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毛髪再生

【カノン】 篠田節子

Categoryさ行の作家
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◆◇◆死者が奏でる旋律に導かれ・・・◆◇◆

篠田節子(シリーズ外)
長編
文藝春秋 1996.4
  文春文庫 1999.4


■あらすじ

学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは? 幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出す異色ホラー長篇。
(文春文庫より)

■感想
 テーマ読み特集【音楽とミステリ】第4弾は、【カノン】です。
 初めましての作家さん。もちろんお名前は存じ上げていたのですが、
 ホラー系のイメージが強く、今まで守備範囲外だったのですよね(^^;)
 本作もあらすじを見ると「異色ホラー長篇」とあるのですが、
 先に読まれた方のレビューを見ると全然怖くないということだったので、
 これなら私でも大丈夫だろうと思い、読んでみました。確かにあまり怖くはないです。
 一応、幽霊が出てきたり、おかしな現象が起こったりするので、分類としてはやっぱりホラーになるのかな。
 こわーい作品が好きな方には物足りないかもしれませんね。

 さて、タイトルの「カノン」ですが、私は今まで曲名だとばかり思っていました。
 「カノン」というのは、異なるパートが同じメロディを少しずつ遅れて演奏するクラシック音楽の技法のことで、
 「かえるのうた」や「静かな湖畔」でおなじみの輪唱のクラシックバージョンといえば分かりやすいでしょうか。
 色々な作曲家がカノンを作っているので、「モーツァルトの~」とか「パッヘルベルの~」とか言ったりするそうです。
 本作のカノンはバッハ。正確には「反進行と拡大によるカノン」です。
 といわれても何も楽器を学んでいない私にはチンプンカンプンなんですが(^^;)
 篠田節子さんは趣味でチェロを弾くそうなので、音楽に関しては専門的な話もありました。

 主人公の瑞穂も大学時代、チェリストの道を目指していた女性。
 大学二年の夏に瑞穂の身の上に「事件」が起きたことを機に演奏家の道をあきらめ、音楽教師となり20年が過ぎた。
 そして当時瑞穂が思いをよせていた康臣が自殺したという知らせを受ける。
 康臣は瑞穂に1本の音楽テープを託していた。
 テープの中身はまさに康臣が死ぬ直前まで弾いていたバイオリン演奏
 曲はバッハのカノンだったのだが、何故か逆回しに録音されていた。
 そして瑞穂がこのテープを聴くと、息子が喘息の発作を起こしたり、
 教え子が康臣の幽霊を見たと言ってひきつけを起こしたりという奇怪な現象が起こる。

 気味が悪くなり、テープを処分しても、また別のテープに音源が乗り移ったりするのはさすがにちょっと怖かった。
 康臣が何故死を選んだのか、何故カノンが逆回しに録音されていたのかの2つの謎にひきつけられましたが、
 意外と俗っぽい理由だったので、ちょっとがっかり
 康臣が瑞穂にカノンの曲を託した理由は謎めいて書かれていますが、始めから自明だと思うのですが・・・。
 それにしても瑞穂は、教師としても妻としても母としてもキャリアのある女性なのに
 やることは大胆というか無謀というか・・・。
 クライマックスの無謀ぶりには呆れ返ってしまいました。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267
◆冷や汗度404404404
◆満足度

■特におすすめ!

  • クラシック音楽が好きな方
  • バイオリンやチェロの演奏経験がある方

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篠田節子

2 Comments

mokko  

あら~

これ・・・mokkoもチェックしたんですよぉ~
篠田作品は1作しか読んでなかったんだけど
それが結構面白かったので・・・
でもホラー長編と書かれてあったから外したんですよぉ~
ホラーだからミステリじゃないと思って( ̄▽ ̄;)ゞ
でも被らなくてよかった(^◇^;)

そうか・・・無謀だったのね・・・(^◇^;)

2011/11/14 (Mon) 21:08 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

これも後からテーマ読みに加えた1作なんですよ。
私もホラーだからミステリじゃないのかな?と気になってはいたのですが・・・。
その辺は微妙なので、つっこみはなしで(笑)

瑞穂は、年齢のわりには無茶してますねぇ(^^;)
何がきっかけで過去の封印が解かれるかは分からないものですね。

2011/11/14 (Mon) 23:51 | EDIT | REPLY |   

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