毛髪再生

【銀杏坂】 松尾由美

Categoryま行の作家
 2  0

◆◇◆優しい幽霊◆◇◆

松尾由美(シリーズ外)
連作短編集
光文社 2001.9
  光文社文庫 2004.1

銀杏坂 (光文社文庫)
銀杏坂 (光文社文庫)
おすすめ平均
stars銀杏坂感想

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■あらすじ

 築三十年のアパート・さつき荘には、ひとりの幽霊が住み着いていた。そのアパートの一室で、二百万円のダイヤのブローチが盗まれた! ところが容疑者は全員シロ。犯人は幽霊?中央署の刑事・木崎と吉村は、幽霊に事情聴取をすることになるが・・・・・・。(「横縞町綺譚」)。
 北陸の古都・香坂市を舞台に繰り広げられる、不可思議で切ない連作ミステリー!
(光文社文庫より)

■感想
 タイトルが今の季節に合っていたので、読んでみました。
 著者の松尾由美さんは、金沢市出身だそうで、本作も北陸の古都が舞台となっています。
 作中では、香坂市という架空の都市になっていますが、金沢であることが分かります。
 始めは、方言に馴染みがなかったので、読みにくさも感じていた(特に「が」の使い方がなかなか慣れなくて・・・)のですが、読んでいるうちに味わい深いものになってきました。

 秋から春先までの北陸が舞台、女性の書いた作品ということで、穏やかで優しい雰囲気なのですが、実はちょっと意外な点があるのです。219

 本作は5編の短編からなる連作短編集で、主人公は木崎というさえない中年刑事。
 あるアパートで起きた盗難事件に幽霊が関与していたことを突き止めたのがきっかけで、そういう人知の及ばない不可思議な事件が起こるたびに木崎にお鉢が回ってくるようになってしまいます。
 短編のテーマも「幽霊」、「予知夢」、「生霊」、「念動力」・・・とオカルト色たっぷり(^^;)
 同じようなテーマの作品に東野圭吾氏の『探偵ガリレオ』シリーズがありますが、こちらはオカルト現象を科学的に解明していました。
 本作ではオカルト現象は現象としてあるという捉え方をしています。
 ただ、犯人は39幽霊の仕業でした~ではミステリーとして成り立たなくなってしまうので、その辺は一ひねりして上手く処理しています。
 密室殺人事件を扱った短編もあり、本格の匂いも感じられますね。

 ところが、第5編に入るとまた様子が変わってくるのです。
 第1編で登場した幽霊が木崎の周りに頻繁に出現するようになり、それはあたかも木崎に何かメッセージを伝えようとしているかのようでした。
 そして、木崎は幽霊からのヒントを元に依頼されていた事件を解決します。
 しかし、木崎は幽霊の出現に端を発するオカルト現象について疑問に思い始めていました。
 ここから意外な結末へと向かいます。ラストはオカルトからファンタジーへと変化。ちょっと切なくて、しんみりしてしまいました。409
 主人公をさえない中年刑事にしたのにも意味があったのですね。

 なお、オカルト現象といってもおどろおどろしい雰囲気はないので、そういうのが苦手な女性でも安心して読める作品です(^^)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

  • 北陸出身の方
  • 女性の方72
  • ファンタジーが好きな方
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松尾由美

2 Comments

陽太  

独創的じゃじゃ馬

銀杏坂、面白そうな作品ですね!
この本も楽しめそうだな。

松尾さんの作品は「モーリスのいた夏」って新作でつぼにはまり、
次は何にしようかと、いろいろさまよっていたんです。
参考にさせて頂きますね。

それにしても「http://www.birthday-energy.co.jp」ってサイトには
独創的じゃじゃ馬なんて、松尾さんのことを書いてあったり。
作家さんだから独創性は大事ですけど、
じつはかなり愉快な方なのかも知れませんね。

興味わいて来ちゃうなぁ。

2011/10/08 (Sat) 15:36 | EDIT | REPLY |   

翠香  

陽太さんへ

陽太さん、はじめまして(ですよね?)
銀杏坂は、幽霊を題材にしているけれど、優しくて切ないお話でした。
読みましたらぜひ感想聞かせてくださいね(^^)

松尾さんの作品は、他に『ハートブレイク・レストラン』を持っているのですが、
まだ読んでいません(^^;)

『モーリスのいた夏』も面白そうですね。
チェックしておきます。
ご紹介ありがとうございます☆

2011/10/08 (Sat) 23:22 | EDIT | REPLY |   

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