毛髪再生

【ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺】 田中啓文

Category笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ
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◆◇◆ヤンキー噺家誕生!◆◇◆

笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ1
連作短編集
集英社 2004.12
集英社文庫 2006.8

ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫)
ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫)田中 啓文

おすすめ平均
stars面白いはすべてに勝る
starsおもしろ落語ミステリ
stars落語家志望
stars上方落語入門の書としてどうぞ
stars人生は落語

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■あらすじ

上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件! 個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。
(集英社文庫より)

■感想
 ダークな話を読んだ後だったので、ちょっと軽めのさらりと笑えるもの・・・と思い、手にとってみました。
 本作は、笑酔亭梅寿謎解噺シリーズの第1作です。
 同シリーズの第2作【ハナシにならん!】が集英社文庫ナツイチの対象本になっていますので、まずは第1作から。

 本作は7編からなる連作短編集で、各編のタイトルは落語の演目になっています。
 演目の説明もありますので、落語をあまり知らない人でも大丈夫です。
 各編で起こる事件が落語の演目とリンクしていてしゃれてますね。

 金髪トサカ頭の不良少年・竜二が、笑酔亭梅寿(しょうすいていばいじゅ)の元に無理矢理弟子入りさせられるところから物語は始まります。
 竜二は、古典落語の魅力にハマりつつも、若いので新作落語や漫才など、色々なものに目移りしてしまいます。竜二の噺家としての成長物語でもありますね。
 また竜二の周りの人々は、竜二の噺家としての天性の才能を認め、時に厳しく、時に優しく見守っているという、人情物でもあります。

 そして竜二には、落語だけでなく探偵としても天性の才能がありました。
 しかし、師匠を立て、あくまで師匠の考えを代弁する形を取っています。でもきっと周りにはバレバレだと思うけど(^^;)

 全編、コテコテの関西弁でどつきもえげつないですが、ギャグだと思ってさらっと受け流すのがいいかも。私は結構楽しめましたよ(^▽^)


 【たちきり線香】
 竜二が入門して数日後、師匠の梅寿は、自動車事故で亡くなった三味線弾き・仲田あかねの三回忌に『たちきり線香』を高座にかける。
 あかねの形見の三味線で妹弟子の水無月が弾くことになったが、高座の最中に三味線の絃が三本とも切れてしまう。
 梅寿が暴走推理を始めた窮地を竜二が救います。落語の演目は純愛物だったけれど、ここでは色々な愛憎が渦巻いていました。

 【らくだ】
 梅寿と共演することになったアメリカ人の噺家・吸血亭ブラッドは、自分の出番の前にウィスキーをしこたま飲んで寝入ってしまう。
 仕方なく梅寿が先に高座に上がったが、ブラッドは一向に起きて来ない。竜二の兄弟子の梅雨が起こしに行くと、ブラッドは死んでいた・・・。
 またもや梅寿の推理は暴走(^^;)竜二がフォローしているのに逆切れするから困った師匠です。
 駄洒落が入っていたのには脱力しましたが、推理自体はまともだったのでホッとしました。

 【時うどん】
 竜二の初舞台が決まったが、梅寿は一向に稽古をつけてくれない。
 そんな折、「漫才ヤングバトル」というTVの企画があり、ベテラン漫才師「雁花いたし・まっせ」を出演させようとしていた。彼らはTVの仕事を断り続けていたのだった。
 これは分かりましたが、TVでなくても気が付くのではないかな?梅寿には独自の稽古のつけ方があるのですね(^^)

 【平林】
 竜二の初舞台の日が迫っていたが、梅寿は芸名をつけてくれない。とうとう芸名がないまま初高座を迎える。
 しかし、竜二が高座に上がると肉屋の親父が乱入してきて大混乱に!
 梅寿も弟子のために粋な計らいをしたのは良かったけれど、そのあと借金取りから逃げ回ったら台無しだあ(^^;)

 【住吉駕籠】
 竜二は兄弟子の梅毒から新作落語をやってみないかと誘われる。梅寿には反対されたが、竜二は梅寿に黙って新作落語のイベントに出演する。
 しかし、主催の梅毒が会場に現れず、前座が家まで様子を見に行くと、梅毒は殺人未遂の現行犯で逮捕されたという。
 今回は梅寿が師匠らしいところを見せましたが、推理は相変わらず詰めが甘かった(苦笑)

 【子は鎹】
 師匠の言いつけを破った竜二は、破門を言い渡される。友人の家を泊まり歩き、何とか漫談で一旗挙げようとする。
 そんな折、梅寿の孫のテルコが何者かに誘拐される。
 まあ思い込みによる勘違いというのはよくあることで・・・。人々の人情に触れ、竜二も落語の心をつかんだようです(^^)

 【千両みかん】
 若手噺家を競わせるO-1グランプリが開催されることになった。
 笑酔亭一門からも梅雨他、弟子が出場するが、まだ入門して1年の竜二も参戦することになる。
 O-1を企画した映像企画会社社長は、映画監督の巨匠の注文の品が手に入らず、右往左往していた。
 梅寿の汚物からとんでもない産物が!(ありえな~い)竜二の前途は洋々ですね。でもこの師匠のお守りは大変だあ(^^;)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 落語が好きな方
  • 人情話が好きな方
  • 手軽に読めるミステリーをお探しの方
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田中啓文落語笑酔亭梅寿

2 Comments

viviandpiano  

面白そう☆

落語ってあんまり詳しくないけれど、
円紫さんシリーズでも少し気になったので、
こういう軽いところから勉強できたら楽しいかな?

各タイトルが、おそらく古典落語の題なんでしょうね。
聞いたことがあるようなものもあります。

2010/07/25 (Sun) 01:03 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

私も落語は詳しくないけれど、
円紫さんシリーズファンには馴染みがありますよね(^^)
本作は落語家の方(月亭八天さん)が監修をしているので、
落語入門書としてもいいかも。

関西人のノリに抵抗がなければ、楽しめると思います。
ギャグ要素もそこそこあって、
ボロアパートの名前が「めぞん漆黒」だったのには笑いました(^▽^)

2010/07/26 (Mon) 00:06 | EDIT | REPLY |   

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