Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【インシテミル】 米澤穂信

 14, 2010

◆◇◆探偵してみる?◆◇◆

米澤穂信(シリーズ外)
長編
文芸春秋 2007.8
  文春文庫 2010.6
338映画化作品 (2010.10.16公開 主演:藤原竜也)

インシテミル (文春文庫)
インシテミル (文春文庫)米澤 穂信

おすすめ平均
stars密室版バトルロワイヤル、ありがちだけど読んじゃうよね
stars面白い展開とスムーズな文体
starsまさに「新感覚ミステリー」
starsなんだか
stars最初ビクビク、中盤から没頭!

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■あらすじ

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった──。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。
(文春文庫より)

■テーマ
 クローズド・サークル

■感想
 ずっと前から気になっていた作品。映画化に伴い文庫が出たので、
 早速買って、映画公開間際まで温存してました。
 米澤穂信さんといえば、古典部シリーズ小市民シリーズなど
 高校生が主人公となったちょっとビターな青春ミステリが主流でしたが、
 本作はとことんミステリを追求した作品になっています。

 本作は、ミステリの王道、クローズド・サークルものです。
 前もって、クリスティの【そして誰もいなくなった】を読んでおいた方がよいと聞いていたので、
 オマージュなのかな?と思いましたが、オマージュ作品というほどでもありませんでした。
 確かにラウンジのテーブルにネイティブアメリカンの人形が人数分置いてありましたが、
 死んだ人の数だけ減っていく、ということもありませんでした(^^;)
 ただ、【そして誰もいなくなった】のネタバレと言えなくもない箇所もあるので、
 未読の方は注意が必要です。

 12人の男女が閉じ込められた施設、通称『暗鬼館』の見取り図があるのですが、
 これ、綾辻行人氏の『時計館』とちょっと似ています。
 振子の部屋のような出っ張りはないですが、部屋が円を描くように配置され、
 中央にラウンジがあるという造りです。
 また隠された通路が存在している点も似ていますね。

 参加者にはそれぞれ一つの凶器が与えられ、
 添えられているメモランダムには、ミステリの薀蓄と使用方法が書かれています。
 凶器の出典も書かれているので、ちょっとしたミステリ案内にもなりそうですね。
 但し、【僧正殺人事件】のアーチェリーがボウガンになるなど、
 凶器が出典通りでないものもあります。
 狭い空間で殺害を行えるようにした苦肉の策ですね(^^;)

 物語は、結城理久彦という大学生の視点で進みます。
 結城は特にこれといった特技のない、平凡な大学生なのですが、後半から徐々に頭角を現してきます。
 なんとなく小市民シリーズの小鳩くんに似ているかも。ある人物とのミステリ談義も楽しかったです(^^)

 登場人物とともに犯人当ても楽しめます。
 私は全然分からなかったけれど(^^;)
 伏線はフェアだと思います。

 時給11万2000円で7日間というと、1881万6000円。これだけでも高額なのですが、
 ボーナスとして人を殺せば1人につき報酬総額の2倍、殺されれば1.2倍、
 正しい犯人を指摘すれば3倍、探偵役を補佐すれば1.5倍が貰えます。
 ここで、人を殺してまで大金を手にするのかが問題になってきます。
 本作では始めから倫理的側面は無視されていますが、(始めに警告文まで出ている!)
 やはりそれ相当の強い動機が必要だと思います。
 肝心な部分がうやむやにされてしまったのは、残念ですね。
 結局、指1本が何を意味するのかも分からずじまいだったし・・・。

 ところで、本作のハードカバー版は、↓こんなデザインなのです。
 インシテミル
 内容と全く合わない可愛らしいイラストですよね(^^;)
 この女の子は須和名さんかな?
 足が妙に長いなぁw

