【Xに対する逮捕状】 フィリップ・マクドナルド

◆◇◆顔のない犯人を捕まえろ!◆◇◆

アントニイ・ゲスリンシリーズ2
長編
創元推理文庫 2009.12


Xに対する逮捕状
  • フィリップ・マクドナルド/翻訳:真野 明裕
  • 東京創元社
  • 1134円
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書評/ミステリ・サスペンス

■あらすじ

米国の劇作家ギャレットは自作公演でロンドンを訪れ、齢三十四にしてG・K・チェスタトンの最高傑作ともいうべき本に巡りあった。所在ない日曜の午後、チェスタトンに導かれてノッティング・ヒル界隈を逍遙したギャレットは、立ち寄った喫茶店で犯罪の謀議と思しき会話を耳にする。すわ一大事と会話の主を尾行するが失敗、事件の予兆を告げようにも取り合ってくれる相手が見つからない。やがて面談したアントニイ・ゲスリンによって女の身許は割れたが行方は知れず、関係者の死、ギャレット自身も奇禍に遭うなど、行く手は困難を極めて……。興味深い発端、論理的な謎解き、緊迫の終局。巧みな展開が小気味よい、マクドナルドの代表作。
(創元推理文庫より)

■感想
  「本が好き!」経由で献本をいただきました。
 タイトルに惹かれて申し込みをしたのですが、抽選に当たってラッキーでした(^^)

  タイトルから、警察小説の印象を受けるかもしれませんが、
 本作は、アントニイ・ゲスリンという名探偵が活躍する、れっきとした本格物です。

  普通、ミステリーといえば、まずは事件ありきだと思いますが、
  この作品が他と変わっているのは、犯罪をいかに阻止するかというスタンスに立っているところですね。

  そもそもの発端は、アメリカの劇作家・ギャレットが、自作公演でロンドンを訪れたときのこと。
 たまたま立ち寄った喫茶店で、隣のボックス席の女性二人組の会話を耳にします。
 話の断片から、子供の誘拐を企てているように思われた。
 ギャレットは、慌てて彼女たちの後を追うが、途中で尾行に失敗してしまいます。
 ギャレットは、この話を色々な人に聞かせようとするのですが、誰も取り合ってはくれません。
 意を決して、警察に出向いても、反応は同じ・・・。
 警察は、実際に事件が起こらないと行動に移さないところがありますからね(^^;)
 それは古今東西で同じだったか・・・。

  半ば諦めの境地で、女友達のエイヴィスに話をすると、名探偵と名高いアントニイ・ゲスリンを紹介されます。
 ここでようやくギャレットの話を真剣に聞いてくれる人に出会えたのです。
 ギャレットさん、よかったね(笑)

  しかし、喜ぶのはまだ早い。

  ほどなくして、子守の斡旋をしているKJB派出婦紹介所が何やら怪しいと分かるのですが、
 逆にギャレットの不穏な動きをキャッチされ、あわや殺されるハメに・・・。
 それでも見えざる敵に立ち向かおうとするギャレット。

  ギャレットがこれほどまでに執着するのは、単なる好奇心や正義感などではなくて、
  身内の不幸な事件を経験しているから。
  このあたりのバックボーンがしっかりしているのが良いですね。

  ようやく手掛かりらしきものが見つかると、その関係者が消されてしまう。その繰り返し。
 まったく雲をつかむような話から捜査を進めているので、致し方ない部分もありますが、
 捜査が後手後手にまわってしまうので、ハラハラし通しでした。

  また、イギリスとアメリカのお国柄の違いが随所に現れているのが、興味深かったです。
 同じ英語でも、イギリスとアメリカでは意味が違っていて、通じなかったり。

  ギャレットとエイヴィスはお互いに友達以上の気持ちを持っているのですが、
 両者とも素直じゃなくて、なかなか自分の気持ちを打ち明けようとしないので、読んでいてやきもきしてしまいました(笑)
 最後のオチは予測していたけれど、思わずニッコリ(^^)

  ゲスリンの初登場作品【鑢(やすり)】は、マザーグースの詩がモチーフになっているようで、こちらも面白そう。
 機会があったらぜひ読んでみたいですね。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • ディスクン・カー作品が好きな方
  • イギリスの文化・風土に興味がある方
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Category: 海外ミステリ
Published on: Sun,  31 2010 23:31
  • Comment: 2
  • Trackback: 0

ミステリー

2 Comments

viviandpiano  

面白そうですね♪

Xという言葉に、ちょっと反応してしまいました(笑)

犯罪を防ぐという設定、
ドキドキ感が味わえそうですね。
終わった事件をじっくり解いていく作品も面白いけど、
事件が進行中のものって、スピード感もあるし、
サスペンスもたっぷりですよね☆

2010/02/01 (Mon) 00:25 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

やっぱりXに反応しますよね!w

サスペンス要素はたっぷりありました。
なにせ、ギャレットは1日に3回も殺されかかりましたから(^^;)
あと、行動を起こしたときの時間が事細かに記述されているので、
臨場感がありましたね。

2010/02/02 (Tue) 00:03 | EDIT | REPLY |   

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