Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【帽子収集狂事件】 ジョン・ディクスン・カー

 05, 2011

◆◇◆ポオの未発表原稿の行方はいかに!?◆◇◆

フェル博士シリーズ2
長編
創元推理文庫 2011.3

4488118305帽子収集狂事件【新訳版】 (創元推理文庫)
ジョン・ディクスン・カー 三角 和代
東京創元社 2011-03-24

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■あらすじ

《いかれ帽子屋》による連続帽子盗難事件が話題を呼ぶロンドン。ポオの未発表原稿を盗まれた古書収集家もまた、その被害に遭っていた。そんな折、ロンドン塔の逆賊門で彼の甥の死体が発見される。古書収集家の盗まれたシルクハットをかぶせられて・・・・・・。比類なき舞台設定と驚天動地の大トリックで、全世界のミステリファンをうならせてきた、フェル博士シリーズを代表する傑作!

(創元推理文庫より)

■感想
 海外古典ミステリの強化を目標に掲げておりますが、今回、カーの新訳本を読む機会を得ました。
 これは「本が好き!」様からの献本です。ありがとうございます。

 原題は『The Mad Hatter Mystery』
 マッド・ハッターといえば、『不思議の国のアリス』に出てくる「いかれ帽子屋」を思い出しますよね。
 昨年公開された映画では、ジョニー・デップがハッター役を演じていました。
 しかし、本作ではアリスのマッド・ハッターをモチーフにしたわけではないそうです。
 かつてフェルト帽を作る時に使用していた硝酸第一水銀が原因で帽子屋の多くが水銀中毒に罹っていて、
 「帽子屋のように狂っている」という慣用句が生まれたそうです。
 その慣用句をキャロルもカーも利用したのだそうです。

 ここでのマッド・ハッターはちょっと変わっていて、
 あらゆる所から帽子を盗み(帽子というよりヘルメットやかつらも盗んでいるので、要するに被り物ですね^^;)
 街灯や馬車馬の頭や彫像の頭にそれらを被せています。
 そんな珍事をセンセーショナルに書きたて、新聞記者として名を上げようとしているドリスコル。
 それがマッド・ハッターの逆鱗に触れたのか、ドリスコルはゴルフウェアにシルクハットという珍妙な格好で
 殺害されてしまいます。

 さらにミステリーファンにとって興味をそそる事件が起こります。
 ポオがかつて住んでいた家からポオの未発表原稿が見つかるのです。
 しかも『モルグ街の殺人』より前に書かれた、オーギュスト・デュパンの初登場作だというのですから、
 歴史的大発見なわけです。
 これが本当ならミステリーファン垂涎の作品ですよね。
 しかし、その貴重な原稿が何者かに盗まれてしまいます。これは一大事だ!

 本作は、フェル博士シリーズの第2弾です。
 ミステリーにとって、名探偵が魅力的なキャラクターであるのは重要なポイントですが、
 このフェル博士、いたずら好きなお茶目な方のようです(^^)
 首席警部になりすまして関係者を事情聴取してみたり(しかも、妙に芝居掛かっている!)、
 おもちゃのピストルで威嚇してみたり。
 ポケットからうっかりおもちゃのねずみを出してしまうという失敗も(^^;)
 フェル博士のポケットはドラえもんのポケットみたいですね(笑)
 またワトスンという監察医が登場するのですが、
 「リヴォルヴァーはいつも撃てるようにしているのか」といつも訊ねられるので
 憤然としている様子にはクスリとしてしまいました
 ミステリーファンが喜ぶ小ネタを仕込んでいるあたり、カーもなかなかのエンターティナーですね。

 本作では、

  • マッド・ハッターは誰なのか?
  • ポオの未発表原稿を盗んだ犯人は誰で、何処へ行ったのか?
  • ドリスコルを殺した犯人は誰なのか?

 という3つの謎が提示されます。
 それぞれの謎は全く無関係なようでいて、密接に関わりあっています。
 3つの謎の真相には心底驚嘆させられました。
 一番驚いたのはもちろん、ドリスコルを殺した真犯人でしたが、
 ミステリーファンとしては、ポオの原稿の行方が気になりますよね。
 まさかあんなことになっているなんて・・・フィクションで本当によかった(ホッ)

 ラストの事件終結の仕方は意外でした。
 ただ目次で内容が分かってしまうのがなんとも・・・章題にもうちょっと工夫が欲しい。
 罪を憎んで人を憎まず・・・こんな結末があってもいいかなと思いました。
 この物語には完全なる悪人は一人も登場しませんから。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404404

◆満足度

★★★

■特におすすめ!

  • 海外ミステリが好きな方
  • キャラ重視の方
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Tag:ジョン・ディクスン・カー フェル博士

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