【ちょんまげぷりん】 荒木源

author photo

By翠香

◆◇◆拙者、ぱてしえにござる◆◇◆

ちょんまげぷりんシリーズ1
長編
小学館(ふしぎの国の安兵衛)2006.8
 小学館文庫2010.2
338映画化作品 (2010.7.31公開 主演:錦戸亮)

ちょんまげぷりん (小学館文庫)
ちょんまげぷりん (小学館文庫)荒木 源

おすすめ平均
stars面白かった?
stars実はイラストに魅かれて読みました
stars軽く読むのにはいい
stars映画化が待ちきれなくて買っちゃいました
starsどんどん読める

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

■あらすじ

 シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は180年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を家に置くことに。安兵衛も恩義を感じて、家事の手伝いなどを申し出る。その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとって、それは理想の「主夫」であることに気づく。
 安兵衛は料理のレパートリーを増やし、菓子づくりに挑戦。これが評判を呼び、「ござる」口調の天才パティシエとして時の人となるが──。
(小学館文庫より)

■感想
 今回はミステリではないのですが、ずっと気になっていた本だったので読んでみました。
 初めに書店で見かけた時から、目を惹く本でした。
 奇抜なタイトル(「ちょんまげぷりん」ってなに!?)に
 劇画タッチのイケメンの手にプリン(しかも素手で!)というインパクト。
 後ろ髪を引かれつつも、その時は購入には至らなかったのですが、
 なんと映画になったというじゃないですか!
 これはもう読むしかないと思いましたよ(笑)
 先週、王様のブランチでも紹介されていましたね。

 本作は、いわゆるタイムトラベルものです。
 文政九年(1826年)から180年の時を越えて現代にタイムスリップしてきたのは、
 徳川家直参のお侍・木島安兵衛。
 安兵衛は、自分のいる場所のあまりの変わりように混乱し、立ちつくしていた。
 そこへ来合わせたのが、シングルマザーの遊佐ひろ子とその息子・友也。
 安兵衛はタイムトンネルの入り口が見つかるまで、遊佐家に置いてもらうことになり、
 世話になる恩義に報いるため、家事と友也の世話を引き受ける。

 始めのうちは、安兵衛の混乱ぶりが可笑しさを誘います。
 自動車は動く箱、山手線は銀の竜か、なるほど(笑)
 ちなみに安兵衛は、表紙のようなイケメンではありません(^^;)
 一本気で頑固な性格に見合った『泥臭い』顔立ちのようです(笑)
 下手したら「成敗」、「腹を切る」と言い出しかねない剣幕に、
 ひろ子たちが慌てる一幕もあって面白い

 ひろ子は、夫と共働きでしたが、夫が家事や育児に全く協力してくれなかったのが離婚の原因でした。
 仕事を持つ女性ならば必ず直面する問題ですよね。
 ただのドタバタではなく、社会問題もさりげなく取り混ぜています。

 あまり遊んでやれない為、わざとひろ子を困らせることをしていた友也でしたが、
 そこへ安兵衛の一喝が!
 それ以後、友也は言うことを聞くようになり、自らお手伝いをするように変わっていきます。
 安兵衛が家事を引き受けてくれることで、ひろ子は仕事に専念でき、物事は良い方向に回転していきます。

 安兵衛は、料理のレパートリーを増やしていき、お菓子作りにも磨きがかかるようになります。
 そこへ舞い込んできた「お父さんの手作りケーキコンテスト」の出場。
 コンテストの模様は臨場感があって、ワクワクしました。
 以前、TVでスイーツコンテストを観たことがあるのですが、
 質感が本物そっくりに再現されていて、感動しました。もはや芸術の域に達していますね。
 安兵衛のケーキの出来栄えも素晴らしいものでした。

 コンテストの出場を機に、安兵衛の侍言葉も受けて、一躍時の人に。
 安兵衛はTVの仕事が増え、遊佐家の家事をすることができなくなってしまいます。
 ひろ子との間にも溝ができ、そして、ある事件が・・・。

