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【聖なる怪物たち】 河原れん

 12, 2011

◆◇◆正義は諸刃の剣◆◇◆

河原れん(シリーズ外)
長編
幻冬舎 2011.5

4344019814聖なる怪物たち
河原 れん
幻冬舎 2011-05

by G-Tools

■あらすじ

経営難に苦しむ総合病院に、ある夜、「飛びこみ出産」の妊婦がやってきた。当直の外科医・健吾による帝王切開手術の甲斐なく、妊婦は急死。身元のわからない新生児が病院に残された。直後、手術に立ち会った看護師長・春日井と、健吾の恋人でもある看護師・瑤子が、謎の男に「妊婦のことは口外するな」と脅され、数日後、健吾は院長から、この夜の出来事を理由に病院を辞めるよう言い渡される―。妊婦は何者なのか? なぜ死んだのか? 脅しに来た男は誰なのか? 新生児は誰の子か? なぜ、病院を辞めなければならないのか? 様々な疑問を抱える健吾は、「出産」にまつわるひとつの“真相”にいきあたるが・・・・・・。
(幻冬舎より)

■感想
 テーマ読み特集は、ここでちょっと小休止。ま、「怪物」を無理矢理いきものに加えても良かったのですが(^^;)
 これは、「本が好き!」様からの献本です。ありがとうございます。

 著者の河原れんさんのことは、私は存じ上げなかったのですが、
 奥付の著者紹介を見ると、今年で31歳になられます。お若い方なのですね。
 そして、クリエイターという肩書きもあります。
 この本の表紙の写真も河原さんの作品のようです。
 昨年、北川景子さんの主演で映画化された『瞬』も河原さんの作品だそうです。

 だましているのは、誰なのか?だまされているのは、誰なのか?

 このキャッチコピーに惹かれ、チーム・バチスタや医龍のような医療サスペンスを期待していたのですが、
 読み進めるうちに徐々に事実が明らかになっていくものの、それほどの盛り上がりはありませんでした。
 この作品に登場する人は皆、自分の保身のため、家族を守るため、嘘や隠蔽工作をしています。
 もちろん、それぞれのしたことは褒められたものではなく、犯罪行為も多々あります。
 しかし、根っからの悪人は存在せず、誰しもやむを得ずやってしまったのです。

 まさに保身と正義との間で迷い続けていたのが、主人公の健吾。
 健吾自身も医療ミスを糾弾されることを恐れ、データを消去してしまいます。
 こんな状態になるまで放っておいた妊婦の方が悪い、と心の中で責任転嫁しています。
 健吾は純朴で真面目な医師というイメージだったので、この行為には始め違和感を覚えました。
 しかし、いつも正しい人というのは、自分にも他人にも厳しい人。
 自分を犠牲にしても正しくあろうとする健吾は、つい暴走してしまいます。
 正義という刀を振りかざしても、誰も幸せにはならない。

 だけど、これだけすったもんだあった割には、ラストは尻すぼみな感も・・・。
 健吾の恋人の瑶子がその後どうなったのか。
 三恵の本心も結局のところ、何も分からず。
 もっと凄い結末を予想していただけに、ちょっと肩透かしでした。

 また、この作品は現代日本の医療問題を浮き彫りにしています。
 欧米とは立ち遅れている医療制度、医師や看護師の慢性的な不足等、
 問題提起をしたという意味では意義のある作品だと思います。

■評価(5個が最高)

  ◆トリック度 267267
◆冷や汗度 404404404
◆満足度 ★★★

■特におすすめ!

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Tag:河原れん 医療ミステリ

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