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【紅い悪夢の夏―本格短編ベスト・セレクション】 本格ミステリ作家クラブ・編

 11, 2010

◆◇◆八花繚乱!◆◇◆

本格ミステリ作家クラブ・編
アンソロジー
講談社ノベルス(本格ミステリ01) 2001.7
  講談社文庫 2004.12

紅い悪夢の夏―本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)
紅い悪夢の夏―本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)

■あらすじ

に吊るされた主人/甦る不吉な記憶/産婦人科医からの奇妙な依頼/両腕を切断された死体/錯視画に隠された秘密/遺跡の密室殺人。幾多の謎に名探偵達が競演する! 刺激的な評論も収録した画期的アンソロジー刊行開始!!
<収録作家>有栖川有栖太田忠司加納朋子北森鴻柄刀一三雲岳斗、小森健太朗、鷹城宏
(講談社文庫より)

■感想
 夏になったら読もうと思っていた、とっておきの一冊です♪
 タイトルと表紙からホラーっぽい雰囲気を感じますが、ホラーではなく、本格ミステリのアンソロジーです。
 本のタイトルは収録作品のタイトルの一部をくっつけただけみたいですね(笑)
 ちなみに表紙は、京極夏彦氏(with FISCO)のデザインです。

 本作は、2001年7月に講談社ノベルスから刊行された『本格ミステリ01』を二分冊したものの第一弾です。
 本格ミステリ作家クラブ編集の、小説と評論が同時収録されている、ちょっと変わったアンソロジーシリーズですね。

 小説は、有栖川有栖太田忠司加納朋子北森鴻柄刀一三雲岳斗の6氏の短編が収められています。
 各氏お抱えのシリーズ物の短編が読めるので、まだ未着手のシリーズ物を「試し読み」するのにちょうどいいと思います。

 評論は、1つは小森健太朗氏の【新・現代本格ミステリマップ】
 これは、座標軸の縦軸にトリック性・プロット性をとり、横軸にアクロバット性・パズル性をとった四象限のマッピングで、主に新本格派の作品が分布されています。
 もうひとつは鷹城宏氏の【作者を探す十二人の登場人物──ミステリのアンダーグラウンド3 『木製の王子』論】
 これは柄刀一『3000年の密室』論、殊能将之『ハサミ男』論、麻耶雄嵩『木製の王子』論の3つの書評になっています。
 (私は上記3作とも未読なので、この書評は読んでいません)

 では、小説部門の作品について以下にご紹介します。

 【紅雨荘殺人事件】 有栖川有栖
 通称『紅雨荘』(べにさめそう)と呼ばれる邸で、元化粧品会社社長の女性が殺された。
 彼女には子供が3人いたが、いずれも確かなアリバイがあった。
 しかし、彼女の従妹は事件当夜、不自然な行動を取っていた・・・。
 火村&作家アリスシリーズの【絶叫城殺人事件】に収録されている1編。
 打算的な考えが事件をより複雑にしていました。事件の裏に隠された動機は、切なかったですね。

 【四角い悪夢】 太田忠司
 千鶴は子供の頃にみたいやな夢をまた見てしまう。
 白くて四角い箱に黒猫を入れて扉を閉め、その後扉を開けると猫のかわりに女の子が入っていたというもの。
 千鶴の夢の話を聞いた兄の志郎は妙に気に掛かり、調べてみるのだが・・・。
 霞田兄妹シリーズの【ベネチアングラスの謎】に収録されている1編。
 太田作品は、少年が主人公のものが多いですが、これは少し大人の兄妹が主人公のシリーズです。
 なかなか良さそうな雰囲気ですね。気になっていたシリーズなので、今度読んでみよう(^^)

 【子供部屋のアリス】 加納朋子
 産婦人科医の青山の依頼で、赤ちゃんの子守をすることになった仁木と安梨沙。
 何やらいわくありげな雰囲気を察して、安梨沙は偵察に行くのだが・・・。
 アリスシリーズの【螺旋階段のアリス】に収録されている1編。
 私はこれだけは既読でした。
 それぞれの短編の扉に著者のメッセージと略歴が載っているのですが、加納さんの自己紹介、ウケました~。
 バリバリの本格書いてます。密室とか吹雪の山荘とか大得意って・・・(^▽^)
 本当は日常の謎派で、女性らしいやさしい作風なんですよ。