 ちなみに、タイトル『インシテミル』の意味ですが、
 ハードカバー版には“THE INCITE MILL”という副題が付いていまして、(文庫版には付いてない!)
 直訳すると『扇動製造所』となります。
 この場合は、殺人を扇動する場所、つまり暗鬼館を指しているのではないかと思います。
 でも、それよりも漢字を宛てて『淫してみる』の方がしっくりくるかな。
 それぐらい悪趣味なんですよ、暗鬼館。
 「空気の読めないミステリ読み」が作った館ですから(苦笑)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • クローズド・サークルものが好きな方
  • 三度の飯よりミステリが好きな方!
  • 空気の読めないミステリ読みの方(笑)

■関連

  映画『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』の予告編です↓
  
  原作では参加者は学生が多かったのですが、映画では年齢が高めに設定されているみたいです。
  結城もフリーターになっていたし。
  私は、西野役は北大路さんだと思い込んでいて、ずっと北大路さんの顔を思い浮かべながら
  読んでいたのですが、アリキリの石井さんだったのですね(^^;)
  まあ確かに西野が北大路さんでは、ちょっと具合が悪いか~w
  (これ以上はネタバレになるのでナイショ)

  映画公式サイトはこちらです↓
  映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」公式サイト

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Tag:インシテミル 米澤穂信 クローズド・サークル

COMMENT 4

Thu
2010.10.14
16:41

あかね

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ついに

読まれたのですねi-189お疲れ様ですi-80
映画公開直前i-190
出演者の方々がいろいろTVに出ているので
「うわ~原作、読みたいな~i-199
とは思っていたのですが、私はちょっと先になりそうi-183(笑)

私はタイトル「インシテミル」は、その舞台となる館に「入ってみる?」という意味合いなのだと思っていましたが(勝手にi-201)なかなか奥が深そうi-175
殺し合いっi-282 って聞いて、構えてしまっており、主人公も今まで自分が読んだ米澤作品とは違う感じなのかと思っていましたが、小鳩くんに似ているなら・・・なんだか読めそうな気がしてきましたi-179

わ~~~楽しみ楽しみ~i-1

翠香さんは映画観ますか?

Edit | Reply | 
Fri
2010.10.15
00:31

翠香

URL

あかねさんへ

なんとか映画公開前に間に合いました~。
本作はミステリを追求した作品ということで、
今までの米澤作品とは雰囲気が全く違いますね。
読んでいてちょっと怖かったです(^^;)
殺し合いをするという感じでもないのですが、心理的に恐怖をそそるというか・・・。
結城は、他の参加者に「お前、暢気だな」と言われてしまうような、のほほんとしたキャラだけど、
実は、探偵の素質を持っているという所が小鳩くんと似ているかなと。

映画は・・・観たいけど、原作読んだからDVD出てからでもいいかな~?
それより『死刑台のエレベーター』が気になってます。
あ、それから映画『カイジ』がTV放送されるみたいですね(藤原くんつながり?)
DVDで一度観たけど、もう一回観てみようかなと思ってます(^^)

Edit | Reply | 
Sat
2010.10.16
01:26

viviandpiano

URL

映画のCMで

改めてこの作品が気になっています。
本家バトルロワイアルも読んだことだし、
そのうちチャレンジしてみようかな。
動機とかは、考えないで。

チョーモンインを今読んでいますが、
超能力が出てきて、
そのルールのようなものを考えながら読んでいるので、
結構時間がかかっています(^^;

Edit | Reply | 
Sat
2010.10.16
23:55

翠香

URL

viviandpianoさんへ

これはそんなに殺し合いをする感じでもないのですよ。
でも映画の予告編を観ると、武器を構えているシーンがいくつかありましたねぇ(^^;)
原作と内容が違うのかもしれません。
綾辻氏の館シリーズのような雰囲気は味わえると思いますよ。

チョーモンインの超能力のルールは複雑ですよね(苦笑)
西澤先生の頭脳についてゆけず、頭がグルグルしてきます(^^;)
viviandpianoさんのレビュー、楽しみにしています♪

Edit | Reply | 

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