Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【分身】 東野圭吾

 25, 2011

◆◇◆もう一人の私◆◇◆

東野圭吾(シリーズ外)
長編
集英社 1993.9
  集英社文庫 1996.9
集英社文庫ナツイチ2011対象本


■あらすじ

函館市生まれの氏家鞠子は18歳。札幌の大学に通っている。最近、自分に瓜二つの女性がテレビ出演していたと聞いた──。小林双葉は東京の女子大生で20歳。アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か? 現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。

(集英社文庫より)

■感想
 集英社文庫ナツイチ2011対象本です。

 この物語は、鞠子と双葉という2人の女性の視点が交互に入れ替わる形で進んでいきます。
 鞠子は自分が母親と全く違う顔立ちをしていることから、母が自分のことを嫌っているのではと思い悩んでいた。
 ある冬の夜、リンゴ茶を飲んだ後、急激な眠気に襲われ、眠り込んでしまう。
 目が覚めたときは、家は炎に包まれ、母は帰らぬ人に・・・。
 母は無理心中を図ろうとしたのではないか?そんな疑惑が頭をもたげたが、父は何も語ろうとはしない。
 鞠子は、不可解な母の死の謎を解くため、東京へ──。
 一方、双葉は父親のいない母子家庭で育った。
 双葉は大学の仲間と組んだバンドのテレビ出演が決まっていたが、母は強行に反対した。
 双葉は母に内緒でテレビ出演してしまう。しかし、その後双葉のことを聞いて回る不審な人物が現れる。
 そして双葉の母はひき逃げされてしまう。
 警察は事故として処理したが、双葉は母は意図的に殺されたのだと確信していた。

 2人とも母親を思わぬ形で亡くすという悲しい出来事に遭遇してしまうので、読んでいて辛くなってしまいました。
 しかし、それぞれの母親の死には不可解な点があり、2人ともその謎を解くべく、時同じくして調査を始めます。
 そんな2人にはともに協力者が現れます。始めはそんなご都合主義な・・・と思ったのですが、
 その協力者が敵か味方かよく分からないところがハラハラドキドキなんですよね。

 本作は「小説すばる」に連載されていたときは『ドッペルゲンガー症候群』というタイトルだったそうです。
 その後加筆され『分身』と改題し上梓されました。
 このドッペルゲンガー、分身というタイトルと、鞠子の父の研究内容から
 2人の女性に何があったのか、ある程度想像つくと思います。
 本作が書かれたのは20年近く前なので、当時としては未知の領域だったのでしょう。
 しかし近年では哺乳類でも実験の成果が出ており、まんざら絵空事とも思えなくなってきました。
 とはいえ、いくら医療技術の発展のためとはいっても、人間にこの技術を施すのは倫理的に問題があるでしょうね。

 このお話では、2人の男の自分勝手な欲望のために多くの女性を傷つけてしまいます。
 女性が道具のように扱われることに憤りを感じました。
 古来女性は政治的道具として使われてきました。現在では男女平等と謳われておりますが、
 女性が男性と全く同条件で働くことを「平等」と勘違いされている。
 結婚・出産が足枷にならずに働ける環境整備が出来てこその「平等」だと思うのですが・・・。
 双葉の母親の考えは革新的すぎるきらいはありますが、同意しますね。

 意外に重い内容だったので、考え込んでしまいました。
 現在は気分を変えて、昔ハマったシリーズ物を再読中(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • サスペンスが好きな方
  • 最先端医療に興味がある方
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Tag:東野圭吾 ナツイチ

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