Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

ミステリ小説・ドラマ・映画のレビューと、フィギュアスケートに関する話題について。ド素人なので初心者にも分かりやすく、楽しくを心掛けていきたいです。

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【硝子のハンマー】 貴志祐介

 21, 2012

◆◇◆泥棒か探偵か◆◇◆

防犯探偵シリーズ1
長編
角川書店 2004.4
  角川文庫 2007.10
20第58回日本推理作家協会賞受賞作。


■あらすじ

日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には防弾ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて・・・・・・。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。
(角川文庫より)

■感想
貴志祐介作品です。月9で『鍵のかかった部屋』が始まるので、
シリーズ第1作を読んで予習しておこうと思ったのですが、第1回O.Aに間に合わずorz
なんだかんだと忙しくしておりまして、読むのに時間が掛かってしまった・・・。
しかもこの本、結構分厚いのですよ(^^;)

本作は、防犯コンサルタント・榎本径と、新米弁護士・青砥純子が活躍するシリーズの第1作です。
ドラマでは、榎本は防犯オタクで、他の社員は変人扱いしているという設定でしたけど、
原作では自らセキュリティショップを経営しています。
防犯に対する知識が高じて、解錠テクニックに長けているため、実は泥棒?という疑惑が(^^;)
一方、純子は背が高く、清楚で知的な雰囲気を持った女性。ドラマのドジっ娘キャラとはずいぶん違いますね。
でも天然なところもあるようで、トンデモ推理を披露しては、榎本に呆れられています(笑)
また、防犯に関する薀蓄も数多く披露されていますので、為になりますね。

本作は二部構成になっており、前半では介護サービス会社の社長が殺され、
逮捕された専務の弁護を純子が請け負うことになります。
二重三重に張り巡らされた強固な密室で起こった殺人事件について、
榎本と純子が何度も推理を構築しては、それを覆す事実が判明するという、試行錯誤の繰り返しです。
そして榎本が何かに気付き、ようやく真相に到達した!・・・と思ったところで前半終了。

後半に入るといよいよ解決編かと思いきや、唐突にある青年の壮絶な半生が語られていきます。
始めのうちは前半部分との関連が全く見えないので、戸惑ってしまいますね。
おそらくこの青年が犯人なんだろうな~と察しはついたのですが、
ちょっと語りが長すぎるので、辟易としてしまいました(^^;)

実は本作、始めは違う人を犯人に設定していたそうです。
しかし、立場のある人物が全てを失うリスクを冒すはずはないという結論に達し、急遽別の人物を犯人に・・・。
この青年にしてみれば単なる傍観者だったのが、突然舞台の中央に引っ張り出された訳で、
いい迷惑ですよね(笑)
読者に対しても「コイツが犯人です」と言ったところで納得させることが出来ないため、
説明が必要になったのでしょう。
そもそも被害者との接点がないので、どうしても動機が薄弱になってしまう。
犯人の不幸な生い立ちには同情するけれど、自己中心的な考えで犯行に及んでおり、
不愉快極まりなかったです。
それなら始めに設定した犯人(実行犯は別の人物でも可)の方が、すっきりしたのになぁ。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 密室の謎に興味がある方
  • 防犯の知識を得たい方
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Tag:貴志祐介 榎本径 青砥純子 日本推理作家協会賞

COMMENT 8

Sun
2012.04.22
09:14

T.A

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昔の貴志さんの方が好きだった

 こんにちは。
 
 ガラスのハンマーはだいぶ前に読んだのですが、作風変わったなと思いました。

 昔の角川ホラーの作品(ISOLA、黒い家、クリムゾンの迷宮、天使の囀り)は序盤で設定に引き込まれ、中盤に謎があり、終盤で謎が解けるも主人公にピンチが訪れ……と、ぐいぐい読まされました。

 貴志さんは元々ミステリーやSFが書きたかったが、評価されたのがホラーだった為そちらを書いてたらしいので、こういう作風になるのは必然だったのかもしれません。

 でも論理を固めることに少し固執してやしないか、と思います。もちろん私は本格ミステリも大好きですが、貴志さんに限るとホラー小説の方が好きです。

Edit | Reply | 
Sun
2012.04.22
17:59

翠香

URL

T.Aさんへ

実は私はホラーが苦手なので、貴志さんは敬遠する作家の一人だったのです(^^;)
でも、昨年の7月に『鍵のかかった部屋』が刊行された時にこのシリーズを知りまして、
今回連ドラ化を機に読んでみました(^^)

前半は堅牢な密室の謎に引き込まれたのですけど、後半がちょっと・・・。
『緋色の研究』の手法を真似てみたのかな?
とりあえず、このシリーズは続けて読もうと思います。

そうそう、T.Aさんは推理研の方なんですね。
ご自分でミステリを書いたりしているのですか?

Edit | Reply | 
Mon
2012.04.23
10:09

T.A

URL

そんな事もありました

 ミステリ、付き合いで書かされました(遠い目)。プロットを考える段階でかなり精神pointが削られます。
 
 今は同好会でblogをやっているのですが、もっぱら記事に専念しております。他のブロガーさんとも交流をはかれればと思い、以前から面白いと思っていた翠香さんのブログに、こうしてコメントを書いている次第であります。
 
 ついでに、この機会にお願いですが、もしよろしければ相互リンクしていただけ無いでしょうか?

 

 

Edit | Reply | 
Tue
2012.04.24
00:00

翠香

URL

T.Aさんへ

ミステリー作家さんは推理研出身の方が多いので、ちょっと憧れだったのですが、
やっぱりプロット考えるのって大変なんですね~
私は高校時代に友達数人で(遊びで)リレー小説(一応ミステリっぽいもの)を書いてました。
プロットなんてなしに皆思い思いに書いているだけという(^^;)
私の前の子がいつもとんでもないことを書いてくるので、大変でした(笑)
だって~外傷ないのに、解剖で体内から弾丸が出てくるのですよ!
どうするんだよ~弾丸・・・。

相互リンク、大学の同好会ブログさんといいのでしょうか?
こちらは全くかまいません。リンクしていただけたら、こちらからもしますので。
よろしくお願いします(^^)

Edit | Reply | 
Tue
2012.04.24
08:26

T.A

URL

ありがとうございます

 翠香さんへ
 
 リレー小説はルールが無いと破天荒な話になりますよね。男女間にも理想に溝があるという話もあります(以下リンク)。 

 http://labaq.com/archives/51477901.html

 相互リンクを受けていただきありがとうございます。今週はブログを管理している者が多忙なようです。週末に作業してくれるそうなので、来週の月曜日に確認してみてください。

Edit | Reply | 
Wed
2012.04.25
23:58

翠香

URL

T.Aさんへ

私の場合は、書き手は皆女子だったので、
そこまで破天荒な展開にはならなかったですね(^^;)
コメントのやりとりでも男女間の違いは時々感じます。

相互リンクの件、了解しました。
来週にでも確認しておきます。

Edit | Reply | 
Mon
2012.04.30
15:41

T.A

URL

確認しました

翠香さんへ

 リンク返しありがとうございます。
 こちらからのリンクが見えづらい位置にある、ホームページからもリンクして欲しい、というような要望がございましたら気軽にどうぞ。改善します。

 また書評記事にコメントしに来ます。よろしくお願いします。

Edit | Reply | 
Mon
2012.04.30
17:53

翠香

URL

T.Aさんへ

こちらこそ。
またいつでも遊びに来てください。お待ちしています。

Edit | Reply | 

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