毛髪再生

【七回死んだ男】 西澤保彦

Category西澤保彦
 4  0

◆◇◆9回裏の逆転劇!◆◇◆

西澤保彦(シリーズ外)
長編
講談社ノベルス 1995.10
  講談社文庫 1998.10

七回死んだ男 (講談社文庫)
七回死んだ男 (講談社文庫)西澤 保彦

おすすめ平均
starsミステリだが緊迫した感じはなく笑えた
starsSFにロジックミステリを持ち込むと
starsタイムトラベルとミステリー
stars推理小説ではなかった
stars君は【反復落し穴】から抜け出せるか?!僕は底で死んだ。だって、しつこ、、、

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■あらすじ

うしても殺人が防げない!? 不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人──。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは? 時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
(講談社文庫より)

■感想
 前々から気になっていた作品。たまたまブックオフで見つけたので、読んでみました。

 いわゆるタイムトラベルもので、主人公の久太郎は、不定期に同じ一日を9回繰り返してしまう『特異体質』の持ち主。本人はそれを『反復落とし穴』と呼んでいます。しかし、反復を認識しているのは、久太郎一人だけ。それ以外の人は、基本的に同じ言動を反復します。久太郎が違った言動をすれば、それに反応した相手の言動も変わってくるのですが、リセットされてしまうと、当然他の人はその日の記憶は消えてしまいます。そして9回目が『決定版』となって、正規の一日として人々に認識されるという仕組みです。

 正月の1月2日、久太郎は祖父の酒盛り305に付き合わされた。酒をしこたま飲まされ(一応、久太郎は高校一年生なんですが。飲ませていいのか、じーちゃん^^;)、意識も朦朧としたまま、兄の車に乗せられ自宅に帰ったはずだった。しかし翌朝目覚めてみると、祖父の家の屋根裏部屋にいた。不審に思いながら階下に降りていくと、台所から祖父たちの昨日と全く同じやりとりが聞こえてきた。どうやらまた『反復落とし穴』に嵌ってしまったらしい。ではあと8回も祖父の酒盛りに付き合わされ、苦しい思いをしないといけないのか。それだけは勘弁してほしいと、祖父との接触を避けてやり過ごそうとしたら、なんと祖父が何者かに殺されてしまった!犯人の目星は付いていたので、次回は、犯人を拘束して祖父と接触できないようにした。すると別の伏兵が現れ、やっぱり祖父は殺されてしまう。というように、毎回なんとか祖父が死んでしまうのを回避しようとするのですが、奮闘むなしく祖父は死んでしまうわけです。何故初回に死ななかった祖父が毎回死んでしまうのか?混乱しながらも必死に殺人を食い止めようとする久太郎。

 反復されているはずなのに、毎回バラエティに富んだ一日になっているので飽きさせません。411また、毎回違った言動を取るために、人々の隠れた一面が見えてくるのも面白いですね。

 読んでいる途中で、もしこういう場合はどうなるんだろう?と思っていたら、それがそのままオチだったので、驚きました。トリックはもしかしたらというものだったのですが、なるほど上手く処理していますね。伏線は割と分かりやすいかも。

 ちなみに、見出しから野球を連想されると思いますが、野球は全く関係ありません。反復が9回繰り返されるのと野球が一試合9回まであるのにかけてみました。9回繰り返されて見かけ上(表)では、無事反復を終えたけれど、実は裏ではとんでもないことが起こっていた!という意味合いを表現してみました。なかなかでしょ?(^^)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • タイムトラベルものが好きな方
  • SFが好きな方
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西澤保彦

4 Comments

viviandpiano  

そうそう!

これ、私もめちゃくちゃ楽しく読んだ記憶が。
久太郎の焦りもどきどきしながら読んだし、
彼のキャラクターもいい感じでしたよね☆

西澤作品は、たくさんは読んでないけど、
ちょっと変わった毛色の作家さんだと思います。

2009/07/18 (Sat) 18:56 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

私はタイムトラベルものが結構好きなので、楽しく読みました♪
特に座布団投げの大乱闘の回には笑ってしまいました!(^▽^)

西澤作品は、SFチックなものが多いのですね。
私はタックシリーズしか読んだことがないので、知らなかったのですが。
タックシリーズもぼちぼち続きを読もうかな~。

2009/07/19 (Sun) 00:35 | EDIT | REPLY |   

乱歩  

読みました

おもしろかったですね。
こんなアイデアが浮かぶ作者にあっぱれです。
一見複雑そうですが実際はシンプルな設定でわかりやすく読めました。
翠香さんの書評もしっかりまとまっていて読みやすいですね。

2010/04/05 (Mon) 23:58 | REPLY |   

翠香  

乱歩さんへ

これは、本当楽しい作品でしたね。
やっぱり座布団投げの大乱闘の回が面白かった!(^▽^)
そうそう、この作品のある人物が『仔羊たちの聖夜』(タックシリーズ)にゲスト出演しているんですよ。

書評、お褒めいただきありがとうございます(*^^*)
でも、ブログをやっていると、つくづく文章を書くのって難しい・・・と思いますね。
文章の上手い作家さんの作品に触れ、日々勉強です(笑)

2010/04/06 (Tue) 21:43 | EDIT | REPLY |   

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