 文章も易しいので、どんな世代の方にも楽しんで読めると思います。
 安兵衛からは、働くことへの喜び、社会に認められることへの喜びを教えられました。

 最後は、タイムトラベルものならではのオチで、なかなかいいですね。
 爽やかな読後感を味わうことが出来ました(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆奇想天外度
◆ほのぼの度
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • タイムトラベルものが好きな方
  • お菓子作りが好きな方
  • ワーキング・マザーの方
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。バナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Comments 8

viviandpiano  

うわ~

思わず、表紙買いしそうですね!
しかもタイムスリップもの☆
行き当たったら、読んでみたいかも♪

タイムスリップものって、最近の流行かな?
「仁」とかもありますし・・・
これも、ドラマや映画にしたら面白いかも☆

2010/09/17 (Fri) 01:49 | EDIT | REPLY |   

あかね  

意外☆

意外なチョイスだな~i-1って思いましたが。。。実は私も気になってました(笑)
本の表紙i-189目を引きますよね~i-237

それに映画化にもなってるし、サムライが現代にやってきてパティシエ???ってどういうこと~????って思っちゃうi-1

安兵衛とひろ子との関係も気になるしi-80おもしろそうだな~i-178

映画みちゃおっかな~i-175

2010/09/18 (Sat) 00:54 | EDIT | REPLY |   

mokko  

オオーw(*゚o゚*)w

このカバーイラスト
あちこちで目にしてはいたものの
タイトルの意味もわからずに放置してましたけど
なにやら面白そうじゃないですかぁ~
もの凄く気になってきました(;^_^A

2010/09/18 (Sat) 20:30 | EDIT | REPLY |   

翠香  

viviandpianoさんへ

この作品、今年の夏に映画公開されたのですよ。
錦戸亮さんの主演で。
原作より安兵衛さん、カッコ良すぎなんですけど(笑)

『仁-JIN』は反対に現代から江戸時代にタイムスリップする話でしたね。
ドラマは残念ながら観ていないのですが・・・。
『ちょんまげぷりん2』では、同様に友也が江戸時代にタイムスリップする話みたいです。

2010/09/18 (Sat) 23:22 | EDIT | REPLY |   

翠香  

あかねさんへ

意外でしたか?(^^;)
ミステリ以外でも興味はあるのですよ、私。
『鹿男あをによし』なんかも気になってます☆

やっぱりこの作品、表紙がかなりインパクトがあるので、気になりますよね~。
安兵衛の侍ことばにかなりハマりました(笑)

私もDVDになったら、映画も観てみようかな。
錦戸くんの安兵衛、観てみたいし。

安兵衛とひろ子との関係は・・・読んでのお楽しみ♪

2010/09/18 (Sat) 23:49 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

私も書店で初めて見たときは、
「ちょんまげぷりん?なんじゃこりゃ??」でしたよ(笑)

安兵衛の侍ことばにハマってしまって、
セリフを口に出して読んで、1人で喜んでいました(怪しい奴w)

面白くて元気になれるお話なので、おススメです(^^)
あ、また積読本が増えちゃいます?(笑)

2010/09/18 (Sat) 23:58 | EDIT | REPLY |   

あかね  

鹿おとこ!

『鹿男あをによし』・・・私も興味ありますi-1
ドラマは見ていなかったのですが・・・おもしろそうだな~♪って思っていて、文庫が欲しい今日このごろです♪

先日『鹿男あをによし』ではなく、奈良のキャラクター・・・せんとクンのシールブックを買ってしまいましたi-194
少しずつ使っていますi-235(笑)

2010/09/21 (Tue) 12:34 | EDIT | REPLY |   

翠香  

あかねさんへ

『鹿男あをによし』のドラマは面白かったですよ~。かなりハマってました!
DVDなどで観る機会があればぜひ♪
私も文庫買おうか、ちょっと迷い中(笑)

