FC2ブログ
毛髪再生

【嘘をもうひとつだけ】 東野圭吾

Category加賀恭一郎
 6  0

◆◇◆嘘には嘘を◆◇◆

加賀恭一郎シリーズ6
短編集
講談社ノベルス 2000.4
  講談社文庫 2003.2

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
おすすめ平均
starsパターン
stars短編でも面白い
stars加賀恭一郎シリーズの短編
stars哀切の嘘
stars初めて読んだ東野圭吾の短編集

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

■あらすじ

レエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに一人の刑事がやってきた。彼女には殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが・・・・・・。人間の悲哀を描く新しい形のミステリー。
(講談社文庫より)

■感想
 加賀恭一郎シリーズ第6弾。シリーズ初の短編集となります。
 本作は、『小説現代』などで発表された作品5作を1冊にまとめた形になっています。
 作品間の繋がりはないので、シリーズものですが、特に順番は気にしなくても大丈夫です。
 一応、加賀刑事の所属が練馬署となっていますので、時系列でいくと、【どちらかが彼女を殺した】以降ということになります。

 この加賀恭一郎シリーズ、色々な作風がありまして、初期の作品(【卒業】【眠りの森】)は、加賀を中心とした、親、恋人、友人との係わり合いが描かれていました。
 ところが、【どちらかが彼女を殺した】【私が彼を殺した】では、読者挑戦型の作品(しかも犯人が誰かは伏せられたまま)になっていて、加賀の立場はあくまで「刑事」で、加賀のプライベートな描写はほとんどありません。また、【悪意】では、犯人は早々に分かってしまい、犯行動機を巡っての犯人対加賀の息詰まる心理戦が描かれています。

 で、今回は短編集。一編が50~60ページぐらいと短いので、あっさりしている感があります。もともと東野氏の文体が醒めた目で見ているようなところがあるので、なおさらあっさり感があるのかもしれないですね。
 私はキャラ読みするタイプなので、どちらかというと初期の作風の方が好みです。次回作【赤い指】に期待したいと思います。

 

【嘘をもうひとつだけ】
 バレエ団の事務員が自宅バルコニーから転落死した。自殺のようにも思われたが、何故か彼女はトウシューズを履いていた──。
 犯人は、犯行を隠すため、嘘をついています。嘘を見破る決め手がない加賀は、犯人にもうひとつの嘘をつかせ、破綻へと導いていきます。
 この辺りの駆け引きが上手いですね。この表題作が5作の中では一番良かったです。

【冷たい灼熱】
 田沼が帰宅すると、妻が洗面所で首を絞められて殺されていた。そして、1歳になる息子は行方不明に・・・。
 夏になると必ずといっていいほど起こる事故を風刺した作品。こんな姑息な手段をつかっても結果は同じなのに・・・。赤ちゃんがかわいそうでした。

【第二の希望】
 真智子が帰宅すると、交際相手が殺されていた。彼はかなり強い力で首を絞められており、女性の力では不可能だと思われた──。
 犯人はもしかしたら・・・というのがありましたが、トリックが思いつきませんでした。タイトルがなかなかしゃれています。

【狂った計算】
 奈央子を駅まで送った直後、夫は事故で死んだ。加賀は奈央子を訪ね、建築士の中瀬が行方不明になっていることを告げる。
 死んだ夫に行方不明の愛人。2-1=1。1人は荼毘に付された。もう1人は・・・。
 加賀刑事の茶目っ気のあるトラップに思わずにやり。

【友の助言】
 加賀の大学時代の友人・萩原は、高速道路で居眠り運転をし、事故を起こした。萩原は、その日、相談事があって加賀と会うことになっていたのだが──。
 ここでは犯人が誰かではなく、動機は何かが焦点となります。確かに意外性はありましたが・・・。
 ここで使われたトリック、意外とバレにくいのでは、と思いました(^^;)

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ! 

  • 気軽に読めるミステリーをお探しの方
  • 加賀恭一郎シリーズファンの方
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
下のバナーをクリックしていただけるとさらにやる気UPしますので、
応援よろしくお願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

東野圭吾加賀恭一郎

6 Comments

あかね  

加賀サン★

お久しぶりですi-1

この作品~以前読んだことがあるのですが、印象深かったのは「冷たい灼熱」と「友の助言」★
表題作がおぼろげなのでi-201読み返してみよう~と思いますi-185

そして東野作品・・・i-5冷めたi-5目線・・・(笑)
私も感じていますi-229
もしかして東野センセって、もんのすごく冷たい人なんじゃないか・・・と、かなり勝手に思ってしまったりi-235(笑)
でもでもでもでも何だかんだで、加賀さんシリーズは好きですi-184
「眠りの森」は好きだなーi-175 切ないですよね・・・i-240
「赤い指」・・・私も未読なので、期待中ですi-87(あ、今日から「葉桜」読み始めようかと思っていますi-237

2010/01/25 (Mon) 09:13 | REPLY |   

翠香  

あかねさんへ

やっぱり作品に作家さんの個性って出ますよね。
同じ関西人でもアリス先生とは随分違うな~と思います。
でも、私も加賀シリーズは好き(笑)
ミステリーとしては、『悪意』が傑作だと思っています(滅多につけない★5つをつけました)が、
キャラ読みとしては、『眠りの森』ですよね~v-398。女子は絶対これですよね!

『葉桜』、読むのですね!あまり先入観を与えるといけないので、何も言わないでおきます(笑)
あかねさんの感想、楽しみにしていますね♪

2010/01/25 (Mon) 23:46 | EDIT | REPLY |   

乱歩  

加賀刑事

はじめまして。
私も加賀刑事が大好きです。
冷静沈着でありながら人間臭さがありますよね。
半端なやつには恫喝する所も好きです。
加賀さんが出てくるとなんだか安心しますよね。
これからも加賀シリーズ読んでいきたいです。

2010/02/06 (Sat) 18:18 | REPLY |   

翠香  

乱歩さんへ

はじめまして。コメントありがとうございます。
HNから察するところ、江戸川乱歩が好きなのですか?

加賀さんは、『卒業』の時は、クールな人だなぁと思ったのですが、
『眠りの森』ですっかりファンになってしまいました(*^^*)
この作品は短編集だったので、刑事の顔しか見られませんでしたが、
次の『赤い指』に期待しています。

こちらもミステリ作品をいろいろご紹介していますので、また遊びにいらしてください。

2010/02/06 (Sat) 23:35 | EDIT | REPLY |   

乱歩  

赤い指

コメントありがとうございます。
赤い指、いいですよ。
私のブログで紹介させてもらいました。
ぜひ読んでみてください。
卒業、眠りの森はまだ読んでませんので期待してしまいますね。
HNの乱歩は推理小説=乱歩のイメージからつけました。小学校の時よく読んだからでしょう。土曜ワイド劇場の明智シリーズも好きでした~。
あとリンクをさせていただきました。これからもよろしくです。

2010/02/07 (Sun) 18:26 | REPLY |   

翠香  

乱歩さんへ

実は、『赤い指』は近々読む予定です(特集の一作、バラしちゃったw)
『卒業』は、加賀さんがまだ大学生の頃のお話で、これがシリーズ第1作です。
茶道のお作法がかなり複雑でしたね~。

土曜ワイドの明智は天知茂さんでしたっけ?
シブくて好きでしたね~。
他に神津恭介シリーズも好きでした(^^)

リンク、ありがとうございます!
こちらこそよろしくお願いします。

2010/02/08 (Mon) 00:13 | EDIT | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Post a comment