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【死神の精度】 伊坂幸太郎

Category伊坂幸太郎
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◆◇◆死神はミュージックがお好き◆◇◆

伊坂幸太郎(シリーズ外)
連作短編集
文芸春秋 2005.6
  文春文庫 2008.2
20第57回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。(表題作『死神の精度』)

死神の精度 (文春文庫)
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おすすめ平均
stars伊坂幸太郎の引力
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■あらすじ

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない──そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
(文春文庫より)

■感想
 伊坂作品を2作読んで、どうも自分には合わない・・・と苦手意識を持っていたのですが、これは先に映画を観ていたので、すんなり物語の世界に入ることができました(^^)

 本作は、6編からなる連作短編集です。そのうち3編が映画で使われていました。
 実はそれぞれの短編同士の繋がりはほとんどないのですが、最後にサプライズが!なかなか心憎い演出ですね~。410
 また、作品間でもちょっとした繋がりがあるようで、「あの作品に登場した人物がこんな所に!」という発見があるのも楽しいですね。
 本作に登場したある人物も他の作品にひょっこり出ているらしいです。

 この作品の主人公はなんと死神!死神というと恐ろしいイメージがありますが、彼らは人間生活に溶け込むように見かけは人間の姿をしています。
 そして何故か彼らは皆、音楽が好きなようで、CDショップの視聴コーナー304で長時間音楽を聴いて楽しんでいるようです。
 きっと伊坂さんも音楽が好きなのでしょうね。私が読んだどの作品にも音楽が絡んできていたので。
 しかし、やはり完全に人間にはなりきれないのか、会話がちょっとズレています(^^;)
 映画では、千葉という名の死神はズレた事を言って笑われるときょとんとしていましたが、原作の千葉はちょっとムッとしてましたね。
 「こっちが真面目に話しているのに、どうして笑われるのか」って、かなり人間らしい感情ですよ(笑)

 彼ら死神は7日間の調査期間を与えられ、対象者の死に「可」あるいは「見送り」の判定をするのですが、
 ほとんどが「可」の判定をするにもかかわらず、千葉は7日間をフルに使って調査をする律儀なタイプです。
 死神にも色々な性格があるのですね(笑)

 ちなみにこの作品、先月に舞台やなんと落語でも演じられていたようで、人気の高さが窺えますね。

 死神の精度
 対象者は、大手電機メーカーの苦情処理係の女性。彼女は自分を指名してくるクレーマーに悩まされていた・・・。
 これは映画に使われていました。かなり原作に忠実に描かれていましたね。千葉のボケたセリフに思わずクスッと笑ってしまいました。

 【死神と藤田】
 藤田は、昔気質の任侠のヤクザ。千葉は情報屋を装って藤田に接触するが、ヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまう。
 これも映画に使われていました。映画では千葉の『同僚』が多数出演していて面白かったけど、本編は、余韻を残して終わっていますね。

 【吹雪に死神】
 雪に閉ざされた洋館の中で、人が次々に殺されていく・・・。ミステリーマニアが喜びそうな設定ですね(笑)まあ出来は探偵Xレベルですが・・・。
 なんとここでは千葉が探偵役に!でも、探偵自身が事件を複雑にしてどうする(笑)

 【恋愛で死神】
 対象者はブティック店員の男性。彼は向かいのマンションに住む女性に恋をしていた。しかし、彼女は悪徳勧誘に悩まされていた・・・。
 6編の中で唯一の恋愛話。誰かとシンクロが起きるとうれしくなりますよね。それが好きな相手ならなおさら(^^)
 相手を思っての優しい嘘ならついてもいいなと思いました。

 【旅路を死神】
 母親を刺し、チンピラを刺し殺した若者と逃避行するハメになった千葉。若者には、幼い頃のトラウマがあった・・・。
 死神は車の運転も出来るのですね。しかし給油262のことも知らずによく運転してるなあ(^^;)
 この短編に登場する塀に落書きをする青年は、【重力ピエロ】の登場人物らしいです。

 【死神対老女】
 対象者は、海が見える高台で1人美容室を営む老女。千葉は客になりすまして髪を切ってもらうが、老女に正体を見透かされてしまう。
 ここでサプライズがあります。映画では少し変えられていたため、伏線があったのにうっかりスルーしてしまった356
 この結末にするならCDの曲は別のもの(言うとネタバレになりそうなので、ヒミツ)の方がよかったかな。
 死神さん、最後に青空見られてよかったね(^^)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • ファンタジーが好きな方
  • 自分の人生について見つめなおしたい方
  • 【重力ピエロ】を読まれた方

■参考
 
 ●ミステリー処【love knot】 映画【Sweet Rain 死神の精度】
    映画のレビューはこちら。金城武さん演じる千葉がお茶目です344

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伊坂幸太郎死神の精度日本推理作家協会賞

4 Comments

viviandpiano  

やっぱり

小説には小説の楽しみがありますよね☆
私も、映画を先に見たのですが、
小説は小説で楽しめました(^^)

この千葉を読んでると、
ついつい金城さんがイメージされるのが、
映画を先に見た弊害ですかね?(^^;

2009/12/17 (Thu) 03:22 | EDIT | REPLY |   

きっし~  

 落語は初耳でした。原作と映画は鑑賞しましたが。

 死神の千葉の疑問が心に響きますよね。

 でも、そんな要素もありつつ、軽妙で笑えちゃうのはやはり伊坂ワールド全開というところでしょうかw

2009/12/17 (Thu) 23:18 | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

私も映画を先に観たので、半分の話は知っていたのですが、
未読の小説同様に楽しめました(^^)
特に【死神対老女】は、小説と映画とでは少し違った話だったので、
伏線に全く気付かず、意外な展開に驚きました(笑)

千葉の雰囲気が小説と映画ではちょっと違っていたため、
私は読んでいて、金城さんが頭に浮かんでくるというほどでもなかったです。
でも、映画のお茶目な(本人は自覚ないでしょうけど^^;)千葉も好きv-344

2009/12/17 (Thu) 23:46 | EDIT | REPLY |   

翠香  

きっし~さんへ

『死神の精度』でググってみたら、舞台や落語の記事がやたらに引っかかってきたので、
「???」だったのです(笑)
ちなみに舞台のほうは、キャラメルボックスという劇団で上演されていたようです。

死神なのに、どこかサラリーマン的だったのが面白かったですね(^^)
「聞かないと詳細を教えてくれない」とぼやいていたり(笑)
死神たちは、音楽を聴くことが最大のストレス解消なのでしょうね。

2009/12/17 (Thu) 23:55 | EDIT | REPLY |   

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