Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【ラブ・ケミストリー】 喜多喜久

 23, 2012

◆◇◆理系草食男子が恋におちたら・・・◆◇◆

喜多喜久シリーズ外
長編
宝島社 2011.3
  宝島社文庫 2012.3
20第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。


■あらすじ

第9回『このミス』大賞優秀賞受賞作品。有機化合物の合成ルートが浮かぶという特殊能力を持つ、有機化学を専攻する東大院生の藤村桂一郎。ところが初恋によって、その能力を失ってしまった。悶々とした日々を過ごしていた彼の前にある日、「あなたの恋を叶えてあげる」と、死神を名乗る少女、カロンが現われて・・・・・・。東大で理系草食男子が巻き起こす、前代未聞の“日常系コメディ”登場!
宝島社文庫より

■テーマ
 有機化学

■感想
第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。
この時の大賞は、乾緑郎氏の『完全なる首長竜の日』が満場一致で受賞が決定したそうです。
『首長竜』の方は未読なので、どちらがどうといった比較は出来ないのですが、
本作に関しては、ちょっとミステリーとしては弱いかなという印象です。
ま、『このミス』受賞作はえてしてミステリとしては今一つなのが多いけど(苦笑)
ちなみに本作の応募時のタイトルは『有機をもって恋をせよ』だったそうです。
有機化学と勇気を掛けたのだろうけど、ちょっとピンときませんね(^^;)

本作の主人公は有機化学を専攻する東大院生(作中に東大とは明記されていませんが、
読めばそれと分かる描写があります)の藤村桂一郎。
彼は物質の構造式を見ただけで合成ルートが閃くという特殊能力の持ち主。
ところが研究室の秘書としてやってきた真下美綾に一目ぼれしたとたん、その能力が失われてしまう──。

実は私、塩基式のいわゆる亀の子を見ただけで頭痛がするという化学嫌いだったため、
この設定にはいささか不安を覚えながら読み始めたのですが、
何やらすごい研究をしているのね~ぐらいにスルーしてしまえば大丈夫でした(笑)
ちなみに、藤村くんが研究しているプランクスタリンという物質は、著者が考案した架空の物質だそうで、
研究テーマ自体も架空のものなんですけどね(^^;)

さて、特殊能力が失われた藤村くんの元にカロンと名乗る謎の女性が現れ、
恋を成就させて、能力を取り戻してあげるという。
このカロンという女性、実は死神。ある余命いくばくもない人物の願いを叶えるためにやってきたのです。
このカロンの存在が、作品のファンタジー性を強くしていますね。
死神が登場するミステリといえば、伊坂幸太郎氏の【死神の精度】を思い起こします。
【死神の精度】の死神は、対象者を調査する目的で人間界にやってきているけど、
カロンは実に多彩な能力を駆使しています。
ミステリとファンタジーの融合って難しいと思うのですが、
ミステリを重視するなら、ファンタジー要素は抑え目の方がよかったかも。
唯一ミステリらしいのは「カロンに依頼したのは誰なのか」という部分ですが、
これ、早い段階で分かってしまった(^^;) 途中もう一人候補が現れ、多少混乱しましたけどね。
むしろもう一人の抱えていた秘密の方が驚きでした。

藤村くんはこの後、人生の選択に迫られます。
ほぼ予想通りの展開でしたが、ラストがやや駆け足だったのが残念です。

しかし、藤村くん、研究に没頭しすぎて、今まで自分で洋服を買ったことがなかったというのがすごい。
(それまではお母さんが買ってきたのをそのまま着ていたらしい^^;)
貧乏学生なので、お昼はいつもうどんだし・・・。
著者の喜多さんも薬学部出身の理系男子ですが、理系男子学生ってみんなこんな感じなのかなぁ。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • ラブコメが好きな方
  • 理系男子の生態を知りたい方(笑)
  • ファンタジーが好きな方
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Tag:喜多喜久 このミス

COMMENT 5

Mon
2012.03.26
21:44

mokko

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いやぁ~(^◇^;)

このカバーイラストを見ただけでトキメキます(〃∇〃)
植物図鑑を連想しちゃいますよぉ~
これ表紙買いする人も多いかもですねぇ~

そして、昔化学が好きだったけど、全て記憶から消えてるので
不安があったものの、スルーしていいのなら
大丈夫そうですね。
っていうか楽しそうо(ж>▽<)y ☆
理系男子のイメージって、やっぱり少し汚れたイメージでしたよ
研究に没頭してて、身の回りとか自分にかまわないっていうの?
あくまでも妄想です(○ ̄m ̄)

今更ですが、ブログのスキンが可愛いです(o^o^o)

Edit | Reply | 
Mon
2012.03.26
23:51

翠香

URL

mokkoさんへ

実は私も、この表紙に惹かれました(笑)
カスヤナガトさんのイラスト、最近よく見かけますよね。
絵柄が結構好みなんですよね~

主人公が有機化学を専攻しているけど、メインはラブコメなんです。
化学の知識は必要ないので、大丈夫ですよ(^o^)

あ~やっぱり理系男子ってそういう感じですよね(^^;)
髪の毛ボサボサで、薄汚れた白衣を着ているとゆー・・・。

スキンは一応、自作だったりします。
といっても、素材をちょっと加工して組み合わせているだけなんだけどね。
HTMLはほとんどいじらず、CSS使いまくりです(^^;)

Edit | Reply | 
Wed
2012.04.04
11:37

T.A

URL

初めまして

たまに拝読しております。

ブクログのメルマガで興味を持って購入したのですが、うん面白い! と純粋に楽しみました。

後書きや翠香さんからもミステリ要素が弱いと指摘されていますが、再読すると伏線が散在しているので私は充分だと思いました。伏線のおかげで登場人物の設定にブレが無かったように思います。

理系男子の印象ってなんか最悪みたいですが(汚れたって……)、今はオシャレに気を使う理系男子も半数くらいは見受けられますよー。

やっぱり表紙はいいですね、綺麗なのもそうですが細かな配慮も素敵です。タイトルのラブの隣の点がベンゼン環の形だったり。


Edit | Reply | 
Wed
2012.04.04
11:41

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Edit | Reply | 
Thu
2012.04.05
00:00

翠香

URL

T.Aさんへ

T.Aさん、初めまして。コメントありがとうございます。
時々ご覧くださっているようで、うれしいです。

この作品は、ミステリよりもファンタジー要素が強いなと思ったのですよね。
私は読んでいて伏線に気付いてしまったので、驚けなかったのです。
やっぱり気持ちよく騙されたいのですよ。

理系男子ですが、中にはオシャレでカッコいい人もいると思いますよ。
人気俳優のあの人も理系男子だし。
あくまでイメージなので、あまり真に受けないでください(^^;)

表紙イラストはお気に入りです(^^)
ベンゼン環は気付かなかったけど(化学オンチなので^^;)、
文字に試験管も使われていてシャレてますよね。

Edit | Reply | 

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