先日、記事でもご紹介したCREA9月号に鹿男の作者の万城目さんとせんとくんが
奈良を旅する記事が載っていましたよ。
万城目さんとせんとくんのツーショット、不思議(笑)
ところでせんとくんシールは何に使っているのですか?気になるな~(笑)

2010/09/21 (Tue) 23:57 | EDIT | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Leave a reply

INDEX (13)
このブログについて (4)
内田康夫 (99)
浅見光彦 (91)
岡部和雄 (3)
竹村岩男(信濃のコロンボ) (3)
愛川晶 (1)
相沢沙呼 (2)
酉乃初 (2)
蒼井上鷹 (1)
赤川次郎 (7)
三毛猫ホームズ (4)
三姉妹探偵団 (1)
芦辺拓 (1)
森江春策 (1)
我孫子武丸 (1)
速水三兄弟 (1)
天野頌子 (1)
陰陽屋シリーズ (1)
綾辻行人 (8)
島田潔(館シリーズ) (6)
有栖川有栖 (22)
火村英生(作家アリス) (18)
江神二郎(学生アリス) (3)
泡坂妻夫 (1)
伊坂幸太郎 (5)
石持浅海 (6)
碓氷優佳 (3)
座間味くんシリーズ (1)
乾くるみ (8)
カラット探偵事務所の事件簿 (1)
井上夢人 (2)
今邑彩 (4)
上田早夕里 (2)
パティシエシリーズ (2)
歌野晶午 (5)
信濃譲二(家シリーズ) (2)
大倉崇裕 (3)
福家警部補 (2)
大崎梢 (5)
成風堂シリーズ (3)
井辻智紀の業務日誌シリーズ (1)
太田忠司 (8)
狩野俊介 (2)
甘栗晃 (2)
朔夜一心(月読シリーズ) (1)
予告探偵 (1)
雪永鋼 (1)
大山淳子 (2)
猫弁シリーズ (2)
岡嶋二人 (5)
折原一 (4)
恩田陸 (9)
神原恵弥 (1)
あ行の作家 (8)
加納朋子 (9)
入江駒子 (3)
市村安梨沙(アリスシリーズ) (2)
ささらシリーズ (1)
神永学 (4)
確率捜査官御子柴岳人 (1)
貴志祐介 (3)
榎本径(防犯探偵) (3)
北村薫 (17)
円紫さんと私シリーズ (5)
新妻千秋(覆面作家) (3)
わたしのベッキーシリーズ (2)
時と人 (2)
北森鴻 (9)
工藤哲也(香菜里屋シリーズ) (3)
蓮丈那智 (3)
旗師・冬狐堂 (1)
北山猛邦 (6)
城シリーズ (2)
音野順 (1)
猫柳十一弦 (2)
霧舎巧 (1)
鯨統一郎 (7)
倉知淳 (2)
猫丸先輩 (1)
栗本薫 (7)
伊集院大介 (5)
黒田研二 (4)
ふたり探偵 (1)
近藤史恵 (7)
今泉文吾(歌舞伎シリーズ) (2)
キリコ (1)
ビストロ・パ・マルシリーズ (1)
七瀬久里子 (2)
か行の作家 (7)
坂木司 (5)
ひきこもり探偵 (1)
篠田真由美 (15)
桜井京介(建築探偵) (12)
蒼の物語 (3)
柴田よしき (8)
猫探偵正太郎 (4)
浅間寺竜之介 (2)
摩耶優麗 (1)
島田荘司 (2)
御手洗潔 (2)
朱川湊人 (2)
わくらばシリーズ (1)
さ行の作家 (8)
高木彬光 (3)
神津恭介 (3)
高里椎奈 (5)
深山木秋(薬屋探偵妖綺談) (5)
高田崇史 (7)
桑原崇(QEDシリーズ) (2)
鴨志田甲斐(カンナシリーズ) (2)
勧修寺文麿 (2)
田中啓文 (1)
笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ (1)