 【邪宗仏】 北森鴻
 民俗学者の蓮丈那智の元へ、山口県波田村から二通のレポートが届いていた。
 波田村には秘仏があり、それは両腕がない仏像だという。
 那智は助手の内藤を伴い波田村を訪れたが、レポートを書いた一人が奇しくも両腕を切断され殺されていた。
 蓮丈那智シリーズの【凶笑面】に収録されている1編。
 那智が民俗学者なので、専門的な話が多く見られます。
 京極夏彦氏の京極堂シリーズ、高田崇史氏のQEDシリーズがお好きな方ならハマるかも。

 【エッシャー世界(ワールド)】 柄刀一
 宇佐見博士は、ハロルド・ミューラーの作品展へやってきた。
 ミューラーは、“エッシャーを継ぐ者”と言われ、錯視画を得意としていたのだが、
 『向かい合う人』という油彩画は、ミューラーの妻と娘を殺した殺人者を指摘しているのだという。
 宇佐見博士シリーズの【ゴーレムの檻 三月宇佐見のお茶の会】に収録されている1編。
 このシリーズは、サンフランシスコ近郊に住み研究所に勤める宇佐見博士が、お茶を飲みつつ、異世界での事件の謎を解くというものだそうです。
 なるほど、途中でエッシャーの錯視画の世界に迷い込んでしまいました。
 錯視画って結構好きなんですが、自分がその世界に入ってしまったら怖いなぁ(^^;) 無限ループの階段とか・・・。
 ところで『三月宇佐見』って、三月ウサギのもじりですよね(笑)アリスワールドだ~。

 【龍の遺跡と黄金の夏】 三雲岳斗
 考古学の発掘調査にやってきた緒方教授のゼミの一行とニュースネットの報道ディレクターとカメラマン。
 しかし、遺跡の《祭壇》の奥で緒方教授が殺されていた。
 教授を乗せた足場の下には巨大なドラゴンがおり、通路と《祭壇》の間には仕切りの付いた堀が阻んでいた・・・。
 三雲作品は『SFミステリ』というジャンルに分類されていて、この作品はSFのアンソロジーにも収録されているそうです。
 おそらくドラゴンが出てくるところがSF的なのだろうけれど、密室の謎があり、今回収録されている6作品の中でも本格色が強いと思いました。
 登場人物の名前が全て回文になっているのが凝っていましたね。特に内容とは関係なかったけど(笑)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • 短編が好きな方
  • 未着手のシリーズ物をお試ししてみたい方
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Tag:有栖川有栖 太田忠司 加納朋子 北森鴻 柄刀一 三雲岳斗 アンソロジー

COMMENT 4

Thu
2010.08.12
19:23

mokko

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v(〃>∇<〃)v

アンソロジーって、新しい著者探しには
もってこいなんですよね♪
当たり外れもあるけど(^◇^;)
有栖川有栖氏も、別のアンソロジーで知ったんですよぉ~
しかし、絶叫城・・・は既に手元にあるし
凶笑面も注文済みだったりします。
あぁ~読むのが遅いのでシリーズ物には手を出さないようにしてるので
この作品に関しては断念ですぅ~(/□≦、)

Edit | Reply | 
Thu
2010.08.12
23:12

翠香

URL

mokkoさんへ

そうそう、はじめましての作家さんを発掘できるのがアンソロジーのいいところですよね♪

有栖川作品は、始めから火村狙いでした(^^)
京介もS&Mシリーズの犀川先生も☆
実は名探偵図鑑なるヒミツ(?)の冊子を持っているのです。ふっふっふっ(謎)

私は既にシリーズ物に手を出しまくって、もはや収拾つかない状態です(^^;)
ま、ライフワークだと思ってますので、気長にいきたいと思います(笑)

Edit | Reply | 
Sat
2010.08.14
16:30

viviandpiano

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まさに!

夏にぴったりのアンソロジーですね。
私はこの中の2作は読んでますけど、
他の作家さんも気になります!

にしても、この出版不況も恐怖ですよね・・・
建築探偵シリーズ、完結できるのか??

Edit | Reply | 
Sun
2010.08.15
18:09

翠香

URL

viviandpianoさんへ

本作は、本格ミステリ作家クラブ編集とあって、
はずれが少なく、面白いアンソロジーだと思います。
(この時の会長は有栖川氏でした~^^)

今は本当に本が売れないみたいですね。
さらにiPadのような電子端末も出てきたし。
建築探偵、打ち切りなんてことないですよね?
完結してしまうのも、それはそれで寂しいので(笑)、
篠田先生のライフワークにして欲しいな♪

Edit | Reply | 

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