毛髪再生

【サイモン・アークの事件簿Ⅲ】 エドワード・D・ホック

Category海外ミステリ
 2  0

◆◇◆推理の光で怪異を照らせ◆◇◆

サイモン・アークシリーズ3
短編集
創元推理文庫 2011.12


■あらすじ

悪魔と超自然現象にまみえるため、世界を渡り歩く謎の男サイモン・アーク。狂信的な信仰行為で知られる痛悔修道会の儀式の最中、多数の同輩がいる中で一人の信者が刺殺された事件、呪いのナイフや女妖術師が引き起こしたとおぼしき殺人、警戒厳重な古城からのナチス戦犯の消失…いずれ劣らぬ怪奇な事件に、オカルト探偵が犀利な推理力で挑む8編を収録した、瞠目の第三短編集。

(創元推理文庫より)

■感想
 比較的薄めの本だったので、サクッと読めるかなと思ったのですが、思いのほか時間がかかってしまった(^^;)
 本書は『サイモン・アークの事件簿』の第三巻です。
 サイモン・アークシリーズは全部で61編あるのですが、
 著者のホックが生前、自薦作品を年代や設定に偏りが出ないように三巻に分けたそうです。
 ですので、いきなり第三巻から読んでも内容についていけないということはないのでご安心を(^^)

 さて、このシリーズの主人公・サイモン・アークですが、
 超常現象を調査している悪魔探究人という触れ込みで、怪奇事件が起きると出馬要請が掛かったり、
 自ら首を突っ込んだりして関わってきます。
 見た目は70代の白髪男性ですが、二千年もの長きに渡って悪魔を追い求めているのだとか。
 まさにサイモンの存在自体がオカルトですねぇ(^^;)
 実体は謎に包まれていますが、どうやらかつては僧侶だったらしい。

 そしてサイモン・アークの事件簿を記録するワトソン的存在の「わたし」は、
 新聞記者から書籍編集者となった人物。妻のシェリーと二人暮らしです。
 ところがこの「わたし」の名前はどこにも書かれていません。
 名を名乗る場面でも、「サイモンの友人」などとぼかしているのがまた謎めいています。
 「わたし」はサイモンに誘われると、断れずに遠方でも出かけてしまうので、シェリーはいつも不機嫌。
 サイモンが原因で離婚なんてことにならなければいいのですが・・・。(^^;)

 本書には以下の8編の短編が収められています。 *( )は発表年です。

 「焼け死んだ魔女」(1956)
 「罪人に突き刺さった剣」(1959)
 「過去から飛んできたナイフ」(1980)
 「海の美人妖術師」(1980)
 「ツェルファル城から消えた囚人」(1985)
 「黄泉の国への早道」(1988)
 「ヴァレンタインの娘たち」(1988)
 「魂の取り立て人」(1989)

 いずれも怪奇事件を扱ったものですが、悪魔の仕業・・・ではもちろんなくて(笑)、
 すべて論理的に解決していくミステリになっています。

 この中で私が特に良かったと思ったのが、「ツェルファル城から消えた囚人」と「黄泉の国への早道」です。
 いずれも人体消失もので、刑務所とガラス張りのエレベーターという、
 一見脱出不可能な密室から人間一人が鮮やかに消えてしまいます。
 さながら大仕掛けの手品を見せられたような感じでした。
 「ツェルファル城から消えた囚人」は、特殊環境だからこそ可能な犯罪だとは思いますが、
 読者の盲点を上手くついていますね。
 「黄泉の国への早道」は、一見大掛かりなように見えて、意外と単純なトリック。
 日常生活でも、図らずともこのトリックの罠にはまった方も多いのではないでしょうか。

 なお、ホックはこの第三巻までしか選んでいないそうで、
 第四巻は訳者が厳選した作品集となるようです。
 どんな作品が選ばれるのか、楽しみですね(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • オカルトものが好きな方
  • 気軽に読めるミステリをお探しの方
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
下のバナーをクリックしていただけるとさらにやる気UPしますので、
応援よろしくお願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

サイモン・アークエドワード・D・ホック

2 Comments

mokko  

海外モノだぁ~

この著者は知りませんでしたぁ~
でも内容的に面白そうですね
なんせ妖しいのが大好きなもので♪
主人公からして妖しいというのがたまりませんねぇ~
о(ж>▽<)y ☆

2012/02/04 (Sat) 22:10 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

齢二千歳といったら妖怪ですからねぇ。怪しいですよぉ(^^;)
内容も女子大生たちに呪いをかけた魔女だとか、
痛悔修道会での怪しげな儀式とか、
怪しさ満点ですよ~

2012/02/05 (Sun) 17:03 | EDIT | REPLY |   

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

Post a comment