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【兄の殺人者】 D・M・ディヴァイン

 29, 2010

◆◇◆クリスティ絶賛のデビュー作!◆◇◆

D・M・ディヴァイン(シリーズ外)
長編
創元推理文庫 2010.5


兄の殺人者
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書評

■あらすじ

霧の夜、弁護士事務所の共同経営者である兄オリバーから急にオフィスに呼びだされたサイモンは、そこで兄の射殺死体を発見する。仕事でも私生活でもトラブルを抱えていたオリバーを殺したのは、一体何者か? 警察の捜査に納得できず独自の調査を始めたサイモンは、兄の思わぬ秘密に直面する。英国探偵小説と人間ドラマを融合し、クリスティを感嘆させた伝説的デビュー作、復活。

(創元推理文庫より)

■感想
 ミステリの女王・クリスティが絶賛した作品だと聞き、「本が好き!」経由で献本いただきました。

 本作は、英国コリンズ社主催の大学教員を対象とした、書き下ろし探偵小説コンクールに応募したものだそうです。
 クリスティは、このコンクールの審査員を務めていて、「最後まで私が楽しんで読めた、極めて面白い犯罪小説」と言わしめたのだとか。
 しかし、作者が大学教員ではなく、事務職員だったため、受賞には至らなかったのだそうです。
 それでも本作は、すぐに出版の機会を得ました。才能が埋もれることがなくて良かったですね。

 ディヴァインは、英米では高い評価を受けていた作家なのですが、日本ではちょっとマイナーですよね。
 それは、ディヴァインが登場した1960年代という時代背景にあるようです。
 当時日本では社会派全盛期で、翻訳ミステリでは、ハードボイルドやスパイ小説がもてはやされていました。
 また、本作はシリーズ探偵を置かないという点でも受け入れにくかったのかもしれませんね。
 今でこそノンシリーズは珍しくはないのですが、確かに海外古典では絶対的な名探偵が登場しますよね。
 ディヴァインは、時代を先取りしていたのかもしれないですね。

 さて、内容に触れていきましょう。
 本作は、サイモンという事務弁護士の一人称で語られています。

 ある夜、サイモンは事務所の共同経営者である兄・オリバーから電話でオフィスに呼び出された。
 時間も遅く、霧もひどかったので、断ろうとしたが、強引なのはいつものこと、諦めてオフィスへ。
 しかし、そこには当の兄が拳銃で胸を撃たれて死んでいた。
 自殺に見せかけた形跡があったが、殺されたのは明らかだった。
 その後の調べで、兄が強請りを行っていたらしいことがわかる。
 兄の汚名を雪ぐため、オリバーの秘書のジョイス、事務員のアランとともに調査に乗り出すのだが・・・。

 タイトルからも明らかなように、「兄の殺人者」-フーダニットが本作の究極の命題なのですが、
 それだけではなく、兄弟愛、親子愛、夫婦愛といった数々の人間ドラマがありました。
 時に歪んだ愛の形が悲劇をもたらしてしまうのだけど・・・。

 犯人は意外な人物で驚きました。一番「らしくない」人が犯人だと分かっていながらも、
 この人が犯人かな?まさかね・・・と思っていましたもの(一応、一度は疑っています^^;)
 そして、さらに驚愕の真相が待っていました。わぁ!そうだったのか~~。
 うーん、確かに引っ掛かっていた部分ではあるのですよね・・・。
 書いてあることを鵜呑みにしてはいけませんね(^^;)

 トリックに関しては、ありきたりのものだったので、予想できました。
 でも50年前だと、こんなに面倒くさいことをしなくちゃいけなかったのですね。

 クライマックスの謎解きの場面で、ガーランド警視が「名探偵 皆を集めて さてと言い」をやりたがったのが不満でした。
 そこまで真相が分かっているのなら、普通は面通しをして終わりでしょう。
 おいしいところだけ持って行く、目立ちたがり屋の警視さんですね(^^;)

 ディヴァインの作品は、この他、【ウォリス家の殺人】では2009年本格ミステリ・ベスト10の海外部門の第一位を獲得しているそうなので、こちらもぜひ読んでみたいです。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • フーダニットものが好きな方
  • イギリスの文化・風土に興味がある方
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Tag:ミステリー ディヴァイン

COMMENT 2

Tue
2010.06.29
01:39

viviandpiano

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面白そう☆

クリスティー絶賛って、いいですよね♪
なんか、それだけで期待が高まる気がします。
あれだけの職業作家をうならせるのだから、
それだけ面白かったってことですもんね。

海外作品は、最近のものはほとんど読んで無いけど、
(ハードボイルド系、苦手ですし)
こういうフーダニットもあるんだったら、
食わず嫌いをやめてみようかな・・・と思いました。

Edit | Reply | 
Wed
2010.06.30
22:58

翠香

URL

viviandpianoさんへ

やっぱりクリスティ絶賛作品と聞くと惹きつけられますよね~♪
本作以外でも、ディヴァイン作品はミステリランキングの常連のようですよ。

私も海外作品は食わず嫌いだったのですが、
こうやって本を頂く機会があってよかったなと思います。
当たり外れは確かにありますが、この作品は当たりでした!

Edit | Reply | 

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