Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【遠まわりする雛】 米澤穂信

 07, 2011

◆◇◆古典部が駆け抜けた1年◆◇◆

折木奉太郎古典部)シリーズ4
短編集
角川書店 2007.10
  角川文庫 2010.7

4044271046遠まわりする雛 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-07-24

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■あらすじ

省エネをモットーとする折木奉太郎は<古典部>部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理する──。
あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか<古典部>を過ぎゆく1年を描いた全7編。
(角川文庫より)

■感想
 古典部シリーズ第4作。
 本作は、第3作の続きではなく、奉太郎たちが神山高校に入学してからの1年間が描かれています。
 シリーズ初の短編集で、入学してまもなく、1学期、夏休み、2学期、冬休み、3学期、春休みというシーンごとの7編の短編からなります。
 3作目で2学期まで到達していますので、途中まではサイドストーリー的な感じです。
 また3作目までに起こった事件に触れていたり、関係者たちもちょこちょこ顔を出すので、そんなこともあったな~と、なつかしく思い出しました。
 1年を通して、古典部4人の関係性が変わってくるのが分かります。


 【やるべきことなら手短に】
 秘密倶楽部『女郎蜘蛛の会』は毎年たった1枚、勧誘ポスターを貼るという。奉太郎たちはそのポスターを探しに校内を回るのだが・・・。

 『省エネ』を信条とする奉太郎にしてはこの解決策が妥当だったのかどうか疑問ですね。奉太郎自身が後味の悪い思いをしたことでしょう。

 【大罪を犯す】
 数学の尾道先生は、千反田のクラスA組で授業進度を間違えてしまう。先生は教科書に毎回授業進度をメモしていたので、間違うはずはないのだが・・・。

 大仰なタイトルが付いていますが、ここでの謎は瑣末なことです。数学の先生ならではのミスとも言えますが、数学の先生でもこうはしないのじゃないかな~?

 【正体見たり】
 夏休み、摩耶花の親戚が営む民宿に温泉合宿にやってきた古典部
 しかし、摩耶花と千反田は夜中に向かいの部屋に首吊りの影が浮かんでいるのを見たという。

 タイトルの通り、「幽霊の正体見たり」なんですけど、この話はちょっとほろ苦かったですね。千反田さんの憧れを打ち砕いてしまったかな。
 それにしても奉太郎、温泉にやってきて湯あたりするとは・・・(^^;)

 【心あたりのある者は】
 『十月三十一日、駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのある者は、至急、職員室柴崎のところまで来なさい』
 放課後の呼び出し放送がどういう意味で行われたのか?

 これは呼び出し放送を聞いただけで奉太郎が推論を働かせます。部屋から1歩も出ずに推理、まさに奉太郎にぴったり(笑)
 話が意外に大きくなりましたが、論理的で面白かったです。
 ケメルマンの『九マイルは遠すぎる』に似たテイストのようなので、こちらもぜひ読んでみたいです。

 【あきましておめでとう】
 元日、千反田に誘われ、神社に初詣にやってきた奉太郎。しかし、ひょんなことから2人は納屋に閉じ込められてしまう。

 外に助けを求めれば簡単に済むことなのですが、若い男女がそこで何をしていたと勘ぐられるのはやっぱりまずいか(^^;)
 他の短編が伏線となっていますので、前から順に読むのがいいかも。

 【手作りチョコレート事件】
 摩耶花が里志のために作ったバレンタインチョコ、部室に置いていたが里志がなかなかやってこない。千反田が里志を探しに行っていた15分の間にチョコが何者かに盗まれてしまう。

 これもビターなお話でした。高校生ってこんなに屈折しているものなのだろうか?
 これはちょっとやりすぎましたね。まっすぐな人は利用されるか、疎ましく思われるかで損な役回りですね。

 【遠まわりする雛】
 千反田の住む集落では、旧暦の3月に生き雛まつりが行われる。しかし、生き雛たちが練り歩くルートの途中にある橋が手違いにより通行止めになってしまう。

 十二単を着た千反田さん、似合いそう(^^)十二単は女の子の憧れですよね。
 奉太郎は代役で千反田雛に傘を差しかけるお役目をします。
 この一年で2人の距離がぐっと縮まりましたね。お互い恋には疎そうなので、なかなか進展はしないかもしれませんが(^^;)
 犯人は人騒がせな奴でしたが、美しい絵が撮れたのならよしとしますか~。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 青春ミステリが好きな方
  • 第三作目まで読まれた方
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Tag:米澤穂信 折木奉太郎 古典部

COMMENT 4

Tue
2011.03.08
12:30

コースケ

URL

こんにちは

古典部シリーズ、僕も大好きで読んでます。

もう最終話の、奉太郎と千反田さんの、
非常に微妙な会話が、なんとももどかしく
次作「ふたりの距離の概算」が早く
読みたくなってしまいました。

高校生活3年間でこの2人はどうなるのか
楽しみです。

Edit | Reply | 
Tue
2011.03.08
18:50

あかね

URL

わ~!

いいないいな~♪
久々に古典部メンバに会いたく(読みたく)なりました。
そうか、、、1年が経つ、、、んですね♪
私は「心あたりのある者は」が気になります!おもしろそうだな♪
+
それぞれ登場人物たちの「キョリ」も気になるところ。
ビターなエピソードもあるのかあ~★

気合を入れて読みたい作品です!

Edit | Reply | 
Wed
2011.03.09
00:06

翠香

URL

コースケさんへ

コースケさんも古典部シリーズ、読んでましたか~。
『クドリャフカ』から随分間が空いていたので、細かい部分は忘れていたのですが、
1年間をおさらいする感じだったので、ちょっとずつ思い出しました(笑)

奉太郎と千反田さん、もどかしかったですねぇ(^^;)
『ふたりの距離の概算』では2年生に上がり、後輩も出来るようなので、
楽しみなのですが、文庫になるのはあと2,3年先かなぁ?
その頃にはまた内容忘れそうだなぁ(^^;)

Edit | Reply | 
Wed
2011.03.09
00:18

翠香

URL

あかねさんへ

買ったのにすっかり読むの忘れてました(^^;)
タイトルに『雛』があるので、ひな祭り関連かな?と思い、読んでみましたが当たりでした(^^)v
『心あたりのある者は』は、作品の評価が高いみたいですね。
『九マイル』と同じように一つのフレーズから推論を働かせるお話で、面白かったです。

奉太郎と千反田さん、摩耶花と里志の2組のカップルが誕生しそうなのですが、
なかなかすんなりいかないところがもどかしいのですよね~。

全体的に謎はゆるいので、まあ気楽に読むのがいいかと思いますよ。

Edit | Reply | 

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