Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【夏の名残りの薔薇】 恩田陸

 28, 2011

◆◇◆きれいはきたない、きたないはきれい◆◇◆

恩田陸(シリーズ外)
長編
文藝春秋2004.9
 文春文庫2008.3
文春文庫 秋の100冊フェア2011対象本


■あらすじ

沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。これは真実なのか、それとも幻か? 巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。

(文春文庫より)

■感想
 タイトルから夏から秋へ移り変わる今の時期にピッタリだと思い、読んでみました。
 でも作中の季節は晩秋なんですけどね(笑) 実はこれ、クラシック曲のタイトルなんだそうです。
 なるほど、章題も第一変奏~第六変奏となっていて、クラシック曲を連想させますよね。

 物語の舞台はとある国立公園内の山頂にあるグランドホテル。
 晩秋のある時期、そのホテルは貸切となり、沢渡三姉妹がゲストを招く催しが毎年恒例になっていた。
 そしてメインダイニングで行われる晩餐で、三姉妹が昔の思い出話をゲストに聞かせるのも毎度おなじみである。
 内容はえてしてグロテスクな話が多く、巧みな連係プレーで三人が語り継いでいくのですが、
 実はここで語られる話は三姉妹の作り話なのです。中には一部本当の話も混ざっているらしいのですが・・・。
 この三姉妹を見て、「マクベス」の三人の魔女を思い起こしましたね。怪しげな雰囲気がまさにぴったりです。

 さて、本作は6章構成になっていて、章ごとに語り手が交代するという手法をとっています。
 そして各章の終わりには、登場人物の誰かが死亡する事件が起こります。
 しかし、次の章に入ると、語り手が交代し、時間も前の章の終了時点から少し巻き戻されています。
 やがて前の章である人物が死んだ場面に差し掛かるのですが、
 そこではその人物は死なずにそのままお話は進んでいきます。
 そして章の終わりに別の誰かが死んでしまう──この繰り返しです。
 三姉妹の昔話同様、どれが本当でどれが嘘なのかが分からず、読者は幻惑されてしまいます。

 最終章のみ1年後の設定になっており、関係者たちは再びホテルに集まってきます。
 そこで種明かしをされるわけなんですが・・・種明かしをされてもどうもすっきりしないのですよね(^^;)
 恩田作品は決着をつけずに終わってしまうパターンが多いそうなので、ある程度予期してはいたのですが・・・。
 山奥の豪華ホテルという舞台設定は、ミステリの王道らしく、非常に好みなんだけどなぁ。

 なお、巻末には杉江松恋氏の評論が付いています。
 本作以外の恩田作品も多数紹介されていますので、恩田作品ガイドとしても役立つ内容になっています。
 さらに恩田陸スペシャル・インタビューも付いています。恩田さんの人となりが分かり、興味深かったです。
 それにしても恩田さんって凄い読書家なんですねぇ。
 自分の作品を書くのに忙しくて、他人の作品を読む暇がない、という作家さんもいらっしゃいますが、
 恩田さんは年間200冊読んでいるのだとか。(ご本人は200冊しか読めないとのたまっています^^;)
 いや~参りましたね。私よりはるかに多く読んでいるなんて!速読方法を教えてほしい!w

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • ホテルを舞台としたミステリが好きな方
  • 不思議なお話が好きな方
  • 恩田陸作品をより深く知りたい方
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Tag:恩田陸

COMMENT 2

Thu
2011.09.29
08:22

mokko

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これは♪

確かに今の時期にピッタリの作品かもしれないですねぇ~
映画からの引用が結構出ていて
その映画が見たいなぁ~と思ったりもしたんだけど
結局調べもしないで終わってました(^◇^;)

恩田作品って、完結させないでボカス作品が結構多いけど
コレに関しては、この終わり方でいいのかなぁ~なんて
思ってましたぁ~
速読法を教えて欲しいですよね(-。-;)

Edit | Reply | 
Thu
2011.09.29
23:56

翠香

URL

mokkoさんへ

う~ん、一人ひとりの記憶の中で完結している物語ならいいのですが、
私はxxさんを殺した、と生きている本人の目の前で告白して
「そんなこともあったかもしれない」という合いの手が入るのはちょっと・・・。
私はロジカルなミステリが好きなので、こういう結末は受け付けられないのですよね(^^;)
山奥のホテルという舞台設定は好みなんだけどなぁ。
実は近々、恩田作品をもう一作読む予定なんですが、ちょっと不安になってきました(^^;)

Edit | Reply | 

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