |
(創元推理文庫より) |
■テーマ
野球
投薬実験
■感想
色付くミステリー、第4弾は、【パーフェクト・ブルー】です。『青』ではなく、『ブルー』とちょっと変化球を繰り出してみました(笑)
この物語のテーマは『野球』です。しかも、高校野球界のスーパースターが焼き殺されるというショッキングな事件が起こります。野球好きの私としましては、小説とはいえ、こんな事件は辛いです・・・。しかも、次第に真相が分かるにつれ、まだ若過ぎる彼が重い十字架を背負ってしまったことに気付き、心が痛みました。
ところで、随所に野球ネタがちらほら。宮部氏も野球がお好きなのかな?それにしても沢村投手とはシブいですね(笑)
宮部みゆき氏といえば、今や押しも押されもせぬ人気作家ですが、本作は初期の作品で、初の長編作品だそうです。まだ新人の頃ですでにこの完成度とは驚きました。
この作品がちょっと他と変わっているのは、元警察犬・マサの一人称で語られているところです。ちょうど柴田よしき氏の猫探偵正太郎の犬版といったところでしょうか。
『俺』という一人称でハードボイルドなのもいいですね。このマサが大活躍し、蓮見探偵事務所の危機を救います。
さて、今回色特集で選んだこの作品、実は『ブルー』がなかなか出てきませんでした。直訳すると『完全な青』。いったいなんだろうと興味を引かれたのですが、その実体はなんとも恐ろしいものでした。知らず知らずのうちに実験データとして利用されていたなんてぞっとしますね。
この作品で私がお気に入りのキャラは『ラ・シーナ』のマスターです(^^)
家出少年の進也の気持ちを理解し、大人として気遣っているし、なんといってもピンチの時の登場がカッコいい!
なお、この作品には続編があり、なんと衝突していた糸ちゃんと進也が急接近!?らしいです。
すでに手元にありますので、そのうちご紹介したいと思います。
■評価(5個が最高)
◆トリック度 | ||
◆冷や汗度 | ||
◆満足度 | ★★★★ |
■特におすすめ!
- 野球が好きな方
- 犬が好きな方
- ハードボイルドが好きな方
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