田中芳樹 (1)
薬師寺涼子 (1)
柄刀一 (3)
三月宇佐見のお茶の会 (1)
南美希風 (1)
津原泰水 (1)
ルピナス探偵団 (1)
た行の作家 (5)
中山七里 (5)
岬洋介 (4)
七尾与史 (2)
ドS刑事シリーズ (1)
二階堂黎人 (2)
水乃サトル (2)
仁木悦子 (2)
仁木兄妹 (2)
西澤保彦 (14)
匠千暁(タック&タカチシリーズ) (4)
神麻嗣子(チョーモンインシリーズ) (3)
響季姉妹探偵 (1)
ぬいぐるみ警部 (1)
西村京太郎 (2)
名探偵シリーズ (1)
似鳥鶏 (3)
葉山くんシリーズ (3)
貫井徳郎 (3)
法月綸太郎 (5)
な行の作家 (4)
初野晴 (3)
東川篤哉 (5)
謎解きはディナーのあとで (2)
烏賊川市シリーズ (2)
東野圭吾 (43)
加賀恭一郎 (10)
湯川学(探偵ガリレオ) (8)
天下一大五郎 (1)
マスカレードシリーズ (1)
深水黎一郎 (1)
神泉寺瞬一郎(芸術探偵) (1)
は行の作家 (10)
松岡圭祐 (2)
紗崎玲奈(探偵の探偵) (1)
円居挽 (1)
シャーロック・ノートシリーズ (1)
麻耶雄嵩 (1)
貴族探偵 (1)
三上延 (2)
ビブリア古書堂シリーズ (2)
水生大海 (1)
羅針盤シリーズ (1)
道尾秀介 (3)
湊かなえ (2)
宮部みゆき (3)
捜査犬マサ (2)
森川智喜 (3)
三途川理 (3)
森博嗣 (36)
犀川創平(S&Mシリーズ) (10)
瀬在丸紅子(Vシリーズ) (10)
真賀田四季 (4)
海月及介(Gシリーズ) (1)
百年シリーズ (2)
水柿助教授(Mシリーズ) (1)
森谷明子 (3)
ま行の作家 (7)
山口雅也 (2)
垂里冴子 (2)
山田悠介 (1)
柚月裕子 (1)
佐方貞人 (1)
米澤穂信 (13)
折木奉太郎(古典部) (5)
小鳩常悟朗(小市民) (3)
紺屋S&Rシリーズ (1)
や行の作家 (5)
若竹七海 (1)
ら行・わ行の作家 (1)
アンソロジー (6)
共著・合作 (1)
ノベライズ (1)
相棒 (1)
海外ミステリ (48)
ジョン・ディクスン・カー (5)
エラリー・クイーン (4)
アガサ・クリスティ (5)
コナン・ドイル (4)
ミステリー副読本 (6)
日本古典文学関連 (3)
ドラマ (186)
浅見光彦(ドラマ) (30)
信濃のコロンボ (6)
相棒(ドラマ) (33)
名探偵ポワロ (9)
SHERLOCK(シャーロック) (2)
ライアーゲーム (9)
東野圭吾ミステリーズ (11)
加賀恭一郎(ドラマ) (2)
ガリレオ(ドラマ) (12)
神津恭介(ドラマ) (2)
すべてがFになる(ドラマ) (10)
臨床犯罪学者 火村英生の推理(ドラマ) (10)
謎解きはディナーのあとで(ドラマ) (6)
土曜ワイド劇場 (6)
コラボ商品 (3)
推理クイズ (37)
探偵Xからの挑戦状! (23)
超再現!ミステリー (13)
映画 (55)
読書まとめ (27)
テーマ読み (12)
ランキング (18)
ミステリィの小径 (7)
対談・インタビュー (2)
イベント情報 (2)
文庫フェア (10)
フィギュアスケート (120)
試合展望・結果 (84)
書籍・雑誌 (10)
氷上の魔術師(フィギュア百景) (24)
アニメ『ユーリ!!! on ICE』 (2)
その他 (31)