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【空飛ぶ馬】 北村薫

Category円紫さんと私シリーズ
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◆◇◆東大王・水上颯くんおススメ本!◆◇◆

円紫さんと私シリーズ1
短編集
東京創元社 1989.3
  創元推理文庫 1994.4

北村 薫 東京創元社 1994-03-27
売り上げランキング : 638
by ヨメレバ

■あらすじ

《私》と円紫師匠が出会い、日常の風景の中で犀利な推理を繰り広げる著者の記念すべきデビュー作品集
(創元推理文庫帯より)

■テーマ

 落語
 童話・赤ずきん

■舞台

 花巻温泉(3編目【胡桃の中の鳥】)
 白石蔵王(3編目【胡桃の中の鳥】)

■ヒロイン

 《私》(名前の記述なし)

■感想

円紫さんと私シリーズ第一作。
主人公の女子大生《私》の日常に起こった不思議なできごとを、
落語家の春桜亭円紫が鮮やかな推理で解明するというスタイルです。
物語は一貫して《私》(名前は書かれていない)という一人称で書かれています。
その為、発表当時、主人公は作者の投影であると思われていたようです。
というのも、著者の北村薫氏は、デビュー当時性別不明の「覆面作家」だったそうなので。
今となってはご存知の方も多いと思いますが、北村氏は男性です。(えっ?知らなかったって??)

内容は5つの短編に分かれていて、『謎』は一話で完結していますが、
第1編は6月、第5編は12月というように時間が経過しています。
そしてそれぞれの話は独立したものではなく、時間の流れと共に繋がっているのが分かります。

主人公が落語好き(女子大生にしてはシブい趣味ですよね^^;)で、
円紫師匠の高座をたびたび聴きに行くので、落語ネタが多いです。
物語の方も始めに問題定義となる『枕』があり、そして本題へと入っていくという、落語の手法を用いています。
この他にも落語好きなら分かる、『遊び』が随所に仕掛けられているのだそうですが、
残念ながら私はあまり落語には詳しくないので、どれが『遊び』なのかはあまり分かりませんでした。

 

以下、個々のお話について、ざっくりご紹介します。

 

◆織部の霊

主人公が文学部の加茂先生を通して円紫さんと出会うことになります。
お話は、落語噺『夢の酒』305から、加茂先生の幼少時に見た夢の話へ。
加茂先生は何十年もの間、心の奥底にあったモヤモヤが円紫さんのおかげでスッキリしたようです。
読んでいる方もスッキリとした感じになりました。

 

◆砂糖合戦

渋谷のハチ公前で主人公と円紫さんが偶然再会。あの人ごみの中でよくぞ出会えましたねぇ(笑)
物語は『マクベス』の3人の魔女の話から、2人が入った喫茶店で遭遇した3人の女の子の不可解な行動へ。
円紫さんの推理が神懸かっています。ここでは貴重な円紫さんの名(怪?)演技も見られます。
しかし、逆恨みにしても手が込んでいて、むき出しになった悪意にぞっとします。
真面目で自分の仕事に誇りを持っている人が傷つかなくて本当によかったと思います。

 

◆胡桃の中の鳥

主人公の友達、正ちゃんと江美ちゃんが登場。3人の夏休み旅行でのお話。
男勝りでチャキチャキした正ちゃんと、おっとりとした江美ちゃん、なかなかいいコンビですね(笑)
旅館の夜の3人のやりとりはちょっときわどいかも。ホントに男性が書いた文章なのでしょうか??
今回の謎は、落語『百人坊主』(大山詣り)から、車のシートカバーが外された謎へ。
今回も円紫さんの神懸かった推理で謎は解けましたが、問題は保留されています。
次のお話で解決編があり、それが導入部となっているのも上手いなと思いました。

 

◆赤頭巾

日曜日の夜9時に『赤頭巾』が出る──。
ちょっとした怪談話かと思いきや・・・意外な話の展開になりました。
赤ずきんの話はこういった解釈が出来るのですね。ちょっとびっくりしました。
言われてみれば、確かに隠喩と言えなくもない。
童話は、単なる子供向けのお話ではなく、教訓を盛り込んでいたり(イソップなどはそうですね)、
全く別の解釈にドキリとしてしまったりで、なかなか奥が深いですね。
文学部の学生さんの課題や卒論のテーマに選ぶのも良いかと思います。

 

◆空飛ぶ馬

表題作。最後はハートウォーミングなクリスマスストーリー。255
『赤頭巾』では、苦いものを飲んだ気分になっていただけに、
このお話に登場するカップルが微笑ましく思えます。
このお話は男性の目線で書かれているなと思いました。
爽やかな気持ちで読み終える演出も素晴らしいです。

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 

◆トリック度

267267267

◆満足度

★★★★★

■こんな方におすすめ!

  • 女性の方72
  • ミステリー小説初心者116
  • 推理小説は血生臭いのがちょっと苦手・・・404という方
  • 落語が好きな方
  • 文学が好きな方
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北村薫春桜亭円紫

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