Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【磯の香りの謎殺人事件】 瀬川久志

 01, 2011

◆◇◆君に光をあげる◆◇◆

夏光一郎警部シリーズ1
長編
文藝書房 2011.8


■あらすじ

静岡県のとある港に若い男性の水死体が浮かんだ。事故か他殺か?夏光一郎警部は娘の蜜柑らと難事件の解明に挑む。途中駿河湾を震源とするM9の巨大地震に見舞われ捜査は中断。しかし居酒屋のスタッフと地域のネットワークによる推理によって「磯の香り」の刻印に迫る・・・・・・。若い男女の純愛を描いた推理・サスペンス。
(文藝書房より)

■感想
 テーマ読み「音楽とミステリ」は引き続きお休みです。あともう1作で復帰するのでしばしお待ちをm(_ _)m
 これは、「本が好き!」様からの献本です。ありがとうございます。

 作者の瀬川久志さんは、東海学園大学経営学部・大学院教授の肩書きをお持ちです。
 大学の先生とミステリー作家の二足のわらじといえば、やっぱり森博嗣先生を思い浮かべますね。
 森先生は言葉遊びが大好きで、やたらと言い回しが理屈っぽい(^^;)
 (それが結構ハマってしまったりします。まさに森マジック!w)
 一方、瀬川先生の文章は平易なのですが、まだ小説を書き馴れていないという印象を受けました。

 まず、会話文とモノローグがともに「 」で書かれているため、分かりづらいです。
 モノローグは( )にするなど、区別をつけて欲しいですね。

 目次を見ると、暗号解読があるのが分かり、読む前はとても楽しみにしていたのですが、
 解読の仕方がちょっとこじつけで、しかもあっさりと解いてしまったので、肩透かし。
 これでは読者は一緒に暗号解読を楽しめません。
 それに何故ここで暗号が必要だったのかという疑問が残りました。

 この作品は、「夏光一郎警部シリーズ」と銘打ってあるので、夏光一郎が主役のつもりなのでしょうが、
 誰が主役で探偵役なのか、いまいちはっきりしない。
 夏警部より、部下の青山刑事や夏の娘・蜜柑、蜜柑の友人・留美らの捜査に多くのページを割いているし、
 むしろ脇に甘んじている留美が鋭い推理をして解決に導いています。

 さらに気になるのが、民間人が警察の捜査に介入し過ぎている点。
 確かに身内に警察関係者がいるとか、素人が事件に首をつっこんで・・・というミステリはよく見かけます。
 でも、民間人である娘が事件捜査に加わるのを、警察官である父親が黙認するなんてありえないと思う。
 案の定、蜜柑は危ない目に遭うのですが、これとて地震のどさくさに紛れてうやむやになってしまっている。
 また、なじみの居酒屋「笹ゆり」を捜査本部にしているのもおかしい。
 他の客も来るのに、これでは捜査情報が筒抜けになってしまう。

 途中、台風と巨大地震のダブルパンチが夏警部たちを襲います。
 サブタイトルにも「夏光一郎警部、巨大地震と闘う」とあるように、
 夏警部自身が震災で大怪我をし、復興のために尽力する姿は描かれていましたが、
 台風や地震と事件との関連性は全くありませんでした。
 著者は地球環境問題を専門としているそうなので、天災を物語に組み込みたかったのだろうと推察しますが、
 著者がこの物語を通じて、読者に何を伝えたかったのかがどうもよく分かりません。
 肝心の事件の真相に到達する部分は駆け足で、磯の香りの謎が興味深いものだっただけに残念。
 若い男女の純愛がテーマなのに、描き方も中途半端でした。

 このシリーズの次回作も献本いただいているので、次回に期待したいですね。

■評価(5個が最高)

  ◆トリック度 267267
◆冷や汗度 404404404
◆満足度 ★★

■特におすすめ!

  • 純愛ものが好きな方
  • バイオテクノロジーに興味がある方
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Tag:瀬川久志 夏光一郎

COMMENT 2

Sun
2011.12.04
19:06

mokko

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献本って・・・

好きな本を選んで読めるわけじゃないのね・・・
たまたま薦められた本が面白ければラッキーだけど
そうじゃないと辛いですねぇ~
で、続きもあると・・・
次こそ面白いといいですね

Edit | Reply | 
Sun
2011.12.04
22:36

翠香

URL

mokkoさんへ

いえ、自分が読みたいと思う本に申し込む形なので、一応選べます。
でも申込者が多いと抽選になってしまうのですよね。
ここ最近、会員数がもの凄く増えたので、全然当たらなくなってしまって・・・。
この本は、1回目の献本に外れて、2回目があったのだけど、
人気がなかったのか、余ってました(^^;)
残り物に福はなかった・・・。

Edit | Reply | 

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