Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【鍵のかかった部屋】 貴志祐介

 10, 2012

◆◇◆飾られた密室◆◇◆

防犯探偵シリーズ3
短編集
角川書店 2011.7
  角川文庫 2012.4
55TVドラマ化作品(フジテレビ系列 主演:大野智)


■あらすじ

元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。
ほか、欠陥住宅の密室、舞台本番中の密室など、驚天動地の密室トリック4連発。あなたはこの密室を解き明かせるか!?防犯探偵・榎本シリーズ、第3弾!
(角川文庫より)

■感想
防犯コンサルタント(実は泥棒?)・榎本径と、新米弁護士・青砥純子が活躍する防犯探偵シリーズ第3弾です。
ようやく月9に追いつきました~。
本作は4編の短編集です。
純子の天然ボケに拍車が掛かってきましたね(^^;)
榎本が説明している途中で、「わかった!」と叫ぶシーンが度々あり、だんだんイライラしてきました(-^-;)。
話の腰を折るのでさえ、イラッとするのに、決まってトンチンカンな推理を披露するのですから・・・。
榎本に深く同情します(笑)
【硝子のハンマー】では硬質なミステリだと思ったのに、シリーズを追うごとにだんだんギャグ路線に・・・
貴志さんは関西人なので、ボケとツッコミを配置したかったのですかねぇ。


【佇む男】
葬儀会社の社長が、山荘で致死量の数倍のモルヒネを射って死んでいた。
玄関と窓には鍵がかかっており、部屋のドアには白幕が張られ、遺体はその前に座り込む格好になっていた。
ガラステーブルの上には遺言状があり、覚悟の自殺のように見えたが・・・。

これはドラマの第1話でやりましたね。わりと原作に忠実だったと思います。
考えられるトリックを排除していく過程は、【硝子のハンマー】のときと同様に楽しめました。
時間を掛けて完成された密室。遺体がこんな風に使われているとは驚きでした。

【鍵のかかった部屋】
「サムターンの魔術師」の異名を持つ会田が甥と姪を訪ねたその日、甥が練炭自殺を図って死んでいた。
部屋には目張りがされ、色とりどりの紙テープで飾られていた。
会田は、甥が自殺するはずがないと信じ、榎本とともに純子の元へ相談に行く。

これは、単行本発売記念で推理クイズとして出題された作品です。
この時は完全にお手上げだったのですが、物理の知識が必要だったとは!
ドラマでも使われましたが、やはり映像で見るとトリックが分かりやすいですね(^^)

【歪んだ箱】
杉崎が加奈との新居に建てた家は欠陥住宅だった。
施工業者の竹本との交渉が決裂し、竹本を殺害する。
純子は杉崎に依頼されて、事件現場にやってきて、そこで榎本と鉢合わせする。

倒叙形式です。欠陥住宅なので、ドアや窓が施錠されていなくても歪みの為、容易に開け閉めが出来ない。
新しい密室の形ですね。トリックも欠陥住宅ならではのものでした。
杉崎の怒りはもっともだけど、理解者もいたのだし、時間や費用が掛かっても訴えるべきでしたね。
犯罪者になったらおしまいですから。

【密室劇場】
劇団『土性骨』改め『ES&B』が上演中、下手の楽屋で団員の一人がビール瓶で頭を殴られ殺されていた。
出演者は全て上手の楽屋から出入りしており、被害者とともに下手の楽屋に引っ込んだのは一人だけ。
その人物が犯人に違いないが、容疑者3人のうち誰だったのか、誰も記憶していなかった。

またもや出た。三文劇団(^^;)
【狐火の家】でも登場した劇団ですが、人が死んでいるというのに、全く緊張感がないのですよね。
それどころか事件を宣伝に利用しようとしている・・・。
この世界観はまったく受け入れがたいけれど、トリックに脳トレ技術が使われていたのには驚き。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 密室の謎に興味がある方
  • 理系の方
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Tag:貴志祐介 榎本径 青砥純子

COMMENT 4

Fri
2012.05.11
19:46

nemurineko

URL

多摩湖畔殺人事件

今晩は(^^)

『鍵のかかった部屋』読まれたんですね、1作目に比べて格段にコメディ路線にはいってましたね
青砥さんはもう天然ボケというレベルを超えていたようなきがします(^^;
でも密室トリックだけで短編集出されるとはネタ大丈夫なのか心配になってきます

ところで内田康夫さんの多摩湖畔殺人事件を読みましたよ、翠香さんは
まだ読まれてないんですね、岡部警部のシリーズでした。
でも実質主人公は岡部警部の恩師河内刑事でしたけど、岡部警部の過去にも
触れられているのでとても面白かったですよ

Edit | Reply | 
Sat
2012.05.12
00:16

翠香

URL

nemurinekoさんへ

ああ、1作目から本作に飛ぶと、かなりギャップがあるでしょうね。
すでに2作目の『狐火の家』で、純子は壊れかかっています(^^;)

『多摩湖畔~』は、岡部シリーズというよりも、橋本千晶シリーズだと思います。
公式サイトの出版リストは、競演作も全て列挙されているのですよ。
なので、被っている作品もあるのです。
私は浅見シリーズを優先的に進めてきたので、千晶シリーズは手を付けてないのですよね。
これもそのうち読もうと思っているのですが、どうやらしばらく先になりそうです。

Edit | Reply | 
Wed
2015.06.17
20:01

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Edit | Reply | 
Wed
2015.06.17
23:54

翠香

URL

yomotsuohkamiさんへ

初めまして。コメントありがとうございます。

欠陥住宅密室の前例があったのですね。
城平京さんの作品は読んだことがないので、存じ上げませんでした。

本作が刊行されて4年が経つのですね。
榎本シリーズの続編って出るのでしょうか?

Edit | Reply | 

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