【悪党たちは千里を走る】 貫井徳郎

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By翠香

◆◇◆ボクを誘拐して!◆◇◆

貫井徳郎(シリーズ外)
長編
光文社 2005.9
  集英社文庫 2008.9
299‘09集英社文庫ナツイチ対象本

悪党たちは千里を走る (集英社文庫)
悪党たちは千里を走る (集英社文庫)
おすすめ平均
starsうーん……
stars本は厚いが中味は…
starsおもしろかったです
starsオリジナリティを感じない
starsユーモアとスピード感がたっぷり。貫井徳郎の“異色作”

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■あらすじ

しょぼい仕事で日々を暮らすお人好しの詐欺師コンビ、高杉と園部。ひょんなことから切れ者の美人同業者とチームを組むはめになり、三人で一世一代の大仕事に挑戦する。それは誰も傷つかない、とても人道的な犯罪計画だった。準備万端、すべての仕掛けは順調のはずだったが・・・・・・次から次にどんでん返しが! 息をつかせぬスピードとひねったプロット。ユーモア・ミステリの傑作長編。
(集英社文庫より)

■感想
 これも集英社文庫ナツイチ対象本です。昨年、文庫が新刊で出たときからちょっと気になっていたのですが、文庫フェアをキッカケにようやく手にしました。かわいいハチ君のストラップをいただきましたよ(^^)

 私は貫井作品は本作が初だったので、作風とかは全く分からなかったのですが、重厚な作品が多いらしいですね。すると本作はどうやら異色作といえそうです。

 しょぼい詐欺で糊口をしのいでいる高杉と園部は、あるお屋敷へ「仕事」に出向いたときに美人詐欺師の菜摘子と出会う。3人はある資産家の飼い犬286を誘拐しようと企てるが、その家の10歳になる一人息子・巧に計画がバレてしまう。巧は犬よりも自分を誘拐して吝嗇な親から身代金をせしめるという狂言誘拐のプランを提案する。巧のプランは親の性格を熟知した、安全かつ確実なプランだった。しかし、実行に移す前に巧は本当に何者かに誘拐されてしまう!そして巧のプラン通りに誘拐事件のシナリオが進んでゆく──。

 高杉も菜摘子もなるべくして詐欺師になったわけではなく、むしろ始めは生真面目に働いていました。が、真面目な人ほど生きにくい世の中、自分の能力を正当に評価されないことに嫌気がさしてドロップアウトしてしまったクチです。なので、悪党なのに生来の人のよさが言動ににじみ出ていますね。大体10歳の子供に身元を押さえられるってどんなヘボ詐欺師よ?まあ巧くんは非常に頭が良く、普通の10歳とはわけがちがいますけどね(苦笑) 少なくとも高杉の“舎弟”・園部よりは数段賢いでしょうね(^^;) この園部は高杉を“アニキ”と慕っているのがなんともステレオタイプだな~。また高杉がハードボイルドを気取っているのも柄じゃないのに無理している感じでなんだか可笑しい(^▽^)

 物語の3分の1も過ぎた頃、ようやく巧の誘拐事件が起こるので、それまでがもたつき気味な感はあります。また視点がコロコロ変わるのでちょっと読みにくいですね。
 しかし、狂言誘拐を逆手に取ったアイデアや身代金の奪取方法61などはいかにも今風で足のつきにくい方法なので斬新だなと思いました。
 でも、あらすじにあるような「次から次にどんでん返し」という感じではなかったかな。伏線に関してはフェアだと思います。

 貫井氏は、必殺シリーズがお好きだそうで、クライマックスシーンを読むとなるほど分かる気がしますね。同じ必殺好きな私も読んでいてスカッと爽快な気分になりました(^^)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

  • ドタバタ喜劇が好きな方
  • コン・ゲームが好きな方
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Comments 4

viviandpiano  

いいですね☆

私も、必殺大好きで~す♪
だから、最後がスカッとするのは、同じく好きです。
よく、勧善懲悪が過ぎると、嘘っぽいとかわざとらしいとか、
すぐに難癖をつける人がいますが、
たまには、そういうのがあってもいいじゃん!と思う次第です(笑)

2009/08/28 (Fri) 00:17 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

必殺はぶっちゃけ『殺し屋』ですけどね(^_^;)
この前の必殺で、ヒガシの「俺らはどの道地獄行きだけどよ」とニヒルに笑う姿が忘れられない(*^^*)
ダークヒーロー物も結構好きなんですよ~。
でも必殺ってテレ朝じゃなかったっけ??

本作は必殺ほどカッコよくはないです(^^;)
でも悪が悪を挫くというのは、必殺につながるかな、と思いまして。
スカッとして終わりではなく、ちょっとしたオチがあるのですけどね(笑)

2009/08/28 (Fri) 23:14 | EDIT | REPLY |   

viviandpiano  

必殺!

テレ朝系なんですよね~。
でも、スペシャル版とか、2回くらいこっちでも放送しました。
(ほら、日曜日の午後とかにw)

元祖の必殺仕事人をたまに「時代劇チャンネル」でやってるので、
若かりし頃の中村主水も好きです☆

貫井先生で必殺っぽいのは「疾走症候群」を読んだことがあります。
あと、岡嶋作品で「眠れぬ夜の殺人」は、もう少し娯楽性高い兄弟作品です。
(こっちが元祖ですけどw)
気が向いたら、どうぞ☆

2009/08/29 (Sat) 00:43 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

そうか、「時代劇チャンネル」でなつかしの時代劇とかやってますよね!
私は主水のちょっとオカマっぽい上司の「田中様」が気に入っています(笑)

そうそう、本作の解説にも岡嶋作品を貫井氏が踏襲した経緯が書かれています。
そこで貫井氏は必殺好きだと書かれていたのですw
viviandpianoさんの書評も拝見しましたが、どちらかというとシリアスな感じですよね。
娯楽性の高い岡嶋作品の方が取り掛かりやすいかも。
そのうち読んでみますね(^^)

2009/08/29 (Sat) 22:46 | EDIT | REPLY |   

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