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【迷走パズル】 パトリック・クェンティン

 06, 2012

◆◇◆今宵、あなたと探偵を◆◇◆

パズルシリーズ
長編
創元推理文庫 2012.4


■あらすじ

アルコール依存症の治療もそろそろ終盤という頃、妙な声を聞いて恐慌をきたしたピーター。だが幻聴ではなく療養所内で続いている変事の一端とわかった。所長は言う──ここの評判にも関わる、患者同士なら話しやすいだろうから退院に向けたリハビリを兼ねて様子を探ってもらいたい。かくして所長肝煎りのアマチュア探偵誕生となったが・・・・・・。パズルシリーズ第一作、初の書籍化。

(創元推理文庫より)

■感想
う~ん、惜しいタイトルですねぇ・・・いや、テーマ読みの話ですが(^^;)
今回、パトリック・クェンティンさんの著作を初めて読む機会を得ました。
本作は「本が好き!」経由で東京創元社様から本をいただきました。ありがとうございます。

本作は、パズルシリーズの第1作です。
演劇プロデューサーのピーター・ダルースは、二年前に妻を亡くしてからアルコール依存症となり、
現在、療養所でリハビリ中。
ある晩、ピーターは「逃げるのだ、ピーター・ダルース。殺人が起こるだろう」という声を聞く。
その声は紛れもなく自分の声だった。
ピーターはパニックに陥り、暴れだすが、それは幻聴などではなかった。
療養所内では、変事が続発していた。ピーター以外にも謎の声を聞いた者がいたのだ。
ピーターは、レンツ所長から、力を貸してほしいと持ちかけられる。
それが彼のリハビリにもなるし、患者同士の方が話しやすいからというのが理由だった。
かくてにわか探偵となったピーターは、独自の捜査を開始する──。

ところが、ピーターが内偵を始めたものの、声の予言どおりに殺人事件が起きてしまいます。
療養所内で起きた事件なので、容疑者は医師や看護師などの職員と患者に限られるという、
いわばクローズド・サークルものです。

しかし、場所が場所だけに患者たちは、一癖も二癖もある人物ばかり。
看護師との再婚を目論んでいる投資家
どこでもエアタクトを振っている指揮者(でもピアノは上手)
降霊術に憑りつかれた若者
ドラッグストアの店員だと思い込んでいるフットボール選手
一日15回も眠りに落ち、硬直の発作を起こす青年
盗癖のある老婦人・・・などなど(^^;)
このような状況下では、どんなことも起こりうるわけで、犯人としては絶好の隠れ蓑となっています。

療養所では普段は男性病棟と女性病棟に分かれて生活していますが、
夕食後には社交の時間が設けられていて、毎週土曜日にはダンスパーティが催されます。
ダンスパーティには、患者も職員も着飾って出席します。
ピーターはそこで出会ったアイリスという女性に恋をします。
ピーターとアイリスの恋の行方も、このシリーズの見どころの一つとなっているようです。

犯人は実に狡猾な人物。
患者たちの病状を上手く利用し、職員をも欺き、犯行に及んでいます。
最後まで誰が犯人なのか、全く予想が付きませんでした。
私は意外性で、あの人を疑っていたのですが・・・ははは、見事に外れました(^^;)
また、レンツ所長がピーターを探偵に任命した本当の理由が最後に明かされますので、お楽しみ(^^)

本作の原題は『A puzzle for fools』で、直訳すれば『愚者パズル』なのですが、
今回、創元推理文庫刊行に伴い、『迷走パズル』という邦題をつけたそうです。
まさに、ピーターが迷走しながら推理していく様子にピッタリですね(笑)

さて、このシリーズは、
『俳優パズル』、『呪われた週末』、『悪女パズル』、『悪魔パズル』・・・と続いていきます。
特に第2作の『俳優パズル』はシリーズ最高傑作と評されているそうですので、
ぜひ続きを読んでみたいですね(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 海外ミステリが好きな方
  • 演劇が好きな方
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Tag:パトリック・クェンティン パズルシリーズ ミステリー クローズド・サークル

COMMENT 4

Sat
2012.06.09
11:36

DONA

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この本、私も献本申し込みしていました。なのに外れた・・。っていうか、最近全く当選しません。
これなかなか面白そうなので、自分で買って読もうかな??

Edit | Reply | 
Sun
2012.06.10
00:09

翠香

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DONAさんへ

う~ん、会員数が増えたのに献本数が増えないので、なかなか当たらないですよね(^^;)
私も外れ続けた時期がありました。

これは、誰が犯人なのか最後まで分からないので、楽しめますよ♪

Edit | Reply | 
Sun
2012.06.10
11:46

miroku

URL

面白そうですね。
読んでみたくなりました♪

J・グレイディの『狂犬は眠らない』を思い出させる設定ですね。
こちらは精神病院収監中の元CIAエージェントが事件に巻き込まれて、それを解決する物語ですが、抗鬱剤などが切れるまでというタイムリミットの設定が絶妙でした。
徐々に壊れゆく元エージェントたちの活躍ぶりが面白かったです。

Edit | Reply | 
Sun
2012.06.10
17:19

翠香

URL

mirokuさんへ

コメント、ありがとうございます(^^)
『狂犬は眠らない』、確かに似ているところがありますね。
面白そうなので、チェックしておきます。

この作品も、ピーターの思い人アイリスが容疑者となり、
精神鑑定医がやってきて連行されるまでに事件を解決しなければという、
タイムリミットがありました。

Edit | Reply | 

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