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毛髪再生

【白い家の殺人】 歌野晶午

Category信濃譲二(家シリーズ)
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◆◇◆わたしの中には悪魔がいる◆◇◆

信濃譲二(家)シリーズ2
長編
講談社ノベルス 1989.2
講談社文庫 1992.9
  講談社文庫(新装版) 2009.4

新装版 白い家の殺人 (講談社文庫)
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おすすめ平均
stars登場人物が画一的
starsわたしの中には悪魔がいる。こんども悪魔が守ってくれる。

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■あらすじ

の八ヶ岳山麓の別荘で、猪狩家の令嬢・静香が逆さ吊り死体で発見された。凄惨な密室殺人は別荘を恐怖の渦に巻き込み、そして第二の被害者が出てしまう・・・・・・。一冊の日記帳によって明らかになる猪狩家の悲しく暗い過去。事件解決に挑む青年探偵・信濃譲二は完全犯罪を暴けるのか!? 傑作長編推理第二弾。
(講談社文庫より)

■感想
 【色付くミステリーseason2】、第4弾は、【白い家の殺人】です。
 本作は信濃譲二シリーズ第2作です。

 正直、本作を特集に選定すべきか、かなり悩みました。というのは、色々な方のレビューを見たのですが、「キャラが立っていない」という意見が多かったのです。
 それは前作【長い家の殺人】を読んで私自身が感じたことだったので。

 そして、実際読んでみて・・・う~んやっぱりキャラ立てはイマイチかな。探偵役の信濃譲二にあまり魅力を感じないのですよ。ワトソン役の市之瀬徹も、これといった特徴がなくごく普通。
 徹は、自分であれこれと推理をするのですが、どうも的外れな推理ばかりしているので、「んなわけないだろう!」とつっこみを入れること数回・・・。まあ、ワトソン役が真相に到達することはないと分かっているんですけどね(^^;)

 作風としては、本格物の雰囲気を感じられます。ですが、関係者たちはどこかステレオタイプだし(20年前の作品だから仕方ないけど)、
 探偵役の信濃譲二の登場が遅かったり、なかなか推理を披露しなかったりとかなり勿体つけてますね。ちょっとやりすぎでは・・・と思ってしまった(^^;)
 依然として、建物はトリックありきだったし・・・。

 信濃はすべての謎を解いたものの、浮かない顔。それは動機が全く分からなかったから。
 結局、関係者の日記によって明らかにされるのですが、この部分をもう少しスマートに処理してほしかったですね。
 作中でも「日記とも手記ともつかぬ文章」と書いていますが、これはハッキリいって「手記」です。日記はそもそも他人に読まれることを想定していないので、もっと断片的なはず。
 どうせなら断片的で他人が読んでもよく分からない内容の日記がもっと早くに発見されて、そこから事件ストーリーを推理していく形のほうが良かったかな。

 とまあ珍しく辛口の批評をしましたけど、この作品は、昨年新装版が出ており、歌野氏自身も現在とでは本格ミステリー観、文章作法等が変わっていることを認めていらっしゃいます。
 当時は「嵐の山荘」ものが書きたい一心で書かれたようで(やっぱりミステリー作家なら一度は書いてみたいですよね~)、作品に取り組む姿勢をそのまま残しておきたくて、あえて加筆修正はしなかったようです。
 作家も作品も生身のものなんだなと思いました。作品を書き続けることによって、自分なりのスタイルが確立され、洗練されていくけれど、その分、始めた頃の純粋さは喪われてゆく・・・。
 ちょっとくすぐったいけど過去は過去のまま残しておきたいという気持ち、分かる気がします。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

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歌野晶午信濃譲二

2 Comments

viviandpiano  

これは

やっぱり過渡期ですね。
歌野先生の「青い」時代の思い出の作品でもあるのでしょう。
特に、最初は歌野先生の場合は完成された作風じゃなかったから、
その後の変遷と言うか成長と言うか、すさまじいですね(^^;

信濃は「根はいいやつ」だと思えるようになってから、
ちょっと好きになりました(笑)

2010/02/25 (Thu) 01:47 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

やはり小説を書き始めた頃の作品なので、いろいろと趣向をこらしたトリックを使いたいという気持ちが強かったのでしょうね。
前作もそうでしたが、トリックを成立させるための間取りになってしまってますよね。

私は、歌野作品は、このシリーズ以外では『葉桜~』しか読んでいないので、偉そうなことは言えませんが、
腕を上げたのだなと思います。
他の作品も読んでみたいですね(^^)

2010/02/25 (Thu) 23:23 | EDIT | REPLY |   

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