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毛髪再生

【蔵書まるごと消失事件】 イアン・サンソム

Category海外ミステリ
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◆◇◆満身創痍の司書探偵◆◇◆

移動図書館貸出記録1
長編
創元推理文庫 2010.2


蔵書まるごと消失事件
  • イアン・サンソム
  • 東京創元社
  • 1260円
Amazonで購入
書評

■あらすじ

憧れの図書館司書となるべく、北アイルランドの片田舎タムドラムにやってきた気弱な青年イスラエルを待っていたのは、図書館の閉鎖という無情な現実だった。代わりの職務として、移動図書館の司書を任されたものの、肝腎の蔵書一万五千冊は一冊残らず消えていた。だれが、なぜ、どこに? 事件を解決するはめになったイスラエルの、孤軍奮闘が始まる。頻出する実在の本の話題も楽しい新シリーズ、発車!
(創元推理文庫より)

■感想
  「本が好き!」経由で献本をいただきました。
 あらすじから全面的に本がテーマであることが分かったので、今回は安心して申し込みました(笑)

 本がテーマのミステリというと、日本では大崎梢さんの
 【配達あかずきん】などの作品を思い浮かべます。
 『書店ミステリ』という新しいジャンルも確立しています。

  一方、本作では、舞台は図書館、主人公は図書館司書。
  解説の穂井田直美さんによると、ジェフ・アボットという作家が書いた、
 図書館長のシリーズがあるとのことですが、
 今までにあまり取り上げられていない設定なのではないでしょうか。

  主人公のイスラエルは、憧れの司書となって、意気揚々アイルランドの地にやってきます。
 しかし、彼の前に立ちはだかったのは、『図書館閉鎖』の無情な知らせ。
 この片田舎の図書館司書の仕事を足がかりに、
 ゆくゆくは世界最高峰の図書館司書になることを夢見ていたイスラエルに与えられたのは、
 オンボロ車での移動図書館の仕事だったのです。

  イスラエルのことを作者は以下のように評しています。
 「知的で内気、情熱的で繊細」、「本の読みすぎ」、「本は彼をだめにしていた」、
  そして「世俗的なことではまったく誰の役にも立たなかった」とも。
 要するに、本ばかり読んで頭でっかちになってしまい、世渡りが苦手な青年なんですね。

  誰しも新しい環境、新しい仕事になじむのは、なかなか大変なこと。
 イスラエルのような青年ならなおさらのことです。
 タムドラムの人々は、都会のロンドンから来たイスラエルへのやっかみもあるのか、
 あまり友好的な態度で接してはくれません。
 中には好意的な人もいるのですが、どうも田舎暮らしでのんびりしているというか、
 天然ボケという感じで、彼らのお陰でかえって窮地に立たされることもしばしば。
 そんなイスラエルの奮闘をコミカルに描いています。

 イスラエルは、身も心もボロボロになりながら(ヴァンもボロボロだ!)、
 消えた本の捜索に奮闘するのですが、
 あたかも自分がエルキュール・ポアロのような名探偵のつもりになってしまうのですよね。
 この辺も、頭でっかちさを物語っているような・・・。
 よく調べもしないで、可能性だけで怪しい(と勝手に思っている)人を犯人だと決めつけ、
 不評を買ってしまいます。
 そういう手合いは、推理小説では無能な警察の役回りだと、
 本を読んで学ばなかったのかな?イスラエル?

 本作は、ミステリとしては、日常の謎に分類されると思います。
 ただ、消失トリックのようなものを期待すると、肩透かしを食うかも。
 このオチにするなら、もう少し内容がコンパクトに纏まっている方がよかったかな。

 この作品のもうひとつの魅力は、実在する本の名前が多数登場することです。
 古いものから新しいものまで、ジャンルも多岐に渡っています。
 また、本だけでなく、ドラマのタイトルや主人公の名前も多数登場します。
 海外小説や海外ドラマに詳しい方には、より楽しめるのではないでしょうか。

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267

◆冷や汗度

404404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

  • とにかく本が好きな方!
  • 図書館が好きな方
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